医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

デビッド・ボウイの妖美1

2007年02月15日 11時14分48秒 | Weblog
 先日軽く触れましたが、この拙ブログが発信した内容に対して、雑誌の取材を受けました。

 内容は本人が一番びっくりしたのですが、な、なんとデビッド・ボウイに関してでした。

 ロック雑誌からの取材だったのです。

 確かに僕はその昔ロック雑誌を読みこみまくって、ロックに聴き惚れて今に至っておりますが、まさかそのロック雑誌から取材を受けるとは・・・。

 スキンケアや美容のことなら、取材はありますが・・・。

 そこで、今一度デビッド・ボウイに真剣に対峙してみようと思います。

 今回のタイトルの「妖美」(ようび)とは、辞書によれば、<人を惑わす、あやしい美しさ。また、そのさま。>とあります。

 そしてこのブログのまがりなりのテーマである「美」ですが、「美」にはカラマーゾフでミーチャが言うように、神さまがなぞかけしかしなかったので(さすがはドス氏、なんて知的な表現なのだろう )、「美」の定義や答えというものは、自分の人生において、自分の価値観により、自ら探求するものなのでしょうね。

 美の概念は流動的なため今後変わるかもしれませんけれど、ここを訪れるみなさんはとってもマニアックで勘が鋭いですのでもうお気づきでしょうが、現時点での僕なりの美しさとは・・・

美しさとはうつろいゆき、はかなさが漂うものです。

桜は散るからこそ、散りぎわがもっとも美しいのです。

(世は定めなきこそいみじけれ-兼好法師-)

美しさは魂が揺さぶられるほどの深い感情を与え、しかし不吉な予感すら与えます。

美しさの裏には退廃、不条理、イモーラルさや寂しさ、悲しみ、刹那、邪悪、そして死の匂いをも感じさせます。

美しさは時に力強く絶対ですが、永遠ではなく、同時に脆(もろ)く繊細なものです。

美しさとは矛盾をはらみ、きれいなものも、きれいでないものも包括します。

美しさは調和も不調和も愛します。

美しさはつきぬけ、はみ出さねばなりません。

美しいものは淫靡で妖しい。

美しいものは建設的ですがしばしば破壊的です。

美しいものは「現実からわずかばかり宙に浮く」ものです。(嘉兵衛から拝借

美しいものには色香(いろか)や香気(こうき)が漂う。



 前回の「美しき孤高なデビッド・ボウイ」論は、彼のご紹介程度でした。

 彼はイギリス生まれで、本名をデビッド・ロバート・ジョーンズといいます。

 20世紀でもっとも影響力を与えたミュージシャンと賞賛されております。