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●《「被爆地・広島」の政治利用のためだけに――。こうなると、広島弁でいうところの「わりゃー、大概にせえよ!」の声が溢れるのも当然》

2023年06月13日 00時00分27秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年05月27日[土])
核なき世界」どころか「核兵器なき世界」さえも目指さない哀しい国ニッポン…。ヒロシマの地でヒロシマ〝出身〟の首相が戦争を煽る愚かさ。《「被爆地・広島の政治利用のためだけに――。…ミサイルで睨み合った軍事的対立関係ではなく友好平和の安定した関係を切り結ぶことこそが最大の安全保障といえる》(狙撃兵)。

 そうそう、アメリカの大統領が番犬様・横田基地や岩国基地といった裏口からニッポンに勝手に押し入ることについて、マスコミはなぜ騒がないのだろう? 不思議だ…。ホシュやウヨクの皆さんはそれでいいの? (狙撃兵)《その他の国々の首脳が広島空港に飛来したなかで、米国の大統領だけが正規の空の玄関口ではなく、属国に配置した自国軍隊の基地に直接舞い降りていく光景について、生中継しているメディアはどこも問題にすることなくスルー。というか、むしろ嬉々として実況生中継している有り様だった。そして、あろうことか広島平和公園に「核のボタン」》を持ち込むかぁ…。《こうした当たり前ではない振る舞い、被爆地・広島への侮蔑的な振る舞いについて屈辱とも感じずに許容していく様は異様》。さらに、《…奴隷根性丸出しとはこのことかと思わせるには十分であった。この先、台湾有事でも起ころうものなら「日本の有事」なんていって、米軍の鉄砲玉になって万歳突撃しかねない勢いがすでに垣間見えるのである。米軍需産業のカモにされて、国家財政までたかられて、しまいには米国本土防衛の盾として駆り出されていくのが日本社会の行き着く先であるなら、それは悲劇以外のなにものでもない》。

 《米側の言い値で兵器などを買わざるを得ない対外有償軍事援助FMS)」は現代の不平等条約》なのに、ホシュを自称する皆さんは平気なのね。増税してまで軍事費倍増…《米国の覇権を維持…。まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン、哀れ過ぎはしまいか? ホシュを自称する皆さん、それでいいの? ニッポンに「主権」は本当に在るのかね?

   『●柳沢協二氏「日本は…食料やエネルギーなどを全て自給できず、海外と
      つながらなければ生きていけない。…戦争を得意とする国ではない」
   『●食料と農業を守らないニッポン『乳牛をしぼればしぼるほど赤字になる。
     まったく希望が持てない』…《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね?

 《まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》《安全保障というより、米国の覇権を維持…》(斎藤貴男さん)。

   『●《悲願の「核なき世界」へと…被爆者たちが心血を注いだ核兵器禁止
     条約の発効から一年余》…《火事場ドロボー》どもがウヨウヨなニッポン
   『●琉球新報《核兵器禁止条約の第1回締約国会議…オブザーバー参加を
     見送った日本政府の不在が際立った会議だった…不参加は歴史的過ち》
   『●広島サミット…サーロー節子さん「自国の核兵器は肯定し、対立する国の
     核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判

 琉球新報のコラム【<金口木舌>G7サミットへの失望】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1715826.html)によると、《▼G7は、核で威嚇するロシアに対し核抑止の重要性を見せつけ、核なき世界を実現する具体的な方策を示せなかった被爆者は失望し、サーロー節子さん(91)はG7広島サミットを「大きな失敗だった広島で開いた意味がない」と語った》、《戦争をあおり、対立を深めることが大国の役割ではない戦争のない、核のない世界を主導する主要7カ国首脳会議であってほしかった》。
 長周新聞のコラム【G7サミットが浮き彫りにしたこと/コラム狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/26637)によると、《厳戒態勢下の広島では、全国から動員された万単位の警察官が兵馬俑のように市街地をふさぎ、G7のおかげで市民生活は麻痺して巷では非難囂々(ごうごう)である。「東京でやりやがれ!」といったところで東京とて警備で大混乱になるのはわかりきっており、本当にどこか人のいない山奥でやりやがれ! が広島市民の思いであろう。学校も休校、企業とて市内では身動きがつかず仕事にならない。なにもかもが規制され、通りを歩けば職質の嵐で、100万都市が数日間の辛抱を強いられたのだった。「被爆地・広島政治利用のためだけに――。こうなると、広島弁でいうところの「わりゃー、大概にせえよ!の声が溢れるのも当然なのである》、《ミサイルで睨み合った軍事的対立関係ではなく友好平和の安定した関係を切り結ぶことこそが最大の安全保障といえる》。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1715826.html

