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●核発電回帰 ――― 《賢明なドイツ政府とバカの極みの自民党が率いる日本政府。その落差の大きさにため息が出てしまう》(古賀茂明さん)

2022年04月03日 00時00分33秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


// (20220322[])
週刊朝日のコラム【笑止千万! 自民の原発再稼働論/古賀茂明】(https://dot.asahi.com/wa/2022031700090.html)。

 《ところが、これとは正反対に、10日には、自民党の「電力安定供給推進議連」(細田博之会長)が電力の安定供給などを理由に、停止中原発の緊急稼働を求める決議を行い、その中で、稼働の際の規制見直しに言及した。ロシアに対する制裁措置の影響で原油やLNGの価格が高騰していることを理由にしたものだが、そのために安全規制を緩めろと言っているのだ。これら二つの議論は全く矛盾しているが、同じ保守派の議員が主張しているのには呆れてしまう。…賢明なドイツ政府バカの極みの自民党が率いる日本政府。その落差の大きさにため息が出てしまう》。

 「原状回復」もせずに、《原発回帰》。核発電回帰に加えて、《核共有》したいそうだ。《火事場ドロボー》らのなんという醜悪さか。《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》。《原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、最悪のシナリオとして急性被ばくで一万八千人が亡くなり原発の約八十六キロ圏が居住不能になると試算》……これでも、ずいぶんと甘い見積では?

 《核共有を議論すべきだが57%と過半数を占め》…戦慄が走る。東京電力核発電人災の《最大の戦犯》であり、《火事場ドロボー》1号のアベ様に手を貸すような愚かさだ。「議論ぐらいは…」などと考えてるのかもしれない自公お維コミ支持者の皆さんは、アベ様が核保有論者であることを承知の上か? ―――《憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね》…こんな人がニッポン国の首相だったんですよ、7年8カ月も。この国はあまりに恥ずかし過ぎる。ヒロシマやナガサキの被爆者の前で、《核共有を「議論すべきだ」》なんて言えるのかね?
 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]危険で勝手な核共有】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/929185)によると、《「議論はすべきだ」という言葉には魔力が宿るのだろうか。毎日新聞などの世論調査結果を見て愕然とした。核共有を「議論すべきだ」が57%と過半数を占め、「議論すべきではない」の32%を上回った ▼米国の核兵器を日本に置き、同意を得て自衛隊機が使う構想。安倍晋三元首相がテレビ出演して火を付けた》。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》
   『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
     火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない
   『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
     至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…
   『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
       な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
       「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
      政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
      残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
     まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》
   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ごせる
         未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
      到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》
   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●東電核発電人災…《あまりに切ない一枚です。…犬。…鎖につながれた
      まま…取り残されたわが家で、何を思いながら力尽きたことでしょう》
   『●《けれども、安易な対応は、己の社会をも彼らのそれへと限りなく近づ
     けていく。冷静に、冷静に……。自壊ほどの愚の骨頂はないのである》
   『●斎藤貴男さん《ロシア軍のウクライナ侵攻をダシにした、帝国主義への
     妄執と言うべきか…日本の対米従属度が、いっそう高められるだろう》
   『●《火事場ドロボー》1号、2号、3号…を支持し、投票する人々に、
     壊憲して戦争する国になる自覚はあるのか? 予想されるその結果は?
   『●《政治家の仕事とは1日でも早く戦争を終わらせること…被爆国の
     我が国は猛然と抗議し、国際社会をリードすべきなのにもかかわらず…》
   『●アベ様は《火事場ドロボー》1号なり。その《バカ》を有難がって
     テレビに出す《バカ》…そんな《バカ達と…戦》はなければならない…
   『●核発電のリスク…《武力攻撃があることが、ウクライナの事態で明白に
         なった》というのに、《原状回復》どころか、《原発回帰》する国…

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https://dot.asahi.com/wa/2022031700090.html

笑止千万! 自民の原発再稼働論 古賀茂明
政官財の罪と罰
2022/03/22 07:00

 ロシアのプーチン大統領が常軌を逸した行動に出た。核兵器使用の可能性をちらつかせ、チェルノブイリ原子力発電所を占拠。さらには、欧州最大のザポロジエ原発への攻撃で火災を起こし、世界中を震え上がらせた。

 大事には至らなかったが、今後プーチンの意図により、あるいは、前線の兵士の暴走によって、これが「最終兵器」になる可能性は排除できない

 そこで気になるのが、日本の原発の軍事リスクだ。3月9日の衆議院経済産業委員会で、立憲民主党の山崎誠議員の質問に対し、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、「2国間の紛争による武力攻撃を審査などで想定していない」、原発が占拠されれば「コントロール全体を握られる。その後はどんな事態も避けられない」、ミサイル攻撃で「放射性物質がまき散らされることが懸念される。現在の設備で避けられるとは考えていない」と発言した。

 テロにより原発が占拠される場合もミサイル攻撃で破壊される場合も、日本の原発は備えがないというのだ。

 私が信頼する元米ゼネラル・エレクトリック社の原発専門家佐藤暁氏によれば、米国では、2001年の9.11以降テロ対策が強化され、各原発には、実戦経験豊富で優秀な100~150 人ほどの重武装戦闘部隊が配置され、テロリストの攻撃に備える体制が敷かれた。さらに、墜落した飛行機によって敷地内が火の海となり、すべての電源が断たれた場合でも原子炉、格納容器、使用済燃料プールの安全性を守るための可搬式設備が整備されている。もちろん、そうした備えは日本にはない。それどころか、日本海側中心に、敵に狙ってくれと言わんばかりに原発が密集しているのはご存じのとおり。なんとも不安な状況だ。

