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あいらのひみつ箱

2006年の年明けとともにジュリーに堕ちました。日の浅いファンが 勝手な思いを書き連ねるゆるいブログです。

KENJI SAWADA①

2009-11-10 17:00:40 | アルバムレビュー

『KENJI SAWADA』(1976年4月21日発売)



1.MON AMOUR JE VIENS DUBOUT DU MONDE(巴里にひとり)
作詞:G.SINOUÉ/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
2.JULIANA
作詞:Ch.Level/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
3.SEUL AVEC MA MUSIQUE
作詞:G.SINOUÉ/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
4.GO! SUZY GO!
作詞作曲:Tony Weddington,Wayne Bickerton
/編曲:Tony Weddington,Wayne Bickerton,Arther Greenslade
5.追憶
作詞:安井かずみ/作曲:加瀬邦彦/編曲:東海林修
6.時の過ぎゆくままに
作詞:阿久悠/作曲:大野克夫/編曲:大野克夫
7.FOU DE TOI
作詞:G.SINOUÉ/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
8.MA GEISHA DE FRANCE
作詞:G.SINOUÉ/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
9.ITSUMI(いづみ)
作詞:G.SINOUÉ/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
10.RUN WITH THE DEVIL
作詞作曲:Tony Weddington,Wayne Bickerton
/編曲:Tony Weddington,Wayne Bickerton,Arther Greenslade
11.ATTENS-MOI
作詞:G.SINOUÉ/作曲:G.COSTA/編曲:Raimond Gimenes
12.白い部屋
作詞:山上路夫/作曲:加瀬邦彦/編曲:東海林修

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8作目にしてタイトルが『KENJI SAWADA』って・・・一瞬「もっと他にいいタイトル無かったんかい!」
と思ってしまいましたが、どうも海外(主にフランス)に向けた、ベストアルバム的な要素が大きい
らしいと言うことで、まあ、名前そのまんまなタイトルにも一応納得ですわ。
実際、発売はフランスが先行で2ヶ月ほど早く発売されていたらしいです。

上述のように、オリジナルアルバムとは言え、ベストアルバム的な要素が強いので、いわゆるコンセプト
のまとまりにはやや、欠けるところがあります。
ここまでレビューを書いてきた7枚が、それぞれのテーマにおいて非常に統一感を感じさせるのに比べて、
この『KENJI SAWADA』は「おフランスじゅり」、「UKロックじゅり」から「歌謡曲じゅり」まで、いろいろ。
しいて言えば、7曲がフランス語歌詞なのと、追憶とか、そこはかとなくおフランスっぽいので、
「おフランスじゅり」なアルバム、という言い方は出来るかもしれません。
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1.MON AMOUR JE VIENS DUBOUT DU MONDE(巴里にひとり)
日本版シングルについては、過去に記事を書いております→コチラ
フランス語版の感想ということで補足しますと、こちらのほうが声がより甘い印象かしら。例えば
♪MON AMOUR JE VIENS DUBOUT DU MONDE~♪の「JE VIENS」 のところとか、非常に・・イイ!
ヴァヴィヴヴェヴォの「ヴ行」(←ってありますかね?)の音に、「ほらほら、おフランスなのよー」
という主張を感じます(←単純)。

