本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

大河ドラマ「江」の歴史捜査8:秀吉の天下盗りは嫉妬?

2011年02月28日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 昨日の大河ドラマ「江」では憧れのお市様を柴田勝家に取られたことに怒って秀吉が勝家討ちと天下盗りを決意しました。天下盗りの理由が女性の取り合いにあったとは武将たちも三面記事扱いです。  ★ 本能寺の変は三面記事?  一般の方々だけでなくマスメディアや歴史研究にたずさわる方々までもが陥っている歴史解釈上の誤りは軍記物容認、蓋然性(裏付け)不足と並んで、この武将私人論の3点だというのは私が常々主張し . . . 本文を読む
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BS朝日歴史仮想ミステリー:信長が生き延びたら?

2011年02月23日 | 歴史捜査レポート
 本日の朝日新聞朝刊27面(神・東京版)のBSアングルのコーナーに次の記事がありました。2月27日夜9時のBS朝日歴史仮想ミステリー「if・・・日本はこう動いた!」という番組の紹介記事です。  「記者が個人的に一番影響がありそうだと感じたのが①本能寺の変で信長が生き延びた場合。敵対するようになった徳川家康を破り、世界侵出の野望を実行に移すという。日本人の価値観や生活スタイルも大きく変わったかもしれ . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査7:信長・光秀・秀吉の性格

2011年02月22日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 今回の大河ドラマ「江」でも信長・光秀・秀吉の性格は通説通りに描かれています。  信長はやさしさのある性格に描かれていると評判のようですが、それにしても秀吉や光秀をいきなり殴りますし、光秀に辛くあたるのは通説を踏襲しています。残虐な性格と強調していないところは救われます。なぜならば、信長が性格として残虐という通説は秀吉が作為的に作り、それに軍記物や現代の小説家や歴史研究家が乗ったに過ぎないというの . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査6追加の続き:斎藤利三の介錯

2011年02月15日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 2月13日放送のNHK大河ドラマ「江」第6回は光秀の切腹で終わっていました。この場面で気になったことは光秀の介錯をしたのが斎藤利三だったことです。多分、利三が介錯したというのは史上初めてのことではないでしょうか。  ★ 斎藤利三犯人説を斬る!  通説では溝尾勝兵衛(庄兵衛)が介錯したことになっています。これは出鱈目といわれる軍記物『明智軍記』が書いたことですが、司馬遼太郎『国盗り物語』がこれを . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査6余談:光秀役・市村正親

2011年02月14日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 本日は少し毛色の違うお話です。大河ドラマ「江」を見ている会社の仲間から「ああいう話を見てどう感じています?」という質問をよく受けます。もちろん、「通説が振り撒かれて困っています」とお答えするのですが、最近は「なんだか先週の明智光秀は明智さんによく似ています」と切り返されるケースが増えています。光秀役の市村正親さんと似ているとは誠に光栄です。私より1歳年下の62歳のようですが、あの篠原涼子さんと結 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査6追加:信長の天下太平

2011年02月13日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 本日の「江」では江が光秀と謀反の理由をめぐって対話する場面がありました。もちろん、これは脚本家の創作です。その対話の中で気になったのが信長は「太平の世」を目指していたという江の言葉です。信長の天下統一の目的は当然そこにあったろうと誰もが疑問に思わない言葉だったと思います。  ところが、これが違うのです。  信長は日本統一の先に中国大陸征服を目指していたのです。これは荒唐無稽に見えるかもしれません . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査6続き:光秀辞世の句

2011年02月13日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
【2011年2月13日追記】  意外にも「光秀の天下」というタイトルで一気に光秀の死まで行ってしまいました。そして、予想通り光秀の辞世の句は出ませんでした。光秀の最期の言葉は脚本家の全くの創作で軍記物にも司馬遼太郎『国盗り物語』にも縛られていませんでした。これは喜ぶべきなのか、単に脚本家が自由に発想しただけなのか、評価を留保して「江」のこの先を見て行きたいと思います。  この先は司馬遼太郎『明智軍 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査6:小栗栖の竹薮

2011年02月13日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
【2011年2月13日追記】  本日「江」を見たら、一気に光秀の死まで行ってしまいました。「光秀の天下」というタイトルからするととても意外でした。さらに意外だったのは、「小栗栖の竹薮」が全く出てこなかったことです。土民の竹槍には刺されましたが、竹薮ではなかったですし、小栗栖という地名も出ませんでした。脚本家は何を考えたのでしょうか。新味を出そうとしたのでしょうか。あるいは、「小栗栖の竹薮」は軍記物 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査5追加:光秀謀反決意の理由

2011年02月12日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 日曜日の大河ドラマ「江」は晩酌をしながら見ているので、どうも記憶があやふやなところがあっていけません。先週は肝心な「本能寺の変」でしたので、本日土曜日昼からの再放送をしらふで見直しました。その結果、これだけは言っておかねばならいと気になったことが見付かりましたので追加しておきます。  それは光秀が謀反を決意した理由として「信長も信忠も京都にいる、つまり一緒に討ち果たすことができる」と知ったからだ . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査3続き:光秀のきんかん頭

2011年02月10日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
【2011年2月10日追記】  光秀のきんかん頭を通説にしたのは司馬遼太郎『国盗り物語』であることが確認できましたので、ご報告しておきます。私の歴史捜査の結果では、この通説は1973年NHK大河ドラマ「国盗り物語」放映後に確立した新しい通説ということになります。もちろん400年という歴史の長さでの新しさであり、お若い方にとっては40年も昔の話ですが。  ★ 浅井長政の頭蓋骨  恐ろしいのは、現代 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査2:父・浅井長政の頭蓋骨

2011年02月09日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
【2011年2月9日追記】  1月17日の記事で誤ったことを書いてしまいました。歴史捜査家として基本的な事実誤認をしてしまい申し訳ありません。  大河ドラマ「国盗り物語」で光秀役の近藤正臣が信長役の高橋秀樹に頭蓋骨の杯を口に押し当てられて、口を開くまいと一文字に唇を結び、顔をゆがめて抵抗する場面は司馬遼太郎の『国盗り物語』にも書かれていない、大河ドラマの脚本家の創作と書いてしまいました。今回、抹消 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査5続き:信長の遺体

2011年02月08日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 大河ドラマ「江」でも本能寺の焼け跡で信長の遺体が見付からない、という話が出てきました。インターネットの掲示板を見ていると、信長の遺体が見付からなかったのが謎だと思っている方が結構多いのには驚きます。この謎に本能寺の変の真相が隠されているとあれこれ推理をめぐらす方が多いようです。  でもこの謎は加藤廣さんが2008年に出版し、当時の小泉首相が「これは面白い!」と絶賛した歴史小説『信長の棺』が広めた . . . 本文を読む
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大河ドラマ「江」の歴史捜査5:『明智軍記』踏襲ですね!

2011年02月07日 | 大河ドラマ「江」の歴史捜査
 昨日のNHK大河ドラマ「江」は「本能寺の変」でした。早々にクライマックスが来たように感じ、意外でした。本能寺の変の起きた6月2日あたりまで引きずるのかな、という気もしていましたので。  さて昨日のストーリーは史実に照らすと「完全なる作り話」でした。しかも、歴史研究界では悪書・俗書の極みとして悪名高き軍記物『明智軍記』の創作したお話のオンパレードです。たとえば、以下のお話がそれに該当します。  1 . . . 本文を読む
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