 北朝鮮が今年に入って10回もミサイル発射実験を行っていることもあり、自民党保守派を中心に、今にも北朝鮮からミサイルが飛んで来るかのように危機感を煽る向きもある。敵基地攻撃能力の保有や、さらには核兵器の共有という話まで出て来たそこまで危機が迫っているのなら、ウクライナ危機を教訓に、全ての原発の即時停止と使用済燃料の地下保管などの緊急措置を採るべきという議論が必要だろう

     (更田豊志・原子力規制委員長)

 ところが、これとは正反対に、10日には、自民党の「電力安定供給推進議連」(細田博之会長)が電力の安定供給などを理由に、停止中原発の緊急稼働を求める決議を行い、その中で、稼働の際の規制見直しに言及した。ロシアに対する制裁措置の影響で原油やLNGの価格が高騰していることを理由にしたものだが、そのために安全規制を緩めろと言っているのだ。

 これら二つの議論は全く矛盾しているが、同じ保守派の議員が主張しているのには呆れてしまう。

 一方、ロシアへのエネルギー依存で日本以上に苦しいドイツは、22年(今年)内の脱原発の方針堅持を表明した。ロシアによる原発攻撃のリスクも勘案してのことだ。さらに、ハベック経済・気候相は、再生可能エネルギーなどの開発を「米テスラばりのスピードで行う必要がある」と述べている。論理的一貫性のある方針だ

 賢明なドイツ政府バカの極みの自民党が率いる日本政府その落差の大きさにため息が出てしまう

※週刊朝日  2022年4月1日号より


古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など
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●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》

2022年03月15日 00時00分59秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(20220312[])
リテラの記事【周辺住民1万8千人が急性死亡! 日本の原発が攻撃を受けた際の被害想定報告書が存在も、自民党政権が原発推進のために隠蔽!】(https://lite-ra.com/2022/03/post-6169.html)。

 《2015年の安保国会では、当時、生活の党と山本太郎となかまたち所属の参院議員だった山本太郎・現れいわ新選組代表が、「他国等からの弾道ミサイルによる武力攻撃を想定しているのか」と追及したのだが、当時の安倍晋三首相は「武力攻撃事態は、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることから、一概にお答えすることは難しい」などと答弁。北朝鮮や中国の脅威をさんざん振りまき、「国民の生命を守るため安保法制は必要」と言いながら、国民の生命のことなど何も考えていないことを露呈させた。挙げ句、このとき原子力規制委員会の田中俊一委員長は、川内原発12号機で何かが起こっても放射線物質の放出量は「福島第一原発で放出された1000分の1以下」と想定していると答弁。これには山本議員が「原子力施設破壊されて、福島の東電原発の1000分の1の放出量で済むと思いますか?」と即座にツッコミを入れたが、あまりにもいい加減すぎるだろう

 《これはとんだ大嘘だ。というのも、政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった》《格納容器が破壊されれば最大約2万人もの市民が急性死亡し、原子炉が破壊された場合は想像を絶する事態になる──》(リテラ)。
 東京新聞の記事【被ばく死 最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015040890070728.html)。《原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、最悪のシナリオとして急性被ばくで一万八千人が亡くなり原発の約八十六キロ圏が居住不能になると試算》……。ずいぶんと甘い見積では? いつの時代も、原発を稼働させるためなら何でもやる、といった感じかな?

   『●絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!!:
       「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」

 絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!! 「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」。そして今、東京電力核発電人災の《最大の戦犯》である《火事場ドロボー》1号達が狂気の暴走。《ロシア侵攻の危機に乗じて自民党の安倍晋三元首相らが「核共有」の議論を持ち出している。原発事故の当時国の首相経験者として無責任極まりない日本は核廃絶、脱原発の先頭に立つべきだ》(東京新聞)。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
      いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》
   『●《火事場ドロー》1号=アベ様は《あの未曾有の福島第一原発事故を
     招いた“最大の戦犯”》でもあり、永久に責任は追及され続けるべき

 《火事場ドロボー》1号=アベ様、《火事場ドロボー》2号=松井一郎元大阪「ト」知事、《火事場ドロボー》3号=橋下徹元・初代大阪「ト」知事…。ウクライナ侵略を利用・便乗して、壊憲して戦争できる国へ、敵基地攻撃へ、核保有へ。そういうのを《火事場ドロボー》と言います。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》
   『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
     火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない
   『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
     至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…
   『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
       な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!

 《火事場ドロボー》1号…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」が持論のアベ様が暴走したかと思えば、《火事場ドロボー》3号も酷いものだね。(武田砂鉄さん)《その時に、役に立つ・立たないという尺度を持ち込み、ウクライナに行って戦え煽る》3号。(リテラ)《戦争や紛争、侵略行為、人権侵害行為が起きたときは、当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》、それを理解できない3号。
 (リテラ)《こんな危険な男はもう二度と政治家にしてはならないのはもちろん、メディアで政治や国際問題について声高に語らせてはならない》。《「どのような人権感覚を持っているのか」を問いただされるべきは、むしろ》お維の《創設者》《いちコメンテーター》《いち民間人》。メディアは、こんな元大阪「ト」知事を何を有難がっているのか?
 (武田砂鉄さん)《そんな人がテレビに出て、元首相に突っ込んで、非核三原則を揺さぶってしまう目の前の戦争をどうするか、ではなく自らの好戦的な態度を披露する場としてテレビを使ってはいけないと思うし、使う側はこの使い方でいいのか、まだ考えないのだろうか》…フジ産経グループに言っても詮無いのだろうなぁ。《火事場ドロボー》1号《火事場ドロボー》3号を〝混ぜて使う〟最悪の危険さ…最早、腐臭を放っているフジテレビ。