2.JULIANA
軽快なリズムギター、歯切れの良いブラス、ポップでキュートな美じゅりーが頭に浮んできますわ。
最初のAメロは、前半バンドのみのシンプルな伴奏、後半からブラス、ストリングスが加わり華やかに。
サビに入ると、小気味良い鍵盤のリズムや、後半はバイオリンの音に耳が行きがちですが、
ここでの肝は、ずばりコーラスではないでしょうか。
特にサビの前半、収録音量が小さめなせいか、聞き逃してしまいがちですが、このコーラスは渋い!
「巴里にひとり」や、次の「SEUL AVEC MA MUSIQUE」の典型的な女声コーラスと比べて、
低い音域で、ややくぐもった様な発声が秀逸です。
♪J'ai perdu trop de temps~♪からの後半は特に、ヴァイオリンが少々ウルサイ感じでは
あるんですが、このコーラスでうまいこと中和されてるような気がするんですよね。
尚、間奏は非常に短くアッサリで、2番のAメロは、最初からブラス&ストリングスありでにぎやか。
しかし軽やかさを損なってないのは、リズム重視(ギター、ピアノがリズムを担当)になのと、
ブラス、ストリングスを基本トランペット、バイオリンだけと、オケを高音楽器のみにとどめた
あたりがポイントかな。などと思いました。

3.SEUL AVEC MA MUSIQUE
シンコペーションの短い前奏の後、すぐに頭サビという構成。
このサビは、流れるようなフランス語がエレガントに聴こえます。詞は韻を踏んでいるのでしょうか。
まるで、じゅりにフランス語の詞を朗読してもらっているかのような気持ちになれますわ。
♪シャラ ラランラ♪といういかにもなコーラス(存在感あり)とあいまってオシャレです。
じゅりの流れるような歌声との対比で、意外に気だるげ~なピアノが、これまた大人のムード。
・・・・アンニュイ、っていうんでしたっけ?
Aメロについては特にありません(オイ)。ストリングスもきれいだけど、平凡かな。
・・・・サビのほうが断然魅力的だと思います。
ラスト転調後は、じゅりの声にヴァイオリンがオクターブ上の旋律をかぶせ、フェードアウト。
ここらへんで、あえて金属的な音を持ってくる狙いは、イマイチ理解できておりません。

4.GO! SUZY GO!
この曲は74年のアルバム『愛の逃亡者』からの再録ですね。
曲調としてはロックですが、重低音の効いた重いサウンドではないので、ポップス寄りでやや軽めな曲
ということで、このアルバムにも選曲されたのかな、などと想像しましたが、どうでしょうか?

5.追憶
シングルの記事は→コチラ
『Jewel Julie 追憶』収録のアルバムバージョンではなく、シングルレコードバージョンのようです。
『Jewel Julie 追憶』では、ちょっと1曲だけ浮いて聴こえたこの曲、むしろこちらのアルバムで聴く
方がしっくり来ますわ。
ただ、バーションとしては『Jewel Julie 追憶』収録の方が好みですけど~。
尚、久々に聴いた追憶は、タンバリンの音が印象に残りました。

6.時の過ぎゆくままに
シングルの記事は→コチラ

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※②に続きます。

いくつかの場面②

2009-09-04 17:15:27 | アルバムレビュー
※①の続きです。
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まつげ多っ・・・

7.めぐり逢う日のために
美しいけれど、ほんのちょっと不吉な感じのする淋しげなメロディーが好きです。
イントロの静かなピアノの音にのせて入ってくる音、前半はよくわかりません。後半はブラスの音を
シンセで鳴らしてるんですよね?
展開部やサビの裏拍で入るギターは、硬いけれどなんかねちっこい音www
ラストは展開部のメロをヴァイオリンがまんま弾いてフェードアウトなのがちょっとなあ、と思いますが・・・
詞は、このアルバムの中ではめずらしく、イメージが漠然としているんじゃないでしょうか。
わりと具体的なシチュエーションが浮かんでくるような詞が多いですからね。
ミステリアスで素敵な曲です。

8.黄昏のなかで
イントロで、小さなアコギの音→エレキ音→ストリングス、と矢継ぎ早に重ねていくので、静かでは
あるんですが、「煽られ感」があっていいですね。
キーボードがリズミカルなタッチなんだけどモコモコした音で不思議な感じです。
詞のほうは、アテクシのようなデリカシー欠損症の輩が触れたら、もろくも崩れてしまいそうな、
繊細で純粋な愛とでも言うんでしょうか。そういった穢れなき世界が描かれております。
♪初めて愛を知った♪
う~ん。サビは声の甘さが強調されていますわ