<金口木舌>G7サミットへの失望
2023年5月24日 05:00

 F16戦闘機の供与、米国による3億7500万ドルの追加支援…。G7広島サミットは、ウクライナへの軍事支援が話題を独占した

▼電撃的に広島入りしたゼレンスキー大統領。「焼け野原になった我々の街の廃虚と似ている」との言葉にハッとさせられた人も多かっただろう

▼G7は、核で威嚇するロシアに対し核抑止の重要性を見せつけ、核なき世界を実現する具体的な方策を示せなかった被爆者は失望し、サーロー節子さん(91)はG7広島サミットを「大きな失敗だった広島で開いた意味がない」と語った

▼ウクライナの廃虚と自らが目にした戦場を重ねるのは、沖縄戦体験者も同じだ。太平洋戦争末期、昭和天皇大本営が戦争終結を急いでいれば、沖縄戦や原爆の惨禍は回避できた国体護持が優先され、住民の命は軽んじられた

▼ウクライナでいたずらに戦争を引き延ばせば民間人の犠牲を増やすだけだ。戦争をあおり、対立を深めることが大国の役割ではない戦争のない、核のない世界を主導する主要7カ国首脳会議であってほしかった。
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https://www.chosyu-journal.jp/column/26637

G7サミットが浮き彫りにしたこと
コラム狙撃兵 2023年5月22日

 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が広島を舞台にして開かれ、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、カナダ、イタリア、そしてEUの首脳らが集い、さらにグローバルサウスと呼ばれるインドやブラジル、インドネシア、ベトナムといった国々の代表たちも招待されて首脳会談や討議をくり広げた。この「主要7カ国」と呼ばれる国々が果たして現在の世界で主要な国々なのか、それ以外の国々が主要でないのか、現在の世界のパワーバランスから見てどれだけの影響力を有しているのか疑問もあるものの、戦後からこの方のパクスアメリカーナ米国一極支配)、すなわち世界の覇権を握ってきた資本主義陣営の「主要国」による集いである。

 厳戒態勢下の広島では、全国から動員された万単位の警察官が兵馬俑のように市街地をふさぎ、G7のおかげで市民生活は麻痺して巷では非難囂々(ごうごう)である。「東京でやりやがれ!」といったところで東京とて警備で大混乱になるのはわかりきっており、本当にどこか人のいない山奥でやりやがれ! が広島市民の思いであろう。学校も休校、企業とて市内では身動きがつかず仕事にならない。なにもかもが規制され、通りを歩けば職質の嵐で、100万都市が数日間の辛抱を強いられたのだった。「被爆地・広島政治利用のためだけに――。こうなると、広島弁でいうところの「わりゃー、大概にせえよ!の声が溢れるのも当然なのである

 このG7にあたって、ふざけているのがアメリカで、オバマに続いてバイデンも大統領専用機であるエア・フォース・ワンで米軍岩国基地(トランプは横田基地に飛来)に飛来して、そこから目的地の広島まで米軍ヘリで移動するという振る舞いであった。その他の国々の首脳が広島空港に飛来したなかで、米国の大統領だけが正規の空の玄関口ではなく、属国に配置した自国軍隊の基地に直接舞い降りていく光景について、生中継しているメディアはどこも問題にすることなくスルー。というか、むしろ嬉々として実況生中継している有り様だった。そして、あろうことか広島平和公園に「核のボタン」こと米国大統領が常に持ち歩く黒色の鞄「フット・ボール」を持ち込むことについても問題にするところなどなかった

 隷属国家に対して傍若無人な振る舞いをする側に問題があるとはいえ、こうした当たり前ではない振る舞い、被爆地・広島への侮蔑的な振る舞いについて屈辱とも感じずに許容していく様は異様であり、いわんや天皇陛下万歳以上の熱量でもって大歓迎しているあたりは「昔天皇、いまアメリカ」を感じさせ、奴隷根性丸出しとはこのことかと思わせるには十分であった。この先、台湾有事でも起ころうものなら「日本の有事」なんていって、米軍の鉄砲玉になって万歳突撃しかねない勢いがすでに垣間見えるのである。米軍需産業のカモにされて、国家財政までたかられて、しまいには米国本土防衛のとして駆り出されていくのが日本社会の行き着く先であるなら、それは悲劇以外のなにものでもない。

