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●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》

2022年01月16日 00時00分09秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(20220113[])
お維について、まずはおさらい。3つのリテラの記事。

 大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》?
 リテラの記事【【2022年になったけど、彼らのやったことを忘れるな!】吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘!当時、橋下相手に「もうちょっと内緒に」「第2の財布」と発言、違法疑いの横流し記録も発見】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6137.html)によると、《【初出 2021.11.16】 案の定と言うべきか。日本維新の会副代表の吉村洋文・大阪府知事が火付け役となった「文書通信交通滞在費」(文通費)の問題で…吉村知事も衆院議員時代、月の在職日数が1日しかなかったにもかかわらず文通費を満額である100万円受け取っていたと認めた》。

 《自慢》ばかりのお維。《寄付や返納の金額を競うこと》ばかりのお維。《その特権や報酬に見合った仕事》を全くしないお維。
 リテラの記事【【2022年になったけど、彼らのやったことを忘れるな!】文通費どころじゃない維新の血税かすめとり! 橋下徹が「政党交付金を国に返す」宣言の裏で返還せずダミー団体に横流しプール】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6138.html)によると、《【初出 2021.11.17】…自身も在職日数1日で満額100万円を受け取っていたことが判明したというのに、吉村知事はその使途を公開しようともせず、昨日の会見で「ブーメラン刺さってますけど、社会が良くなればそれでいい」などと自己正当化。…どこが「潔い」だ。…しかも特筆すべきは、吉村氏が100万円を受け取った際の悪質さだ。…だが、メディアも維新自身も見て見ぬふりをしている問題はまだある。それは「政党交付金」の問題だ》。

 「れいわ新選組にビビるゆ党」お維…トラウマになっているのでは? 「大石パニックおじさん」な初代「ト」知事や《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を抱える現「ト」知事も大丈夫かな?
 リテラの記事【【2022年になったけど、彼らのやったことを忘れるな!】れいわ・大石あきこがNHK『日曜討論』で吉村知事のコロナ失政を真っ向批判! 絡んできた維新・足立議員にもカウンターで一蹴】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6139.html)によると、《【初出 2021.12.12】…テレビではほとんど触れられない大阪府・吉村洋文知事のコロナ失政を真っ向から指摘。しかも、維新のネトウヨ・足立康史議員からスリカエ反論を受けても、大石議員は全く怯まず、鮮やかな切り返しを見せ、逆に足立議員をぐうの音も出ない状態に追い込んでしまったのである》。

   『●「公務日程なし」としてあまり登庁しない松井一郎大阪市長・元大阪
     「ト」知事…「ルールに従えないなら、組織を出るべきだと思う」ねぇ?
   『●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに
     使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》
   『●《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を《男性アナウンサーは
      吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末》
   『●「れいわ新選組にビビるゆ党」お維の大阪「ト」知事三代…
     《「ブーメラン反省」では済まない大問題》等々を騒がないマスコミの皆さん
   『●大阪市長がお維議員30人と焼き鳥屋で《反省会》…「ルールに従え
     ないなら、組織を出るべきだと思う」by 松井一郎元大阪「ト」知事
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、
     「破防法を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》

 さて、本題。
 昨年末の衝撃的なニュース。《「東京」や「政治部」が幅を利かす全国紙という組織の中で、「地方」の大阪で社会部を率いた》黒田清さんはどう思うだろう…アベ様の《下足番新聞》からお維広報紙お維太鼓持ち広報紙へとさらに堕落していく…。

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/ニュースか宣伝か 瞬時に判断できなければ独立性は謳えない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202201040000045.html)によると、《ところがその直後にスポーツ報知のウェブ記事に「吉村洋文知事、休日の筋トレ姿を公開!たくましい筋肉に黄色い声殺到『カッコ良すぎ』『キャー!』などという記事が掲載されればうがった見方もしたくもなる》。
 リテラの記事【吉本に続き読売新聞が大阪府と包括連携協定締結、公然と吉村知事の下僕に! 他メディアも追随で大阪は大本営状態に】(https://lite-ra.com/2021/12/post-6116.html)によると、《またも大阪で信じられない問題が起こった。今度は大阪府と読売新聞が「包括連携協定」を結んだ、というのだ。…そして、大阪府は「地域の活性化と府民サービスの向上」を目指し、新たに読売新聞と「包括連携協定」を結ぶと22日に発表。本日午後、大阪府庁で吉村洋文・大阪府知事と読売新運大阪本社の柴田岳・代表取締役社長が締結式をおこなったのだ。はっきり言って、あり得ない話だろう。言うまでもなく、メディアの役割は府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じることだ。ところが、よりにもよって国内最大発行部数を誇る読売新聞が監視対象である行政と協定を結び、権力側の政策を後押しする側に回るというのは、メディアの役割を放棄した自殺行為にほかならない》

 日刊ゲンダイの記事【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/大阪府と読売大阪本社が包括協定…監視すべき対象との距離の近さは報道への信頼を奪っていく】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299480)によると、《メディアの問題は多くが第三者からの圧力ではなく自己規制に起因するからだ。NHKに25年いた私にはそれが痛いほどわかる。そして読売新聞がNHKと極めて似た組織であることも経験で知っている。…この協定に懸念を示す記事を出したところ、TBSと横浜市との包括協定などを例に、「他でもやっている」「なぜ大阪府と読売新聞だけ批判するのか」といった批判が寄せられた。調べると地方紙と地方の自治体との協定など、全国でメディアと自治体の連携がひとつの流れになっているということだ。ここで批判に応える。報道機関を標榜するメディアが取材対象である行政機関と包括的な協定を結ぶというのはいずれも好ましくない。会見の後、読売新聞のオンライン記事に「吉村洋文知事、休日の筋トレ姿を公開! たくましい筋肉に黄色い声殺到『カッコ良すぎ』『キャー!』」という記事が掲載された。系列の報知新聞が取材した記事のようだが、報道機関が掲載する記事ではない。また、大阪本社の元日の紙面には、大きく「万博特集」が掲載されたが、検証という記事ではなかった。読売新聞の判断は、厳しいメディア環境を生き残るための賭けなのだろう。しかし、監視すべき対象との距離の近さは、やがて報道機関への市民の信頼を奪っていく。「止」まれるのか。それが問われている》。

 これはオマケ。
 コレも衝撃のニュース。すっげぇなぁ、お維。
 毎日新聞の記事【大阪府・市の特別顧問に和泉洋人氏 元首相補佐官 街づくりで助言】(https://mainichi.jp/articles/20211224/k00/00m/010/303000c)によると、《大阪府と大阪市は24日、元首相補佐官の和泉洋人氏(68)を特別顧問に委嘱すると発表した。街づくりの取り組みについて助言を受ける。松井一郎市長は同日、記者団に「(政府側から)大阪の都市再生事業に長く関わってもらっていた。特に(2025年大阪・関西万博会場となる)夢洲(ゆめしま)の街づくりに能力を発揮…》。

   『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
     《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、行政をゆがめ…》
   『●和泉洋人首相補佐官…《日本の民間企業に建設協力を打診し、
     便宜供与を匂わせていた…徹底的に民意をないがしろにする政権の姿》

 さらにさらに、3つの記事。
 やっぱり、お維。
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/「2021年のバカ」トップ10<後編>1位は誰だ? 三浦瑠麗、安倍晋三、吉村洋文がランクイン】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/299199/3)によると、《【第1位】吉村洋文 朝日新聞社が新型コロナに関し「対応を評価する日本の政治家」の名前を聞いたところ、1位は大阪府知事の吉村洋文だった(昨年11~12月調査)。なお、人口当たりの新型コロナ死者数は大阪府がトップである。いい加減、目を覚まそう現実を直視できなければ、国は滅びるだけだ》。

 《巧妙》というより「露骨」な元大阪「ト」知事。
 リテラの記事【維新躍進で御用ジャーナリスト勢力図に異変!? ほんこん 、橋下、宮根ら維新応援団が増殖、常連の田崎スシローは…】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6136_5.html)によると、《【1位】橋下徹(元大阪市長) 巧妙な手口で吉村府知事の失政隠しと維新アゲも、日本城タクシー社長大石あきこ議員という強力な天敵が》。

 各県様々な問題を抱えているが、大阪のお維は突出して異常だな。
 リテラの記事【年末年始も吉村知事を大スター扱いの在阪テレビ! コロナ死亡者ワースト1なのに「被害を最小化」と絶賛 東野&ブラマヨ吉田も…】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6142.html)によると、《だが、それも当然なのかもしれない。医療を受けられないまま自宅で亡くなるという人を続出させるという惨事巻き起こしておきながら、昨年の衆院選で大阪では維新が大躍進したように、吉村知事は批判の的になるどころかむしろ大きな支持を受けている。ようするに、どれだけ犠牲者を出しても支持は盤石だと高をくくっているのだ。無論、この吉村人気を支えているのが在阪メディアによる報道だ。そして、オミクロン株の感染爆発が心配されていたこの年末年始にも、関西では「異常」としか言いようがない光景が繰り広げられていたのである》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202201040000045.html

コラム
政界地獄耳
2022年1月4日7時41分
ニュースか宣伝か 瞬時に判断できなければ独立性は謳えない

★先月27日、大阪府と読売新聞大阪本社は教育・人材育成、情報発信、安全・安心、子ども・福祉、地域活性化、産業振興・雇用、健康、環境など8分野にわたる包括連携協定を締結した。包括連携協定は「パートナーとして密接な連携により、府民サービスの向上、府域の成長・発展を図ることを目的とする」という。