9.あの娘に御用心
字余りっぽい歌詞を、(じゅりにしては)さらさらと歌っていて爽やかクールな感じです。
このカッコイイベースは細野晴臣さんなんですって!(皆知ってるって)
いやーかなり好き。細野さん、じゃなくて。このベース!
というかこれ、レコーディングメンバーが凄過ぎですね。キーボードが松任谷正隆さんで、
大滝詠一&山下達郎両氏がバックコーラスって~!
どうりでこの♪アーアー♪を聴くと♪オ~オオ 君とだけ ドーナツ♪って連想しちゃうハズだわ(違
間奏のサックスがいまいち趣味じゃないんですけど、それ以外はすっごくイイ。言うことないです。

10.流転
昨日、①の方で作曲者名を間違えてUPしてしまいましたが(今は訂正してあります)、作詞作曲とも
加藤登紀子さんです。優しくご指摘下さいました白兎様、ありがとうございました。
そんなんで、ちょっと躓いてしまいましたが・・・・・・この曲は渋い!渋すぎです。
ストイックな詞の世界は、一言で言うなら「男は黙って○ッポロビール」(←オイ
かなり演歌っぽい曲で、3番まである所もいかにもなんですが、2番のあとの間奏が結構はじけた
感じで「おっ」とい思わされます。
終わってみるとじゅりの声と、井上さんの揺らぎのあるギターが耳に残りますね。

11.いくつかの場面
東京ドームで、この曲を万感の思い(であったろう)で歌うじゅりを見ることができて、本当に良かった。
プレプレツアーでも歌ってますが、バックの演奏がいろいろ違いますね。
この収録音源では、テンポの揺らぎは殆どなく、全体的に音が柔らかいイメージです。
Bメロの♪まぶたを閉じれば~♪のあたりからのホルン、それにフルートの低音が温かい音で
ぐっと胸に迫ります。

♪離れ~ない♪で声を張るところはケナゲ度MAX。
しかしなんとなくフォークっぽさを感じるのは、字余り加減のせいでしょうか。
2番のサビで涙声になる所、このテイクが採用された経緯には諸説あるようですが、この声が
こうして残っていて、後年アテクシたち(後追いファン)も聴くことが出来て良かったですわ。
泣いてしまった後の繰り返しでは♪出来るならもう一度~♪と、ちゃんと泣くのをこらえて、
声が戻っているところが、余計に涙を誘います。
TGやPYGのころのことなんか思い出してたんでしょうね。うるうる。


【あとがき】
「名盤」と言われるアルバムなので、レビュー書くのにビビッてしまい、思わず当たり障りなさそうな
ことだけ書いてしまいました。
これはコンセプトアルバムではないけれど、詞のストーリーを追って行くと、若者の日常と、そこにある
いくつかの出会いと別れのパターンを曲ごとに織り成してゆくような形になっていて、
俯瞰で見ると統一感があるという・・・・・そして最後に「いくつかの場面」という総括的な曲を持って
くるあたり、たいへん優れた構成になっていると思います。(←え、エラそう?
だから、1曲ずつ聴くのももちろんいいけれど、通しで聴くと、ラストの「いくつかの場面」が、尚いっそう
胸に迫ってくるような気が致しますわ。
しかし、ケータイの無かった時代の恋愛って、何と言うか、純粋でいいものですよね。
(アテクシが高校生のころは、まだあまり普及してなかった。)
好きな曲、絞るの難しいけど・・・・「時の過ぎゆくままに」「外は吹雪」「燃えつきた二人」
時過ぎはシングルなので別格かも知れませんが・・・・
実はド頭からの3曲を、やたらリピってしまうアテクシでございました。

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(終)



いくつかの場面①

2009-09-03 17:16:48 | アルバムレビュー

『いくつかの場面』(1975年12月21日発売)