 今回のG7とは、要するにロシアと中国を敵国として対抗する軍事同盟の強化を確認したというだけである。被爆地・広島をダシにして「核なき世界」などと嘯(うそぶ)きながらこれらの資本主義各国が軍事的な連携を深め、そこに主役のような顔をしてゼレンスキーまであらわれ、ウクライナ紛争の当事者である米国やNATOの結束を固めると同時に、距離感の微妙なグローバルサウスの取り込みを図ったというだけである。中国やロシアの猛反発があらわしているように、それはより世界の分断を深め、緊張を激化させるものでしかない。この過程でNATOの東京事務所開設も決まり、まさにロシアが反発していた「NATOの東方進出」がおこなわれることにもなった。

 一連のG7騒動を俯瞰して見た時、浮き彫りになるのは現在の世界情勢のなかで「主要7カ国」の影響力が必然的に衰えていくことである。それは各国首脳といっても岸田文雄を筆頭に「オマエ、誰だよ!」と思うようなメンツ揃いであることとも併せて感じることである。資本主義の不均衡発展の法則には抗えず、いわば旧社会主義国が資本主義の次男坊のように存在感を増している世界において、一周回って腐朽衰退していくだけのいわゆる先進国と、そうではなくまだまだ資本主義的な発展の余地を残している新興国との世界覇権を巡る力関係にも変化が生まれており、落ちぶれていく側と凌駕していく側との軋轢は深まるばかりである。それは経済的な側面のみならず軍事的な緊張をともないながら進行しており、奪うか奪われるかの死闘でもある。ウクライナ紛争、台湾有事などはその火種にほかならず、まさに世界は核を握りしめた睨み合いの緊張の渦に放り込まれているのである。そして、背後でほくそ笑んでいるのが他人の血で銭を稼ぐ軍産複合体である。

 こうした世界的な矛盾のなかで日本社会はどこに向かうのか――。あっちかこっちかの二元的選択でアメリカの側に媚びへつらい、終いには台湾有事の先兵として駆り出される道ではなく、東アジアのなかで近隣諸国と友好平和の関係を切り結び、まさに「アジアの世紀」といわれる時代に経済的にも繋がりを深め、没落ではなく繁栄の道を進むことが求められている。ミサイルで睨み合った軍事的対立関係ではなく友好平和の安定した関係を切り結ぶことこそが最大の安全保障といえる。

武蔵坊五郎
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●《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚…《ことさら攻撃能力について興奮して議論している様について、バカではあるまいか?》(狙撃兵)

2023年01月17日 00時00分19秒 | Weblog

(2023年01月04日[土])
《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚。軍事費倍増して、そんなに戦争したいものかね? ウクライナ-ロシア戦争でも、〝台湾有事〟であろうが、(狙撃兵)《いかなる武力紛争についても当事者でない第三国として早期停戦に役割を果たすことこそが日本の役割》ではないのか。

   『●増税して軍事費倍増…《安全保障というより、米国の覇権を維持…。
       まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン

 長周新聞の年頭コラム【戦争か―平和か― 岐路に立たされた日本社会 年頭にあたってのご挨拶/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/25421)。《原発を54基も国土に抱えながら、そのことは脇に置いておいて、ことさら攻撃能力について興奮して議論している様について、バカではあるまいか? と思ってしまうのはおかしなことでしょうか? 目下、米軍需産業のカモにされることとセットで攻撃能力の保持ばかりが声高に叫ばれていますが、ミサイルを向けるということは、同時にミサイルの標的に名乗りを上げることを意味します。そのことによって起こり得る攻撃される事態について何ら想定しないというのは、真面目に防衛を考えている人間のすることではありません》。

 (斎藤貴男さん)《朝鮮戦争を機に「逆コース」が始まった頃から、見せかけの“平和”も、“民主主義”ごっこも、すべては今日に至らしめるための目隠し、目くらましの類いだったのだろうか。私たちはどん底まで落ちた》。さらに、《中国と北朝鮮の脅威だけを政府はあおる。だが日本の軍拡は、彼らに対する安全保障というより、米国の覇権を維持、あわよくば膨張させる支援部隊となるのが主目的だ。まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命が待っている》。
 斎藤貴男さんの訴え、《渦の中心にだけは持っていかれないように、魂までを米国に支配されてしまわないように、そして、いつの日か、本当の独立と自立を果たすために──これ以上だまされてはならない正気を保ち、自分自身を誇れるような生き方を心がけようよ》。

