goo blog サービス終了のお知らせ 

あいらのひみつ箱

2006年の年明けとともにジュリーに堕ちました。日の浅いファンが 勝手な思いを書き連ねるゆるいブログです。

君だけに愛を

2010-01-07 08:47:32 | TGシングルレビュー

A:君だけに愛を
作詞:橋本淳/作曲:すぎやまこういち/編曲:すぎやまこういち
B:落葉の物語
作詞:橋本淳/作曲:すぎやまこういち/編曲:すぎやまこういち
(1967年12月25日発売)※68年1月5日説もあり



【君だけに愛を】
右はシャララ~ 左もシャララ~状態のじゅり界の流れに逆らって、本日取り上げますのはコレ!
寅年ですもの、やっぱり新春1曲目は、王道トラソングよ~ 

作曲者すぎやま先生は、タイガース初期シングル四部作を、交響曲を念頭において作曲なさった
そうで、「君だけに愛を」は、交響曲でいう4楽章になりますね。まさに終章にふさわしい高揚感
を味わえる、アゲアゲな一曲ではございませんか!

タイガースの代表曲って、売り上げは「銀ロマ/花首」が一番みたいですけど、アテクシ的には
やっぱりこの曲ですわ!

♪チャリ~ン(←ギター) ベ ボンボンボンボン・・・(←ベース)
とまずはオカルトチックなイントロね~と思いきや、
♪オープリーズ オープリーズ♪
って唐突な懇願(しかも反則声)。続いて
♪僕のハートを 君にあげたい♪
君が欲しい~とかじゃなく、あげたいって・・・・・・あんたは女子か!
例の君だけに~の黄金の人差し指できゃあきゃあ言わせた後は
♪僕の胸のつぶやきを♪
で表拍をカンカン叩いてたドラムが変則になって、ベースと一緒に煽るのね~
このあとの♪チャチャ~チャン♪とか、GSっぽーい音のギターもいいです。
♪同じくタッチしーたーいー♪の後の♪チャチャンチャ~ン♪とかね。

(※表現力がないのでチャ~ンとかばっかりの文になっちまいスミマセヌ)

間奏のギターは、教則本のアルペジオ練習みたいなフレーズですけど、後半はカッコイイメロに
なってますわ。

そして、シンプルな伴奏なれど、それを補って余りあるのがコーラス!
男声コーラスでオクターブ半の音域があるというのはホントにすごいです。びっくりです。
一瞬ゴ○ペラーズと間違え・・・・・・・・はしませんけど~
このコーラスを際立たせるために、アレンジはあえて抑え目なのかしら?

シンプルにバンドのみのサウンドで、ロック度高め。
でも、どことなくウエットな質感の音色と、乙女チックな歌詞。
これぞGS!って感じがしませんか~~

ところで。
だいぶ前のことなんですが、某動画サイトで、この曲のライブ音源(同窓会ではない)がUP
されてたんですけど、あれはすごかったわ~!観客が。
♪君だけに~♪きゃああああ~~
♪君だけに~♪うんぎゃあああああ~~

みたいな。もう理屈じゃなくて脊髄反射で叫ばずにいられない~って雰囲気でした。
で。その音源について、どこに収録されているものなのか、わかる方はいらっしゃいますでしょうか。
音源のみだったんで、たぶんアルバムだと思うんですが・・・

やっぱりこの曲は、「乙女の嬌声」が入って完成、なのだと思いますんで、ぜひあの時聴いた
ライブ盤を手に入れたいです。
もしご存知の方がいらしたら教えてくださいませ。


【落葉の物語】
「君の美しさはバロックだ」
建築家の故・黒○紀章氏は、かつて、妻で女優のナントカさん(忘れた)の美貌を、こう言って
褒め称えたとか。
ならばアテクシはこう言いたい。「落葉の物語・・・この曲の美しさはバロックだ!」

あれ~~、皆さん、ついてきてますか~?

