Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《「私たちの権利はこれほどまで簡単に踏みにじられる」。沖国大の事故の1カ月後…学生が事故を目の当たりにした恐怖感や屈辱感を…》

2020年08月20日 00時00分11秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>基地被害の不平等】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1171318.html)。

 《「人のいない所に持って行ったという素晴らしい功績があった」。2004年の米軍ヘリ沖国大墜落事故の後、当時のトーマス・ワスコー在日米軍司令官操縦士を称賛した ▼町村信孝外相(当時)も「操縦士が上手だったこともあって重大な被害が出なかった」と述べた。しかし墜落したヘリは、複数の職員がいた沖国大の本館に激突して炎上していた。隣接する図書館などには学生もいた危険性を矮小(わいしょう)化し、命を軽視する発言は県民の怒りを買った》。

 沖縄では、同じことが何回繰り返されるのか?

   『●翁長雄志前沖縄県知事急逝から1年: イジメられている沖縄側に
              辺野古破壊阻止の道筋を《見通せ》というのか?

 琉球新報の【<社説>翁長氏死去から2年 分断を乗り越える時だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1171320.html)によると、《前知事の翁長雄志氏が享年67で死去して2年たった。彼が残した遺志や言葉をいま一度思い起こす必要がある。一層響く現状があるからだ。中でも県民が一つになってこそ沖縄の困難は乗り越えられるという信念は重要である。翁長氏は「イデオロギー(政治思想)よりもアイデンティティー(自己同一性)」と述べ、県民の結束を呼び掛けた。沖縄は今、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設が政府によって強行されている。それに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が命や健康を脅かし、経済は危機的状況で、米軍基地由来の感染も脅威となっている。今こそ県民が一つになって危機を乗り越える時だ》。
 辺野古破壊を止めよ! 番犬様が震源地化し、最悪なことに最低な愚策GoToが追い打ち。アベ様による人災は、特に、沖縄では明白だ。

   『●あの島尻安伊子氏の下、《内閣府副大臣として沖縄を
      担当していた人物》松本文明氏の眼には何にも見えて…
    「リテラの記事【松本内閣府副大臣スピード辞任はただの選挙目当て!
     沖縄米軍機事故に「何人死んだんだ!」卑劣ヤジは安倍自民の本音だ】
     …《辞任の理由は「不適切発言」だ…松本副大臣はあろうことか、
     第3次安倍第1次改造内閣では島尻安伊子・沖縄及び北方対策担当大臣
     の下、内閣府副大臣として沖縄を担当していた人物だ》」
    「沖縄タイムスの【社説[日米「不適切発言」]苦しむ県民に追い打ち】
     …によると、《04年8月、米軍ヘリが沖縄国際大構内に墜落炎上した
     ときは、ワスコー在日米軍司令官が「ベストな対応」だと言い放った。
     これらはすべて「軍の論理」である…内閣府の松本文明副大臣は25日、
     共産党の志位和夫委員長が衆院本会議の代表質問で米軍機事故などに
     触れた際、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。開いた口が
     塞がらないまるで問題を起こした米軍よりも県民を責めるような
     口ぶりである》。
      《子どもたちの日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか》?」

 沖縄の皆さんには大迷惑です。アベ様はご自身を番犬様に守ってほしいのでしょうから、番犬様は首相官邸の上空で訓練したらどうか。安全・安心なんでしょ?

