生きている事の奇跡

　　　　　　　　　　　　　　　　　私が行きたいお店を友が撮って来て呉れた三宮「西村珈琲」

友達から「帰って来たよメール」が入りとても重い気持ちになっている。
転勤族だった友達は今漸く落着いて千葉市に住んで居る。

最近夜電話がかかって来た。
神戸に住んでいる友達が癌になって、既に転移しているらしいの、他の友達から聞いたの・・・
取り敢えず見舞状を書いてみる…

転移して日々の生活が苦しくて～～～という状態らしい。
友達は苦しそうに・・・・どうした物かと迷っている。
わざわざ神戸まで行ってどうなる物でも無し、だからって何もしないのも気が引けるし。

確かにそうよね。相手は既に死をも覚悟しているらしい人の所に「どうですかー？調子は」なんて
軽々しく聞くのも罪深い。
私は先ず見舞状を出せば、何らかの連絡が来ると思うのでそれで判断したらいいと思っていた。

お見舞いに行く時は私もお付合いするからね。現地で別行動すればいいから・・・行きたい所もあるし
宿だけ一緒という事で・・・と。

しかし、あっと言う間にその日はやって来た。
4/30「友達が亡くなりました。明日1人で行ってきます」と短いメール。友の悲しみが込められている。

そして今日は、「行ってきましたメール」が入った。

「若くして逝ってしまうということは、本人も勿論、家族や周りの人たちも心残りで一杯です。
お嬢さんも知らなかったそうですが、判ったときは余命一ヶ月だったそうです。」

読んで鳥肌が立ってしまった。残酷な話だ。胸が痛い。
メールなので詳しくは分らないが、これだけで十分。

友達は転勤族で数年づつ各地に生活した。知らない地で友達になって呉れた優しい女性。
日本に一億二千万人の人口、その中で知合えるだけでも奇跡的な数字と思っている。
ましてや友達関係になり本人の生活に色々な意味で影響しあい楽しい思い出を沢山呉れた友に
出会えるなんて本当に幸せな事。

数字だけ考えても奇跡的な事。友達の様に転勤をする度に友達が変わりその中で
数十年後に未だ会いたい友達となって呉れる人は・・・・心から貴重な友達だと思う。

苦しんで苦しんで亡くなって行くなんて辛すぎる。
年齢も同年位と思えば、これから漸く人生の一番楽な時を送れると言う時に・・・・安らかに・・・。
ご家族もどんなにご愁傷な事か。


人間は誰でも間違いなく死に向かって生きている。それが早いのか遅いのかは知る由もないが。
私も色々な手術を乗り越えて今日が有る。(手術7回入院は10回)
生きている事の有難さは日々感じている。何時死が訪れても悔いが無い生き方をして来たと自負している。


娘にも「お母さんは楽しい人生だったから泣かなくていいよ」なんて言っていた。15年位前の事だが。
勿論継続中である。
自身の回りの仲間達も自分の人生に少なからず沢山の幸せを授けて呉れた。
そして私を育ててもくれた。
一億二千万人の中から出会えた事、奇跡だと思っている。

僅かな出会いから友達になれた事も奇跡。生きている事も奇跡。
数少ない友を大切にしたい気持は、常に心している。
いつか消えゆく時まで・・・・。それ迄は心身共に健やかで有りたい。

　　　　クルーズの神戸発着港友達撮影