医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

続帝政ロシアの美

2006年03月07日 12時16分16秒 | Weblog
 本日は前の話の続きです。帝政ロシア、ロマノフ朝、イースターと続けば、勘の鋭い方なら「ハハ~ン・・」とお気づきでしょうが・・・。

 この「イースター」という言葉は、春の女神「エオストレ」から来ています。 

 もともとはユダヤ教の「過越(すぎこし)祭」から発生しているようです。

 過越祭は、ユダヤ教の預言者モーセがエジプトを出国する際に、神がエジプトの初子(ういご)に災いをもたらすとし、あらかじめ玄関に印をした家だけには、災いが過ぎ越されたことから、モーセの出国とイスラエルの建国を祝う日です。 

 新約キリスト教では、旧約での過越の日にキリストが最後の晩餐を開いたとされ、その後主が復活して死を過ぎ越した、ということを祝うそうな。 

 そのためキリスト教文化圏では、卵の殻に鮮やかな色を塗ったり装飾を施して贈ったり、その卵を家の中に隠して子供に捜させるということを行うそうです。 

 なぜ卵かといえば、キリストが復活したためといわれております。

 ロシアは寒い国ですから、このイースター復活祭が春の訪れをもたらすため、みんなが待ち焦がれる特別な日のようですね。 


 さあ、前置きが長くなりましたがイースターといえば、そうです 

 何といってもロマノフ朝のシンボルともいえる有名な、天才「ファベルジェ」の「イースターエッグ」です。 


 これはニコライⅡ世が母や妻、娘たちに贈ったとされております。

 とにかく美しくて美しくてため息しか出ません。 

 下記を参照されてください。

http://www15.plala.or.jp/gemuseum/gstry-faberge.htm

 中でも「冬」はきれい過ぎてうっとりですね。 

 残念ですが僕の貧困なボキャブラリーでは言葉にできません。 

 みなさんはどれに惹かれますか?

 一度でいいから現存するすべてを一同に集めた展覧会を開いて欲しいですよねえ。 

 全世界の人類の共通願望ではないでしょうか? 

 実物を見てみたいものです。夢だなあ・・・。 

 やはり素材を生かすも殺すもその人のセンスなんですねえ・・・。

 天才ファベルジェ。

 この外観だけでもうっとりですが、色々な仕掛けがしてあるところがたまりません。 

 仕掛けのあるおもちゃにわくわくした子供の頃を思い出します。 

 しかもこの「卵」の仕掛けの精密なこと。 

 おもちゃでもプラスチックでできたミニカーや電車よりも、金属でできた重いものに惹かれましたでしょ、ダイキャスト製とか?

 合体したり、こことここが曲がったり、ここからあんなものが出てきたり・・・。 

 それがすべて金銀宝石なのですから・・・。

 なんといっても夢がありますよねえ。 

 本当にたまりません。 

 こんな贈り物を贈ったロマノフ朝には、なぜかどうしても悪い印象を持てません。

 日本の美術品、工芸品にも素晴しいものがきっとあるのだろうけれど、どうしてもキリスト文化圏のものに魅力を感じてしまう僕は、やはりキリスト文化圏の布教に美的感覚の感性が洗脳されてしまっているのでしょうか? 

 江戸の根付よりファベルジェに惹かれてしまいます・・・ 

 比べるレベルが違いますか
 
 次回も続く予定です。