★当然各社から「権力監視や中立性はどう保つか」「巨大な行政機関が1つのメディアと特別な関係になるのは良くないのではないか」などの質問に府知事・吉村洋文(大阪維新の会代表)は「締結によって報道活動への制限、優先的な取り扱いはない。表現の自由、知る権利が協定で左右されるものではない」、読売新聞大阪本社社長・柴田岳は「取材・報道とは一切関係がない協定」と説明した。ところがその直後にスポーツ報知のウェブ記事に吉村洋文知事、休日の筋トレ姿を公開!たくましい筋肉に黄色い声殺到『カッコ良すぎ』『キャー!』などという記事が掲載されればうがった見方もしたくもなる

★すると、いろいろ分かってきたことがある。16年に都城市と宮崎日日新聞が同様の提携をして以来、18年には横浜市とTBSなど、すでに多くの自治体とメディアが包括協定を結んでいる。「取材・報道と一切関係がない」かどうかはわからないが、行政との連携はどちらかというと広告や営業サイドのメリットは受けやすいかもしれない。だが、読者や視聴者が都合よくそう感じてくれるだろうか。メディアの信頼性や独立性の問題はあっても、経営的に背に腹は代えられないという意味合いがありそうだ。読者や視聴者が瞬時にこれは広告なのか、宣伝なのか、それとも取材した記事やニュースなのか判断がつかない限り、独立性はうたえない。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2021/12/post-6116.html

吉本に続き読売新聞が大阪府と包括連携協定締結、公然と吉村知事の下僕に! 他メディアも追随で大阪は大本営状態に
2021.12.27 10:44

     (日本維新の会HPより)

 またも大阪で信じられない問題が起こった。今度は大阪府と読売新聞が「包括連携協定」を結んだ、というのだ。

 

「包括連携協定」というのは、自治体と民間企業等が協力する官民提携の一種で、大阪府HPでは「企業の社会的責任」や「共通価値の想像」との連携やコラボレーションによって〈社会課題の解決を図る新たな公民連携のモデルを確立します〉と謳われている。これまでも府は、維新との癒着が目立つ吉本興業をはじめ、ローソンやセブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマートなどのコンビニ、イオンなどの流通、キリンビールなどの飲料事業、ほかにも製薬会社や運送会社、保険会社、銀行などの企業と包括連携協定を結んできた。

 そして、大阪府は「地域の活性化と府民サービスの向上」を目指し、新たに読売新聞と「包括連携協定」を結ぶと22日に発表。本日午後、大阪府庁で吉村洋文・大阪府知事と読売新運大阪本社の柴田岳・代表取締役社長が締結式をおこなったのだ。

 はっきり言って、あり得ない話だろう。言うまでもなく、メディアの役割は府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じることだ。ところが、よりにもよって国内最大発行部数を誇る読売新聞が監視対象である行政と協定を結び、権力側の政策を後押しする側に回るというのは、メディアの役割を放棄した自殺行為にほかならない。

 実際、今回の問題については、22日に協定を結ぶことが発表された段階からジャーナリストを中心に批判が殺到。たとえば、東京新聞の望月衣塑子記者は〈解せない。特に情報発信分野は利益相反する部分が出てくる。「色」がついた状態で、権力監視の役割が果たせるのだろうか〉と投稿し、富山市議の腐敗を描いたドキュメンタリー番組『はりぼて』(チューリップテレビ)が映画化され話題を呼んだ石川テレビの五百旗頭幸男記者も〈「本日を持ちまして報道機関の看板を下ろさせていただきます」とでも発表するのでしょうか〉〈国内最大手の新聞が地方自治体の太鼓持ちになるなんて、エイプリルフールにも思いつかない悪い冗談です〉と批判した。

 だが、こうした批判や懸念は、ものの見事に的中しそうだ。というのも、本日、府が公表した「株式会社読売新聞大阪本社と府の連携による今後の主な取組み」という文書を確認すると、とんでもないことが書いてあったからだ。

 たとえば、今回の協定書では、府と読売が連携・協力する事項のなかに「情報発信に関すること」と明記されているのだが、その主な取り組みについて文書では〈生活情報紙「読売ファミリー」や「わいず倶楽部」などの読売新聞が展開する媒体や、各種 SNSなどを活用して、大阪府の情報発信に協力します〉と記載している。

 府として発信する情報が読売の購読者にしか届けられないというのは大問題だし、さらに、これはようするに、読売の媒体が吉村知事のPRの場となるということではないのか。というのも、「包括連携協定」を結んだ企業によって吉村知事の大宣伝が展開された前例があるからだ。


■大阪府と包括連携協定を結んだローソンは、吉村知事をPRする宣伝スポットに

 実際、2019年の参院選を控えたタイミングで、府と協定を結んでいるコンビニチェーン大手・ローソンの大阪市内の店舗では、吉村知事の顔写真が中心に大きく載ったポスターがこれ見よがしに貼られていた。このポスターは「G20大阪サミット 開催フェア」というもので、吉村知事を取り囲むかたちでローソンの商品等の写真を掲載。ポスター下部にはG20開催に絡んで「大規模な交通規制が実施されます!」「マイカー利用の自粛や電車の利用にご協力を!」などの告知が記されていたが、あくまでポスターの中心は吉村知事のバストアップ写真。そんなシロモノが参院選を控えて大阪や京都など近畿地方のローソンの2400店舗で一斉に貼り出されていたのだ(詳しくは過去記事参照 → https://lite-ra.com/2019/06/post-4805.html)。

 「包括連携協定」の名の下に、国政政党の顔でもある首長の写真を掲載したポスターを大量に貼り出すのは、明らかに政治宣伝につながるものだ。そして、これと同じことを、読売は自社媒体を通じて展開しようというのではないのか。

 しかも、府と読売が協定を結んだ「今後の取組み」のなかには、もうひとつ、重要な問題が隠されていた。それは「2025年日本国際博覧会の開催に向けた協力」だ。問題の文書には、こう書かれている。

〈2025年に大阪・関西で開かれる日本国際博覧会に向け、万博に関連した情報の発信及び地域活性化に向けた取組みに協力します〉

 繰り返しになるが、メディアの役割は行政の監視であり、政策を客観的・批判的な視点から伝えることだ。しかも、大阪万博をめぐっては整備のための公費負担が膨らみつづけている。だが、府と協定を締結した読売は、大阪万博にかんする問題が起こっても、批判はおろか問題をスルーし、PR・礼賛報道しかしないということだ

 実際、読売は今年おこなわれた東京五輪でも、朝日や毎日、日経と同様にオフィシャルパートナーとなったが、とりわけJOCとの関係が深い読売は、誘致にかかわる汚職疑惑から会場建設における過重労働、酷暑対策、ボランティアの無償労働、そしてコロナ下での開催といった数々の問題に蓋をし、露骨な五輪礼賛報道に終始した。つまり、これと同じことを大阪万博でも繰り広げるということだろう。


■吉村知事は読売以外のメディアとも協定を結ぶことを示唆! 大阪は完全に大本営状態に

 だが、問題はこれだけではない。今回の読売との協定締結によって、「維新・吉村シンパのメディアだけが露骨に優遇されるという事態も起きかねないからだ。

 実際、吉村応援団と化している在阪メディアのなかでも、読売新聞と系列の読売テレビは急先鋒的存在で、これまでも優先的に情報を流してもらったり、吉村知事の協力を得ているとの見方があった。それが今後、「協定企業だから」とさらに露骨になる可能性がある。

 本日おこなわれた会見でも、朝日新聞の記者から、こうした協定を特定メディアと結ぶことによって「大阪府と近いメディアそうではないメディアに分かれる懸念があるのではと質問が出た。すると、吉村知事はしれっとこう答えたのだ。

「取材、それから報道にかんしては生じないと思っている。こういったかたちで毎日、僕も囲み(会見)をやっているわけですから、質問なくなるまで当然受けますし、取材・報道にかんして何か違いが生じるとかはないし、協定書にも明記している」

 「取材・報道に問題は生じない」と言うが、特定のメディアと協力関係にあってそんなことが可能なわけがないだろう。しかも、協力関係を結ぶことでいち早く情報を入手できるようになれば、監視の役割を捨てて「包括連携協定」を結ぼうとする他社が出てくることも十分考えられる。そうなれば、批判的なメディアはますます孤立し、まともな報道はなくなって「大本営発表」に埋め尽くされていく

 実際、吉村知事は本日の会見で、「(読売にかぎらず)協定を結んでいくというのはあり得る話だと思う」と語っていたが、大阪では府政に対して批判的報道をおこなっているのは毎日新聞ぐらいだというのに、いったい今後はどうなってしまうのか。

 その上、在阪テレビ局がこの協定を結ぶようなことになれば、大変なことになるのは目に見えている。それでなくても吉村知事のコロナ失策に対する批判がほとんど展開されず、在阪テレビ局は揃いも揃って吉村知事を出演させては「さすが吉村さん!」「吉村知事はよくやっている」などというイメージを醸成してきたが、これがますます激化し、在阪テレビ局が軒並み「吉村チャンネル」と化すという地獄絵図が繰り広げられるのではないか。

 しかも、重要なのは、これは大阪だけの問題ではない、ということだ。前新聞労連委員長で朝日新聞記者である南彰氏は〈西日本の中心・大阪府との協定がそのまま認められれば、政府との包括連携協定を公然と結ぶメディア経営者が出てきかねない〉と指摘したが、そんなことになれば、安倍政権下で忖度と萎縮が拡がりきったこの国のメディアから政権やその政策に対する批判が消えてなくなりかねない事態となるだろう。

 ポピュリストという意味でもネトウヨ独裁思考という意味でも安倍晋三・元首相と吉村知事は共通点が多いが、その吉村知事と太鼓持ちの読売が今回、大阪ではじめた民主主義をぶち壊す危険なこの動きに対し、府民にとどまらず批判の声をあげなくてはならない。