   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増=
       《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●斎藤貴男さん《政府と自民党は何がなんでも消費税率を引き上げたい…
     増税を甘受しなければ財政を破綻させるゾと国民を恐喝する目的で…》
   『●《消費税などの値上げを防衛費に転嫁する》気満々…軍事費倍増の
     ために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》
   『●そんなに殺し合いをしたいものかね? 《一体何のために防衛費の
     増額が必要なのか。…冷静にその意味を問い直さなければならない…》
   『●なんの外交努力もしない、軍事費倍増についてなんの説明もしないし、
     できないキシダメ政権…自公お維を直接的・間接的に支持した重いツケ
   『●《大収奪が必至》な軍事費倍増…《大メディアが脅威を煽り「戦争増税
        必至」の流れ》《北朝鮮にも似た「先軍政治」と言うべきか。》
   『●《攻撃的兵器…他国領域も攻撃できると声高に宣言するような国を「平和
     国家」とはとても呼べない。戦後日本の平和を築いてきた先人への背信》
   『●増税して、軍事費倍増? 「平和主義」「財政民主主義」はどこに?
     自民党の〝下駄の雪〟が《雪崩を打つように崩壊》する「子育ての党」
   『●《専守防衛…「国土防衛に徹し、相手の本土に被害を与えるような脅威に
      ならないと伝え、相手に日本を攻撃する口実を与えない防衛戦略だ」》
   『●軍事費倍増、43兆円…バカげている ――― 中村哲さん「治安を良く
      するのは武力ではない」、《武器で平和つくれない》を思い出そう
   ●琉球新報《納税者のあずかり知らない防衛力強化を前提に、金額や財源を
     論じることは…許されない…生産力向上に寄与しない防衛費の負担増…》
   『●増税して軍事費倍増…《安全保障というより、米国の覇権を維持…。
      まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン
   『●キシダメ (当時) 外相、辺野古破壊を《クリントン国務長官 (当時) に
     事実上約束》、そして、今、軍事費倍増と《1兆円強を増税で賄う方針》
   『●増税してまで軍事費倍増 ――― 金子勝さん《まさに、議会政治、財政
     民主主義が崩壊した戦時体制に酷似した状況だ。…日本の敗戦は近い》
   『●《下々のカネを、富める者と巨大資本にシフトさせたい本音があからさま》
        …《新しい資本主義》ならぬ、〝新しいトリクルダウン理論〟か?
   『●閣議決定って何? アベ様が編み出した、なんでも内閣の一存でやれる
     システム? 自公お維コミに言わせれば、国会や選挙は不要ということか?

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https://www.chosyu-journal.jp/column/25421

戦争か―平和か― 岐路に立たされた日本社会 年頭にあたってのご挨拶
コラム 狙撃兵 2023年1月1日

 2023年の新年を迎えて、読者・支持者の皆様に謹んでご挨拶申し上げます。

*       *

 昨年は年明けから第三次世界大戦の始まりを予感させるようなきな臭い戦争情勢が世界を覆い始め、プロパガンダに満ちた情報空間のなかで、わたしたちはいかに真実を見極め、平和を貫くためにどうすべきかが問われました。

 2月末よりロシアとウクライナの武力衝突がはじまると、とりわけ西側諸国ではメディアやSNS等のあらゆる情報媒体を通じて「ロシアをやっつけろ!」「ウクライナ可哀想…」に彩られた好戦的な世論が煽られ、異常極まる熱狂が作り出されました。それはまるで昨今の情報プロパガンダの集大成ともいえるもので、偽旗作戦に代表されるような真偽が曖昧なのにもかかわらず残酷さを訴えかけてくる映像や情報、なかにはCG加工まで施されたものがこれでもかと物量をともなって降り注ぎ、世界を股に掛けて世論を宣伝煽動する、まさに情報戦そのものでした

 かつての日中戦争突入の際に叫ばれた暴支膺懲(ぼうしようちょう・横暴な支那=中国を懲らしめろの意味)ならぬ、暴露膺懲で空気を染め上げ、片側について「可哀想…」と感情的にかきたてる一方で、もう片側については「やっちまえ!」という攻撃性をともなったものとして、それはあらわれました。高まる同調圧力のなかで「あっち(悪魔の側)」か「こっち(正義の側)」かを迫り、「こっち」でない者には「非国民(攻撃しても構わない対象)」の烙印すら押しかねない――。