 琉球新報の記事【<社説>東日本大震災11年 今も続く被害に向き合う】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1483403.html)によると、《11年が経過しても、被害は過去のものではない。今も3万8千人超が避難生活を続け、福島県内7市町村にまたがる約337平方キロが原発事故による帰還困難区域に指定されている。震災関連自殺は昨年の6人を含め今年1月現在で246人を数える。被災者の生活再建支援や原発の事故処理など、現在も続く問題に全国民で向き合わなければならない。福島第1原発では、事故で溶けた核燃料(デブリ)の冷却に使った水や流れ込んだ雨水、地下水にセシウムやストロンチウムなどの放射性物質が混ざり、高濃度に汚染された水が日々大量に生じている。2021年は1日に約150トンが発生している。汚染水は多核種除去設備(ALPS)によって浄化処理した後、施設内のタンクで保管している。国や東電は千基を超えた貯水タンクがさらに増え続ければ、デブリ保管など廃炉作業に必要な場所が確保できなくなるとして、23年春ごろから処理水を海に放出する方針を決めた。しかし、ALPSによる浄化処理でもトリチウムは除去できない。長期間にわたる海洋放出が環境、人体にどのような影響を与えるかの検証は十分ではなく、地元漁業者は納得していない。中国、韓国、台湾など近隣諸国も反対しており、日本の水産物の輸入を制限する国々の規制解除を遠のかせる。トリチウム分離など放射性物質を取り除く技術が開発されるまで海洋放出はせず、地上保管を選択すべきだ》。

 《火事場ドロボー》の皆さん、自公政権、自公お維コミの議員の皆さん、早く「原状回復」して見せて下さい。まずは、その願いを叶えて見せて下さい。

   『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
     事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
     見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
   『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
      ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ
   『●《弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる

       甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
       「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
      政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
      残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない

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https://lite-ra.com/2022/03/post-6169.html

周辺住民18千人が急性死亡! 日本の原発が攻撃を受けた際の被害想定報告書が存在も、自民党政権が原発推進のために隠蔽!
2022.03.10 11:00

     (原発建て替え急先鋒の安倍元首相(自民党HPより))

 福島第一原発事故からまもなく11年を迎えるが、そんななかで世界を震撼させているのが、ロシア軍によるウクライナのチェルノブイリ原発の占拠、ザポロジエ原発への攻撃・制圧だ。チェルノブイリ原発をめぐっては昨日9日、電力供給が遮断され、使用済み核燃料の冷却ができなくなったことで放射性物質が漏れる恐れがあると報道された。

 また、ザポロジエ原発は欧州最大規模の原発だが、ロシア軍の砲撃によって、訓練棟で火災が発生したほか、1号機の関連施設が損傷。稼働中の原発が攻撃されたのは前代未聞、史上初めてのことだ

 この攻撃に対し、ウクライナのクレバ外相は「爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍にもなる」とTwitterに投稿し、ゼレンスキー大統領も「もし爆発すれば、すべての人びと、ヨーロッパの終わり」と発言している。

 無論、これは大袈裟でもなんでもない。事実、原発は電源を失っただけでメルトダウンなどの重大なリスクが発生することを、この国は11年前の事故で経験済みだ。ましてや、稼働中の原子炉が破壊されるようなことが起きれば、その被害規模は想像を絶するものになる

 原子力安全・テロ対策に詳しい佐藤暁氏は、「原発は軍事攻撃に耐えられるような安全性を有していない」と指摘した上で、「原子炉が攻撃されても原子爆弾のような爆発現象は起こらない。しかし、全方位に拡散される放射性物質による影響は、10メガトンの水爆をもはるかに上回る。実際に何が現実に起きるかは、攻撃を指揮する者たちの悪意や狂気のレベルによる」「言えることとして、福島原発事故後の安全対策は、戦争下においてはまったくの無力ということだ」と警鐘を鳴らしている(東洋経済オンライン8日付)。

 旧ソ連時代にチェルノブイリ原発事故を経験しているというのに、核兵器の使用をちらつかせるだけでなく、稼働中の原発に攻撃をおこなったプーチン大統領は常軌を逸していると言うほかないが、今回あらためてはっきりとしたのは、ひとたび戦争が起これば、原発は安全保障上、最大の脅威になるということだ。

 実際、今回攻撃・制圧されたザポロジエ原発は欧州最大規模だと言われているが、一般社団法人海外電力調査会のHPに掲載されているデータによれば、同原発の出力は6000メガワット。しかし、それを上回る世界最大級の出力を誇るのが日本の柏崎刈羽原発であり、出力は8212メガワットにものぼっている(2018年時点)。


大型爆弾でなくても18千人が急性死亡、誘導型爆弾ではさらに被害拡大、との報告書が

 もちろん、原発が攻撃を受けたときにどうなるのかという問題は、福島原発事故後、何度も国会で指摘されてきた。ところが、そのたびに自民党政権は無責任な答弁に終始してきた。

 2015年の安保国会では、当時、生活の党と山本太郎となかまたち所属の参院議員だった山本太郎・現れいわ新選組代表が、「他国等からの弾道ミサイルによる武力攻撃を想定しているのか」と追及したのだが、当時の安倍晋三首相は「武力攻撃事態は、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることから、一概にお答えすることは難しい」などと答弁。北朝鮮や中国の脅威をさんざん振りまき、「国民の生命を守るため安保法制は必要」と言いながら、国民の生命のことなど何も考えていないことを露呈させた。

 挙げ句、このとき原子力規制委員会の田中俊一委員長は、川内原発12号機で何かが起こっても放射線物質の放出量は「福島第一原発で放出された1000分の1以下」と想定していると答弁。これには山本議員が「原子力施設破壊されて、福島の東電原発の1000分の1の放出量で済むと思いますか?」と即座にツッコミを入れたが、あまりにもいい加減すぎるだろう

 このように、安倍首相をはじめとして「武力攻撃による被害は一概に答えられない」と無責任な答弁をおこなってきた政府。だが、これはとんだ大嘘だ。というのも、政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だったのだ。