1.時の過ぎゆくままに
作詞:阿久悠/作曲:大野克夫/編曲:大野克夫
2.外は吹雪
作詞:及川恒平/作曲:大野克夫/編曲:大野克夫
3.燃えつきた二人
作詞:松本隆/作曲:加瀬邦彦/編曲:東海林修
4.人待ち顔
作詞:及川恒平/作曲:大野克夫/編曲:大野克夫
5.遙かなるラグタイム
作詞:西岡恭蔵/作曲:東海林修/編曲:大野克夫
6.U.F.O.
作詞:及川恒平/作曲:ミッキー吉野/編曲:ミッキー吉野
7.めぐり逢う日のために
作詞:藤公之介/作曲:沢田研二/編曲:東海林修
8.黄昏のなかで
作詞:加藤登紀子/作曲:加藤登紀子/編曲:東海林修
9.あの娘に御用心
作詞:大滝詠一/作曲:大滝詠一/編曲:大滝詠一
10.流転
作詞:加藤登紀子/作曲:加藤登紀子/編曲:大野克夫
11.いくつかの場面
作詞:河島英五/作曲:河島英五/編曲:大野克夫
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早いもので、いつの間にか9月になってしまった(汗
そして、36になってしまったわ~(汗汗汗 (←8月生まれなもんで
ダンナには「おめでとう~~もう36か・・・」と言われました。「18歳2人分が濃縮されてるのよ。」と返した
ところ、「普通に18歳2人のほうがいいんだけど。」だそうです。普通にって何よねぇ~?
根に持ったので、54歳になったときも「18歳3人分が濃縮~」って言ってやろうと思います。

いきなり横道に逸れましたが、まあそんなんで、かなり久しぶりの年代順アルバムレビューです。
このアルバムの特徴の一つは、クリエイター陣の多彩さってことになると思うんですね。
それまでの初期のおなじみクリエイター陣の作品から、井上バンドメンバーによる作品(Jewel Julie)へ、
そして海外のクリエイターに一任(愛の逃亡者)ときて、今作は上記の豪華作家陣のお名前を見た
だけでも「昭和~~~」「70年代~~~」という匂いが立ち込めてきそうな感じではありませんか。
ちょっと湿度高め、フォークっぽい?みたいなね。

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1.時の過ぎゆくままに
シングルなので省略します。
過去記事のシングルレビューはこちら

2.外は吹雪
イヤー最初、この詞がサッパリわからなくて~。
♪今年の冬は厳しくて 君の自慢の腕が振るえない♪
なんで冬が厳しいと料理の腕がふるえんのじゃ・・・・冷え性で手がかじかむのかしら~?とか思って
たんですけど、ようは経済的に厳しいわけですね。貧しいけど愛はあるよ、的な詞な訳です。
新婚なのか、同棲なのかわかりませんが、貧しい2人なんですよ。オイルショックとかありましたし、
不景気だったのかも知れないですね(ホントか?)。
音のほうはもう!!♪きゅるるきゅるるきゅるるきゅうう~~ん♪とか♪きゅきゅ きゅきゅ♪とか
(伝わりますかね)井上さんのギターが「たまらん」な感じですよね~。キンキンしない滑らか~な音。
他どうでもいいくらいで(笑)もう♪ふ~ぶきぃ~~~~~ぃやっ!!♪のあとのラストなんて、 
フェードアウトせず永遠に弾いてて頂きたいくらいです。
♪ろうそうくを吹き消したら~♪のじゅりの囁き声が・・・ねえ~(←何よ 
吹き消したあとや、焼きりんご食べたあとを「じゅりーと私」に置き換えてうっとり聴いてた人、ハイ、
正直に手を挙げて!