(編集部)
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●《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を《男性アナウンサーは吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末》

2021年11月21日 00時00分46秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(20211118[])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「身を切る」自慢より待遇に見合った仕事を】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111170000165.html)。

 《それよりは国会を開いて議論を重ねた方が効果があると思うが、身を切る改革を言い出した維新の議員たちも、自らが身を切ってこなかったことを指摘され寄付するなどと言っているが、そんなどんぶり勘定の時代ではないのだから仕組みとして法整備すればいいだけのこと。自慢することでもない国民が政治家に望んでいるのは、寄付や返納の金額を競うことではないその特権や報酬に見合った仕事をしてくれることではないか。》


 《寄付や返納の金額を競う》だけのお維、ブーメランなお維、ダッサいよね。
 《自慢》ばかりのお維。《寄付や返納の金額を競うこと》ばかりのお維。《その特権や報酬に見合った仕事》を全くしないお維。よく直接的に、また、間接的にお維を支持できますね? 関西マスコミが腐っているのですが、それが、全国的な傾向になっていませんか。なぜ、お維のオーナーがデカい顔でテレビに出まくっているのですか。チヤホヤされているのですか。大阪「ト」構想で敗れ、政界引退をしたんでしょ。見ていて大変に不快です。

 東京新聞の記事【国民感覚からズレた月100万円の「文書通信費」 制度改正が臨時国会の焦点 使いみちは非公開 日割り規定もなし】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/143110)によると、《実質的な活動実績のない新人議員らにも月額100万円が支給されることを問題視し、複数の政党が対応を検討している「文書通信交通滞在費(文通費)」。根拠となる歳費法に日割り規定がないため、国民感覚からかけ離れた制度になっている。使途公開の必要がない問題なども以前から指摘されており、12月予定の臨時国会では制度改正が焦点の一つになりそうだ。(上野実輝彦、木谷孝洋)》
 マスコミの皆さん、文通費 (文書通信交通滞在費) も重要ですが、二重取り政党助成金ヤミ金官房機密費についてもお願いしますよ。

   『●アベ様参院選公約「子育て…」:  
     「3歳児、おなかすいて盗んだ」…アベ様のニッポン、病んでいないか?
    《万引きで補導されたのは3歳の保育園児だった…ほぼ子どもだけで
     アパートで暮らしていた
空腹を満たすため万引きした》
    「あぁ………。アベ様のニッポン、とんでもなく病んではいないか?
     格差社会子どもの貧困問題の解決なんて、簡単でしょ?
     ドブガネや、防衛費といった無駄ガネ、企業献金というワイロ
     もらっておきながらの自民党の政党助成金という二重取りの
     詐欺ガネを回せばいいのです」

   『●《官房機密費…3つからなり、このうち「調査情報対策費」「活動
     関係費」は領収書が必要となる。問題は「政策推進費」》…〝ヤミ金〟
   『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は
     95億4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》
   『●カースーオジサン内閣の12ヶ月…《官房機密費…およそ13億3000万円
          …領収書のいらない「政策推進費」はおよそ11億6000万円》

 醜悪さが日々増しているお維の大阪「ト」知事。それにしても関西マスコミ、正気か? デマ垂れ流しで、恥ずかしくないのかね?
 リテラの記事【文通費どころじゃない維新の血税かすめとり! 橋下徹が「政党交付金を国に返す」宣言の裏で返還せずダミー団体に横流しプール】(https://lite-ra.com/2021/11/post-6078.html)によると、《さらには、男性アナウンサーは吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末だった。どこが「潔い」だ。吉村知事が過去の100万円受け取りを公表したのは、れいわ新選組の大石あきこ衆院議員が衆議院事務局に裏取りした上でその事実をTwitterに書き込み、また本サイトが維新の党本部に取材をおこなって事実確認した直後のこと。ようするに、追い詰められて自白しただけの話だ》。
 大石あきこ衆院議員のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》…なはずなのに、《さらには、男性アナウンサーは吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末だった。どこが「潔い」だ》よ! そして、《こうして移された合計8689万2898円が政党助成金だった。つまり、維新はこうして国庫に返還されるべき金かすめとったのである》《■維新こそ本当の“税金ドロボウ”! 国庫に返還すべき政党交付金をダミー団体に横流しプール》だってさ、よく他の公党を口汚く罵れるものだね? 元大阪「ト」知事を重用するテレビは、この件をなぜぶつけないのかね?
 《ところがメディアは吉村知事の100万円受け取り問題をはじめ、こうした看板倒れでしかない維新の実態を報じようとせず、橋下氏のような“維新の代理人”を平然と公の電波に登場させているのである。メディアがこの調子だと、来年の参院選では維新がさらに躍進することになるのは目に見えている》…。

   『●「広域行政一元化」なんて言い始めた《大阪の3バカが活動拠点を
     国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)
   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●大阪「ト」知事三代が大阪破壊 … 「身体が痛いおばあさんに手術を
      待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてる…」(坂本篤紀氏)
   『●組織的な署名不正など無く公正な条件下でリコールされるべきはお維
          ――― 吉村洋文大阪「ト」知事「厳正に処罰されるべきだ」と宣う
   『●大阪「ト」知事三代の重大な責任 ——— 大阪市廃止大阪「ト」構想、
     カジノ、万博、お維関係者の数多の問題、そして、リコール不正署名
   『●《巨額の税金を“言い値”でフンだくられ、リターンは「遅さ日本一の
      命綱」…まるでパソナ支援金》(日刊ゲンダイ)…大阪「ト」知事三代
   『●《「中等症以下は自宅療養」の方針。…そんななかこれを「菅首相の
     大英断」と褒め称えた人物がいる。橋下徹・元大阪市長だ》(リテラ)
   『●「公務日程なし」としてあまり登庁しない松井一郎大阪市長・元大阪
     「ト」知事…「ルールに従えないなら、組織を出るべきだと思う」ねぇ?
   『●大阪の直接的・間接的お維支持者の皆さん、大阪「ト」知事三代らに
     イジメられることが快感にでもなっているの? それにしても酷い面子…
   『●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに
     使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》


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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111170000165.html

コラム
政界地獄耳
2021年11月17日8時26分
「身を切る」自慢より待遇に見合った仕事を

★共産党衆院議員・宮本たけしは15日、「文書通信交通滞在費1日100万円で大騒ぎしていますがね。この『日本維新の会』の今年分の政党助成金18億円余りを365日で割ってごらん。1日あたり500万円ですよ税金から毎日5倍も受け取っているが、気にはならないのかね。日本共産党は一切受け取らずゼロ。最も身を切っている党です」と政党助成金を受け取らない共産党と比較してみせた。付け焼き刃のような「身を切る改革」を皮肉った軍配は宮本にありだ

★国会議員に毎月100万円支給される「文書通信交通滞在費」について衆院選挙に当選した10月31日の在職1日だけで10月分全額が支給されたことをコメンテーター・橋下徹や日本維新の会が「身を切る改革をやれ」とかみついた件。55年体制のあしき慣習だが、当時の野党はパーティーなどやらないため、解散、当選の時期で1カ月分が支給される制度はありがたかった。それを自民党政権がうまく運用していたとずいぶん前に議員に聞いたことがある。それこそ、議員年金があったころは「あと数カ月で年金が出るので、解散はそれ以降」と自民・社会両党で申し合わせがあったではないかと思うようなタイミングの解散さえあった。

★それを自民党幹事長・茂木敏充が「全額支給されることは、違和感があると思います。適切な対応を検討していただきたい。まず各党で自主的に返還をするという取り組みが必要では。自民党としてはやります」と言い出した。それよりは国会を開いて議論を重ねた方が効果があると思うが、身を切る改革を言い出した維新の議員たちも、自らが身を切ってこなかったことを指摘され寄付するなどと言っているが、そんなどんぶり勘定の時代ではないのだから仕組みとして法整備すればいいだけのこと。自慢することでもない国民が政治家に望んでいるのは、寄付や返納の金額を競うことではないその特権や報酬に見合った仕事をしてくれることではないか。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2021/11/post-6078.html

文通費どころじゃない維新の血税かすめとり! 橋下徹が「政党交付金を国に返す」宣言の裏で返還せずダミー団体に横流しプール
2021.11.17 10:32

     (大阪維新の会公式サイトより)

 「文書通信交通滞在費」(文通費)の問題で、今回の火付け役となった日本維新の会副代表の吉村洋文・大阪府知事の開き直りが醜さを増している。自身も在職日数1日で満額100万円を受け取っていたことが判明したというのに、吉村知事はその使途を公開しようともせず、昨日の会見で「ブーメラン刺さってますけど、社会が良くなればそれでいいなどと自己正当化。本日放送の『ひるおび!』(TBS)ではようやく吉村知事の100万円受け取りの話題を取り上げたが、その時間はわずかなもので、さらには、男性アナウンサーは吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末だった。

 どこが「潔い」だ。吉村知事が過去の100万円受け取りを公表したのは、れいわ新選組の大石あきこ衆院議員が衆議院事務局に裏取りした上でその事実をTwitterに書き込み、また本サイトが維新の党本部に取材をおこなって事実確認した直後のこと。ようするに、追い詰められて自白しただけの話だ

 しかも特筆すべきは、吉村氏が100万円を受け取った際の悪質さだ。これまで本サイトで指摘してきたように、今回当選した衆院議員に支払われた100万円は10月31日が選挙の投開票日で、その1日が10月分の在職日数にカウントされたという不可抗力だったが、吉村氏の場合、自身の判断によってわざわざ月はじめの1日に辞職願を出し、その結果、100万円の文通費が支給されたのだ。さらに、昨日の記事でお伝えしたように、吉村氏はたった1日で文通費をもらったと思われる前後に、橋下徹と松井一郎を前にして文通費に言及し「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)あれ、完全に第2の財布ですからね」などとネット番組で語っていた。ようするに“確信犯”だった可能性はまったく払拭できていないのだ。