 その報告書とは、1984年にまとめられた「原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察」。1981年に発生したイスラエルによるイラクの研究用原子炉施設爆撃事件を受け、外務省は想定される原発への攻撃や被害予測の研究を財団法人日本国際問題研究所に委託、1984年2月にB5判63ページにおよぶ報告書としてまとめられたものだ。

 そして、この報告書では、福島第一原発で起こった全電源が喪失した場合のみならず、格納容器が爆撃あるいは砲撃された場合についても想定し、〈貫通力を高めた爆弾の場合には、大型爆弾でなくても器壁は破壊されると予想される〉と記述。攻撃された原発を100kwクラスと想定した上で、緊急避難しなければ最大18000人が急性被ばくで死亡し、住めなくなる地域は最大で87キロ圏内と予測している。さらに、命中精度の高い誘導型爆弾によって格納容器だけではなく原子炉自体が破壊された場合には〈さらに過酷な事態になる恐れは大きい〉としているのだ。

 格納容器が破壊されれば最大約2万人もの市民が急性死亡し、原子炉が破壊された場合は想像を絶する事態になる──。あまりに衝撃的な予測結果だが、この報告書が原発政策に活かされることはなかった。というのも、外務省は「反原発運動への影響を勘案」するとして部外秘扱いとし、首相官邸にも原子力委員会にも提出しなかったのである。この報告書の存在が明かされたのは2011年、朝日新聞がスクープしたことによってだ。


ウクライナ原発が攻撃を受けても、安倍元首相は原発再稼働、新設を主張する狂気

 つまり、ひとたび原発が標的となればとんでもないことになることを具体的に把握しながら、政府は反原発の声を抑え込むために隠蔽しつづけ、さらには、その予測結果が明らかになって以降も、安倍政権は「武力攻撃による被害は一概に答えられない」などとしらばっくれてきたのだ。

 いや、さらに酷いのは、ロシアのウクライナ侵略をダシにし、電力の供給不足やコスト高に陥るなどとして原発再稼働推進を訴える声が政治家たちからあがっていることだ

 たとえば、萩生田光一経産相は3日の参院予算委員会で「原発の再稼働は重要だ」などと答弁し、日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長も「短期的にはいま止まっている原発の再稼働はやむなし」と発言。さらに、ザポロジエ原発が制圧された4日には、国民民主党の玉木雄一郎代表が岸田文雄首相と山口那津男・公明党代表との会談で原発再稼働を要望した。

 だが、もっと酷いのは安倍元首相だ。安倍元首相は言語道断の核共有を訴えるだけではなく、次世代原子力である小型モジュール炉への建て替えを主張しているからだ。

 小型モジュール炉は従来型の原子炉より小型というだけで、地下に立地しようが攻撃対象となれば大きな被害をおよぼすことに変わりはない。にもかかわらず、原発への武力攻撃について「一概には答えられない」などとごまかしてきた張本人である安倍元首相は、この期に及んで原発建て替えの急先鋒となっているのである。

 言っておくが、世界最大規模を誇る柏崎刈羽原発では2020年に不正IDを用いた中央制御室への不正進入事件が発生するなど杜撰な管理体制が表沙汰になっているように、この国の原発は武力攻撃を受ける以前に危険極まりない状態に陥っている。そして、チェルノブイリ原発の占拠やザポロジエ原発への攻撃・制圧により、ひとたび原発が標的になれば国が壊滅する危険があることがあらためてはっきりしたというのに、安倍元首相をはじめとする連中は原発推進を叫んでいるのだ

 多くの人びとの故郷を奪った福島第一原発の事故を経験しておきながら、そして原発の格納容器が攻撃されただけで最大1万8000人が急性死亡するという予測を知りながら、ロシアによるウクライナ侵略を原発推進に利用する。安全保障の専門家らが一蹴している核共有論と同様、この火事場泥棒の主張には反吐が出るとしか言いようがないだろう。

(編集部)
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1483403.html

<社説>東日本大震災11年 今も続く被害に向き合う
2022年3月11日 05:00

 東北3県を中心に巨大地震と津波が襲った東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11日で11年となった。大切な人や古里を失った被災地の人たちの思いに寄り添いながら、震災の記憶と教訓を共有し、災害への備えを怠らないようにしたい。

 11年が経過しても、被害は過去のものではない。今も3万8千人超が避難生活を続け、福島県内7市町村にまたがる約337平方キロが原発事故による帰還困難区域に指定されている。震災関連自殺は昨年の6人を含め今年1月現在で246人を数える。

 被災者の生活再建支援や原発の事故処理など、現在も続く問題に全国民で向き合わなければならない。

 福島第1原発では、事故で溶けた核燃料(デブリ)の冷却に使った水や流れ込んだ雨水、地下水にセシウムやストロンチウムなどの放射性物質が混ざり、高濃度に汚染された水が日々大量に生じている。2021年は1日に約150トンが発生している。

 汚染水は多核種除去設備ALPS)によって浄化処理した後、施設内のタンクで保管している。国や東電は千基を超えた貯水タンクがさらに増え続ければ、デブリ保管など廃炉作業に必要な場所が確保できなくなるとして、23年春ごろから処理水を海に放出する方針を決めた。

 しかし、ALPSによる浄化処理でもトリチウムは除去できない。長期間にわたる海洋放出が環境、人体にどのような影響を与えるかの検証は十分ではなく、地元漁業者は納得していない。中国、韓国、台湾など近隣諸国も反対しており、日本の水産物の輸入を制限する国々の規制解除を遠のかせる。

 トリチウム分離など放射性物質を取り除く技術が開発されるまで海洋放出はせず、地上保管を選択すべきだ

 福島原発事故は、史上最悪とされるチェルノブイリ原発事故と同レベルの過酷事故となった。現在、ウクライナではロシア軍が侵攻してチェルノブイリ原発を占拠し、史上初めて稼働中の原発に軍事攻撃する事態も起きている。