3.燃えつきた二人
イントロといい、Aメロのアコギといい、マイナーでいかにもフォークという感じの曲調で始まります。
印象は「時過ぎ」にちょっと近い。
しかし、オルガンではなくわりと冷たいシンセの音(柔らかいけど温かくはない音)をもってきてる
のが一味違うといったところでしょうか。
Aメロ×2+サビと単純な曲構成で、Aメロは一拍目に装飾的に「タタタタッ」というカスタネットみたいな?
音がずっと入ってまして、気だるい曲調においてピリッとスパイスになっていると思います。
あと、サビに入る少し前から、わりと唐突にストリングスが入ってくる印象があります。
繰り返し聴いてみるとそうでもないんだけど、何か目立つんですよ。入りの音量かな~?
じゅりの声がか細くて、護ってあげたくなる感じの前半から、切なげに歌い上げるサビまで、抑揚が効いて
いながらも、物悲しさが通奏低音として迫ってくるのは、やはりメロディーの力でしょうね。
これ加瀬さんですか・・・ちょっと意外でした。

4.人待ち顔
詞の内容がかったるいわりにはポップでノリのいい曲。
DY兄様の伝授によりますと、このモヤがかかったような浮遊感のある声は、同じリードヴォーカルの
メロを2回歌ったのを重ねたものなんだそうです。
♪静かですし♪のところの声が萌えポイントですねー。
何かこのアルバムでは、一曲一ヶ所はこういうの(=囁き萌え所)入れてますかね?
♪誰もやってはきませんよ♪のコーラスもいいです。
この曲もギターが冴えてますけど、ギターはやっぱり「外は吹雪」に軍配かな。
及川氏はこのアルバムで3曲書かれてますが、どれもその時代の等身大の若者の内面が描かれている
感じですね。ちょっとモラトリアム期の若者と言いますか。

5.遙かなるラグタイム
昔サザンの曲に似たようなのありましたよね。たしか曲名は「瞳の中にレインボウ」だったと思う。
こりゃ曲構成がちょっとややこしいですね。
Aメロ+サビ+展開+A'メロ+サビ+展開+A'メロ。でしょうか。
A'メロ=Aメロの後半部分のみ、というふうに捉えましたです。
ところで、このステキなキーボードは作曲者の東海林先生自らのテイクなのですね。
軽やかなタッチが女声コーラスとあいまってとってもお洒落です。
この曲はじゅりの声が大人っぽいです。意識してこのような声色にしてるんでしょうか。

6.U.F.O.
すみません。若輩者のアテクシには、この曲の解説はとても・・・・・無理です(号泣
詞も曲も前衛芸術のような得体の知れ・・・・イエ、失礼しました。
詞のほうは・・・・何か、打ち破りたいんですかね。閉塞感みたいなものを。
恋愛を含めて現状にため息ついてる感じが伝わってくるので。
♪見よ!♪で既にビックリですが
♪飛べ!(どどん!どかーん!)♪←って、ひっくり返りそうになりましたよ!
強力なインパクトという意味でアルバム隋一の曲なのは間違いないです。

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※②に続きます。

THE FUGITIVE 愛の逃亡者②

2009-07-11 23:49:32 | アルバムレビュー
※①の続きです。
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ジャケットの中の写真。じゅりってバイク乗るのかしら~良ちゃんは乗ってたけど・・・
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7.恋のジューク・ボックス - JUKE BOX JIVE
前奏から手拍子。途中からすぐサックスが入ってイケイケ感が増幅です。
軽快な流れの中、じゃーん♪というか、ぐわーん♪というか(語彙貧困・・)みたいなギターの音が重みが
あってヒッジョーにいいですわ。
曲のフレーズは少なくて、ひたすら繰り返しなんですけど、全然くどくない。
コーラスがハモリではなく、リードとユニゾンで歌ってる箇所も多くて、バンドとの一体感が感じられます。
実際には現地メンバーらしいですけど。