というわけで、タイガースのクラシカル路線の楽曲群にあっても、一味違った味わいなこの曲。
曲全体を通して伴奏の主役はチェンバロ!
ストリングスをかなり抑え目にしたアレンジは、ロマン派以降とは一線を引いた作風となって
おります・・・・という気がする。

イントロがチェンバロで、続いて、
♪長い 坂道♪
という歌いだしの節回しに、どうしても
♪そばかす なんて♪
という一節が浮かんでしまう人はアテクシだけじゃないはず。

Aメロ一回目はユニゾンで歌っていて元気でかわいらしい感じ。
2回目はアンソニーじゅりのソロで、甘~い声。

間奏部分のコーラスは、ストリングスでやってもよかったと思うんですが、どうでしょう。
これだと、トッポの声質のせいか、ちょっと合唱コンクール風に聴こえます~。
そういう雰囲気をあえて狙ってのことかも知れないですけど。

全体的にクラシックムードで統一されてますが、展開部に入る前のドラムが、やけに威勢がよく
シャープな音で、ここらへんに唯一、バンドとしての主張みたいなのが出てるのかな~なんて
思ったり。

詞の面では、君愛のさらに上を行く意味の無い歌詞がステキ。
愛のショコラテって何ぞや?
コートに包んだら、チョコ溶けるで~とか言っちゃダメなんですよね(笑)

いずれにしろ、B面傑作群の1曲であることは間違いなさそうな、美しい曲でございます 

美しき愛の掟

2009-11-23 01:58:01 | TGシングルレビュー

A.美しき愛の掟
作詞:なかにし礼/作曲:村井邦彦/編曲:村井邦彦
B.風は知らない
作詞:岩谷時子/作曲:村井邦彦/編曲:村井邦彦
(1969年3月25日発売)


さて、1ヶ月ぶりにタイガースのシングルを取り上げますわ~。
今日のお題は、「特に好き」という方も多いと思われる、AB両面とも、ひときわ魅力的なこの一枚
でございます。
これ、トッポ脱退後初めてのシングルだそうで、そういえば、映画『ハーイ!ロンドン』の中で、
シローさんも、白いスーツを着て、タンバリンしゃかしゃかしてましたねー。
他のメンバーは白スーツなのに、じゅりだけスケスケブラウスで、初めてスクリーンで見た時は
思わず鼻血ブー・・・・ってその話はおいといて。
数字的には、オリコン4位のレコード売り上げ27万枚だそうです。
メンバーチェンジなどでワラワラしつつも、さすが、数字はしっかり残してるようでした。
-------------------------------------------------------------------------------

【美しき愛の掟】
なんと言っても、なかにし礼さんの作詞が圧巻。
「つながれても、そしられてもかまわない、獄死上等!」という、見ようによってはヤバイ感じの、
すさまじい恋愛ソング。
悲痛な表情で熱唱するじゅりの姿や歌声からは、被虐的な喜びさえ感じられる・・・・・・
などと思うのは気のせいでしょうか。
いきなり♪重い罪をおかし♪と始まり、ものすごい障害が立ちはだかる恋愛であることを力技で宣言。
さらに2番では♪君が死んだときは・・♪ってもう、死ぬのが前提みたいになってて、
ロミオとジュリエットのGSヴァージョンとでも言うべき、壮絶な世界ですわ~。
このおどろおどろしさは、チャイコフスキーじゃなく、プロコフィエフの方ですわね。そして、
♪青い空に舞う 白い君の手♪
♪赤い太陽に 光る砂♪

と、天も地も、あらゆる色彩をも取り込んで、ひたすら壮大なスケールで展開していきます。
星とか花とか夢とかが多用されるのは、GSソングの特徴のひとつだと思いますが、
そこに加えて「罪」「鎖」「牢」そして「死」などのショッキングな言葉を持ってくることで
リアリティの無さはそのままに、韓流ドラマにも匹敵する劇的な悲恋を表現・・・・・すごすぎです。
もう参りました、という感じですわ~。


さて、サウンド面に注目しますと、ロックなイメージですが、始まりのテンポは意外とと遅いんですね。
ドラムス(シンバル)がアウトタクトから切り込んだ後、ギターの繰り返しのフレーズがすぐに入り、
そして、(注意していないとあまり耳につかないんですが)、歌い出し最初からキーボードの音が
入っていて、不穏な雰囲気をかなり煽っています。
じゅりの声は♪鎖につながれても かまいはしない♪のあたりなど、甘くソフトな王子ヴォイスとは
一線を画し(あくまで、当時のそれ以前の曲との比較ですが)、低音部もしっかりと意志を感じる
力強く響く歌声です。

