セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

「あの子障害者だから・・・」

2013-10-08 | セカンドライフ
  区立スポーツセンターのプールに行った時の事。
私より早く、見つけてくれたA君。驚いた事に35年前に息子が保育園で同じクラスだったA君。「おばさんM君(息子)のママでしょ?僕すぐ分かったよ」「A君?お久しぶりねー」A君は昔の知り合いに会って嬉しくなってしまったのか、いろいろ会話をしたがった。

5歳位から会っていない筈なのにどうして一見して分かったのかしら。この記憶力が信じられない。
ご両親はお仕事を持ってご立派な方達だった。言われてみれば最近顔を合わせていない。「A君、ママはお元気なの?」「もう亡くなりましたよ」私はしまった、悲しい事を言わせてしまったと反省した。
「本当なの?知らなかったわ」と言うと「うちのママは乳癌で死んでしまったんだ」5.6年前の事らしい。色白の奇麗な女性だった。彼は大きなホテルに勤めている様で、職場で苦労している話を聞いて欲しい様だ。リストラや定年やらで周りの人達がどんどん辞めて行き、仕事が多く手に負えないと言う事だ。

「その子、障害が有るから」「その子何度も何度も同じ話するから、返事してたら切りがないよ」等々、色々プールの監視お兄さんや、特に酷い人達はおばさん達。「私この子知り合いですからご心配無く」と言っても、どんな話をしているのか興味深く近くへ来る。注目していると言った方が正しい。

彼は180cm位有り立派な体格、なかなか、いけ面に成長していた。35年前お世話になった保育園の先生のお名前をすらすら言う。目を白黒させたのは私の方。「A君今迄で一番嬉しかった事何か有る?」もしかしたら会社でお給料貰った事かな?なんて聞いて見ると「M君のママ、僕障害者だけどパラリンピックに出た事有るんだよ。水泳で。その時保育園の先生達が皆で壮行会をして呉れたんだ。頑張れって」直ぐに泳いで見せてくれた。その泳ぎが奇麗で速い事。ヨーロッパのさる国での事。
どうだった?と聞いて見ると「それがね、自分の思う様に泳げなくて駄目だったよ。外国人は皆大きくて上手いからね」と言う。「素晴らしい経験をしたんだねー。日本の代表選手だったんだもの。偉かったねー」と言うと「日本では代表になれても外国に行くと駄目だよ」と謙遜気味に言う。体つきも奇麗でスポーツ選手と言う感じはする。そんな素晴らしい経験をして来たA君。お母さんが誰よりも喜んで呉れたに違いない。休暇を取り日の丸の旗を誰よりも大きく振って応援した事だろう。

本当言うと、確かに障害はあるのかもしれないが、ごくごく軽いと思う。誰に迷惑をかけるわけじゃないのに、周りの人達は、プールに居る人達が、彼が人を切り付けるかの様のな言い方で「あの子はあの子は」と言う。「貴方達の方が余程迷惑障害です」と怒りたかった。優しくおばさん力で見守って下さい。
ご自分の事を、周りの人がどう見ているかなんて、ちゃんと承知しているところが悲しかった。ずっとスッキリしなかった。ママはどんなにか、長生きして守って上げたかったか無念だった事だろう。ママ安らかにね。A君はしっかり働いて頑張っていますよ。
事件を起こす人が世の中、後を絶たない。しっかり大学まで学んでも犯罪を起こす時代。悪い事もしない子を、白い目で見て差別をする社会が納得出来ない。
     

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4 コメント

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Unknown (みっちゃん)
2013-10-09 08:57:17
アミーさま

同感!です。

A君 アミーさんとたくさんお話しできてきっと嬉しかったでしょうね。
ママが亡くなられても、お元気に仕事をされ、水泳を楽しみ、きっと充実した日々を過ごしておいでなのでしょう。
Aくんに良い毎日が続きますよう。
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コメント御礼 (aine)
2013-10-09 10:04:57
みっちゃん様有難うございます。
私も楽しくて、プールから上がって聞きました。ママが亡くなって
残念だけど、A君はちゃんと受け止めていました。
お仕事もしっかりして「偉いねーA君」と言ったら
「おばさん、僕はお給料貰っているんだよ。仕事は何でも大変なんです」ですって。
私が説教されてしまったようでした。そう考えているから社会人になってからずっと同じ会社に居るんですって。
水泳で叩きこまれて根性がしっかり鍛えられたのかしら?
「妹、覚えてますか?もう結婚して子供がいます」と嬉しそうに言っていました。
きっともっともっと話したかったのでしょうが、周りのおばさん達ががモロ障害で身体も冷えてしまうので帰って来ました。
次に再会したら、又A君から先に見つけられちゃうかも。

これからも穏やかに生活して欲しいと思いました。
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うんうん。 (國枝貴之)
2013-10-11 22:18:56
何だか拝読して、心が温まりました。
同時に、何かやるせなくて、涙腺が緩んだり。。

A君の高まる気持ち、aineさんが受け止める様子がすごく伝わりました。 そして周りの目線、雑音も。

A君はひょっとして、aineさんにお母さんの影を少し重ねて見ていたのかもしれませんねぇ。

仕事ばかりに追われる自分を、少し、ほんの少し悲観的に思っていましたが、A君の恐らくイキイキした様子を想像して、また明日から気合入れなおしてみたいと思います!
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コメント御礼 (aine)
2013-10-12 18:48:54
國枝貴之様有難うございます。
あの時の事思い出しながら読み、目がしらが・・・・・。
A君のママは私と同年位なので、お喋りし易かったかもしれません。
しかし彼の記憶力に驚きです。子供達に聞いても四、五歳の頃の話は
断片的にしか分からないと言うし。
とても素直で人を傷つける事なんて言う子じゃないのです。そんな子をおばさん達
固まって「障害者、障害者」って言うんだもの。
本人がちゃんとん認識しているので、これ見よがしに言わないで欲しいのです。
障害者と世間で言われない人達の根性の方が余程悪いので腹立たしい私です。
A君の仇を取って上げたい位です。いやいやおばさんパワーの方が怖い。そっとしておきましょ
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