8.十代のロックンロール - WAY BACK IN THE FIFTIES
曲構成は「恋のジューク・ボックス」と一緒。フェードアウトで終わるところも同じです。
コーラスは女声で最初ソフトな印象です。♪パ シュワ、パパ シュワ♪っていい感じ・・・しかし後半徐々に
ボルテージが上がってきてソウルシスターズな声に変身するあたりがお気に入りです。
しかし、ここでおそらくはアレンジの肝であろう、このペレペレしたギターの音を解説が出来ないのが非常に
残念ですわ・・・・
ホーンセクションの導入で入る間奏のサックスは個人的にはやや興ざめなんですよね・・・ゴメンナサイ。
じゅりの声が出やすい音域なのか伸びやかで気持ちよくて、英語も上手く感じます・・実際発音いいのかも。

9.傷心の日々 - NOTHING BUT A HEARTACHE
ハイ、来た!
バイオリン弾きとしてはこの曲で語らずどこを語るのか!
まあ、まずはベース。最初から存在感あります。
こちらも女声コーラスは思いっきりファンキー。
I've got a lot of~♪あたりでバイオリンのE線キンキン鳴らすあたりの張りのある音色がツボ。ビブラートを
少し控えめにして、堅めに響かせているような気がしますわ。
後半の長音は一音ずつ弓を返してアタックを付けてます。ソウルフルなヴォーカル&コーラスに対抗するのに
ふさわしい音色にしてるんだと解釈致します!
この曲も繰り返しが多いですが、ラストタームではドラムスのアレンジが加わって「おっ」と思わせたり、
やはりアレンジが上手いなって感想を持ったのでした。

10.アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー - I WAS BORN TO LOVE YOU
中々ステキな曲で、シングル「愛の逃亡者」のB面にも採用されております。
アコースティックなギターの音色と、ビブラフォンのようなぼわわーんとした響きが柔らかい印象です。
このぼわわーん♪はアルバム「ある青春」の中の「二人の肖像」でも効果的に使われてます。
そしてこの曲でもバイオリンが多用されてますねー。でもそんなにE線キンキンではなく、むしろD~A線の
揺らぎのある響きの方が聴かせどころかと思いますけど、どうでしょうか~?
曲構成はAメロ+サビの繰り返しだけなんですけど、本人による歌唱を重ねて(輪唱)掛け合いになって
いる箇所があったり、ギターのテンポが変わったりと飽きさせない工夫がなされています。

11.L.A. ウーマン - L.A. WOMAN
まずこの、パーカッションの♪カッカッカッカッ♪は何の音なんでしょう・・・そしてどういう意図なんでしょうか。
「OH!ギャル」やそのB面の「お前のハートは札付きだ」でも同じような音が聴かれるんですが~解らないわ・・・
歌い出しからは同じリズムでタンバリンが被せられ、しゃんしゃんした音が加わります。
ハイトーンでシャウトするじゅりの声はハリがあってパンチが効いてるし、ホント表情豊かな声だと思います。
後半にトランペットのとギターの掛け合いのようになる所があり、サビのラッパが明るい印象。
ラストに向けてタンバリンのビートが倍速になりギターがヒートアップするあたりは必聴でございますわ。

