■モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482■
バレンボイム(弾き振り)イギリス室内管
バレンボイムは、きわめて指揮者的なピアノを弾く人なので、音楽の見通しが抜群によく、その点をとても尊敬している。このバレンボイム若き日のモーツァルトは、遊びと即興性にあふれたみずみずしいピアノの愉しさも随一だが、驚くべきは、それがスコア全体のなかでの絶妙なバランス感覚でコントロールされていること。彼の意図が隅々まで浸透した有機的な統一感がすばらしく、あたかもピアノパート付きの交響曲のように聴こえる。イギリス室内管の自発性あふれるアンサンブルもすばらしく、すべての奏者がソリスト=指揮者のバレンボイムと心を通わせてムジツィーレンしているような趣がある。K.482は、宇野功芳氏が手放しで絶賛している演奏だが、ソリスト=指揮者バレンボイムならではの、他では聴けないタイプの名演。
バレンボイム(弾き振り)イギリス室内管
バレンボイムは、きわめて指揮者的なピアノを弾く人なので、音楽の見通しが抜群によく、その点をとても尊敬している。このバレンボイム若き日のモーツァルトは、遊びと即興性にあふれたみずみずしいピアノの愉しさも随一だが、驚くべきは、それがスコア全体のなかでの絶妙なバランス感覚でコントロールされていること。彼の意図が隅々まで浸透した有機的な統一感がすばらしく、あたかもピアノパート付きの交響曲のように聴こえる。イギリス室内管の自発性あふれるアンサンブルもすばらしく、すべての奏者がソリスト=指揮者のバレンボイムと心を通わせてムジツィーレンしているような趣がある。K.482は、宇野功芳氏が手放しで絶賛している演奏だが、ソリスト=指揮者バレンボイムならではの、他では聴けないタイプの名演。
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今「ダニエル・バレンボイム自伝」を読んでいます。エピソードものでなく音楽に対する正面からのアプローチを丁寧に綴ったものであるのと、忙しくて時間がとれないコトもあって、なかなか読み進められませんが、早い段階から周りが気付き、指揮を奨められ勉強されてきていたことを初めて知りました。
以前から好きなピアニストの一人で、ドロッとしたバレンボイム節のDGG時代の録音や自由闊達な平均律クラヴィーア集をワクワクしながら聴いたものでしたが、ブーレーズ・フェスティバル(ベルクさんの「室内協奏曲」)では、クレーメルさんを引き立てる損な役回りに思えたし、デュプレさんの「風のジャクリーヌ」(本と映画)では離れていくヒール的役割で、少し減点要素をカウントしていましたが、今改めてバレンボイムさんの偉さを実感しています。