 制御を失った原発は取り返しの付かない地球規模の被害をもたらす。自国の主張を達成する手段として核を利用するロシアの暴挙は言語道断だ。一方で、原発が安全保障上の極めて深刻なリスクになることを浮き彫りにした

 ロシア侵攻の危機に乗じて自民党の安倍晋三元首相らが「核共有」の議論を持ち出している。原発事故の当時国の首相経験者として無責任極まりない日本は核廃絶、脱原発の先頭に立つべきだ

 政府が主催してきた東日本大震災追悼式は、震災から10年となった昨年が最後となった。だが、復興の課題はまだ山積している。私たち一人一人が被災地の今に関心を寄せ続け、記憶を継承していく重要性は増している。手を携えて未来に進みたい。
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●鹿児島地裁に川内原発再稼働差し止めを却下されてしまった・・・判決に東京新聞も毎日新聞もダメ出し

2015年05月15日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞の記事【地裁差し止め却下 「川内」事実認定に問題】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015050590070254.html)。
毎日新聞の記事【特集ワイド:「忘災」の原発列島 再稼働は許されるのか 政府と規制委の「弱点」】(http://mainichi.jp/shimen/news/20150507dde012040002000c.html)。
東京新聞の記事【避難システム「時間稼ぎ程度」 「川内」司法判断に専門家ら異議】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015050502000131.html)。

 「九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働差し止めを却下した鹿児島地裁の決定内容を、本紙が検証したところ、主な論点とされた避難計画や巨大噴火リスクに関する事実認定に大きな問題のあることが浮かび上がった」。
 東京新聞や毎日新聞がダメ出し。あの原子力「ムラ寄生」委員会にさえ「計画が現実的ではない」「見通しが甘い」と“ダメ出し”再稼働計画でしたとさ。鹿児島地裁の却下という決定内容にも問題が大あり。

   『●あの原子力「寄生」委員会にさえ
     「計画が現実的ではない」「見通しが甘い」と“ダメ出し”再稼働計画?


 「だが、福井地裁はこの決め方は「信頼性を失っている」と断定平均的な揺れより少し強い程度の想定では「万一の事故に備えるべき」原発で不合理とし、基準地震動の大幅な引き上げを求めた。05〜11年に5回、各地の原発で基準地震動を超える揺れが観測された事実も指摘した・・・・・・素朴な疑問は「世界で最も厳しい」と政府が自賛する新規制基準で、なぜ「平均より少し強い」だけの基準地震動が審査を通ってしまうのか、である」!?
 原発再稼働「過去の地震の平均値に基づいて」「平均より少し強い」問題。「05〜11年に5回、各地の原発で基準地震動を超える揺れが観測された事実」・・・・・・政府や裁判所、電力会社が絶対に100%安全と言える、その自信はどこから? 「原子力ムラの住人」が再稼働したいという気が知れない。

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
                 もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・

   『●画期的! 福井地裁樋口英明裁判長、  
      高浜3、4号機再稼働差止仮処分決定・・・「直ちに効果が発生」!!
   『●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断:
       寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」


 「避難システム「時間稼ぎ程度」 「川内」司法判断に専門家ら異議・・・・・・九州電力川内原発の再稼働差し止め要求を却下した先月の鹿児島地裁の決定・・・・・・裁判所の判断の材料となった関係者からは大きく異なる証言が得られた」。
 で、火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に一体何時間、何日間かかるの? 「数年前から(熱い核燃料を冷まし、搬送容器に入れられるよう)前兆をとらえられるか、見通せるわけがない

   『●火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に
        何時間、何日間? 答えは「2年以上」!


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015050590070254.html

地裁差し止め却下 「川内」事実認定に問題
2015年5月5日 07時04分


(↑ブログ主注: まことに勝手ながらコピペさせて頂いております
 【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2015050599070254.jpg】)

 九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働差し止めを却下した鹿児島地裁の決定内容を、本紙が検証したところ、主な論点とされた避難計画や巨大噴火リスクに関する事実認定に大きな問題のあることが浮かび上がった。 (小倉貞俊荒井六貴

 先月二十二日の地裁決定は、原発の新規制基準に不合理な点はなく避難計画の具体化や物資の備蓄も進み多数の専門家が巨大噴火の可能性は小さいとしているなどとして、住民らの訴えを退けた。

 しかし、地裁決定には、いくつもの疑問点がある。

 三十キロ圏の住民は、地区ごとに避難先が指定されているが、風向きによっては放射能汚染で使えなくなる可能性がある。地裁は、県が調整システムを整備し、迅速な避難先の変更に備えていると認定した。

 県に取材すると、風向きの入力で避難先施設の候補がリスト化される程度のもの。必要な人数を収容できるかや、汚染状況は一件一件、現地とやりとりする必要がある。入院患者らの避難先についても、病院の空きベッド数データがないため地道な確認が必要だ。

 半年前、避難者受け入れに向けた計画ができていなかった鹿児島県霧島市など十二市町に取材すると、指定先の学校や公民館などへの説明や、避難所の運営方法などの協議はいずれもされていなかった

 一方、巨大噴火への備えについて地裁は、九電の火山監視の手法や能力に「専門家から異論はなかった」と問題ないと評価した。しかし、専門家とされた当の東大地震研究所の中田節也教授らからは「曲解された」「事実誤認だ」との声が上がっている。

 住民側は近く福岡高裁宮崎支部に抗告する予定だ。

(東京新聞)
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http://mainichi.jp/shimen/news/20150507dde012040002000c.html

特集ワイド:「忘災」の原発列島 再稼働は許されるのか 政府と規制委の「弱点」
毎日新聞 2015年05月07日 東京夕刊

    (関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの
     仮処分が決まり、垂れ幕を掲げる人たち
     =福井地裁前で2015年4月14日、加古信志撮影