 その上、吉村知事はこれまで「文通費の使途を公開してるのは日本維新の会だけ」などとアピールし、「桜を見る会」の名簿破棄が問題になった際には〈でも文通費はどうだ? 維新が公開したから批判もできる〉〈維新以外は公開すらしてない。ブラックボックス。メディアはこっちを批判しないと〉などと論点ずらしの材料にまでしてきた。にもかかわらず、吉村知事と維新は過去に受け取った問題の100万円の使途報告書を公開する姿勢さえ見せず、いまだにどのように100万円が使われたのかを隠しているのだ。

 ところが、ほとんどのメディアがこうした吉村知事の問題や疑惑には触れようともせず文通費にメスを入れた立役者として扱いつづけ、維新があたかも身を切って国会の非常識を正す改革政党であるかのように喧伝しているのである。腐りきっているとしか言いようがないだろう。

 だが、メディアも維新自身も見て見ぬふりをしている問題はまだある。それは「政党交付金」の問題だ。

 維新はこれまで「身を切る改革」を掲げ、“まずは自ら率先して国会議員の既得権益を改革する”ことを強調してきた。ところが「政党にとって最大の既得権益」「税金の無駄遣い」とも言われ、全国民1人あたり年250円、年間約300億円という文通費以上の税金が投じられている政党交付金については問題視せず、今年も維新は約18億円の政党交付金を受け取っている。ちなみに、政党交付金を受け取れる要件を満たしながらも受け取っていないのは日本共産党だけ。維新は何かあると共産党を猛攻撃して批判するが、共産党が受け取っていない分の政党助成金は維新にも配分されているのだ


■「身を切る改革」と喧伝しながら億単位の政党交付金はちゃっかり受け取ってきた維新

 「身を切る政党」と言いながら、政党交付金にはメスを入れずにちゃっかり受け取る──。今回、吉村知事の問題に切り込んだ大石議員も〈維新は今年度の政党交付金18億円を返してから、偉そうなこと言え。来年は当然もらうなよ〉とツイートしていたが、維新が「自分たちは身を切っている」と主張するならば、まずは自らを正せというのは当然のツッコミだろう

 しかし、維新は「最大の税金の無駄遣い」に切り込まず、平然と政党交付金を受け取っているだけではない維新は姑息な政党交付金の返還逃れを働いたこともあるのだ。

 事の発端は2015年、維新の党は最高顧問だった橋下徹と当時大阪府知事だった松井一郎の離党を皮切りに党内の“大阪派”と執行部の対立が激化、政党交付金をめぐって銀行通帳や印鑑を奪い合うという泥仕合になった。そこで橋下氏は2015年10月にTwitterでこう呼びかけることで、カネを争う汚いイメージを払拭しにかかった。

〈維新の党を作った者の責任として維新の党を解党し支払いを終えて残ったお金は国庫に返納することを決めました。有権者の皆さん本当に申し訳ありませんでした。維新の党は日本の国にとって百害あって一利なしです。これから潰しにかかります。これは政党交付金を少しでも国民の皆様にお返しするためです〉
〈維新の党はここまでの事態に陥った以上、いったん解党して政党交付金を国に返すべきだ。他党に回ろうとも今の維新の党が受け取る資格はない。有権者にお詫びして、皆リセットして一から出直し。そして次の選挙で審判を受ける。これしかない。維新の党の永田町組な何を考えているか分からない〉(原文ママ)

 ご存知のとおり、結局のところ離脱した大阪組は松井氏の新党「おおさか維新の会」に合流。残った執行部は民主党と合流し民進党になったわけだが、しかし、橋下氏が宣言していた「政党交付金の返還」はなされなかった

 というのも、維新の党が受け取った政党交付金は2014年12月中旬に所属議員に分配されたが、離党する大阪組の各支部は年末の解散を控えながら、その多くを使いきれず“手元”に残したままでいた。もちろん、そのまま支部を解散すれば政治団体ではなくなるので、その場合、交付金は国庫に返還しなくてはならない

 そこで彼らが利用したのが、2015年12月11日に申請された「なんば維新」なる聞きなれない政治団体だった。所在地は当時のおおさか維新の会とまったく同じで、その代表は松井氏の府議時代からの私設秘書。維新の大阪組は、この急ごしらえの「なんば維新」というダミーの政治団体に寄附のかたちで金を移動。「なんば維新」の2016年分の政党交付金使途等報告書を確認すると、こうして移された合計8689万2898円が政党助成金だった。つまり、維新はこうして国庫に返還されるべき金かすめとったのである。


■維新こそ本当の“税金ドロボウ”! 国庫に返還すべき政党交付金をダミー団体に横流しプール

 そして、「なんば維新」に一旦プールされた政党交付金は、年を越して、おおさか維新の会の各支部に戻されたものと考えられる。そのカラクリを、他ならぬ維新離党組の足立康史・衆院議員が当時、Twitterで口を滑らしていたからだ。

〈維新の党の残金は、当面の必要経費を除いて国庫に返納しました。必要経費については、残留組は維新の党として年越しできましたが、おおさか組はできません。そこで、なにわ維新という暫定の箱を作って年越しした次第です。ザッツオール。〉(2016年5月26日付け、原文ママ)

 足立議員は〈必要経費〉などとごまかしているが、〈暫定の箱を作って年越し〉を狙ったことをはっきり認めているのだ。なお、足立議員はツイートで「なんば維新」ではなく「なにわ維新」と書いていたが、調べてみたところ、これは単純な取り違えのようだ。

 繰り返すが政党交付金は国民の血税である。その返還すべき血税を、維新はこのような姑息な手口で自分たちのものにしたのである。また、この返還逃れの実態が明確になっても、維新はこの問題をシカトしつづけ、国庫への返還もしていないのだ。

 しかも、当時「残った政党交付金は国庫に返納する」と宣言した張本人である橋下氏も、「なんば維新」の問題を無視しつづけているくせに、今回の文通費問題では“維新の手柄”であるかのようにテレビで猛アピール。さらに問題の矛先を与党ではなく野党に向けて露骨な野党批判を展開し、前述した大石議員の〈維新は今年度の政党交付金18億円を返してから、偉そうなこと言え〉というツイートにも噛みつき、〈政治闘争資金として政党交付金があることも知らないようだ〉などと批判。一方、元維新の丸山穂高・前衆院議員に政党交付金の不適切使用を暴露されたからか、ここに来て国政維新に対して政党交付金から支出される可能性もある組織活動費政策活動費の使途を公開すべきなどだと主張している。

 維新が活動費の使途を公開したところで文通費における「セルフ領収書」のように抜け道をつくり出すことは明々白々で何の意味もないが、ようするに橋下氏は「最大の税金の無駄遣い」と言われる政党交付金を「政治闘争資金だ」などと正当化するだけではなく、政党交付金の問題を「活動費の使途の公表」にずらそうとしているのだ。

 ともかく、国に返還すべき国民の血税をかすめ取っても平然としてきたくせに、何が「身を切る改革」だ、という話だが、ところがメディアは吉村知事の100万円受け取り問題をはじめ、こうした看板倒れでしかない維新の実態を報じようとせず、橋下氏のような“維新の代理人”を平然と公の電波に登場させているのである。

 メディアがこの調子だと、来年の参院選では維新がさらに躍進することになるのは目に見えているが、そんなことは看過できるはずがない維新がいかに「口だけ番長」であるのか、市民の手によってどんどん暴いていくほかないだろう

(編集部)
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●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》

2021年11月20日 00時00分01秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


 (20211117[])
リテラの記事三連発。【吉村知事や橋下徹の「国会議員の“文通費”批判」に盛大ブーメラン…維新議員は文通費公開と言いながら不適切流用や使途隠しだらけ】(https://lite-ra.com/2021/11/post-6075.html)と、
【吉村知事「自ら1日で文通費100万円」問題の卑劣ごまかし手口! リテラの直撃のあとに自ら公開した体で認めるも悪質手口は隠蔽】(https://lite-ra.com/2021/11/post-6076.html)と、
【吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘!当時、橋下相手に「もうちょっと内緒に」「第2の財布」と発言、違法疑いの横流し記録も発見】(https://lite-ra.com/2021/11/post-6077.html)。

 《「身を切る改革」を訴える維新にとっては、この問題提起によって、さらに全国知名度をあげようという目論見なのだろう。だが、はっきり言って、この問題を維新が取り上げることは、まったくもってちゃんちゃらおかしい。いや、まさに盛大なブーメランとしか言いようがない》。
 《これが大反響を呼ぶと、橋下徹までしゃしゃり出て大キャンペーンを開始し、メディアも大きく取り上げはじめている。ところが、この文通費の問題を焚き付けてきた張本人である吉村知事に、とんでもないブーメランが判明した。吉村知事が、衆院議員時代に月の在職日数が1日しかなかったにもかかわらず、文通費を100万円、満額受け取っていたと認めたのだ》。

   『●《巨額の税金を“言い値”でフンだくられ、リターンは「遅さ日本一の
      命綱」…まるでパソナ支援金》(日刊ゲンダイ)…大阪「ト」知事三代
   『●《「中等症以下は自宅療養」の方針。…そんななかこれを「菅首相の
     大英断」と褒め称えた人物がいる。橋下徹・元大阪市長だ》(リテラ)
   『●「公務日程なし」としてあまり登庁しない松井一郎大阪市長・元大阪
     「ト」知事…「ルールに従えないなら、組織を出るべきだと思う」ねぇ?
   『●大阪の直接的・間接的お維支持者の皆さん、大阪「ト」知事三代らに
     イジメられることが快感にでもなっているの? それにしても酷い面子…