   『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件
   『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
            ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散
   『●「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも
        「沖縄は放ったらかし」……アベ様らは、今も、沖縄差別継続中
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
        そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●「在日米軍特権」…《事故の検証すらできない日本は
         むしろ、法的従属を“放置”した国家》<金口木舌>
   『●横浜米軍機墜落事件: 「米軍が現場を占拠し、
       警察は蚊帳の外。被害者のための救急車は一番最後に…」
    《▼墜落前に脱出し、傷一つない米兵救出のためだけ自衛隊ヘリは出動した。
     米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外被害者のための救急車は
     一番最後に来たという石川・宮森小沖国大安部墜落であらわに
     なった不条理さと変わらない》。
    「《不条理の連鎖》は、今もなお沖縄では続く。《米軍機は沖国大墜落など
     「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる》。
       「在日米軍特権」も、「日米共犯」も、何も変わらない沖縄。
     《沖縄の人たちは逃げられない》《墜落であらわになった不条理さ》…
     今もなお、何も変わらない」

   『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」
         (高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                     アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる
    《頻発するヘリの墜落に、突如、凶器と化した落下物が子どもたちの頭上に
     降って落ちてくる恐怖。2016年には米軍属による強かん殺人事件
     起こった。それでも平然と、自分たちの植民地であるかのように横柄な
     態度をとりつづける米軍──この暴力を許しているのは、言うまでもなく
     日本政府、安倍政権だ

   『●「米軍機接近による児童の避難は…39日間に合計242回」、
                   「最も多い日は一日に29回」…異常な現実

 《「私たちの権利はこれほどまで簡単に踏みにじられる」。沖国大の事故の1カ月後に開かれた宜野湾市民大会で、学生が事故を目の当たりにした恐怖感や屈辱感を述べていた》そうだ。
 無《責任政党》の「ト」な自民党改憲草案は、沖縄では、既に実現している模様。
 《議会制民主主義はもう機能していない》独裁政治下で、壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、そして、緊急事態条項の創設。一体全体、これのどこら辺が国民のため? この壊憲は、人治主義国家・アベ様王国の国王の自己満足《憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残したい》《改憲を断行したという記念碑的目標》のためであり、壊憲することが目的の壊憲で、「裸の王様」を支える取巻き連中や癒党議員、壊憲志向の組織広報機関が躍起になって立憲主義を破壊し、平和憲法を破壊し、ニッポンを破壊している。
 アベ様の御「趣味」で壊憲され、「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」され、さらには、緊急事態条項の創設をされたのでは、タマッタものではない。どうやら、アベ様は、平和憲法を壊憲して、「我が軍」を復活し、大日本帝国憲法への回帰を志向しているらしい。

   『●「ト」な自民党改憲草案の押し付け…
     押し付けられた「押し付け憲法論は、賢明なる先人に対する冒涜」
   『●壊憲…「緊急事態という口実で、憲法が破壊される恐れが…
                 ヒトラーは非常事態を乱用して独裁を築いた」
   『●争点は「壊憲」: 「ト」な自民党改憲草案は
       「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」
   『●「ト」な新三原則「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」 
          「基本的人権の制限」…壊憲して本当にいいの?
   『●アベ様独裁下の《黙って見過ごすわけにはいかない
      日本の問題》があまりに多すぎる…躾けられてはいけない

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1171318.html

<金口木舌>基地被害の不平等
2020年8月10日 06:00
金口木舌 米軍ヘリ沖国大墜落事故 F15戦闘機 基本的人権

 「人のいない所に持って行ったという素晴らしい功績があった」。2004年の米軍ヘリ沖国大墜落事故の後、当時のトーマス・ワスコー在日米軍司令官操縦士を称賛した

町村信孝外相(当時)も「操縦士が上手だったこともあって重大な被害が出なかった」と述べた。しかし墜落したヘリは、複数の職員がいた沖国大の本館に激突して炎上していた。隣接する図書館などには学生もいた危険性を矮小(わいしょう)化し、命を軽視する発言は県民の怒りを買った

嘉手納基地で4日、訓練していたF15戦闘機が3・6キロの部品を落下させた。地元市町村に連絡があったのは落下から半日後。F15は部品落下翌日も、何事もなかったかのように離着陸している

日本国憲法は基本的人権を保障する。国民はあらゆる社会的関係によって差別されてはならない。しかし沖縄県民、基地周辺住民の命は他地域には存在しない脅威にさらされ続ける不平等を軽視しては解決につながらない

