医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

美しき大人な隣国関係

2006年03月26日 17時48分50秒 | Weblog
 フランスの公人中の公人、シラク大統領がイギリスに向かって言いました。 

 「飯のまずい国の人間は信用できない。」

 え・・・? すげーこと言っちゃいますよね。 

 思わず耳を疑ってしまいました。

 でも前半部分は当たっているだけに・・・。

 それを聞いたイギリス人がこう言っていました。

 「飯のことばかり考えるから戦争で負けるんだ。」 

 これまた言い得て・・・。

 笑っていいものかどうか考えてしまいますけど。

 100年戦った隣国ですが、当然ジャンヌダルクの評価は英仏両国で正反対です。

 僕はアジア友好主義ですが、同じように歴史認識というものが、翻って僕たちの隣国二国間(中日、韓日)で一致するものでしょうか?

 しかし、このようなことが言い合えて、あくまでそれはそれとして関係が持続する、大人な関係がうらやましくも思います。

 友達でもそうですよね、さんざん悪態をついても、大切なものを尊重しあう関係が真の友情というもの。 

 当然ですが悪意を持って相手をおとしめたり、ここまで言ったら言い過ぎできっと相手を傷つけたりするだろうな、とあらかじめ考えられることは言わないほうがいいし、相手が大切にしていることは尊重しなければなりません。 

 
 しかし隣国なのにそこまで言っても許されてしまう、欧州の懐の深さに成熟した知的な大人の「美意識」を感じました。

 もし、日本の政治家、首相が隣国に対し似たような発言をしたら、どうでしょうか

 いっせいにマスコミにぼろくそに叩かれ、即辞任そして謝罪会見でしょう。 

 その際きっと面白いことにまず国内のマスコミから「失言、失言!!ご注進!!責任問題!引責辞任を!」と批判が出ることでしょう。 

 一体どこの国のマスコミなんだか・・・。 

 連日ニュースからワイドショーからヒステリックに目を吊り上げて「処分が甘い、甘い!」と過熱報道 

 道行く我々もみんなで同じ方向を見て「辞めろ辞めろ」のシュプレヒコール 

 冷笑するしかありません。 

 以前年金未納のタレントから火がついて、年金を納め忘れた政治家の問題が噴出し、さんざん連日のようにマスコミが政治家を叩いて・・・

 ところが叩いた当の批評家やキャスターがみんな納め忘れていたという事件が端的に現代を物語っております。

 そこには大人としての余裕やダンディズムを感じないんだよなあ・・。 

 フランスのマスコミや国民は成熟していてうらやましいデス・・・。

 人の失敗よりもっといいところや長所に着目しませんか? 

 小悪党をみんなで罵倒するより、巨悪を見張りませんか? 

 他人を裁くなんて大それたことは専門家にお任せしましょう 

 許せる失敗と許してはならない隠蔽を区別しませんか?
 
 この1月30日にもこんなことがあったんですよ。 

 またまたフランスのシラク大統領にカナダのラジオ番組が、自分はカナダの新首相だとうそをついて電話をかけたそうです。 

 ひとしきり話をして最後に実はうそだと言ったら、シラク大統領は大爆笑して「私のカナダに対する友情は本物です。」とさらっと答えたらしいです。 

 うそをつくことは良くないことですが、もし仮にやらせでないとしたらこの余裕もすごい。 僕も見習わないと。

 これまたもし日本で行われていたら、またまた即謝罪会見ですよね。 

 それにしても日本人はなんでそんなにテレビでお詫びをさせるのが好きなのでしょうか? 



 蛇足ですが、こと「飯のうまさ」に関しては、中国、韓国、日本料理にかなわないでしょう。 そう思っているのは僕だけでしょうか? 

 ぶっちゃけ、とろ、かるび、ふかひれにかなう料理ってある?

 このせっかく「飯のうまい」3国は、早く信用しあって、真の友人として3国民ともお互いにお互いを認め合い、相手を尊重しつつ公然と言い合える仲になりたいものですね。 

 歴史が早く熟することを期待します。

 今の3国の政治家の世代では話しはこじれているし、誤解も強いし、頑固なお年頃ですから残念ながらもう難しいと思います。 

 しかしもっと若い世代、僕たちの世代の政治家や次代の国家リーダーが裏で10年後を見据えて、信頼できるパートナーシップを今のうちからこっそりと形成しておいて欲しいと思います。 

 また日本が呼びかけて、大学生時代から、あるいは高校生でもいい、英語ができて優秀な学生を東アジア全域から集め、年に1回夏休みにでも合宿・討論・一緒に運動やレクレーションなどを楽しんでもらってはどうでしょうか? 

 将来国家を担う優秀な人材どうし寝食をともにして個人的に友情と信頼を深めてもらって、国家を超えた協力体制を育成してもらう。 

 もちろんこれに選ばれることは栄誉であり、選ばれるように英会話や学業、運動などを努力してもらい、また選ばれたからには次代のリーダーを見据えて今後も精進してもらうように。 

 互いの国家同士をののしるのではなく、あくまで個人として相手の人格を尊重し、お互いの文化を理解し合い、個人の友情を育む機会としてもらうのです。