 《志位委員長は「あの共産党ウオッチャーの松井さんがご存知ないとは驚きましたが、私たちはホームページで文通費の使途をすでに公開している」と反論。さらには維新の杉本議員の使途報告書では、100万円の文通費の全額を杉本氏が支部長を務める政党支部に入れ、領収書の発行も受け取りも杉本氏自身であることを突き付け…》。ぐうの音も出なかった松井一郎元大阪「ト」知事。記者の前で大恥。関西マスコミでは報じられてはいないようだが。
 日刊ゲンダイの記事【橋下徹氏も“1日100万円支給”を糾弾! こぞって「文通費」批判の維新どの口が?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/297394)によると、《文通費は以前から「税金の無駄遣い」と指摘され、国会議員の「第二の給与」といわれるが、維新は2019年7月、使途を公開している当時現職の国会議員21人全員が、文通費の領収書を自分で自分に切っていただけでなく、自分の政治団体に寄付していたことが判明、ネットでは「#セルフ領収書」問題として大炎上した。寄付した金額は、維新が受け取った約7.6億円の文通費(2015年10月~19年3月)のうち5.7億円だ。これだけ“キャンペーン”を繰り広げるなら、まずは「身を切る改革」を訴えている「日本維新の会」の国会議員が率先して国庫に返納するなどの手本を示したらどうなのか》。

 そして、驚きのオチが待っていた。吉村洋文大阪「ト」知事に、巨大なブーメラン。ブーメラン好きなお維の皆さん達。関西マスコミの皆さんも当然大報道してますよね? これが、相当に悪質なんですよ。《今回の選挙で初当選した元熊本県副知事の小野泰輔・衆院議員》、是非、お維内部でしっかりと追及をお願いします。《コス》いことをやったわけでしょ?
 日刊ゲンダイの記事【維新「文通費」全額寄付パフォーマンスでブーメラン!政治資金への流用常態化が蒸し返される】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297475)によると、《だが、吉村知事は2014年12月19日から15年101まで衆院議員を務めていた。文通費について初めて知ったような言いぶりはおかしいし、大阪市長選に出馬するため1日だけの在職で辞めた10月分の文通費を当時は満額受け取っていた。この件について、15日の会見で吉村知事は「6年前の文書通信費になるが、日割りで返還したい。寄付を考えている」と表明したが、自分のことを棚に上げて猛批判していたのはお粗末極まりない。文通費が話題になって過去を蒸し返されたのは、吉村知事だけではない。維新は15年から文通費の透明化をうたって、所属議員の使途を公開しているが、呆れた支出だらけなのだ》。

 産経系広報紙zakzakの記事タイトル【文通費「1日100万円」の“議員特権”に猛批判! 10・31当選の新人ら121人にも満額支給 維新は全額寄付へ 識者「常識的にはおかしい」】。《吉村氏も大阪市長選に立候補するために2015年10月1日付で衆院議員を辞職した際、10月分100万円を支給された可能性があるとして、党を通じて同額を寄付する意向を示した》。
 お維は《全額寄付》!!、って、あのぅ~、タイトルには吉村大阪「ト」知事が、9月末ではなく10月1日に議員辞職して、100万円貰っていた件が書かれていないのですが。なんで9月末じゃなかったのでしょうね? 意地汚いよね。

 さらなるブーメラン…一体どこまで醜悪な大阪「ト」知事なのか。大阪「ト」知事三代、底なしの醜悪さだ。
 リテラの記事【吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘!当時、橋下相手に「もうちょっと内緒に」「第2の財布」と発言、違法疑いの横流し記録も発見】(https://lite-ra.com/2021/11/post-6077.html)によると、《ドヤ顔で「どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい」「これが国会の常識。おかしいよ」と批判していた張本人が、まったく同じように100万円を受け取っていたというのに、「社会が良くなればそれでいい」って、よくもまあここまで開き直れるものか。しかも、吉村知事の「当時の記憶がない」「意図的に10月1日に辞めたわけではない」という言い訳が大嘘だったことが明らかになった》。

 大石あきこ氏のつぶやき…《飲みしろに使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》。大阪「ト」知事三代が、楽しそうにオシャベリ:

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https://twitter.com/oishiakiko/status/1460746923594313729

大石あきこ れいわ新選組 衆議院議員(大阪5区)@oishiakiko

吉村知事。
2015年10月、退職の1日で文通費100万円を得た、5日後の吉村発言
文通費、内緒にしててもらったら(苦笑)」
「公開してないとこは、飲みしろやなんやに消えてるでしょうね
→吉村さんは10月分だけ公開せず

飲みしろに使ったんですか?
「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね

https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1460746850194325505/pu/img/k6dtEiYG3KU1_Mmt?format=jpg&name=small

 ……

午前8:09 2021年11月17日
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https://lite-ra.com/2021/11/post-6075.html

吉村知事や橋下徹の「国会議員の“文通費”批判」に盛大ブーメラン…維新議員は文通費公開と言いながら不適切流用や使途隠しだらけ
2021.11.14 05:00

     (吉村洋文公式サイトより)

 先の衆院選で議席を増やして勢いに乗っている日本維新の会が、大キャンペーンを展開しはじめている。問題視しているのは、国会議員に毎月100万円が支給され、領収書の届け出が不要な「文書通信交通滞在費」だ。

 ことの発端は、今回の選挙で初当選した元熊本県副知事の小野泰輔・衆院議員の指摘だった。小野議員は12日、「note」に〈文書通信交通滞在費の額がどうにもおかしいのです。10月31日に当選したということで、歳費(いわゆる給料)は日割り計算(約3万円)となっているのですが、文書通信交通滞在費は満額の100万円が支払われました〉と投稿。

 これに反応したのが、維新の副代表である吉村洋文・大阪府知事だった。吉村知事は昨日13日、このようにツイートした。

〈維新の新人議員、小野さんから。なんと10月分の文書通信交通滞在費100万円が現金で満額支給されたとのこと。10月分?選挙の投開票日が10月31日なんだけど。どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ。〉
〈しかも、その任期って10月31日の投開票日のこと。1日で1ヶ月分、満額の100万の札束支給。僕は記者会見場でカツサンドの支給。うまかったけど。〉

 この投稿が大きな反応を集めると、吉村知事は本日このように畳み掛けた。

〈このお金、経費と言いながら、領収書が要らないのは、やっぱりおかしいよね。文書通信交通滞在費とかまどろっこしい名前をつけてるけど、領収書は要らない。領収書不要の経費ってある?〉
〈維新の新人議員は、国会のおかしいと思う所をどんどん外に向けて発信して欲しい。内に向けて縮こまる必要はない。賢く無難に小さくまとまった所で巨大自民党には対抗できない。〉

 「国会の非常識」「経費と言いながら領収書が要らないのはおかしい」──。こうした問題提起に対し、ついにはあの人も参戦。本日放送の『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)では、橋下徹がこの問題をぶち込み、こう憤ってみせた。

橋下「たった4時間、10月は4時間の在職時間でね、100万円の現金もらうって、どうですかこのいまの国会の仕組み!」
司会者「いままで問題になってなかったんですかね」
橋下「いや、たぶん維新の会は問題提起してきたのに、みんな黙っちゃうの国会議員」

 そして橋下氏は、「こういうこと正さないと、分配だとか国民への負担なんてね、国民納得しないですよ! 国会議員ちゃんとしっかりやってくれ!」とカメラ目線で吠え、番組は終了した。

 たしかに、吉村知事や橋下氏の言うとおり、「文書通信交通滞在費」が日割りされずに満額支給されるというのは問題があるかもしれない。「身を切る改革」を訴える維新にとっては、この問題提起によって、さらに全国知名度をあげようという目論見なのだろう。

 だが、はっきり言って、この問題を維新が取り上げることは、まったくもってちゃんちゃらおかしい。いや、まさに盛大なブーメランとしか言いようがない。


維新議員の文通費の64%、18千万円が、議員本人の政治団体に流れていた

 そもそも、「文書通信交通滞在費」がもっとも問題なのは、吉村知事が指摘したように「経費と言いながら領収書が要らない」という点だ。公費は金の流れが透明化されるべきであるというのに、領収書が不要であるため、その使途はまったくわからないのだ。

 実際、橋下氏が言ったように維新は「領収書なしはおかしい」と問題提起し、2014年、当時維新の代表だった橋下氏が使途公開を表明。さらに維新は、2017年の特別国会に「文書通信交通滞在費」の使途公開を義務付ける歳費法改正案を提出している。

 このように、自ら「身を切る改革」を実践しているように見える維新だが、しかし、実態はあまりにも杜撰なものだった。いや、杜撰どころか、その使途は不適切なものだったことが明るみに出たのだ。

 というのも、維新が「文書通信交通滞在費」の使途公開を義務付ける改正案を提出した2017年に公開された維新所属25人の国会議員の2016年分の使途報告書や政治資金収支報告書を朝日新聞が分析したところ、以下のような事実がわかったのだ。

〈前年からの繰り越しを含む総額2億8千万円のうち、64%にあたる1億8千万円が、議員本人の政治団体に寄付されていた。25人中8人は寄付が80%以上で、うち3人は90%を超えていた。〉
〈16年分の政治資金収支報告書を確認したところ、各政治団体の資金の使途には、維新が内規で禁じる飲食費や政治資金パーティー券の購入、贈答品の支出がある。議員が団体に貸した現金の返済や、別の団体への寄付もあった。〉

