医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

パンクの美感8

2007年03月27日 13時19分06秒 | Weblog
 ジョー・ストラマーはジョン・ライドンとは異なり、外交官の息子という中産階級出身です。

 人柄の評判も素晴らしく、ロック詩人としての過激なメッセージとは裏腹に、何時間でもファンにサインをしたり、地球温暖化に対して植林したりと・・・今でもみなから敬愛を受けております。

 クラッシュは本気で社会変革を企図し、失業や労働者、民族的マイノリティを歌い、ある意味真摯に国家へ反逆しておりました。

 彼らは日曜日ごとにロンドン在住の民族的マイノリティの集会へ参加して、警察や国家からの弾圧を受けながらも、メッセージを発し続けイギリス国家と戦い続けました。

 これぞパンク魂だと思います。

 クラッシュは単純なアナーキズム(無政府状態)ではなく、政治的に信念のある左翼偏重だったのです。

 元来パンクロックは既存のものに対して単にNoというだけの要素が強く、特に政治的に革命だのアナーキズムなどの幼稚な反国家的なものに過ぎませんでした。

 一方、わが日本においては左的な思考の一般人や、いわゆる左翼プロの方も多いようですが、だからといってモノホンのパンクロッカーな人はまず見ません。

 一般に個人や人権により重きを置いて、社会・共産主義的な発想、現政府打倒、革命的思考が左的な考えであり、国家や公に重きを置いて、自由民主主義的、保守的、国家主義的な発想が右的といわれます。

 しかし個人や人権にこだわる社会主義・共産主義国家の方が、いかに個人の自由がなく、言論が弾圧され、監視され、独裁国家になっていくかは、となり近所を見回せば明らかな気がするのですが・・・。

 現在の日本ではブルジョアジーもプロレタリアも見分けがつかないのに、階級闘争が必要なのでしょうか?

 かといって、カルヴァニズムに毒された、この自由民主主義がベストだとも思えません。

 会社が株主のものだの、デイトレーダー型就職などという考え方には、ご免こうむりたいと思います。

 もちろんみんなが平等で幸せ、競争のない社会は理想かもしれませんが、しかしここが難しい話で、会社や国力が強くなければ、庶民は潤わないし、庶民に手厚くて平等すぎると、人は怠け出し、とたんに会社や国力は弱体化し、国全体、地球全体が貧困化するものだし・・・。

 だからといって、アメリカのように一部の強者が贅沢をすることが、国家の理想だとも到底思えません。

 強者が弱者に配慮するのは強者の当然の務めであり、日本でも一部の成り上がり的強者におけるその理解が弱いとすれば、それは政府のせいでもなく、むしろ僕たち国民の宗教観や倫理、家庭教育の問題だと僕は思うのですが、みなさまはどう思われますか?

 理想の国家というものは、個人によって思いが異なると思います。

 今までは一人ひとりがそのようなことは考えないように、という時代でしたが、今後は僕たちが責任を持って日本という国家を思考しなければならない時代だと思います。

 つまり、国家の品格でも言われておりますが、そもそも民主主義とは国民が洗練されて、成熟していなければならないのでしょう・・・・。

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