▼「私たちの権利はこれほどまで簡単に踏みにじられる」。沖国大の事故の1カ月後に開かれた宜野湾市民大会で、学生が事故を目の当たりにした恐怖感や屈辱感を述べていた

▼13日で事故から16年米軍機の墜落、部品落下は繰り返されている命を守るという最低限の人権保障を求める声を、日米両政府が聞き届けるのはいつになるのだろうか
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●あの島尻安伊子氏の下、《内閣府副大臣として沖縄を担当していた人物》松本文明氏の眼には何にも見えて…

2018年02月09日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



リテラの記事【松本内閣府副大臣スピード辞任はただの選挙目当て! 沖縄米軍機事故に「何人死んだんだ!」卑劣ヤジは安倍自民の本音だ】(http://lite-ra.com/2018/01/post-3760.html)。

 《辞任の理由は「不適切発言」だ…松本副大臣はあろうことか、第3次安倍第1次改造内閣では島尻安伊子・沖縄及び北方対策担当大臣の下、内閣府副大臣として沖縄を担当していた人物だ》。

 あの島尻安伊子氏の下、《内閣府副大臣として沖縄を担当していた人物松本文明氏の眼には何にも見えていなかったらしい。大臣辞任なんて生ぬるく、議員辞職モノでしょう。《無知識、無教養、差別思想、時代錯誤が露呈》。

   『●アベ様ご夫妻…そして、《それ以外でも自民党は相当ひどい…
                 無知識、無教養、差別思想、時代錯誤が露呈》
   『●横浜米軍機墜落事件: 「米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外。
                       被害者のための救急車は一番最後に…」
    《▼墜落前に脱出し、傷一つない米兵救出のためだけに自衛隊ヘリは出動した。
     米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外被害者のための救急車は
     一番最後に来たという石川・宮森小沖国大安部墜落であらわに
     なった不条理さと変わらない》。
    「《不条理の連鎖》は、今もなお沖縄では続く。《米軍機は沖国大墜落など
     「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる》。
       「在日米軍特権」も、「日米共犯」も、何も変わらない沖縄。
     《沖縄の人たちは逃げられない》《墜落であらわになった不条理さ》…
     今もなお、何も変わらない。」

   『●「米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される」…
                   「日米地位協定」「日米合同委員会」の異常


 沖縄タイムスの【社説[日米「不適切発言」]苦しむ県民に追い打ち】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/201176)によると、《04年8月、米軍ヘリが沖縄国際大構内に墜落炎上したときは、ワスコー在日米軍司令官が「ベストな対応」だと言い放った。これらはすべて「軍の論理」である…内閣府の松本文明副大臣は25日、共産党の志位和夫委員長が衆院本会議の代表質問で米軍機事故などに触れた際、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。開いた口が塞がらないまるで問題を起こした米軍よりも県民を責めるような口ぶりである》。
 《子どもたちの日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか》?

   『●消された放射能汚染:米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件
   『●普天間「番犬様」基地:「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
            ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散
   『●「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも
        「沖縄は放ったらかし」……アベ様らは、今も、沖縄差別継続中
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
        そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●「在日米軍特権」…《事故の検証すらできない日本は
         むしろ、法的従属を“放置”した国家》<金口木舌>
   『●ストロンチウム内部被曝…翁長雄志知事「悲しい、悔しい。
                 沖縄にとって“国難”とはこういった状況だ」
   『●本土ではアベ様が「さらなる強硬手段に出る権力基盤を手に」し、
                       《強烈な異義申立》が続く沖縄は無視…
   『●沖縄の心は踏みにじられっぱなし…
      「在日米軍特権」「日米共犯」の下、《牧草地から土をどっさり》と盗難
   『●写真家・嬉野京子さん…
      「自分は逃げられるが、沖縄の人たちは逃げられない」
   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                      アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる


 東京新聞の社説【副大臣やじ辞任 政権の姿勢こそ問題だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018013002000169.html)によると、《交代は当然としても、沖縄県民の気持ちに寄り添うと言いながら、米軍普天間飛行場の県内移設を強行する安倍政権の姿勢こそ問題ではないか…安倍内閣は「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、基地負担の軽減に全力を尽くす」とするが、その方針が政府内で共有されていないことが明白になった。安倍晋三首相の任命責任は免れまい》。
 議員辞職モノ、アベ様の任命責任…でも、どうせ選挙が終わりほとぼりが冷めればね…。

 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/本音が出た安倍首相は官僚のペーパーをただ朗読している】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222373)によると、《「地元の懸念を軽視する」(安倍晋三首相)  これは安倍首相が、先月26日の参院本会議で、沖縄県で相次ぐ米軍ヘリコプターの不時着に関して、述べた言葉。なんでも「地元の懸念を軽減する」と言おうとしたところ、間違えた…》。
 まぁ、アベ様の本心がポロリ…沖縄では、「軽視」される《不条理の連鎖》。

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http://lite-ra.com/2018/01/post-3760.html

松本内閣府副大臣スピード辞任はただの選挙目当て! 沖縄米軍機事故に「何人死んだんだ!」卑劣ヤジは安倍自民の本音だ
2018.01.26

     (自由民主党HPより)

松本文明内閣府副大臣が辞任の意向を固めた──。本日夕方、突然報じられたこの一報に、驚いた人も多いだろう。辞任の理由は不適切発言だ。

 じつは昨日25日の衆院本会議での代表質問において、沖縄で多発している米軍事故について言及している最中に、松本副大臣はこんなヤジを飛ばしたのだ。

   「それで何人死んだんだ

 この卑劣なヤジは、共産党・志位和夫委員長の代表質問のなかで起こった。志位委員長は昨年10月、東村高江の民間牧草地に米軍の大型輸送ヘリCH53が墜落・炎上した事件、12月には宜野湾市の保育園の屋根にやはりCH53Eの装置カバーが、さらに同市の小学校のグラウンドに同機の重さ約8キロの窓枠が落下するという重大事故が立てつづけに起こった問題を取り上げ、「恥ずべき米軍追従姿勢をあらため、沖縄のすべての米軍機の緊急総点検と飛行停止を米国に要求すべき」と主張。その上で、米軍は基地周辺だけではなく沖縄全土で事故を起こしている事実を突きつけ、「普天間基地の無条件撤去、辺野古新基地建設の中止、海兵隊の沖縄からの撤退こそ、県民の命と安全を守る唯一の解決策」として安倍首相に見解を求めた。

 沖縄県民が命の危険に晒されるなか、至極当然の主張だが、しかし、まさにこのとき、自民党席から松本副大臣は「それで何人死んだんだ」というヤジを飛ばしたのである。松本副大臣はあろうことか、第3次安倍第1次改造内閣では島尻安伊子・沖縄及び北方対策担当大臣の下、内閣府副大臣として沖縄を担当していた人物だ。

 松本副大臣のヤジは死人も出ていないのにごちゃごちゃ言うなという意味としか受け取れない。それとも死人が出たら考えるとでも言うのか。ともかく、沖縄県民の命について何とも考えていないことだけは確かで、昨年4月、今村雅弘復興相による「(東日本大震災が起こったのが)東北で良かった」という暴言に匹敵する国民を冒涜するものであり、即刻辞任すべき発言だったことは間違いない。


松本副大臣は、熊本地震でも「俺に差し入れしろ」「政府に文句言うな」とワガママ・暴言の前科

 しかし、意外なのは、これほどまでに素早く松本副大臣の辞任を決めたことだろう。実際、この暴言ヤジについて報じたのは、本日付のしんぶん赤旗のみ。沖縄の琉球新報、沖縄タイムスの2紙でさえ報じておらず、無論、全国紙やテレビでも一切伝えていなかった。