12.キャンディー – CANDY
この曲がかかるとアテクシの心は無条件に「決めてやる今夜」の記憶を手繰り寄せてしまいますの。
じゅ、じゅり~~
まあそれは置いといて、バンドにホーンセクション、ストリングスは言うに及ばず、鉄琴にハープまで・・・・・
すごい構成、ものすごいアレンジなんじゃないでしょうか。楽器多いよ!金かかってます!
まさにトリにふさわしいゴージャスな曲です。
じゅりの「もだえて叫ぶ愛」系の歌を洋風にしたみたいな曲・・・とか言ったら怒られちゃうかなあ。。
展開部に入る前の上昇音階のリズムが3拍子になっているところに注目!
この変則的なアレンジが「今から盛り上がりますよ」と宣言してるかのようで好きなんです~。
クラシックネタを引っ張り出すと、有名どころではブラームス交響曲4番の1楽章に似たようなところが
あるのをふと思い出しました。
しかしこの曲、オリジナル音源はバイオリンの難易度がこのアルバム随一。
ラッパとユニゾンで弾かせられるのはバイオリン弾きとしては心苦しいというか、ちょっと納得いかない
のですが、しかし、実際問題、歌謡曲なんかでは結構あるのよね・・・
後半はE線のハイポジション乱れ弾き状態にハープがかぶさってドラマティックの極致。
そして言うまでもないことですけど、どの楽器の音よりも甘美なじゅりの声
この曲、楽器こそ多いけどコーラスはありません。ただじゅりの声だけをありったけの装飾で味わう、
それは贅沢な甘い甘い「CANDY」なのでした。

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【感想】
詳しいジャンル分けなどは解らないんですけど、「古き良き時代のロックンロール」なアルバム。
ロックな一枚ですが、アレンジはかなりオケサウンドを取り入れた曲もあり、エレクトリックな音とのさじ加減
が絶妙で、耳なじみのいい曲ばかり。
英語が苦手な人でも、とっつきやすいと思いますわー。
聴いているとじゅりがイキイキと嬉しそうに歌ってる様子が目に浮かんでくるような気がします。
アテクシのお気に入りソングとしては「マンデー・モーニング」「キャンディー」が双璧ですわ。

THE FUGITIVE 愛の逃亡者①

2009-07-10 16:58:08 | アルバムレビュー

『THE FUGITIVE 愛の逃亡者』(1974年12月21日発売)

全曲)作詞・作曲:Tony Weddington,Wayne Bickerton
    /編曲:Tony Weddington,Wayne Bickerton,Arther Greenslade

1.愛の逃亡者 - THE FUGITIVE
2.ゴー・スージー・ゴー - GO SUSY GO
3.ウォーキング・イン・ザ・シティ - WALKING IN THE CITY
4.サタデー・ナイト - SATURDAY NIGHT
5.悪夢の銀行強盗 - RUN WITH THE DEVIL
6.マンデー・モーニング - MONDAY MORNING
7.恋のジューク・ボックス - JUKE BOX JIVE
8.十代のロックンロール - WAY BACK IN THE FIFTIES
9.傷心の日々 - NOTHING BUT A HEARTACHE
10.アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー - I WAS BORN TO LOVE YOU
11.L.A. ウーマン - L.A. WOMAN
12.キャンディー – CANDY

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やっと6枚目です。プレジャーブラジャーまでの道のりは長い・・・・
暑さのせいもありちょっとバテ気味だわね~。

6枚目もまたまた全編ロンドンレコーディング。えーっと、ど素人的疑問なんですけど、ココまでのじゅりの
海外レコーディングって、何でいっつもロンドンなんでしょうか。いつも同じスタジオですか?
このアルバムでは、プロデューサーも伴奏も全部アチラの方で統一してヨーロッパに進出したんですね。
まず、初聴きのときの感想は「これ、カバーアルバムじゃないの?」でした。
聴いたのは初めてだけど、どっかで聴いたことあるような曲が沢山って感じでした~。
かなりROCKだけどPOPで、一曲の時間短め。
といっても、洋楽の知識ゼロなので、これはUKロックのウンタラカンタラ~、50'S、60'Sがどうの、とか
そこいらへんで薀蓄タレが出来ないのが残念です。
しかも英語も超苦手・・・「でる単」なんてキライだ~!なアテクシ・・・このレビュー、書けんのか??
まあ、この際歌詞の内容には触れず(!!)「この音好きだなー」とかそういう稚拙な感想文レベルに
なっちゃうけど、年の初めに書くと決めたんで挑戦しますわー。
アテクシはやるといったらヤル!
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1.愛の逃亡者 - THE FUGITIVE
曲名からすると「パリの哀愁」なみの愛の逃避行か、はたまた♪連れて~逃げてよ~♪と、親に背いて
手に手をとって矢切のアテクシ、みたいな感じですが、これがかなり意表をつくファンキー&ソウルの世界。
過去にシングルレビュー書いてるのでよかったら覗いてみて下さい。
訳詞をコメントにて寄せて下さった方がおられましたので、そこだけは(だけかよ)ご覧頂く価値があるかと。
コチラ