 ◇二つの地裁仮処分決定で浮かび上がる−−政府と規制委の「弱点」

 「運転禁止」と「請求却下」−−。原発の再稼働中止を求める仮処分申請に対して、二つの地裁は先月、正反対の判断を示した。結果だけを見れば原告と被告、どちらの立場からも1勝1敗。だが両決定文を読み比べれば、原子力規制委員会や政府の「弱点」がくっきりと浮かび上がるのだ。【高木昭午】


 ◇判断分かれた「基準地震動」の合理性 実態は「平均より少し強い」だけ

 「原発の耐震審査が行政の裁量任せになってしまった部分を問われた」。二つの決定を受け、規制委で耐震ルール作りに関わった藤原広行・防災科学技術研究所社会防災システム研究領域長は残念がる。

 福井地裁は先月14日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を差し止める仮処分決定を出した。その8日後、鹿児島地裁が九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働差し止めの仮処分請求を却下した。両地裁の決定を分けた重要な論点に、電力会社が想定する「基準地震動」がある福井地裁は関電の想定を「合理性がない」と切り捨て鹿児島地裁は九電の想定を「不合理な点はない」とした。

 基準地震動とは、原発周辺の活断層などが起こし得る揺れの強さを指す。「それ以下の揺れなら大事故は起こさない」という設計の目安だ。「原発を襲い得る最強の地震」と言われもするが、これから説明するように実態は違う

 関電は、高浜原発から平均約19キロ離れた三つの断層(長さ計約63キロ)が連動した際に原発を襲う揺れの強さを計算した。この計算は、活断層が起こし得るさまざまな揺れの中で平均的な値を導くもの。結果は約630ガル(ガルは揺れの大きさを示す加速度の単位)。関電はこれを少し強めた700ガルを基準地震動と決めた。同様の決め方は、他の原発でも広く使われてきた

 だが、福井地裁はこの決め方は「信頼性を失っている」と断定平均的な揺れより少し強い程度の想定では「万一の事故に備えるべき」原発で不合理とし、基準地震動の大幅な引き上げを求めた。05〜11年に5回、各地の原発で基準地震動を超える揺れが観測された事実も指摘した。

 関電は「(揺れの強さに影響する)複数のパラメーター(要素)が、同時に極端に揺れを大きくする方向に動くとは考えにくい」(地裁への陳述書)と想定の正当性を主張したが、ほぼ一蹴された

 藤原さんも「実際の地震では(計算による)平均値の2倍以上強い揺れが全体の7%程度あり、3倍、4倍の揺れさえも観測されている」と、関電の主張の問題点を指摘。「平均から離れた強い揺れも考慮すべきだ」と訴える。

 似た司法判断は昨年11月にもあった。関電高浜・大飯原発の運転差し止め仮処分請求。大津地裁は却下したが決定文で「地震の平均像を基にすることに、どのような合理性があるのか」と疑問を投げかけ、「最大級の地震」を基準にすべきだとした。

 実は川内原発も、基準地震動の決め方は高浜と同様だ。鹿児島地裁がそれを容認したのは「(同じ長さの断層でみると揺れが小さめになりやすい南九州の)地域的特性を踏まえ、平均像を用いた分析も合理的」との判断からだ。

 素朴な疑問「世界で最も厳しい」と政府が自賛する新規制基準で、なぜ「平均より少し強い」だけの基準地震動が審査を通ってしまうのか、である。藤原さんが明かす。「基準地震動の具体的な算出ルールは時間切れで作れず、どこまで厳しく規制するかは裁量次第になった。揺れの計算は専門性が高いので、規制側は対等に議論できず、甘くなりがちだ」。電力会社の主張があっさり通るわけだ。運転禁止決定は、この審査体制の不備を突いた格好だ。

 「今の基準地震動の値は一般に、平均的な値の1・6倍程度。実際の揺れの8〜9割はそれ以下で収まるが、残りの1〜2割は超えるだろう。もっと厳しく、97%程度の地震をカバーする基準にすれば、高浜原発の基準地震動は関電が『燃料損傷が防げないレベル』と位置づける973・5ガルを超えて耐震改修が必要になりかねない。コストをかけてそこまでやるのか。電力会社だけで決めるのではなく、国民的議論が必要だ」。藤原さんは、そう強く訴えるのだ。

 規制基準そのもののあり方も、高浜、川内の仮処分申請に共通の論点だった。福井地裁は、最高裁が1992年に四国電力伊方原発を巡る訴訟の判決で「深刻な災害が万が一にも起こらないよう(国に)十分な審査を行わせる」べきだと論じたことを引用。最高裁の要求に比べ規制基準は「緩やかに過ぎ」ると断じた

 これに対し「リスクをゼロにしろと言うなら、(より死亡事故の確率が高い)自動車の差し止め請求ができてしまう」(仁坂吉伸・和歌山県知事)などの反発が相次いだ。確かに「事故ゼロ」は、福島第1原発事故後の原発対策の“建前”である「重大事故は起こり得る」とは食い違う。規制委は、文案作成中の「原子力安全文化に関する宣言」にも、この認識を盛り込む。

 しかし、重大事故のリスクに触れたがらないのは政府自身だ。「再稼働は安全確保が大前提」(安倍晋三首相)とは、安全神話が生きていた福島第1事故以前と大差ない表現だ。福井地裁の「規制は緩すぎ」との批判は原発行政の矛盾を突いたともいえる新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は「福島では十数万人が避難を続け、汚染地域も極めて広い。がんも心配だ。自動車事故とは性質が違う」と福井地裁判断を支持する。

