医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

洗練された悪趣味の美

2006年02月26日 17時09分15秒 | Weblog
 おかげさまでこのマニアックなブログが先日、一日でアクセスが150を超えてビックリしております。 

 昨日はゼロックスカップで、わが「浦和レッズ」がさい先良く勝利を収めました

 そういえば今やってるヴォーダフォンのCMソング、あれデビッド・ボウイの「Rebl Rebel」とゆー曲です。ギターのリフがとってもハイセンスでしょ?

 さて今日の話題、みなさん「洗練された悪趣味」って理解できます?

 少し観念的で説明が難しいのですが 

 ちょっと外しちゃってるんだけど、外し具合が絶妙で受け手には逆にカッコよく伝わるという感覚です。

 今風で言えば、センスの良いちょいワル系って言えば分かりやすいでしょうか?

 例えば、素人男性が身につけるには勇気がいる、金無垢の腕時計があるとします。 

 ここで単なる成金趣味と、洗練された悪趣味とで分かれるんですよね。 

 ストーンズのキース・リチャードが○ル○ィエの四角いシンプルな金無垢の時計を、ボロジーンズにTシャツというラフないでたちでドクロの指輪とともにつけていたんですよ。

 カッコよすぎでした。 

 そのとき見えるのが、もし○レッ○スのダイヤ&ルビー入りだったらすっかり興ざめです。 

 単なる成金趣味とはまた違うんですよねえ・・・。

 またあの職業であの生き方ですから、ドクロの指輪に金無垢も似合うのであって、一般人がそれでは「どんびき」されると思いますけど。


 つまりぎりぎりのかっこよさ、とでも申しましょうか。

 ただしこれ以上行くと、ただの悪趣味、ややもすれば「げてもの」「きわもの」にもなりかねないんだけれども、その寸止めのかっこよさ。 

 綱渡りもぎりぎりだから、ハラハラドキドキするんであって、安心安全では面白みに欠けるもの。

 正統派清純派をしのぐ危うさのほうが人に訴える力が強いもんでしょ。 

 隙のない優等生よりも、不良でモテるやつ。


 他には前にもあげましたが、アラン・ドロンのいかがわしさやアル・パチーノのぎりぎり路線。

 悪趣味一歩手前のそこにある緊張感がたまらなく好きなんです。

 映画監督タランティーノはすごいですよねえ。

 見ましたでしょ?「パルプフィクション」? 

 強烈過ぎますよね。 

 あんなハチャメチャな展開で、最後はまるで10本の指が組み合わさるかのように、完璧に一致する展開力。

 途中の「マスクマン」というまったく意味のない登場人物(それも大スター、ブルース・ウィルスとの掛け合い)のばかばかしさ。

 ストーリー上まったく不要ですから。

 あまりにばかばかしすぎて僕はハマってしまい、映画館では笑いが止まらず大変苦労しました。 

 しかも彼は黒澤映画の大ファンで、その上彼の尊敬する人物は、かの「千葉真一」ですから。 

 日本人よりディープな日本ファン。

 しかも超B級路線。

 まさにぎりぎりの天才ですね。


 「2001年宇宙の旅」で有名な映画監督スタンレー・キューブリックもまたきわどい。 

 僕は難解な映画を眉にしわを作りながら、無理をして分かったフリをするかっこ悪さは理解しております。

 ですから「2001年」には、あえてコメントいたしません。 

 ですが、「博士の異常な愛情」と「時計仕掛けのオレンジ」「フルメタルジャケット」はご覧いただきたいと思います。

 これもぎりぎりデス。



 ファッション業界ご用達のダンディ英人ロックアーティスト、ブライアン・フェリーもまた結構ぎりぎり好き。 

 あんなにかっこいいおじさまなのにファザコンの上、スーツに白いソックスを履いちゃったりします。

 歌い方やロキシーミュージック時代の道化的なメイクやファッション、そして美しく息をのむアルバムジャケットが実は「オカマ」のモデルだったり・・・。



 もちろん皆、本業で一流でなければ意味がありませんが。



 日本人で洗練された悪趣味を身につけているのは、そうだなあ・・・

 岡本太郎さん。 太陽の塔は偉大ですよね。 あのキャラじゃないとできないでしょう、やっぱり。 

 元ミュージシャンにて芥川賞作家の町田康さんの著「くっすん大黒」。

 これは素晴しい。

 ぜひ一度お読みください。 

 僕の感性にはハマりました。

 芥川賞受賞作の「きれぎれ」や「屈辱ぽんち」より「くっすん大黒」のほうが僕にはハマります。

 また江戸川乱歩の「人間椅子」、これはちょっとコメントは控えます。 
 
 井上陽水さんもすごいですよねえ。

 感覚が日本人離れしてますよね。

 「窓の外にはりんご売り」ですもの 

 だから「少年時代」のような曲が作れるのですね 

 天才だと思います

 以前も書きましたが、俳優の松田優作さん。

 「野獣死すべし」では奥歯を抜いて役作りをしたそうです。 

 プロゴルファーの青木功さんのバンカーショットとパッティング。

 これはゴルフをやる方には説明不要だと思いますが、なんであの打ち方であんなにすごいのか・・・

 とても誰にもまねはできない領域です。

 解説も超感覚的で笑えます。 

 ジャンボ尾崎選手が日本ではあんなに威張っているのに、アメリカでは臆してしまい駐車場で着替えをするといいます。

 ところが青木選手は英語が話せなくてもなんと帝王ジャック・ニクラウスに「ヘイ、ジャック!」と話しかけるというのですから。

 ヤンキースの松井に、英語がわからなくてもフンフンわかった顔をして、自分側に相手を引っ張り込んで、日本語でもいいから話しかけろって助言してました。

 相手が英語で「日本語は分からない」って言ったら、「ミートゥー」って答えろって。

 すっげーな 

 禅問答のようです。

 わけわかんなすぎで笑ってしまいました。

 相手も笑いますよね。

 やはり天才ですな

 ある意味、ランボルギーニやヴェルサーチが唯一許される日本人として、わが日ハムの新庄選手・・

 あの肉体に実は握力100kgですって→本当は努力の賜物なのです。

 しかしそれを故意に打ち消すあの天性の明るさ。演技なのか地なのか。 

 さらには「才能がないから野球やめる」とだだをこねるくせに、プロの世界でピッチャーまでやってしまう・やれてしまう、人騒がせな「才能の自覚のなさ」は天才級。 

 フロッピーディスクの発明者で東大出身のドクター中松もかなりぎりぎりですよね。 ほんとにすごいんだか、どうなんだか・・・。

 HPだけでも面白いですよ。

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