2.ゴー・スージー・ゴー - GO SUSY GO
イントロは最初4小節がピアノのみ、次にギターが入ってきて軽快なリズムを刻んでヴォーカルを迎えます。
じゅりの声は冒頭からハイテンション。上ずった声で太めにシャウト
それでもこのあとに来るサタデー・ナイト~RUN WITH THE DEVIL ~マンデー・モーニングの流れに
比べれば、むしろ抑え目って感じ?
伴奏は華やかに感じますが、編成はシンプルで楽器も少ないですわねー。
フンフンフン♪と聴いていると、いつも、あっという間に終わってしまいます。

3.ウォーキング・イン・ザ・シティ - WALKING IN THE CITY
実はわりと印象の薄い曲だったんですが、今回は心して聴き込んでみました。
イヤイヤ、もっとちゃんと聴いておけばよかったわー。素晴らしい構成、ステキな曲です!曲の流れに沿って
説明しますと、
①イントロはピアノのメロに流麗なホルン
②Aメロは静かなピアノを基調に
③Aメロ後半からベースが大きめの音量で入り
④Bメロからバイオリン、ギター、そして
⑤サビは女声コーラスも入り、
段階的に音の厚みが増す構造です。さらに、
⑥2番はその厚みのままいって盛り上がり
⑦ラストはフェードアウト
という、例えるなら一筋のなだらかな曲線のような美しい曲です。
詞がところどころ字余りなのかな~?全編通じて「上手く聴こえる」じゅりの英語がこの曲だけやや拙く
感じられます・・・けど、それがツボったりします

4.サタデー・ナイト - SATURDAY NIGHT
これ、元ネタ(って言っていいのか)ありますよねー。わりと有名な曲で。
伴奏で耳に残るのは、軽快なピアノのリズムと、裏打ちのタンバリン。
合の手ではいるペットでパンチを効かせてる感じですけど、冒頭からシャウトしまくりのじゅりの前には
迫力不足でさえあるような気が~。アタックが弱いわー。打ち込みなのかしら。
ボーカルのハモリは本人の声みたいです。
後半展開したあとに伴奏を絞ったところがカッコイイ。

5.悪夢の銀行強盗 - RUN WITH THE DEVIL
硬派なバンドサウンド。
ずっと♪RUN RUN RUN♪と歌っている、男声コーラスの低音パートが気になります。
リスムギターの割れたような音がカッコイイんですが、これはどんな種類のギター(あるいは奏法)
なんでしょうかね~。って無知丸出しですみません。
(「夜の河を渡る前に」にも同じような音があると思うんですけど・・・)
わかる方いらしたら、教えて下さいませ。

6.マンデー・モーニング - MONDAY MORNING
この曲はいいですよ~。もう大好き。
ギター2本(たぶん)で入るイントロからは、緩やかな曲を連想しますが、すぐ曲調が変わり、
じゅりは、このアルバムの中でもひときわ太い声を放ってます。
♪MONDAY MONDAY MONDAY MONDAY♪と音が下降して行く所の低音の響きにめっちゃ
痺れますよねぇ~~
続く間奏は、短く幻想的なサウンドが挿入されてステキです。すぐ元に戻りますが。
あと、ドラムスはシンバルの残響が気になります・・・これまた不思議な感じで。
このアルバムの収録曲の中で、アレンジはトップ3には入る出来栄えなのではないでしょうか。

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※②へ続きます。