Moments musicaux

ピアニスト・指揮者、内藤 晃の最新情報です。日々、楽興の時(Moments musicaux)を生きてます。

愛聴盤ひとことレビュー(5)

2007年12月07日 | レビュー
■ブラームス:ヴァイオリンソナタ
 ヨゼフ・スーク(Vn)、ジュリアス・カッチェン(Pf)


真摯な音楽家2人が組んだ稀代のデュオの記録。きりっと洗練されたスークのヴァイオリンは慎ましくブラームスのロマンを歌い上げ、それに寄り添うカッチェンのピアノは、一見さりげなく颯爽と流れるようでいながら限りない優しさに溢れ、時折ふんわりとした光で包んでくれる。演奏者の体臭が染み込むことなく、ブラームスの書いた音楽がそのまま純粋に心に届いてくる。
ブラームスってこんなに優しい人だったのか、と認識を新たにさせられる演奏で、聴く度に心からの安らぎを覚える。とりわけカッチェンの詩的な伴奏は絶品。

Brahms: The Violin SonatasBrahms: The Violin Sonatas
Julius Katchen, Josef Suk (violinist)

Decca 2001-04-10
おすすめ平均

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愛聴盤ひとことレビュー(4)

2007年12月07日 | レビュー
■So What: The Best of Michel Petrucciani

ミシェル・ペトルチアーニ(1962-99)は、身長が伸びないハンディを抱えながら活躍し夭折したフランスのジャズピアニスト。その音楽は常に明るく前向きでセンス・キレ味抜群、無垢な音色と強靭な生命力を感じさせてくれるタッチは、リパッティを彷彿とさせるものがあり、聴く度に大きく勇気づけられる。下記のベスト盤は、ライヴ録音を中心に全盛期の代表的なナンバー・録音が収録されていて、ペトルチアーニの至芸が存分に楽しめる。
ちなみに、彼のオリジナルで特に好きなのが「Looking Up」。屈託のないスマイルで聴き手を鼓舞してくれるすばらしい音楽だ。(参考:YouTube

So What: The Best of Michel PetruccianiSo What: The Best of Michel Petrucciani
Michel Petrucciani

Dreyfus 2004-06-08
おすすめ平均

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愛聴盤ひとことレビュー(3)

2007年12月03日 | レビュー
■モーツァルト:ピアノ協奏曲集
 クリフォード・カーゾン(Pf)
 イシュトヴァン・ケルテス指揮ロンドン交響楽団
 ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団


カーゾンのピアノは、どこまでも優しく透明で、ピアニッシモの美の極致とでもいうべきもの。どれもすばらしく美しい演奏だが、両者の音楽性が絶妙の融合をみせるブリテンとの共演による2曲(20番、27番)が絶品中の絶品で、特にモーツァルト最晩年の27番(K.595)がこれほどまでに寂しく、哀しく、美しく響く演奏は他にない。宝物のような愛聴盤のひとつ。ブリテンの指揮はデリケートかつエレガント、同じくイギリス室内管を指揮したモーツァルトの交響曲も極上。室内楽のような精緻なアンサンブルと、抑制された表現からにじみ出る味わいがすばらしい。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20・27・26・23・24番モーツァルト:ピアノ協奏曲第20・27・26・23・24番
カーゾン(クリフォード) イギリス室内管弦楽団 ロンドン交響楽団

ユニバーサル ミュージック クラシック 2001-11-21
おすすめ平均

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モーツァルト:交響曲第38番&第40番モーツァルト:交響曲第38番&第40番
ブリテン(ベンジャミン) イギリス室内管弦楽団

ユニバーサル ミュージック クラシック 2006-09-27
おすすめ平均

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愛聴盤ひとことレビュー(2)

2007年12月03日 | レビュー
■The Melody at Night with You / キース・ジャレット

キース・ジャレットが慈しむように奏でるジャズのスタンダード・ナンバー。とにかく優しく心洗われるアレンジと演奏であり、落ち込んだ時や眠れない時のためにずっとそばに置いておきたい。キースが病み上がりに発表したアルバムということもあって、いっそう無垢で澄み切った演奏になっており、ただただ美しい音楽が心に染み入る。中でもBlame It On My Youthは特に印象深い。

The Melody At Night, With YouThe Melody At Night, With You
Keith Jarrett

Universal/Polygram 1999-10-19
おすすめ平均

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愛聴盤ひとことレビュー(1)

2007年12月03日 | レビュー
■ベートーヴェン:交響曲第9番
 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレ
 1985年ゼンパーオーパーにおけるライヴ


ネタがなくブログが凍るのもあれなので、気まぐれに愛聴盤をご紹介してまいります。

さて、師走です。「第9」の季節。「第9」は、廉価盤ですが、ブロムシュテット=ドレスデンシュターツカペレのライヴ録音が最高。真摯なアプローチ、熱気と緊張感、そして、何より当時の主席ティンパニ奏者ペーター・ゾンダーマンの「燃える」ティンパニの炸裂ぶりには胸のすく思い。同じコンビによるベートーヴェン交響曲全集も実にすばらしく、ドレスデンシュターツカペレの輝かしく深みのある響きが存分に味わえる。

Classical Evolution: Beethoven: Symphony No. 9 Classical Evolution: Beethoven: Symphony No. 9 "Choral"
Herbert Blomstedt / Dresden Staatskapelle

Delta 2002-05-07

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Beethoven: Complete Symphonies (Box Set)Beethoven: Complete Symphonies (Box Set)
Herbert Blomstedt / Dresden Staatskapelle

Brilliant 2004-09-28
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