初夏になると白い花びら様の花をつけるヤマボウシは好きな木のひとつだ。
春になると花さか爺さんが、枯れ枝に灰をまいて爛漫の花園をつくる。
やがて賑やかだった山が、新緑に覆われ落ち着きを取り戻した頃にひっそりと白い花をつける。
ヤマボウシの花にみえるのは、葉の一部の苞と呼ばれるもので
花はこの苞の真ん中にあり黄白色の小さな花をつける。
九重方面から新緑の山肌に包み込まれるように走るやまなみハイウエイも
ここ城山展望所を過ぎた辺りで終点を迎える。
大観峰のような賑やかさはないが、阿蘇五岳とカルデラの底に広がる千枚田に水が張られ
阿蘇谷が命を吹き込まれるように輝いている。
相変わらず中岳は勢いよく噴煙を上げている。
足元の立木の中に白いヤマボウシを見ることができる。
まさに初夏の風物詩がここにあった。