医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

「ガンバル」美学2

2006年03月16日 19時32分20秒 | Weblog
 いや~WBC、日本負けちゃいましたね 悔しいけど韓国強いね しっかしイチローめちゃくちゃ怒ってましたね

 前回に続き、非常に恐縮ですが小さく謙虚に反論させてください。

 さて阪神が負けたのは、ロッテが「個人主義」だからですって?? 

 は?って感じです。 

 残念ですがそれこそ精神論で勝てるほど、プロ野球は甘くありません。 

 勝因ははっきり言って「戦力の違い」です。 

 明らかでしょ? 

 まあパリーグは元来野武士主義のところがありますからね。 
 セリーグに比べれば自由に見えるかもしれませんが 

 それにロッテは失うものがなかったので「プレッシャー」をあまり感じずにはすんだかも知れませんが


 しかもロッテはプレーオフを戦って勢いと慣れがありました。 
 阪神はその間試合が空いてしまいました。 

 阪神の選手は実戦勘が戻らぬまま、ロッテの勢いに押されてしまったわけです。

 もちろんボビー・バレンタインが一年を通じて選手に疲れが残らぬように、日替わりのオーダーで采配したこと、そのためベテランも休むので力のある若者が活躍できる環境を与えたこと、十分相手を分析したこと、球団職員とファンが一丸となってチームを支えたこと、そして何よりそれに応えるべく選手が「勝たなければ」と強く思ったこと・・・。

 そういう要因によるものです 

 同じ日本のプロ野球なのにプレッシャーをロッテだけが感じないはずがないでしょう。 

 プレーオフでダイエーに追い詰められたときのロッテをご覧になられたでしょうか? 

 あんなに選手が追い詰められて緊張していたのですから。



 ロシアのフィギュアスケートの皇帝プルシェンコですら、プレッシャーはあるといいます。 

 アメリカ大リーグMLBの選手だって、プレッシャーで固くなります。 

 ゴルフの米国対欧州のライダーカップでは1番手の選手は百戦錬磨のプロゴルファーなのになんと1ホール目のティーグラウンドで緊張のあまり吐きたくなるそうです。 

 欧米の選手だけがプレッシャーを感じない個人主義で楽天家のわけではありません

 しかしスポーツはプレッシャーがあるから集中力が高まるのです。 よく言われる「楽しむ」というのはプレッシャーも楽しむということで、ただ単に遊びのように楽で楽しいわけではありません。 

 求められた結果を自分が達成できることもスポーツでは大きな楽しみなのです。 

 「ガンバル」ことをしないで勝てるはずがありません。 

 くしくもWBC日本チームの4番打者、松中選手が言っておりました。「プレッシャーじゃない。技術の問題だ。」と。 

 さすがは一流のプロ 

 そうです、日本の選手が勝てないのは、プレッシャーではなく単に技術の問題のことが多いのです。 

 それをマスコミもあおるし、あたかも勝てるかのように僕たち国民が錯覚して過剰な期待をかけてしまうのです。 

 勝てる技術が欠如しているときに負けるのです。 

 それは「プレッシャー」ではありません 

 そういう分析をせずに精神論で片付けてしまっては進歩はありません 

 確かに欧米の選手や中国の一部の選手は集中の仕方が半端ではありません 

 タイガーが見せる神業は技術に裏づけされたとてつもない集中力の結果だと僕は思うのです

 のびのびとできるのは個人主義や楽天的だからではなく、逆にそれも全体主義、言い換えれば「チームワーク」の賜物なのです。 

 それにプラスして個々の選手の能力と技術が高かったからですよ。 

 もちろん監督が陽気で選手を乗せる技術に長けていたということも大きいと思います。 

 個人主義で団体競技が勝てるでしょうか? 
 
 失礼ですが団体スポーツをしたことがあるのでしょうか・・・? 
 大リーグMLBでも短期決戦では、個人の力で奪う野球から全体で守る野球に方針を転換します。 

 イタリアのサッカーでも「カテナチオン」つまり全体での守備を重視して「鍵」をかけてしまい、1発カウンターにかけるサッカーです

 それに今時の僕たちの世代以下は日本人でも、おっしゃられるような意味での全体主義を感じてませんよね 

 時代の認識がちょっと・・ すみません 

 ただし、お隣韓国や中国は日本と同様に国民がすぐみんなでヒステリックに騒いでしまう、同じ気質を持っているとは常々感じます。 

 特に相手が弱いと見るとよってたかって叩きすぎです

 優勝はロッテというチームと支えた人たちがが、グラウンドの内外でとっても機能的にまとまって「ガンバル」ことができたた結果だと思うのです。

 おめでとう、ロッテファンの皆さん