 そうして「戦争をやめろ」というごく当たり前の停戦の叫びまでがかき消され、なかには「わたしはこっちの側ですよ」、すなわち片側の当事者である「ウクライナ・アメリカ側ですよ」と懸命に身の証を立てようと振る舞い始める者もいました。苛烈な情勢に身を委ねて戦争の加担者となっていく流れが顕在化したのです。

 「非戦の誓いが決壊したかのような瞬間でもあり、いわゆる進歩派といわれる知識人のなかからも少なからぬ部分がもっていかれた事実は、今後にとって曖昧にできない問題を突きつけました。ある種のショックドクトリン惨事便乗型資本主義)によって、混乱に乗じて瞬く間に人々の脳味噌を二元的に洗脳し、物言えぬ空気で抑えつけていく様はファシズムそのものでした。直面する戦争という極限的状況でこそ性根が問われ、これに対して屈していく流れがあったのも事実なのです。

 斯くして、日本国内でもこの武力紛争の片側に与する形で、まるで当然のように当事者であるゼレンスキー(ウクライナ大統領)の国会演説がおこなわれ、それに対してれいわ新選組以外のすべての政党がスタンディングオベーションで迎えるなど、「戦争まっしぐらといっても過言でない空気が作り出されました戦争狂いの術中にはまったかのように、日頃から反戦平和を唱えていた陣営までもが片側のプレイヤーと化して「ロシア制裁」を鼻息荒く叫び、「ちょっと待て!」と思考を整理することなく、「悪の権化・プーチンをやっつけろ!」に雪崩を打ったのです。与野党が総翼賛化している姿を露呈しながら、むしろ親米派であることを嬉々としてアピールしている様は、その性根をおおいに暴露するものとなりました。

 かつての大戦でもそうだったように、日和見主義が排外主義に転化していく様をわたしたちはつぶさに目撃しました。青色と黄色のウクライナカラーに身を包み、ウクライナ及びアメリカの陣営であることを標榜する――すなわちプロパガンダによって提示された正義か悪魔かの二元論的思考から反ロシアであることを示すことが「正義」であるかのような振る舞いをする者もあらわれ、心からウクライナ国民ないしは当事者になりきって、「憎きプーチン」に悲憤慷慨していたのがその特徴です。

 第三国による武力紛争について、ロシアになりきる云われももちろんありません。ウクライナ戦争については、当事国のどちらかが全面的に正しいというものでもありません。それなのに、どうして一方的にウクライナ側になりきる必要があるのか? です。さらに考えなければならないと思うのは、理不尽に主権を蹂躙され、他国による武力侵略に抗している民に心を寄せるというのなら、原爆を2発投げつけられ、沖縄戦で県民の4人に1人が殺戮され、全国の都市空襲によってたくさんの邦人の生命が奪われ、戦後78年経ちながらいまだにアメリカから主権を剥奪されている国が、そのことは脇に置いて触れもせず、どうしてアメリカ発のプロパガンダにほかならぬ、ゼレンスキーが正義で、プーチンが悪であるというような単純化されたストーリーに乗せられて与(くみ)しているのか? です。同情を寄せるにしても、それは滑稽極まりないといわなければなりません。

 ロシアの味方なのか、ウクライナの味方なのか――。言論空間においてもこうした二元論が支配的なものとなりました。武力紛争にいたる歴史的な矛盾関係について何ら深掘りしないばかりか、時間軸はすべて2月以後の武力衝突という局面からの切りとりで始まり、ソ連崩壊以後のNATOによる東方拡大とロシアの矛盾であったり、ウクライナ東部のロシア系住民に対するウクライナ民族派による殺戮であったり、ウクライナでマイダン革命をはじめCIAが焚き付けて政権転覆を謀ってきたことなど、そこに至る過程について、西側諸国とりわけアメリカにとっての臭い物には蓋というわけです。彼らの垂れ流すプロパガンダのみが正義というのでは、武力衝突の終結はおろか、停戦など見込めるはずもありません。

 その間にも、米軍産複合体が武器や傭兵を次から次へと送り込んでウクライナ人及び各国の傭兵に戦争をさせ、この戦争が長期化すればするほどボロもうけし、ウクライナの一般国民は逃げ惑わなければならないのです。各国の民衆もエネルギーをはじめとした物価高騰などに直面して、暮らしが翻弄されることとなりました。そうして、かつて男性器でピアノの鍵盤を叩いて笑いをとっていたようなお笑い芸人が、アメリカ(ウクライナに深く関与してきたバイデン親子)の後ろ盾によって稀代の英雄というのですから、世界は狂っていると言うほかありません。

