医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

青の巨匠の美 6

2008年07月11日 19時53分24秒 | Weblog
 以前・・・あれはNHK、教育?・・の、壇ふみさんがでている番組?「新日曜美術館」?だったかな???

 ピアニストの舘野 泉 さんがゲストで出てて。

 魁夷さんのこだわった「青」についてやってましたよ。

 画家の作品の半数が青なのだそうです。

 作者にとって「青は心の奥に秘められて達することのできない願望の色」だということです。

 赤は波長が長いので、同じ時間に進む距離も青より早くなりますから近く迫って見え、青は波長が短いので遠くにへこんで見えますからね。

 ダヴィンチの空気遠近法により、青い波長がより散乱して遠くの山も青いわけで(青い波長が目に届く)、奥に秘められ達することができないというのは理解できます。

 また、精神性の深さを感じさせる「青」の世界の追求が、魁夷氏の描くテーマであったと・・・。

 日本画の伝統に「青」一面の風景は、ほとんど例がないのだそうです。

 また、テレビでもやってましたけど、画家のアトリエ(千葉県市川市?)には、三百種以上の青の絵具が残されていて、中には自分で調合したものも多いそうです。

 日本画・・・ってこれまた理解しにくいし、逆説的に日本人に理解が少ないし、画家の力量もあるのでしょうけれど、西洋油彩画にくらべるとマイナーですよね。

 日本画は鉱物から取れる「岩絵の具」や、動植物から取れる染料だとか、土からの「泥絵の具」、「水干(すいひ)絵の具」を、膠(にかわ)といって、動物の骨や皮膚などから取れる接着剤のような展色剤で、筆入れのたびに画家の経験で溶いて、和紙や絹に描かれます。

 ですから魁夷氏の手持ちの「マイ・ブルー」もたくさんあったのでしょう。

 ちなみに魚の煮こごりやゼラチンも膠(にかわ)・・・?

 日本画は混ぜ合わせには向いておらず、重ね塗りになるそうですが、日本画は平面的で、ある程度輪郭も必要になります。

 リトグラフになりますと理解を超えちゃいますが、日本画って言うとなんとなく、僕のイメージでは油彩画と水彩画の中間のように見え、紙の影響もあるのでしょうけれど、少しにじむ感じもします。