 ようするに、「文書通信交通滞在費」が領収書もなく支給されるのはおかしい!と維新は吠えていたのに、公開された使途を確認すると、ほとんどが議員の政治団体に寄付として流すことで実際は何に使ったのかがわからない状態になっていた。そして、金を流した先では内規で禁止している飲食費やパー券、贈答品の購入がズラズラと並んでいた……というわけだ。

 この維新所属の国会議員による「文書通信交通滞在費」の使途に対し、岩井奉信・日本大学教授は「税金で政治資金を賄っていることになり、ふさわしくない使われ方だ」と指摘している(朝日新聞2017年12月27日付)。


松井市長は「共産党は使途公開していない」とデマ攻撃、逆に志位委員長に「維新議員の“セルフ領収書”」を突きつけられ

 一体これのどこが「身を切る改革」かという話だが、恥知らずな維新はその後も「文書通信交通滞在費」の使途について厳格なルールを設けることもなく、議員自身が自分の政治団体や資金管理団体宛てで領収書を切り、寄付をおこなってきた。その結果、維新が2015年10月〜2019年3月に受け取った「文書通信交通滞在費」の総額約7.6億円のうち、なんと約5.7億円が議員が代表を務める政党支部や資金管理団体などに寄付されていたのだ(日刊ゲンダイ2019年7月19日付)。

 しかも、開いた口が塞がらないのは、このように不適切な使い方をしておきながら、維新はその事実を伏せたまま「俺たちは使途を公開している!」と大手を振ってきたことだ。

 そのことを示す、象徴的なシーンもある。それは2019年の参院選の日本記者クラブ主催・党首討論会でのこと。維新の松井一郎代表は「文書通信交通滞在費」の見直しを自分が訴えたことを誇らしげに語り、日本共産党の志位和夫委員長に「志位さんは『(領収書の公開を)やる』とはっきりと言った。2年が経過しているが知らぬ存ぜぬで実行されていない。志位さんの公約はそういう軽いものなのか」などと絡む一幕があった。

 だが、その場で志位委員長は「あの共産党ウオッチャーの松井さんがご存知ないとは驚きましたが、私たちはホームページで文書通信交通滞在費の使途をすでに公開している」と反論。さらには、維新の杉本和巳・衆院議員の使途報告書では、100万円の文書通信交通滞在費の全額を杉本氏が支部長を務める政党支部に入れ、領収書の発行も受け取りも杉本氏自身であることを突き付けたのだ。

 ものの見事に返り討ちにあった松井代表は「ぐぬぬ」と言わんばかりの表情を浮かべ、その様子はTwitter上でも大きな話題を集めたが、今回も性懲りもなく維新はブーメランを飛ばしているのである。

 しかし、悪質なのは、維新の連中は揃いも揃って、ブーメランが返ってくることをわかっていてもこうして大きな声で平然と「維新は身を切る改革をしている!」「自分たちに厳しい政治をやってきた」と叫びまくることだ。


吉村、松井、橋下のマスコミ利用と大声で、維新の無駄遣いの実態は隠されていく

 維新が主張する、公費である「文書通信交通滞在費」の使途を公開しよう、法改正をしようというのはもっともな動きだが、しかし、その実態はほとんどが政治資金となり使途がわからなくなっているのは本末転倒であり、大きな問題がある。だが、吉村知事や松井知事、さらには橋下氏の声はあまりに大きく、発信力も圧倒的であるため、維新の問題を指摘する声はかき消されてしまう。

 ましてや、テレビ番組で橋下氏が「維新の会は問題提起してきた」などと主張したとき、「でも、維新の議員は“セルフ領収書”を切っているのが実態では?」と志位委員長のように切り返せる司会者やコメンテーターがいるわけもなく、結局、「維新の指摘は正しい」「維新は『身を切る改革』を進めている」というイメージだけが醸成されていくのだ。

 これは「文書通信交通滞在費」にかぎった話ではない。維新はすぐに「国会・国会議員の無駄遣い」を叫ぶが、維新政治の舞台となっている大阪では、ろくなコロナ対策も打たないまま大阪都構想住民投票に邁進し、2013年以降、都構想関連に公金を100億円以上も費やしてきた。その事実ひとつをとっても、維新は大衆の「無駄遣いは許せない」という劣情を煽ることで党勢拡大を図ってきたにすぎない。

 しかも、維新所属の音喜多駿・参院議員は昨年3月、れいわ新選組の舩後靖彦・参院議員がコロナ感染防止のため国会を欠席したことに対して歳費返納を要求したが、これは明らかに「国会議員の無駄遣いは許せない」という感情に付け込もうとしただけではなく、「障害者は特権を享受している」という妄想を抱く層に対する「障害者にも容赦はない」というアピールだった。つまり、自分たちの「身を切る改革」「改革政党」を強調するためには、どんな下劣な手でも平気で打ってくるのが維新なのだ。

 今回の「文書通信交通滞在費」を足がかりに、参院選に向けて維新はさらに「国会・国会議員の無駄遣い」問題を喧伝していくはずだ。だが、その前に維新は、不適切な使い方が指摘されている自身の「文書通信交通滞在費」のあり方についてどう考えるのか、しっかり説明をおこなうべきだろう。

(編集部)
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吉村知事「自ら1日で文通費100万円」問題の卑劣ごまかし手口! リテラの直撃のあとに自ら公開した体で認めるも悪質手口は隠蔽
2021.11.15 10:55

     (吉村知事Twitterより)

 日本維新の会副代表である吉村洋文・大阪府知事がツイートして大きな波紋を広げている、国会議員に毎月100万円が支給される「文書通信交通滞在費」(文通費)の問題。10月31日に当選した在職日数がたった1日しかない衆院議員にも日割りではなく満額の100万円が支払われたことを吉村知事が問題視して、「どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい」「これが国会の常識。おかしいよ」とTwitter上に投稿。これが大反響を呼ぶと、橋下徹までしゃしゃり出て大キャンペーンを開始し、メディアも大きく取り上げはじめている。

 ところが、この文通費の問題を焚き付けてきた張本人である吉村知事に、とんでもないブーメランが判明した。吉村知事が、衆院議員時代に月の在職日数が1日しかなかったにもかかわらず、文通費を100万円、満額受け取っていたと認めたのだ。

 吉村知事はまず、本日15時45分ごろからの会見で、「僕自身のことで、6年前のことになるが、議員をやめて大阪市長に挑戦することになった。そこも日割りになってないと思う。なので、僕も6年前の文書通信費になるが、日割りで返還したい。寄付を考えている」などとさらっと発言。16時半ごろには自身のTwitterに〈僕自身、6年前に国会議員の身分を捨て、橋下市長の後を受けて、大阪市長選挙に挑戦しました。その際、議員辞職日が10月1日だったので、記憶が曖昧ですが、文通費を受けています〉などと投稿した。

 これだけをみると、あたかも“俺は自ら受け取ったことを明かしたうえに、寄付をする、偉いだろ”と言わんばかりだが、冗談ではない。

 じつは、吉村氏が月の在職日数1日で100万円を受け取っていたという問題は、吉村知事が今回の衆院議員当選組の100万円支給問題を騒ぎはじめた段階からTwitter上で指摘されていたのに、ずっと知らぬ存ぜぬを決め込んでいた。

 ところが、2008年に当時の橋下大阪府知事に抗議した元大阪府庁職員で、先の衆院選で初当選を果たしたれいわ新選組・大石あきこ議員が、本日の13時37分に〈吉村知事が衆議院議員を退職した2015年10月1日。10月の文通費100万円を受け取ったか、衆議院担当部署に問い合わせたら「100万円受け取った」「返金してない」との回答でした〉とツイート。

 さらに、本サイトも衆議院事務局に事実を確認した上、14時30分過ぎに、日本維新の会の党本部に電話でこの問題を直撃。吉村知事が100万円を受け取っていたのは「事実である」という確認をとっていた。

 すると、吉村知事はさすがに事実自体をごまかしきれないと思ったのだろう。前述したように、本サイトの党本部直撃から1時間後に会見で「寄付する」などというごまかしを入れながら事実を認め、その直後にドヤ顔で事実を認めるツイートをしたのである。

 姑息としか言いようがないが、しかも、吉村知事は事実を認めただけで都合の悪いことは何も説明していない。


吉村知事はわざわざ101日に議員辞職、意図的に1日で100万円をゲットしようとした疑惑が

 その最たるものは、吉村知事の「1日で100万円」が意図的な“血税かすめとり”である疑惑だ。吉村知事が批判してきた今回新たに当選した衆院議員たちの100万円受け取りは、10月31日が選挙の投開票日で、その1日が10月分の在職日数にカウントされたという不可抗力だが、吉村氏の場合、自分が月はじめの1日にわざわざ辞職願を出した結果、たった1日で100万円の文通費が支給された。しかも今回新たに当選した衆院議員は今後の議員活動に使うことになるのだろうが、吉村氏が支給されたのは議員を辞職した後だ。辞職したのに100万円を一体何に使ったのかというのも大きな疑問だ。

 吉村氏は、2014年の衆院選に維新の党公認で大阪4区から出馬し、小選挙区では敗れたものの比例復活で当選。しかし、2015年に橋下徹・大阪市長の任期満了を受けておこなわれた大阪市長選に出馬するために同年10月1日に辞職願を衆院議長に提出、同日、国会議員を辞職した。だが、大阪市長選への出馬については、辞職する1か月以上前の8月下旬から「維新は市長選候補として吉村議員を軸に調整するとみられる」などと報道されていた。