ただ、コーラスは最後の方に少しだけで、しかもエコーのような処理がなされていて、誰の声だか
よくわからないし、ハモってもいないですよね。
じゅりのボーカルをひたすら堪能して頂戴、という事みたいですわ。
♪キュワンキュワンキュワ~ン♪というギターがゾワゾワきて気持ち悪くて気持ちいい。
(で、わかるでしょうか?)

しかし、2番からのギター、ベースはホントにかっこいいですよね!
1番と比べると、テンポも上がっており、伴奏も高ぶりを見せます。タローやサリーのファンは、
ここら辺で身を乗り出して聴いていたことでしょうね~。
ギターの重めでねちっこい音が渋くで好みです。

あと、じゅりは♪花がこぼれても♪の「れ」が巻き舌になってるんですが、そんな、少し力んだ所など、
懸命さが伝わってきて、どうにもけなげに感じますわ。
2番の後の間奏はオルガンの音がクローズアップされ、♪永遠に君だけを♪
とじゅりの絶叫が掻き消えていく中、伴奏が鳴り響き、やがてフェードアウトして悲劇的に幕。
コーラスのエコーがちょっとうるさすぎだと思いますが、『君だけに愛を』の悲恋版といった雰囲気の、
濃厚な味わいの一曲でございます。



【風は知らない】
濃厚な曲のあとには、さわやかなフォーク調のサウンドで中和するのがよろし。
という意図かはわかりませんが、対照的な曲がカップリングされております。

ゆったりとしたアコギのイントロでおだやかに始まります。
じゅりの声も優しく柔らかく、美しい。
♪きれいな虹に めぐりあう日を♪
と展開部からは、コーラスとヴァイオリンが前面に出て若干高揚していきます。
♪雲の波間をさまよう♪
と弛緩する部分のアコギも軽やかで美しいですね。
♪昨日鳴る鐘も 明日はない♪のハモリはトッポの声に聴こえます。
うーん、このハーモニーこそがタイガースですよね~。
やっぱりトッポは美声ですね。じゅりのさわやかでソフトな声に、ノーブルで高らかなトッポの声が重なって、
極上の響きこの曲で一番好きな所です。
この年にトッポが脱退しちゃったなんて・・・もったいなさ過ぎ。
「トッポ、なぜ辞めたーー!」(←「なぜ、死んだーー!」風にお願いします。)

ところで、タイガースの音源を聴くまで、この曲は「あんじょうやりや」のDVDや、ドームの音源でだけ
知っていたんですが、このTGシングルの音源を聴いて、この曲を歌うときのじゅりの歌声の変わらなさ
にもビックリしました。
出来ればドームの前に知っていたい曲だったな・・・とちょっとしんみりしたりして。

スマイル・フォー・ミー

2009-10-22 17:54:13 | TGシングルレビュー

A:スマイル・フォー・ミー (Smile for me)
作詞/作曲:BARRY A. GIBB/MAURICE E. GIBB/ROBIN H. GIBB
B:淋しい雨 (Rain falls on the lonely)
作詞/作曲:RONALD F. BOND/RONNIE SEBASTIAN
(1969年7月25日発売)


--------------------------------------------------------------------------
世間では、正月ライブのツアータイトルが「歌門来福」とかで盛り上がっておりますが、
わが箱にはかかわりのネエこって。というか、完全に乗り遅れましたわ。
ということで、タイガースですよタイガース。めっちゃ聴いてます。

本日のお題は「スマイル・フォー・ミー」です。
ビー・ジーズのギブ兄弟が作詞・作曲を手がけたことで当時は話題になったとの事。
なんと、あのビー・ジーズ!・・・・ってすみません。実は名前くらいしか知りません。
どうせアテクシは無知ですわ。しくしく