 しかも、松本副大臣の暴言はいまにはじまった話ではない。2016年4月に起こった熊本地震の際には、内閣府副大臣として政府代表の現地対策本部長を務めたが、本震の後におこなわれた県と政府のテレビ会議において、被災者対応を差し置いて「食べるものがない。これでは戦えない。近くの先生(国会議員)に差し入れをお願いして欲しい」と要求。その上、西日本新聞の報道によると、松本副大臣は配給がおにぎりのみだった際に「こんな食事じゃ戦はできない」と述べるなど〈待遇の不満を何度も口に〉し、地元の自治体職員に対しても、「物資は十分持ってきているので足りているんだ。被災者に行き届かないのは、あんたらの責任だ。政府に文句は言うな」と発言していたという。

 「俺に差し入れしろ」「政府に文句は言うな」……。災害発生時に政府の代表がこの態度とはまったく怒りしか覚えないが、このときも安倍首相は松本副大臣を辞任させるどころか、昨年8月の内閣改造で松本氏を再び内閣府副大臣に引き立て、総選挙後も続投させてきたのである。

 それが一転、暴言ヤジが大きな話題になる前に、あっさり辞任させる──。辞任は当然の措置だが、これまで閣僚たちにどんな失言や不祥事が発覚しても意に介することなく居座らせてきた安倍政権にしては異例の素早さと言わざるを得ない。

 だが、この異例の対応をとった理由は、じつにわかりやすい。言わずもがな、辺野古新基地建設が最大の争点となっている、28日告示、2月4日投開票の沖縄県名護市長選への影響を考えてのことだ。移設反対の現職・稲嶺進氏に対し、自民党は渡具知武豊氏を推している。


松本副大臣スピード辞任は名護市長選目当てのアピール、でも安倍政権の本音は…

 安倍政権の名護市長選への力の入れようは異常なもので、昨年末には菅義偉官房長官二階俊博幹事長が相次いで沖縄入り。本サイトでジャーナリストの横田一氏がお伝えしたように、自民党は〈公共事業推進(予算増加)の“アメ”をちらつかせつつ基地受け入れを迫る“ムチ”を振るう手法〉を繰り出している。

 その上、自民党陣営は稲嶺市政に対して「名護市は税金が高い」などというデマ攻撃を仕掛けているほか、地元では稲嶺氏を誹謗中傷するビラも撒かれている始末。さらにネット上では、安倍応援団の櫻井よしこが2014年に流した“名護市は選挙前に有権者が約2000人、不自然に増えている”“本土から基地反対勢力が住民票を移してきた結果だ”というデマを、この市長選でもネトウヨたちが拡散させている。

 しかし、名護市長選の前哨戦となった南城市長選では、自・公・維新が推薦していた現職・古謝景春氏を、「オール沖縄」勢力系の新人・瑞慶覧長敏氏がなんと65票差という接戦で破って勝利。名護市長選への自民党の焦りは相当なものとなった。

 そのため、最近では多発する米軍の事故に対しても、小野寺五典防衛相は「整備が本当に十分なのか問いただしたい」「(米軍ヘリの不時着が)繰り返されている。あまりに多い」「極めて遺憾」などと発言。実際は飛行停止要求も米軍に突っぱねられており、まったく意味をなしていないのだが、一見、沖縄に寄り添っているかのような演出をおこなっている

 そして、今回の暴言ヤジでの松本副大臣の辞任──。つまり、普段ならばどれだけ世論が反発しても大臣を辞任させないのに、選挙を控えているがためにスピード辞任させたにすぎないのだ。

 そもそも、「それで何人死んだんだという暴言は安倍政権の本音。もしほんとうに沖縄県民の命について真剣に考えているのなら、もっと粘り強く米軍に飛行停止を求めるのが筋で、ひいては不平等極まりない日米地位協定の見直しに踏み込んでいるはずだからだ。選挙目当てで殊勝な態度をとっても、結局、安倍政権は沖縄を捨て石にしようとしていることに変わりはないのである。

(編集部)
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