 血でドルを稼ぐ戦争狂いどもが、ロシアvsウクライナの背後に潜み、みずからは決して表に出てこない形で代理戦争を仕掛けていることは歴然としています。ウクライナの一般国民を戦火に投げ込み、濡れ手に粟で戦争ビジネスに踊り狂っている彼らこそ断罪されるべきであり、引きずり出さなければならない極悪人といえます。

 どっちの味方なのか?――。わたしたちが言論を展開するなかで、そうした問いを感情的な高ぶりをともなって投げかけてくる一群もあり、とりわけ「反戦平和の活動家」を自称する陣営が噛みついてきたことは新鮮な驚きでもあり、しかし同時にさもありなんと思わせるものでした。「ウクライナ可哀想」からの「ロシアやっつけろ!」になっている彼らは、そうでない側に「けしからん!」と責め立てる行動に及びました。アメリカが背後で仕掛けている戦争について、ウクライナすなわちアメリカ側を応援しなければ「けしからん」というのです。

 どっちの味方なのか?――。その詰問に対しては、まずどっちの味方でもない第三者にほかならない(どう逆立ちしても当事者ではない)こと、双方に主張はあるなかで歴史的経緯や矛盾について掘り下げながら客観的立場を選択しなければならないこと、いかなる武力紛争についても当事者でない第三国として早期停戦に役割を果たすことこそが日本の役割であること、そのような国際社会の一員として役割を果たすためには、紛争の片側に与して拳を振り上げるような立場は御法度であり、むしろ米国一極支配が崩れ多極化しつつある世界のなかで、その覇権争奪を基本矛盾にした戦争に巻き込まれていく危険性すらともなっていることをわたしたちは訴え続けました。

 冷静に見てみると、否、冷静に見なくても、日本はこの武力紛争の当事者ではないことは誰の目にも明らかです。客観的立場に身を置くのではなく、戦争の熱狂の渦のなかでフィーバーしていること自体が異様なのです

 これら昨年の経験を通じて現実的に警戒しなければならないのは、東アジアにおいて米国が台湾有事を煽っているなかにあって、第二次暴支膺懲の先兵として日本が駆り出されることです。南西諸島への自衛隊のミサイル部隊の配備が進められ、防衛費は米国に求められるがままGDPの2%まで増大がはかられ、敵基地攻撃能力の保持・先制攻撃まで正当化するような武力大国化への道が切り開かれています。米中の覇権争奪がますます激化しているなかで、米国本土防衛の盾として日本列島が配置され、隣国と睨み合って鉄砲玉となる道を選択するわけにはいきません。

 原発を54基も国土に抱えながら、そのことは脇に置いておいて、ことさら攻撃能力について興奮して議論している様について、バカではあるまいか? と思ってしまうのはおかしなことでしょうか? 目下、米軍需産業のカモにされることとセットで攻撃能力の保持ばかりが声高に叫ばれていますが、ミサイルを向けるということは、同時にミサイルの標的に名乗りを上げることを意味します。そのことによって起こり得る攻撃される事態について何ら想定しないというのは、真面目に防衛を考えている人間のすることではありません。『阿Q正伝』でいうところの精神勝利法か何かの類いではないか? とすら思うものです。「勝った、勝った、神風吹いた!」といって国民に塗炭の苦しみを味わわせ、320万人もの邦人の生命を奪った78年前大戦の惨劇をくり返す訳にはいきません東アジアのなかで近隣諸国と平等互恵の関係を切り結び、政治体制の違いこそあれ、友好平和の関係を築くことこそが日本社会にとって最良の選択であり、資本主義の不均衡発展によってアジアの世紀ともいわれる時代に、これらの国々とともに進むことが経済的に見ても繁栄の道であることは歴然としています。米国のポチとして没落していくのではなく、対米従属の鎖を断ち切って進むことこそが求められています。

 戦争か、平和か――。没落か、繁栄か――。戦後78年が経ち、かつての大戦の記憶が薄れてきた時代にあって、非戦の誓いを貫き、戦争へと誘う為政者の企みを全力で阻止しなければならない情勢が到来しています。死なないための闘いを言論で勝負する――そのことを読者の皆様に誓い、新年の挨拶といたします。

  2023年元旦

                        長周新聞社 
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