レコジャケには「1968年の2月19日と6月22日の2回、ザ・タイガースと英国のザ・ビー・ジースは
国際電話で話し合いましたが、それ以来、この2つのグループは大の仲良しになりました。
って書いてあるけど・・・ホントかいな。まあいいや。ツッコまないでおこう。
あと、この曲は映画『ハーイ!ロンドン』に出てきますよね。
確かビー・ジーズのお方もチラッと出てませんでしたっけ??(まつがってたらゴメン)
オリコン・チャートでの記録は最高3位だそうで、タイガース後期における大ヒット曲なんですね~。
GS全体の人気が下降気味だった中、オリコン3位とはさすがです!
--------------------------------------------------------------------------

【スマイル・フォー・ミー】
ちょっとあざとい程に情緒的なメロディ(批判ではないです。お気に入りです。)で、ホロリときます。
意外に音域の広い曲で、若いじゅりの甘い低音ソフトヴォイスから、のびのび高らかな歌声まで、
思う存分味わえますわ。

イントロから、柔らかいピアノ&ギターの音、ストリングスの低音、そこに流れるようなハープと、
惜しげもなくゴージャスに楽器陣を投入。
♪Smile for me♪ ♪Don't let me see you crying♪
Aメロの最初は、シンプルにギターに乗せて歌い出し、
♪Smile for me♪ ♪If only for a moment♪
ホルンでつないでストリングスが入ります。ヴァイオリンのトリルが、カッチリした音でアクセントに。
♪One moment of sadness~♪
展開部に入るところのホルンがヒッジョーに美しいですね。
ココらへんはコーラスが見せ場です。
♪You must pray for my return♪
のところは、ブラスの低音がバリバリ響きます。

そして繰り返しの後、転調して(余談ですが、転調後の譜面は♭5個ですわ・・・に、ニガテ~)、最後はハープが
けたたまし(ゴフゴフ・・いえ、ゴージャスに鳴り響く中、ユニゾンで高らかに歌い上げるのでした。

軽やかで甘くソフトな印象の曲ですが、音の層自体はけっこう厚いですね。
ギターが柔らかで優しい音色であるのと、金管がラッパじゃなくホルンなので、室内楽アンサンブル
のような優雅なイメージに仕上がっているのではないでしょうか。


【淋しい雨】
こちらはビー・ジーズ作品ではないんですが、A面と同じくロンドン録音で、英国発売盤では
こちらがA面だったとのこと。何ででしょ?
最初、曲名から、湿っぽい悲しげ~な曲を連想しておりましたが、そうじゃ無いですね。
むしろ(詞に比べて)サウンドはカラッと明るい感じ。
甘く情緒的なA面とは好対照と言えましょう。
フルオケ付ながら、バンドの躍動感が充分伝わる、エッジの効いた曲だと思いますわ

それはいいんですけど、レコジャケなんですが・・・・・あれ~?歌詞がちが・・頭サビ丸ごと欠落?
CD(シングルコレクション)の歌詞カードの方はちゃんと書いてあるんですが~。
しかも、最後の5行、歌われないまま、曲終わるんですけど
で、この点に関してあちこちググる羽目になりました。
(どうやら、最初ジャケ歌詞のバーションがあって、後から、収録音源(CD歌詞)の形になったらしい)

さて、イントロは、とにかくビート感を前面に押し出し、ブラス隊がバリバリっと入ったところで、
いきなりサビ。頭サビでガツンとくらわせる魂胆です(?)
続くAメロは、
♪A man who found ahole to dig again.♪
って、符点のリズムが歌いづらそう?に感じます。
尚、この部分、2番の同じ箇所、
♪Do I need to find a friend today?♪
は少しリズムを変化させて歌ってるんでしょうか?