 当時から維新は文通費の問題を取り上げており、その問題意識に基づけば、9月30日までに決断し、辞職願を出すこともできたはずだ。しかし、吉村氏はそうはせず、月はじめの10月1日に辞職願を出した。これは文通費の100万円を受け取るためにわざと10月1日に辞職願を出したと見られても仕方がないものだ。

 吉村知事はきょうの会見で2015年の満額100万円受け取りの事実を認めた際、「(当時は)市長に挑戦することで頭がいっぱいで、日割りかどうか記憶にないが、制度上、日割りになってないはず」「僕自身も大きな声で訴えているわけなので6年前とはいえ、日割りで計算して寄付をしたい」とごまかしたが、「記憶にない」などとすっとぼけるとは無責任にも程があるだろう。

 また、仮に何かの事情で辞職願を出すのが10月1日になったのだとしても、前述したように、100万円を受け取った当時、すでに維新は文通費を問題視し改正法案を提出していた。なぜ、吉村氏は「これが国会の常識。おかしいよ」などと問題提起したり「寄付する」と明言することもなかったのか。

 さらに問題なのは、「自分たちは文通費の使途を公開している」と鬼の首を取ったようにわめいている維新が、この吉村氏の満額100万円の使途報告書を公開していないことだ。

 本サイトは本日、維新の会の党本部に電話取材をおこなった際、その点についても問いただしたのだが、すると、維新の担当者はこのように答えた。

「基本的に辞められたということは議員会館とか引き取りますし、その次のやつ、選挙だとかありますから。議員会館片付けたりとか後始末ありますよね」


吉村知事の文通費の公開をしないのかという問いに維新事務局は「古すぎますので」

 維新は「文通費の使途を公開しないのはおかしい!」「維新は公開している!」と声高に叫び、それを明記する改正案まで提出してきたというのに、肝心の使途報告書を公開していない理由を「議員会館の片付けや選挙があったから」などと言うのだ。

 当然、本サイトは「すぐは難しいかもしれませんけど、吉村知事は(辞職から)5年も経っている。その間に整理して公開できたのでは」と更問い。だが、維新の担当者は「そこは事務的な手続きの話ですので、たんにその手続きができていないというだけです」と主張。「今後、公開する予定は?」と問いただすと、こう答えた。

「古すぎますのでね。事務的にミスがあったということでしたら、謝らせていただきますが。少なくとも我が党にかんしましてはできる限り公開していこうということで公開していますので。前進させているという意味では公開しているんですけど、それだとダメだというお話ですか?」

 月の在職日数が1日であろうと2日であろうと吉村氏が党所属の国会議員であった事実は揺るぎないものだ。そして、維新は党として文通費を公開していることをさんざんアピールしてきた。にもかかわらず、非公開となっている吉村氏の文通費の使途は「古すぎる」を理由に公開する気もみせず、挙げ句、「前進させているという意味では公開しているんですけど、それだとダメだと?」などと開き直ったのである。

 そこで本サイト側が「ダメというか、維新は公開しているとおっしゃっているので。でもHPを拝見したらなかったので」と述べると、維新の担当者は「はい、それは申し訳ありません。はい、努力はさせていただきます」と回答。その後も以下のような回答を繰り返した。

──ただ、古いので難しいと?
「まあ担当者も変わっていますし、当時のことをわかっている者がどれだけいるかってことになりますね」
──当時はなんで公開しなかったんですか?
「そのときすぐ選挙ありましたしね。知事選挙(編集部注:正しくは大阪市長選挙)。事務方もドタバタしますし。当時(の者)でないとわかりませんけれども、当時のいてた者がいたとしても、そんな前の話ですとなかなか明解にというわけにはいかないですね」
──今後、公開は?
「努力はしようとしますけど、なにぶん時間が経ちすぎてますのでね」
──吉村知事は文通費のこと、おっしゃってますよね?
「ですから、できる限り努力します」
──2015年10月の時点でも、維新は文通費の問題を重視してましたよね。
「まあ、おっしゃる通りですけど、とはいうものの、事務的には100%できていなかったのは申し訳ありませんってことですね」

 さらに最後には、維新の担当者は「またいろいろ書いていただけるんですか」「かなり厳しい、違法だみたいなことも書いてますけど」「共産党(の使途報告)なんかペラっと1枚」「なぜ私どもだけこんなに書かれるのか」など、リテラへの文句が続いたのだった。


吉村知事以外にも2日間の在職で100万円をせしめた維新議員が

「自分たちは使途を公開している!」と息巻きながら、公開すべき報告書を公開もせずに「ドタバタしていた」「古すぎる」などと幼稚な言い訳を繰り返しておきながら、「またいろいろ書いていただけるんですか」とは……。

 しかも、この維新担当者の口調や吉村氏のきょうの会見を見る限り、維新はおそらくこれだけで幕引きを図るつもりなのではないか。吉村氏が意図的に1日で100万円をゲットするために10月1日に辞職した疑惑も、使途報告書の公開も、このままなかったことにするつもりではないか。

 言っておくが、維新には吉村氏と同じようなケースがほかにもある。2020年4月2日には維新の谷畑孝・衆院議員が病気を理由に辞職し、同月に維新の美延映夫氏が繰り上げ当選しているのだが、維新のHPでは谷畑氏の2020年4月の使途報告書は掲載されていない。

 その上、吉村知事は本日の会見で「文通費はいまの制度上、領収書もいらない経費ということになっている。領収証の入らない経費そのものがやっぱりおかしい。領収証を付ければいいということ。まずそこが重要な部分」などともっともらしく語っていたが、本サイトが昨日指摘したように、維新が公開する文通費の使途報告書では、議員による“セルフ領収書”によって議員が自身の政治団体や資金管理団体に還流させるという不適切な処理が繰り返されているのだ。

 ようするに、「使途を公開すべきだ!」「領収書なしはおかしい!」「これが国会の常識か」などと吠えている張本人である吉村知事を筆頭とする維新自体の文通費の貰い方、使い方がデタラメもいいところなのだ。

 しかし、問題が深刻なのは、メディアがこうした維新の「口だけ」ぶりをまったく報じないことだ。実際、テレビなどのメディアでは、吉村知事や橋下氏が声高に叫ぶ主張を取り上げるだけで、維新の不適切な文通費問題に触れようともしない。本日、吉村知事が100万円受け取りを認めた問題を明日のワイドショーが取り上げるのかは不明だが、すでにこの問題に対してYahoo!ニュースのコメント欄では〈吉村さん、行動が早いですね〉〈後出しだとしても批判や揚げ足取りしかされない方よりは行動に移している吉村氏の方が私は好印象です〉〈本当に男気のある方だと思う。政治家の本来あるべき理想の姿だと思う〉という称賛するコメントが集まっており、ワイドショーもあたかも吉村知事が自ら自分の問題を明かしたかのように報じる可能性は高い。

 コロナではヨーロッパ並みの致死率を大阪が叩き出したというのに、それでもなお吉村人気が高いのは、在阪メディアを中心としてテレビや新聞が事後検証も放棄して吉村知事を持ち上げてきた結果でもある。その姿勢はいまや東京キー局に広がり、文通費問題を野党攻撃に転嫁させている橋下氏らの主張だけを取り上げつづけている。

 この“共犯関係”がある限り、維新はどんなデタラメをやっても許される、恐ろしい状況というほかはない。

(編集部)
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https://lite-ra.com/2021/11/post-6077.html

吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘!当時、橋下相手に「もうちょっと内緒に」「第2の財布」と発言、違法疑いの横流し記録も発見
2021.11.16 10:58

     (大阪府公式チャンネルより)

 案の定と言うべきか。日本維新の会副代表の吉村洋文・大阪府知事が火付け役となった「文書通信交通滞在費」(文通費)の問題で、昨日、本サイトでお伝えしたように、吉村知事も衆院議員時代、月の在職日数が1日しかなかったにもかかわらず文通費を満額である100万円受け取っていたと認めた。しかし、本日放送された『ひるおび!』(TBS)や『バイキングMORE』(フジテレビ)などのワイドショーでは、吉村知事の100万円受け取り問題は一切批判せず、『バイキング』にいたっては野党叩きが繰り広げられる始末だった。

 こうしたメディア報道に調子づいたのか、問題の張本人である吉村知事は、きょうの会見でこんなことを言い出した。

「ブーメランだと思いますけど、良かったと思ってます。これがきっかけで大きく動いて、与党も返金するってことまでなったわけですから。我々が大騒ぎしてなかったら、そんなんなってなかったですからね」
「ブーメラン刺さってますけど、社会が良くなればそれでいいと思います」

 ドヤ顔で「どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい」「これが国会の常識。おかしいよ」と批判していた張本人が、まったく同じように100万円を受け取っていたというのに、「社会が良くなればそれでいい」って、よくもまあここまで開き直れるものか。

 しかも、吉村知事の「当時の記憶がない」「意図的に10月1日に辞めたわけではない」という言い訳が大嘘だったことが明らかになった。

 吉村知事は昨日の会見やTwitterでの説明において、「当時の記憶というのは正直あまりない」「当時、市長選に挑戦するということに頭がいっぱいだったので、あまり日割りがどうとか記憶はない」と身に覚えがないことを主張。さらに、本日の会見でも、「2015年10月1日に辞職したのは10月分の文通費をもらうためだったのではないか」という疑義の声に対し、「文通費を細かく考えて対応するのであれば、文通費を受けれる立場、権利のある国会議員を続けていた」「そういうコスいことはしない」と反論。記者から「当時は文通費について問題意識はなかったということか」と問われると、吉村知事はこう答えた。

