
A:都会
作詞:山上路夫/作曲:クニ河内/編曲:クニ河内
B:怒りの鐘を鳴らせ
作詞:山上路夫/作曲:クニ河内/編曲:クニ河内
(1970年3月20日発売)
タイガース後期のこの曲のころは、GSの勢いが下降曲線にあったとのことですが、これはオリコン
10位にランクインしたそうで・・・・いちおう小ヒット曲なんでしょうか。ヒットしてない?
そこらへんの感覚がいまいちよくわかりません。
もちろんアテクシは、つい最近まで「聴いたこともない曲」でごさいましたわ。
ウィキぺディアにはなんと、曲目のページすら存在してません・・・
ちなみにウィキに曲目のページが無い曲は、解散までの全シングル15曲中「ラヴ・ラヴ・ラヴ」「都会 」
「誓いの明日」の3曲です。
他の2曲はともかく「ラヴ・ラヴ・ラヴ 」は意外ですよね?
さて、新しいファンのためにも、タイガース時代にお詳しいどなたかが、そのうち書いて下さるのを
期待してます(あいら@他力本願寺檀家)
まず10回程度聴いたところではB面のほうがインパクトがある曲ですから、「あ、こりゃまたB面に軍配?」
と思ったんですが、繰り返し聴いてますと、「都会」、なかなかツボにはまって来ました。
このじゅりは星の王子様じゃないし、ジャケも暗い。
でも、裏も表も聴き応えのあるシブイ一枚だと思います。タイガースおそるべし・・
【都会】
ハプニングス・フォーのクニ河内さん作曲の初TGシングルだそうです。
このイントロを聴いて、まず一瞬思い浮かんだのが、ABBAの「ダンシング・クイーン」のイントロでした。
何でだろ~
オーボエがずいぶん多用されてますが、この楽器は音域が狭く、2オクターブほどしか無いけれど、
「オケの華」と言われるだけあって、イントロに使えば一気に曲の世界へ引き込まれること請け合いです。
歌いだしの直前では最低音に近い音が使われています。
まあ、そこまで使う~?ってちょっと思いますが、じゅりの声とオーボエって合うんですよね。
「時の過ぎゆくままに」とか聴いてもそう思います。
個人的にはBメロに入る前のオルガンが、ちょっとしたことなんですけど、すごく印象的で気に入ってます。
全体的に歌謡曲っぽいですが、じゅりの柔らかな声が、泥臭くならずほどよい感じですよね。
だって、この路線でマイナーにして押しすぎると
♪あなたのそばに~いられるならば~辛くはないの~♪
って東京砂漠化しちゃうし、かといって甘甘になりすぎちゃうと
♪都会の絵の具にぃ~染まらないで帰って♪
って「ハンカチおくれ」ソングになっちゃうし
・・・・って脱線しまくりでした。(だっていかにも歌謡曲なんだもん)
えー、とにかく。孤独感や哀愁をグイグイひたすら押すんではなく、


そんなイメージなんです。
歌詞で好きな箇所は、
♪小鳥のように さみしい命を いつも二人は 寄せ合い生きた♪
↑ココ!「小鳥のようにさみしい命」って~。
都会の荒波の前に立ちすくむ"小鳥じゅり"が目に浮かんで、守ってあげたくなるのよ~。
(今は大鷲のようにご立派ですけど。)
♪帰ってと帰ってと 叫んでみても♪
のところが曲のヤマとして、そのあとにフッと力が抜けるところ、そこの所のじゅりの声が大好きです。
あと、ラストでそんなにハープで煽らなくても・・・って思いますが、聴く人が聴けば「あれがイイ」
ってもんなんでしょうか。
【怒りの鐘を鳴らせ】
歌謡曲チックなA面と違い、コチラはロックテイストの曲。
この曲の詞が社会派とかそういう類なのか、はたまた背景の思想とか、ぜんぜん解りませんが、
アテクシとしては「反逆する若者」というイメージで聴いております。反逆=ロックは短絡的過ぎですか?
でも、そんな訴えが聴こえてくるような曲だと思いますわ。
冒頭からいきなり鐘の音が。ウェディングベル?かと思いきや、続くオルガンのメロがなにやら徐々に
不穏な方向へ。
歌いだしからは、ジャッ!と音楽の流れを割って入る衝撃音が、ミュージカルの劇中歌さながらです。
Aメロのコーラスは「決めてやる今夜」のライブで聴いた「傷だらけのアイドル」に似た感じです。
サリーの声がおどろおどろしい・・・
♪誰もみんな 鎖につながれ 引きずられながら生きているのさ♪
と盛り上がってくるBメロは、ギターはもちろんカッコイイですが、当方「ベースのほうにより痺れる派」です。
ところで、専門家的にはぜんぜん違うかもですが、アテクシこの曲でのキモはオルガンだと
思うんですが、どうでしょ?
間奏のオルガン、むっちゃイイですわ!
・・・・弾いてるの、誰?
最後4発ジャ~ン!って押すのは、怒りの重みを表しているのでしょうかね。