暑くなくても帽子は必ずかぶって撮影に行くのだが、この日は愛用のつばがついた帽子を忘れていた。
腰をかがめて金網でできたフェンスの潜り戸を抜けようとした時に
ピカッと目に光が、久々に感じる衝撃の一瞬、その場に腰をかがめた状態で固まってしまった。
いてぇーと呟きながら潜り戸を抜け振り替えると、目線の上のほうに幅2㎝程の金網の枠が
「ハイハイ頭は低くね、注意しないとねバカちん」と笑っている。
手で頭を触るとフェンスの跡が頭にくっきりと、帽子をかぶっていればよかったと思ったのは後のまつり。
それでも、ハス花のあでやかさに痛みも忘れてシャッターを押した。