しかし、この曲はサビがいいですよね
①じゅりが伸びやかに歌い
②コーラスが効いてて
③バンドとオケがいいバランスで(←ココ重要)鳴ってる
のがタイガースの良さだと(勝手に)思ってるんですが、それらをバッチリ満たしてると思いますわ。

じゅりの歌い方では
♪A cloud in the sky~あ~あ~♪
♪A tear in your eye~あ~あ~♪
あと、 ♪know her name~え~え~♪
とか、語尾で音をずり上げるのが、こなれた印象でいいです

転調後(そう、このレコードはAB両面転調攻め)、じゅりの声だけで1フレーズ聴かせた後は、
高弦とブラスが盛り上げまくり、そしてフェードアウトしていきます。

若いじゅりが素直な声、歌い方で、伸びやか~に歌ってるところが、聴いてて気持ちいい、
珠玉の1曲です 

銀河のロマンス

2009-10-08 00:54:03 | TGシングルレビュー
2009.10.9追記アリ。
マニアックすぎかなと思ってボツにした部分なんですが、やっぱりUPしてみます。
ご興味がある方だけ、ドゾ。
-------------------------------------------------------------------------------



A:銀河のロマンス
作詞:橋本淳/作曲:すぎやまこういち/編曲:すぎやまこういち
B:花の首飾り
作詞:菅原房子,補作詞:なかにし礼/作曲:すぎやまこういち/編曲:すぎやまこういち
(1968年3月15日発売)




さて、久々のTGシングル記事です。
現在当ブログでは、左サイドバーにバナーを貼らせて頂いております、大阪のじゅり映画イベント
「Julie's Movies ~ジュリー映画特集~」に協賛中でございます!
といっても、バナーを貼ってるだけでは目立たないじゃ~ん。つうことで、本日は、上映予定作品の一つ、
「世界はボクらを待っている」のメインテーマ曲(?)「銀河のロマンス」をチョイスでございますわ!

えっと、このシングルは、あくまで「銀河のロマンス」がA面なんですよね。
(両A面と書かれている資料もあります)
しかし、世間の印象としては「花の首飾り」のほうがメジャーだったりしてます?
アテクシ的には花首はあまり興味ないんだけど・・・。
だってアテクシ、タイガース云々の前に、じゅりのファンですから~。
まず、歌ってるのがじゅりじゃないと、その時点でスルー曲に・・・激トッポ派の方、誠にすみません。
そんな隔たりまくりの視点からですが、あらためて2曲とも、じっくり聴いてみました~。

-------------------------------------------------------------------------------

【銀河のロマンス】
徹頭徹尾メルヘンで甘美な乙女の世界。「星のプリンス」路線ですね
上記映画の中で、白い王子様ルックのじゅりが浜辺で歌うシーンは、一つのハイライトとも言えましょう!

こういう曲を聴くと、勤務先の景気が悪いとか、3歳過ぎた息子のおむつが取れないとか、
週末の針治療がユウウツとか、世知辛い浮世のウサは忘れられそうではございませんか~!

曲構成は(Aメロ+サビ)+展開+(Aメロ+サビ)+サビ+展開+(Aメロ+サビ)・・と解釈してみました。
(違う解釈もあるようですが~)

まず、前奏の弦楽アンサンブルが優美ですね。
低弦から入り高弦に受け渡すパターンはクラシックでも良く使われるかも。
ハープや鉄琴が多用され、メルヘン度UPに貢献しております。

♪アイ・ラブ・ユー 燃えるほほに♪
展開部のヴァイオリンのピチカートも和音の広がりが感じられステキ。
♪美しい 愛の口づけ♪
コーラスが外れ、じゅりのソロになるここでは、「愛の口づ(け)」の1小節だけ3連符となり、
テンポの揺らぎを演出してますわね~。

ギターの間奏にもゴージャスな弦楽の伴奏付きで、バンドっぽさはほとんど感じられませんが、
♪ららららららら~♪
と、映画の中では女性と一緒に歌うわけですから、とことん夢の世界に徹した音作りとなっているんでしょうね。
最後はリタルダンドして優しく静かに、どこまでも優美に終わるのでした。


《追記》
イントロの、ヴァイオリンとチェロの旋律についての超個人的見解。


ひときわ印象的なこの旋律について、ちょっとだけ補足したいと思います。
曲中繰り返し挿入されるこのメロディー、写真のメモ書きの形が基本になってるかと思います。
(急ごしらえなもんで、チラ裏に手書きですがご容赦下さい。)