 一方、鹿児島地裁は規制基準の合理性を認めた。「(規制委が掲げる)安全目標が達成されれば、人格的利益が侵害されるおそれはない」ことが、この判断の前提だった。「安全目標」の中身は「放射性物質『セシウム137』の放出量が100兆ベクレル(福島事故の放出量の約100分の1)を超える事故は、テロなどによる事故を除き原子炉1基あたり100万年に1回程度以下に抑える」などだ。

 これに関し先月22日の規制委の記者会見で質問が出た。「(目標達成は)川内原発の適合性審査で確認されたのでしょうか」。田中俊一委員長は「確認しています」と答えた。ところが同日、規制委はホームページで「確認していません」と訂正した。「目標は基準ではない」(原子力規制庁)からだ。地裁の判断の前提が揺らいでいるのだ

 米原発会社「ゼネラル・エレクトリック」で18年間、原発技術者だった佐藤暁さんは「米国では事故率を計算し、公表する」と言う。「福島の事故後、欧米はより進んだ安全対策を取り入れた。フランスは、原発職員が全員撤退しても事故対応に300人をヘリコプターで派遣する制度にした。事故率の問題も含め、日本は追いつけていない」

 鹿児島地裁は破局的噴火を恐れる火山学者らの声を退けたが、決定文には「地震や火山活動は十分解明されていない」「さらに厳しい安全性を求める社会的合意があれば、その安全性を基に(再稼働の可否を)判断すべきだ」と書いた結論は世論次第らしい

 福井地裁は原発を安全性不十分とみなした。鹿児島地裁の運転容認も、実は安全への懸念を残した留保条件つきだ。手放しで「安全確保」と言えない現実を踏まえ、再稼働の是非も、原発で発電する割合も再考すべき時だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015050502000131.html

避難システム「時間稼ぎ程度」 「川内」司法判断に専門家ら異議
2015年5月5日 朝刊

     (使用前検査が進められている川内原発
      =鹿児島県薩摩川内市で)

 「決定の中で、いいように利用された」。九州電力川内(せんだい)原発の再稼働差し止め要求を却下した先月の鹿児島地裁の決定。原発の安全性や避難計画の実効性を認め火山の巨大噴火の可能性は低いと認定しているが、本当にその通りなのか。裁判所の判断の材料となった関係者からは大きく異なる証言が得られた。 (小倉貞俊荒井六貴


 鹿児島県は原発事故時、まず原発五キロ圏の住民を避難させた後、外側の住民を段階的に避難させる方針。決定は福島原発事故のような大混乱、大渋滞を回避できると期待するが、実は県自体、四割の住民が指示を待たず逃げ始めると想定している。

 原発から約十二キロ、薩摩川内市の山之口自治会長・川畑清明さん(58)は「五キロ圏の避難を待てば、自分たちが被ばくしかねない。すぐ避難を始める人も大勢いるはず。計画は現実的ではない」とみる。

 鹿児島地裁は「避難計画に実効性あり」と判断した根拠の一つに、県が導入した避難先の調整システムを挙げた。しかし、県防災担当者にシステムの能力を問うと「コンピューターで自動的に調整できるわけではありません。多少の時間節約にはなると思いますが…」との答えが返ってきた。

 風向きを入力すれば、避難所候補リストから放射能が少なそうな方角の候補を絞り込んではくれるが、それ以上のものではないとのことだった。

 決定は、県が入院患者らの避難に必要な台数のバスを確保する方針であることを挙げ、避難が順調に進むかのように書いているが、バスの運転手の被ばく管理をどうするのかなど課題は山積し、バス確保のめどすら立っていない。

 川畑さんも「被ばくの恐れがある中で、運転手の理解を得られるのか」と疑問を口にした。

 もう一つの大きな争点が火山の巨大噴火のリスク。決定は、専門家たちが九電の火山監視能力や対応策の有用性を認め、噴火のリスクも小さいと認めているかのように書いているが、複数の専門家から厳しい声が出ている。

 「南九州で巨大噴火が起こらない保証はない。決定の中で、自分もいいように利用された。ひどい決定文だ」。日本火山学会理事で東大地震研究所の中田節也教授はこう憤る。

 決定は、二〇一三年十月に開かれた旧原子力安全基盤機構(原子力規制委員会に統合)の会合で、九電の火山対応について「出席者から特に異論が出なかった」ことを根拠に、九電に十分な監視能力ありと認定している。

 この会合に出席していた中田教授は「事務方から説明を受けただけ。問題があると思っていたが、意見を求められず、指摘する機会もなかった。説明だけなのに、同意があったように書かれている曲解され腹立たしい」と話した。

 一四年八月から規制委の会合で、火山監視の議論が始まったが、専門家からは噴火予知は非常に難しく、特に巨大噴火は観測データそのものがないなどの指摘が相次いだ。だが、地裁はなぜかこうした指摘をくみ取らなかった。

 決定が巨大噴火の可能性を認識する火山学者は少数派としている点について、火山噴火予知連絡会長の藤井敏嗣(としつぐ)・東大名誉教授は「事実誤認で、科学的ではない」と断じこう現状を語った。

 「ほとんどの学者が大噴火はあると思っている。十年先なのか千年先なのか分からないが、危険がないように書かれているのはおかしい。噴火数日前に異変をとらえ、人を避難させられるかもしれないが、数年前から(熱い核燃料を冷まし、搬送容器に入れられるよう)前兆をとらえられるか、見通せるわけがない
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●原発断層問題: 断層直上の定義とズレの許容値の議論に矮小化

2013年02月12日 00時00分56秒 | Weblog


CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/022184.html)とasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20130204.html)。

 「原子力規制委員会の「活断層認定」が御用学者に骨抜きにされる」と同時に、「断層直上の定義」や「断層からのズレの許容値」、そういったことに議論を落とし込んでいくつもりだろう。さらに「計算」や「調査継続」といった時間稼ぎと忘却待ち。「利益相反」もあるようだ。原子力ムラ住人に〝議論〟をリードさせ、評価させ、判断させている現状に、どうしようもない絶望を感じる。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/022184.html

