本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

『「本能寺の変」は変だ!』「一日八十キロって変だ!」

2019年04月28日 | 通説・俗説・虚説を斬る!
【写真は天王山にある山崎の戦い絵図】
 『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』(明智憲三郎著・文芸社・2016年5月)の抜粋をこのブログで順次ご紹介しています。第1回から順に辿れるようにリンクを貼ってありますので、順にお読みください。
 >>> 第1回「はじめに」と「おわりに」

 第16回の今回は第22話「一日八十キロって変だ!」です。

第22話 一日八十キロって変だ!
 光秀を滅亡へと導くことになった秀吉の中国大返し。定説では六月三日の夜に本能寺の変の知らせを受けた秀吉は、翌四日に毛利氏と和睦を結び、一日置いて六日昼過ぎに備中高松の陣を撤収して岡山の沼城に入り、翌七日、大雨疾風の中を二十里行軍して姫路城に到着したことになっています。これも『惟任退治記』に書かれている話がそのまま定説になっているのです。
 不思議なことに備中高松の撤収日についての軍記物の記述はばらばらです。『川角太閤記』は四日、『甫庵太閤記』は六日昼、『絵本太閤記』は五日です。小瀬甫庵以外の二人は「大雨疾風の中を二十里は無理」と考えたのかもしれません。この『惟任退治記』の書いた話がそのまま定説になったのは高柳光寿氏が『明智光秀』にその通りに書いたからです。
 秀吉軍は九日に姫路城を出発して、その後は一日平均して三十キロぐらいの速度で進軍しています。毛利氏の軍則では一日に二十キロと定めているので、三十キロでもかなり速い速度です。一日にマラソン二周分の八十キロ、しかも、大雨疾風の中。一日八十キロはいかにも変でしょう。
(中略)
 
 これだけ明白な証拠があるにもかかわらず定説が覆らないのは研究者の思い込みです。定説が正しいと思い込んでいるので、書状の方が嘘だと判断しているのです。定説を最初に書いたのが『惟任退治記』だという重大な事実がここでも無視されています。
 秀吉も当時の武将たちも撤収準備には二日程度かかるという常識があったのではないでしょうか。そうすると、四日に和睦して撤収準備にかかると撤収開始は六日の昼過ぎとならざるをえません。もし四日に撤収開始したとすると、二日には撤収準備を開始していたことになります。本能寺の変の起きた日です。それって変! 誰でもそう思ったでしょう。秀吉は本能寺の変の勃発を事前に知っていたことになるではありませんか。
 秀吉が光秀謀反のことを知っていたとすると、そのことを秀吉に知らせることのできた人物を見つけねばなりません。
(中略)

  武将は一族の生存と繁栄の責任を負っていました。それを果たすために生存合理性を追求していたわけです。これは信長・光秀しかり、家康しかり、藤孝・秀吉もしかり。誰もが怨恨や義理人情といったレベルではなく、生存合理性に基づく合理的な決断をしていたのです。


 >>> 第17回「みんな勘違いって変だ!」へ続く

 >>>私の主張を裏付けた九州大学教授の論文

【関連リンク】
 >>> 本能寺の変、その「うんちく」間違ってます!
 >>> もはや本能寺の変に謎は存在しない!利休・秀次切腹事件にも!

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 明智憲三郎著の第4作『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』文芸社
 「秀吉がねつ造し、軍記物に汚染された戦国史を、今一度洗濯いたし申し候」。40万部突破の『本能寺の変 431年目の真実』の著者、明智憲三郎がさらなる歴史捜査を通じて、より解り易く「本能寺の変」の真実を解説した歴史ドキュメント! 「ハゲだから謀反って変だ! 」「歴史の流れ無視って変だ! 」「信長の油断って変だ! 」等々、まだある驚愕の真実に迫る!

 本能寺の変研究の欠陥を暴き、「本当の歴史」を知る面白さを説く!
 「若い方々や歴史に興味のない方々に歴史を好きになってもらいたいと思って書きました」
 明智憲三郎

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