なんでチェロパートまでト音記号??とかツッコまないでね~
便宜上、ヴァイオリンとチェロのパートを一緒に書いたので・・・
(10/9:今気づいたが、拍子記号も抜けてる・・4分の4です)

Vn:ファソラドファラソ~ レーレーファ~♪(上)
Vc:ファミファラレドシ~ シーシーラ~♪(下)


ただ単に、この2パートを重ねたものだよね~と流してしまいそうになりますが、ここで一つ問題が。
最初の「ファ(写真の↓の音)」、これはヴァイオリンの下限より低い音なので、あたりまえですが
ヴァイオリンで弾くことは不可能です。

なので、そこはチェロの音のみとなっているはず(ヴィオラは入ってないと思います)なんですが、
純粋に旋律として見ると、切れ目がわからないといいますか、非常になだらかに広がっていくような
印象を受けますよね。

本来受け持つ音域がずいぶんと異なる楽器なので、弦楽アンサンブル等の楽曲で、
ヴァイオリンとチェロが、近い音域でハモるというのは、割合としては少ないと思うのです。
ハーモニーは2ndヴァイオリンが受け持つことの方が多いような気がします。

しかし「銀河のロマンス」では、ヴァイオリンとチェロが寄り添い一体となっているような錯覚すら
覚えませんか?
特に、長い音ではなく、細かく動く部分でピッタリ音符の玉が寄り添ってるので、そういう印象が
強まってる気がするんです。

チェロの高音弦(D-A線)と、ヴァイオリンの低音弦(GーD線)を巧みに絡ませることによって、
このような芳醇な「響き」と「広がり」のある、美しい旋律を実現している、

アテクシとしては、そんな風に思うのでした。(追記終わり。苦情は受けつけてませ~ん)




【花の首飾り】
詞は一般募集の当選作品に、なかにしさんが補作詞したものだそうです。
トッポの初リードヴォーカル曲にして、彼の代表作。テナーの良く響く高音が出色との定評がございますわね。

さて、曲構成は(Aメロ+サビ)+展開+(Aメロ+サビ)+展開+(Aメロ+サビ)・・でしょう。

ギターのアルペジオ(Am基調で、初心者にも弾きやすいそうです)が、もの悲しい雰囲気で始まります。
けなげに内声を歌うじゅりの声を一生懸命耳で追いましたわ。(←つい・・
美しいハーモニーですね。

Aメロではリードボーカルへの合いの手として弦楽器が使われてますけど、この旋律は、
前半チェロが2ターン、後半ヴァイオリン1ターン(2ndヴァイオリンのオクターブ下がったリフレイン付き)、
というふうに、チェロとヴァイオリンが交互に奏で、曲に変化をつけています。
どういうこっちゃと言いますと、

♪花咲く~娘~たちは~♪ (チェロ:ラドミソファ#ミレミ~)
♪花咲く~野辺で~♪ (チェロ:ラドミソファ#ミレミ~)
♪ひな菊の花の首飾り♪
♪やさしく~編んでいた~♪
 (1stVn:ラドミソファ#ミレミ~)(2ndVn:ラドミソファ#ミレミ~)

となります。単調なようでいて、ちょっとひねりのあるアレンジですわ。

♪私の首に~♪ (チャラッチャ ラッチャ)
♪掛けておくれよ♪ (チャラッチャ ラッチャ)
このヴァイオリンは変だろ~?と、個人的には思わなくもないんですが、その後の
♪あなたの腕が絡みつくように♪
の箇所はトッポの声が素晴しいですね~。
あと、この「高まって高まって、ふっと弛緩する」というのはTGの曲では頻繁に使われていますね!