[CML 022348] 【紹介】週刊誌でも規制委の「利益相反」批判記事
杉原浩司(Koji Sugihara) ・・・・・・
2013年 1月 27日 (日) 23:47:34 JST

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党 Greens Japan)です。
連投すみません。[転送・転載歓迎/重複失礼]

もうご覧になった方もあるかと思いますが、発売中の★『週刊金曜日』(1/25号)の冒頭「金曜アンテナ」欄に「規制委検討チーム、電力会社などから4500万円受け取る 4人のメンバー解任を要請」と題して、「原子力規制を監視する市民の会」が1月18日に行った要請行動を写真付き記事にしていただいています。要請内容もコンパクトにまとめてありますので、よろしければご覧ください。

ちなみに、原子力規制委広聴広報課の佐藤暁課長による「電力会社などから寄付金をもらっていても、委員一人ひとりの意見を聞いて、最終的に委員会がとりまとめるので中立性を担保できると考えている」との珍回答も紹介されています。

ちょうど発売日が毎日夕刊「特集ワイド」の利益相反についての記事掲載( http://mainichi.jp/feature/news/20130125dde012010003000c.html )とタイミングよく重なりました。

また、これも発売中の★『週刊プレイボーイ』(2/4、No.5号)には、ルポライターの明石昇二郎さんによる<原発直下の活断層審査が骨抜きにされる!~前編>「自民政権復活で原発世論操作が息を吹き返した!?」が4ページにわたり掲載されています。ウェブ版にも一部が載っています。

週プレNews(1/22)
◆原子力規制委員会の「活断層認定」が御用学者に骨抜きにされる(明石昇二郎)
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/01/22/16713/

ウェブ版の内容は本誌では前半に掲載され、後半には遠田晋次・東北大学教授(電力中央研究所OB)へのインタビューが詳しく載っています。以下は彼の発言の抜粋です。

   「とにかく問題なのは、極端すぎる活断層変動地形の評価が
    すべてを決めているということ。その点、保安院での評価は
    健全だったと思いますよ」
   「1mずれるのでは完全にアウトだと思いますけど、
    10cmまでなら許容範囲だとか」

遠田教授は、工学的なシミュレーションによって地震による「ずれ」は予測可能だとして、たとえ原発敷地内に活断層が見つかっても、建屋以外の施設の真下にあり、ずれ予測が小さければ運転継続(や再稼働)は可能だと言うのです。

最後に、「地震・津波に関わる新安全設計基準検討チーム」会合(12/7)における谷和夫・防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター研究員(電力中央研究所OB)の

   「それ(破砕帯)が地表にどういうような影響を及ぼして、
    それが施設に対してどういう影響があるのかということを
    きちんと計算をして、照査をして、アウトかどうかを審査しましょう」

との発言が紹介されています。遠田教授とまったく同質のトンデモ理論です。新たな安全神話のねつ造とも言うべきこうした主張をまかり通らせるわけにはいきません。

1月29日(火)に原子力規制委で行われる「地震・津波に関わる新安全設計基準検討チーム」の第8回会合の行方が注目されるゆえんです。

http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_taishinkijyun/data/0008_00.pdf

※なお『週刊プレイボーイ』の明石昇二郎さんの記事続編は、28日(月)発売号に掲載予定です。ぜひ、ご注目ください。
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http://www.asahi.com/paper/editorial20130204.html

2013年2月4日(月)付
日本原電廃炉の道筋考えるとき

 敦賀原発2号機(福井県)の真下を通る断層について「活断層の可能性が高い」とする報告書案を、原子力規制委員会の専門家会合がまとめた。
 敦賀原発を所有する日本原子力発電は強く反発している。他の電力会社からも委員の専門分野が偏っているといった批判がある。
 このため規制委は、別の専門家にも意見を聞いたうえで最終判断することにした
 議論を尽くすこと自体に異論はない。ただ、敦賀2号機の断層は、専門分野を問わず委員の見方が一致している。新たなデータが出てこない限り、結論は変わるまい。
 そもそも、安全性に疑いがある原発は予防的な観点から動かさないことが、福島事故を踏まえた大方針のはずである。いたずらに決定をひきのばすだけの抗議なら、認められない。
 報告書案が正式に認められれば、原電は廃炉を迫られる。猛反発するのは、それが経営問題に直結するからだ
 原電は電力各社が共同で設立した。ほかに休止中の原発が2基あるが、すでに運転期間が40年を超えていたり、地元が反対していたりして、再稼働のめどが立たない。
 敦賀2号機が廃炉となれば、収入源が途絶える。会計上の処理次第では、債務超過になるとの試算もある。
 従業員や地元の雇用・財政に与える影響はできるだけ避けたい。原電には廃炉作業中の原発も1基ある。使用済み燃料棒を含め、保守・保管がおろそかになってはならない
 東京電力や関西電力が、原電からの電力供給が止まっているのに、契約の関係から維持費相当分を原電に払い続け、電気料金に転嫁している問題もある。これも看過できない。
 全国には活断層の可能性が指摘される原発が複数ある。新たな基準や知見に基づき、廃炉を余儀なくされる原発はまだ出るだろう。
 一度は国が運転を認めた原発だ。政府は傍観せず、課題を整理し、必要なコストをだれがどう負担するかを含めて、早急に対策を講じるときだ
 そんなさなか、規制委の事務局である原子力規制庁の審議官が、敦賀原発の報告書案を公表前に原電に渡していたことが発覚した。あまりに緊張感に欠ける行為で、あきれるしかない
 法律でどんなに独立性・中立性をうたい、専門家たちが信頼回復へと踏ん張っても、無自覚な官僚の一つの行動がすべてを崩す。猛省を求めたい。
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