医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

車に求められる美

2006年03月17日 19時28分45秒 | Weblog
 米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」が3月1日発表した2006年型モデルの部門別ベストカーでは、なんと日本メーカー車が10部門すべてを独占したそうです。

① 小型セダン部門: ホンダ シビック
② トラック部門: ホンダ リッジライン
③ ミニバン部門: ホンダ オデッセイ
④ 高級セダン部門: ホンダ アキュラTLタイプ
⑤ ファミリーセダン部門: ホンダ アコード
⑥ 中型SUV部門: トヨタ ハイランダーのハイブリッド車
⑦ 環境配慮型自動車部門: トヨタプリウス
⑧ 小型SUV部門: 富士重工業フォレスター
⑨ 最も運転が楽しい車部門: 富士重工業 インプレッサWRX STi
⑩ ラグジャリーセダン部門: 日産自動車 インフィニティM35

 日本車がこのように世界を席巻するなんてすごいことですね。 僕たち日本国民は誇りに思いましょう。

 医者には車好きが多いんですよ、僕はそれほどでもありませんが。 

 車好きの方からすれば、当院、青山外苑前クリニックは、かのCORNESさん(フェラーリやマセラッティやベントレーがたくさん展示してあります。見るだけですが。)の2階なのでたまらないでしょうね。 

 たまたま今の場所が空いていたので転居してまいりましたが、車好きのためにどうしてもここ、というわけではありません。 

 ただ高級車が並ぶショウルームは否が応でも高級感をかもし出してくれておりますのでありがたいことです。

 さて僕は車に何を求めるかといえば、まず見た目に好きかどうか(カッコイイと感じるかどうか)、それと目的地まで楽しく快適に運転できるかどうか、あとは安心安全であるかどうかということです。 

 特に「楽しく」、というのが重要なテーマです。

 車も表現物のひとつとして捉えれば、車屋さんにはぜひ「オリジナリティ」を追求していただきたいと思います。 

 つまり主義・主張が欲しいのです。

 その目的を果たすためなら、たとえ無理があっても、狂っているといわれても(僕は)かまいません。 

 万事横並びの万人向けは作って欲しくありません。

 例えば堅牢性でいえばベンツ、走りならポルシェ、官能性ならフェラーリ、内装ならマセラッティ、伝統美ならジャガー、小気味よさならアルファ、センスのプジョー、意外性のミニクーパー、ハイブリッドならトヨタ、暴力的狂気のランボルギーニ・・・

 何でもいいのです、これなら負けませんっていう作り手の主張と個性が欲しいのです。

 優秀で種類はたくさんあっても、現代の日本車に不足しているのは、この個性や主張、存在感じゃないでしょうか? 

 購買者の僕たちもそこに不満を感じているのではないでしょうか? 

 個性的なRX8やGTR、Z、NSXもありますが、いまひとつインパクトに欠けることも事実かなあ。

 乗り手を選んでいいと思います。

 買い手の顔色をうかがいながら、誰にでもあたりさわりが無いような、二番手狙いの車は作って欲しくないのです。

 そこに職人魂やプロ根性を見たいのです。 

 それと機能美と申しましょうか、性能が優れているものは不思議と「美しさ」も兼ね備えているものですよね。 

 販売店のサービスに関しては国産メーカーは文句ないので、あとは魅力的なブランド化、差別化、なんといってもボディデザイン力でしょうね。 

 ホンダの本社ビルは当院の2軒隣りにあり、展示車が並びますが、ボディデザインではCORNESで見る欧州車に一日(いちじつ)の長があると感じます。

 またこれから世界のビジネスをさらに席巻できるかどうかは燃料電池次第。 

 石油に次ぐクリーンな次世代燃料を発明した国が、主導権を有することは明らかです。それには自動車メーカーの果たす役割も大きいでしょう。

 このたびトヨタとGMが燃料電池の共同開発提携を解約したそうです。

 トヨタはハイブリッド方式の方針、GMは燃料電池車の量産化に自信を持っているそうで、折り合いがつかなかったそうです。 

 現時点では日本が一番近いと信じていますが、GMに負けちゃうのでしょうか?

 慶応のEllicaか、日本のメーカーか・・?争いを楽しみにしております。