「うん、あの、いま2015年の意識というのを振り返ったことを言ってもあんまり意味がない」
「2015年の頃というのは、文通費とかいろんな議員の厚遇の問題も指摘されはじめてますけど、それ全部、放棄を自分でして、通るか通らないわからない選挙に挑戦すると判断したのが、僕の頭の中の99%だった」

 ようするに、衆院議員を辞めて大阪市長選に挑戦することで頭はいっぱいで文通費のことを考える余裕もなく、文通費を満額ゲットしようなどというそろばんを弾くようなコスいことはするはずもない、といったわけだ。

 だが、吉村知事は、2015年、たった1日で文通費をもらったと思われる前後に、橋下徹と松井一郎を前にして、文通費に言及。「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。あれ、完全に第2の財布ですからね」などと語っていたのだ。


■当時、吉村氏が橋下徹に文通費について笑いながら「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。完全に第2の財布ですから」

 発言があったのは、2015年10月6日にニコニコ生放送で配信された「【大阪維新の会特番】鼎談 橋下徹・松井一郎・吉村洋文~吉村洋文の素顔を大公開~」というもの。この鼎談は番組タイトルにもあるように、同年5月の「大阪都構想」住民投票が否決されたことを受けて政界引退を決めた橋下市長の後任候補予定者として吉村氏をアピールしようという内容だったのだが、“国会議員のVIP待遇”について語るなかで、このような会話が繰り広げられていたのだ。

吉村「何も信念とか理念とか『こういうことやりたい』っていう思いがないまま当選しちゃうと、勘違いするって言い方悪いんですけど、こんな待遇になるとなかなか抜け出せないし、議員は辞めれないと思いますね」
橋下「それで給料だってね、普通に民間人になってそれだけ稼げるメンバーが国会議員に何名いるかと言ったらねぇ。2000何百万貰って、しかも毎月100万円? 経費をもらうわけでね。文通費ね」

 ここで橋下氏が文通費の問題を持ち出すと、すかさず吉村氏は、間髪入れずにこうつづけるのだ。

吉村「でも、文通費の公開。あれは本当、市長と幹事長がいいところに目をつけたというか、ウィークなところ突いていただいて(橋下氏と目を合わせて笑い合う)」
橋下「うん(笑)。あれ、だって地方議員は政務調査活動費で……」
吉村「もうちょっと内緒にしといてもらってもねえ(笑)。もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。あれ(文通費)、完全に第2の財布ですからね」
橋下「あれね」
吉村「まあ、維新の会、維新の党は公開するっていうのでもう公開してますけど、あれを公開しないとこは本当にもう第2の財布で、飲み代や何やに消えてるでしょうねぇ
橋下「それで税金もそこかかってないわけですからね」
吉村「そうです。だから税金がかからないああいう所得……所得じゃないんですけど。僕らは弁護士やっていろいろ会社の経営の方とか見ますけど、あり得ないですからね。税がかからず自由に使っていいお金。それが税金だっていうのが、あれはおかしいし、第2の財布になってると思いますね」
橋下「でも、それをいままでの国会議員が『改革だ、改革だ』って言ってる国会議員、誰一人それを変えようとせずにね、結局、僕と知事が『これ、おかしいやないか』って言って」
松井「ワーワー言ってね」
橋下「ワーワー言って変わったわけだよね」
吉村「あれ、国会議員からしたらもう大迷惑だと思いますよ(笑)。『そこは言わんといてよ』っていう。『そこは言わんでええんちゃうん?』みたいなところやったと思う。でもそこはあるべき姿と思いますね。やっぱり税ですんでね」

 前述したように、吉村知事はきょうの会見で「2015年の意識というのを振り返ったことを言ってもあまり意味がない」「当時の頭の中の99%は市長選のことでいっぱいだった」と主張していたが、ご覧のとおり、当時の吉村氏は自ら文通費を槍玉に挙げ、「文通費は第2の財布」「あり得ない」「(維新は)ウィークなところを突いた」とその問題意識をあらわにしていたのだ。


■「当時は文通費の意識なかった」と言い訳も、100万円受け取り後に橋下徹、松井一郎との鼎談で「文通費は第2の財布」と

 しかも、本サイトが昨日、衆議院事務局に確認したところ、「文通費は辞職日から7日以内に支払われる」という説明だった。一方、吉村氏が辞職したのは10月1日で、この生放送は6日。つまり、「文通費は第2の財布」「おかしい」と口にしていた前後に、吉村氏は月の在職日数がわずか1日であったのに満額の100万円を受け取っていたのである。

 普通に考えれば、これだけ文通費について問題意識を持っていたのであれば、在職日数1日で100万円も支払われた際に「これはおかしい」と思うはずであり、その出来事は強烈に記憶に残っているはずだ。むしろ、市長選を控えて、今回のように「1日で100万円はおかしい!」と声をあげ、知名度向上に利用することだってできた。だが、吉村知事は「記憶が曖昧」だの「頭の中は市長選でいっぱいだった」などと言うのである。

 さらに言えば、橋下氏は2014年の年末には「大阪市長を頼むよ」と吉村氏に話をしたと当時の会見で明かしているように、急転直下で10月1日直前に吉村氏が市長選の候補者になったわけではない。また、大阪維新の会が吉村氏を大阪市長選で擁立することを決定したのは2015年9月26日であり、この時点で吉村氏は辞職することもできたはずなのだ。ようするに、吉村知事にとって文通費への問題意識とは、いまも昔もその程度の話でしかないのだろう。

 いや、問題意識どころか、文通費はたんなる政争の具でしかなく、「公費の透明性を担保しなければならない」といった信念や理念さえ、吉村氏は持ち合わせていない。

 吉村氏はこの鼎談のなかで「あれを公開しないとこは本当にもう第2の財布で、飲み代や何やに消えてるでしょうねぇ」と述べていたが、当の吉村氏自身、文通費を「第2の財布」にしていた疑いがあるのだ。

 維新は文通費の使途報告書をネット上に公開しており、それを「身を切る改革政党」の証明であるかのように喧伝してきたが、本サイトでは昨日も言及したように、吉村氏が在職日数1日で100万円を受け取った2015年10月分の吉村氏の使途報告書は公開されていない。他の議員については、維新のHPが2015年10月から使途報告書を掲載しているが、なぜか吉村氏の分は文通費をどのように使ってきたのかがわかる報告書が現在確認できない。

 その理由を、昨日本サイトが維新の党本部に問い合わせると、維新の担当者は「議員会館の片付けや選挙があったから」とし、今後公開する予定についても「古すぎますのでね」などと言い、公開に後ろ向きな姿勢を見せた。

 だが、衆院議員時代の吉村氏の政治資金収支報告書を確認すると、その理由が浮かび上がってきた。


■吉村は1〜9月の文通費を政治資金団体に横流し、10月分はまったく不明で、使途に大きな疑惑が

 吉村氏が代表を務めていた政党支部「維新の党衆議院大阪府第4選挙区支部」の2015年分の政治資金収支報告書。そのなかの「寄附の内訳」の項目には、「吉村洋文(文書通信交通滞在費)」という記載がズラリと並んでいたのだ

 これは、文通費を不適切流用するために横行している「政治団体への文通費横流し」「セルフ領収証」のやり口そのものではないか。

 吉村知事はさんざん「経費と言いながら領収書が要らない」ことを問題にし、維新はその使途ならびに領収書を公開していると胸を張ってきたが、本サイトでも指摘してきたように、維新議員の実態は、文通費を議員が自分宛てで領収書を切って自分の政治団体に寄附するという抜け道が横行していた。これは、文通費の使い道を明らかにするどころか、公金を政治資金に化けさせ、さらには何に使ったのかがわからない状態にするものだ。

 この維新所属の国会議員による文通費の使途に対し、岩井奉信・日本大学教授は「税金で政治資金を賄っていることになり、ふさわしくない使われ方だ」と指摘(朝日新聞2017年12月27日付)。また、上脇博之・神戸学院大学教授も「文通費を政党支部や資金管理団体に繰り入れて寄付することは、公金の目的外支出になるので違法です」と述べている(日刊ゲンダイ2021年5月7日付)。

 だが、吉村氏はまさにその「違法」「不適切なやり方」をしていた。2015年1月の39万8400円を皮切りに、9月まで毎月30万〜65万円もの文通費を寄附として自身の政党支部に横流し。つまり、吉村氏は文通費として受け取った月100万円のうち、ときには半分以上の文通費を自分の政党支部に寄附し、どういう使われ方をしたのかがわからない状態にしていたのだ。

 さらに、問題なことがある。1〜9月分については、前述したように政治資金収支報告書に記載があるのだが、在職日数1日で満額100万円を受け取った10月分については記載がないのだ。ちなみに、吉村氏が代表を務める政治団体「吉村洋文後援会」および資金管理団体「友洋会」の2015年分政治資金収支報告も確認したが、これらにも文通費の横流しと思われる寄附の記載はなかった。

 たった1日で100万円もの文通費を使い切れるとは、到底思えない。吉村氏はいったいどのように100万円を使ったのか。プライベートに使ったのか、あるいは時期を考えると出馬した大阪市長選の選挙費用に使ったのではという疑惑も頭をかすめる。

 当時、文通費を「第2の財布」などと問題にし、橋下氏と大合唱しておきながら、その一方であっさり100万円を受け取り、いまごろになって「記憶が曖昧」などと言い張る。この事実ひとつ見ても怪しさしかないが、その上、文通費を違法性も指摘されるかたちで使い、挙げ句、問題となっている2015年10月分の100万円の使途さえいまだ明らかにしようとしないという態度では、「確信犯で100万円をかすめとった」という誹りは免れないだろう。

 再度言う。吉村知事は「コスいことはしない」と述べたが、それを証明する使途報告書を維新および吉村知事は一刻も早く示すべきだ。

(編集部)
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