ラストの霧散していく幻想的且つ不穏な音については、専門的な解説をぜひ聴いてみたいところです。

-------------------------------------------------------------------------------

この2曲は、上記映画の中で歌われていますので、関西方面の方はぜひ、スクリーンで歌うじゅり達を
ご覧になってみてはいかがでしょうか~。

青い鳥

2009-09-08 16:56:04 | TGシングルレビュー

A:青い鳥
作詞:森本太郎/作曲:森本太郎/編曲:すぎやまこういち
B:ジンジン・バンバン
作詞:橋本淳/作曲:すぎやまこういち/編曲:すぎやまこういち
(1968年12月1日発売)

ジャケ写のTGは皆さん、品のいい微笑み顔。
じゅりだけ笑いをこらえたような微妙な表情だわ・・



【青い鳥】
この曲はシングルとアルバムでアレンジが違いますが、シングルの方は弦楽を加えたバーション
になってますんで(というか、管楽器が省かれている)、そこらへんを重点的に分析してみたいと思います。
そんな物好きなこと、あまりやる人いないでしょうからね・・・・
もう一方のアルバムバーションについては、「ヒューマンルネッサンス」をもうちょっと
聴き込んでから、感想を述べたいと思ってます。

イントロはもの悲しいギターの音色に、メロディーの2ターン目からストリングスがかぶさります。
Aメロ、じゅりの下でハモっているのはタローさんですね。
あらためて聴くと・・・ タローさんの声、ステキじゃないですかー!
日頃TGのコーラスって、どうしてもインパクトの強い上下二人に気を取られがちですけど、
今後は中音域にも耳を凝らして聴きたいと思いましたよ。

曲編成は(Aメロ+Bメロ+サビ)×2回+A'メロ、と思います。
2回目のAメロの途中で間奏を挟みます。

ところで、クラシックでは鳥の声って言うと、大抵フルートあるいはピッコロなんですけど
(ピーターと狼とか)、弦楽で表現するとやっぱりヴァイオリンなんですかね。
アタックは強くないですが、クリアで硬質な音で、じゅりとタローさんの、なんと言いますか
ナイーブな歌声を適度に装飾しているような~。
やり過ぎない、控えめな感じがいいですね。

そして、曲が童謡っぽくてやや冗長(失礼)かな・・・と感じ始めたところで、AメロからBメロへ
ヴァイオリンで駆け上がりのフレーズを投入。

   ♪小さな幸福を~♪ 
  ↑               ↑
駆け上がって          急降下

駆け上がりは一音ずつ返しのボウイングで、降りる方は弓をとばし気味に。半とばしですかね。
ここら辺まで、わりとかっちり目に弾くようになってるなあと思います。
そして、サビの
♪青い鳥~ 青い鳥~♪
のところでヴァイオリンのソリストが、 これでもかとビブラートをかけるのが、それまで抑えていた分、
劇的な効果を生んでいるのではないでしょうか。

それにしても、最後
♪行かないで~♪
のコーラスはすごいですね。
タイガースのコーラス音域の幅を見せ付けてますわ。

尚、♪そのまま僕を 見つめておくれ♪
のあとの間奏の弦ですが、ギターにかぶせて弾くところは、やはりAメロよりビブラートが
やや強めですし、けっこう細かい指示がすぎやま先生から出ていたのかなとか想像してます。



【ジンジン・バンバン】
A面でマジメさを使い果たしたので、こっちはユルく書きます。

構成は(Aメロ+サビ)×2回+展開+サビ。
ライナーノーツには「サイケデリックな曲調」とありますが、そういう方面詳しくないので
ノリで聴いてます!(エエんかそれで・・
伴奏面はベースとオルガンですね。カッコイイ
オルガンは誰?タローさんかしら。多才なお方なんですね~。
ラスト近くに入ってくるシャカシャカ~なマラカスも笑い声とあいまって楽しげです。

それでですね。

この曲を聴きますとアテクシ、タローさんが去年トークイベントで言ってた話が浮かんじゃうんです~。

「ジンジンバンバンとかは踊らされて・・・
タイツみたいなあの格好は何とかしてほしかった。
・・シーサイドバウンドの振り付けとかからして
何でこんなことやるのかと・・・」


2008年11月16日に書いた自分の記事からもって来ましたけど、本当にしみじみ言っておられたんですよ~

まあ、20前後のロックな青年としては、囚人服っぽい全身タイツとか着せられて、
♪ジーンジンジンジン バーンバンバンバン♪
はちと、ハズカシいってのもわかる気が致しますけど(笑)
でも、あの映画のシーン、別に違和感無いですよね。みんな可愛いし