Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●琉球新報【<社説>沖国大ヘリ墜落19年 危険の放置、許されない】《県民の民意を真摯に受け止め、直ちに普天間飛行場を閉鎖・撤去すべき》

2023年09月22日 00時00分16秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(20230819[])
キシダメ政権は軍事費倍増し、軍事国家に。
 (琉球新報)《ラムズフェルド元米国防長官は2003年に普天間飛行場を上空から視察した際に「世界で一番危険な米軍施設」と発言した。住宅地や学校に近すぎるからだ。案の定、発言の翌年、沖国大ヘリ墜落事故が起き、飛行場の危険性を証明した》。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
      ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…


 N値はゼロ工期と費用は「∞」。新軍事基地建設のために、辺野古や大浦湾に土砂をぶちまけ、出来もしないのにドブガネ。百万歩譲って、たとえ完成しても、普天間は返還されることも無く、辺野古は単なる破壊「損」。一体何のための「血税」なのか。《標的の島》々となり、辺野古は踏んだり蹴ったりではないか…。

   『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件
    「もちろん沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件は知ってはいました。
     覚えてはいます。なぜ、米軍が現場を封鎖し、日本人や大学関係者、
     警察が締め出されるのかが不思議で、単なる〝番犬様〟米軍の
     傲慢さや沖縄差別の表れだとばかり思っていました。
     その裏に、ストロンチウム汚染の問題があったなど、
     全く想像していませんでした。初めて知りました。
     当時、大きく報じられたのでしょうか? 迂闊でした。」

   『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶ
      ヘリの機体にストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散
   『●「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも
     「沖縄は放ったらかし」……アベ様らは、今も、沖縄差別継続中
   『●12年経っても「米軍機は沖国大墜落など
     「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる」
   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
   『●「植民地意識丸出し」(安慶田光男副知事)な番犬様に
         尻尾をフル「言葉の偽装に長け」た政権(琉球新報)

 琉球新報の【<社説>沖国大ヘリ墜落19年 危険の放置、許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1765049.html)。《米軍普天間飛行場に隣接する宜野湾市の沖縄国際大に米海兵隊所属の大型輸送ヘリCH53Dが墜落して、13日で19年となった。大学の本館ビルに激突し、墜落・炎上した大事故で、普天間飛行場の危険性を浮き彫りにした》、《日米政府は県民の命や人権の軽視をやめてほしい。県民の民意を真摯(しんし)に受け止め、直ちに普天間飛行場を閉鎖・撤去すべきだ》。

   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・普天間は 
        返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
    「沖縄タイムスの記事【沖縄知事「米軍に那覇空港使わせない
     普天間返還「民間施設使用も条件」の衝撃】(…)によると、
     《米軍普天間飛行場返還に緊急時の民間施設使用が条件となっている
     該当するのは那覇空港だが、翁長知事は「絶対に使わせない」と明言
     過去、政府から条件の説明はなく、普天閒は返還されない恐れも》」

   『●アベ様らは2019年2月までに普天間飛行場は返還される
               と云う寝言な「空想」 ~辺野古は破壊「損」~
   『●破壊「損」な美ら海への土砂投入… 
     「2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止」をやってみせよ!
   『●辺野古破壊反対の明確な《結果が出る前から、
       安倍政権は「民意などクソくらえ!」と言わんばかりだ》!
    「《2019年2月までの米軍普天間飛行場の運用停止》の約束は一体
     どうなったのか? その日2019年2月18日は過ぎてしまったぞ!」

   『●《事実誤認》というフェイクで記者を会見から締め出す前に…
               アベ様や最低の官房長官こそ《事実誤認》?
   『●《安倍首相は…14年4月、政府として運用停止期限を
       「19年2月」とすることを確認》、閣議決定まで…
   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●美ら海に土砂をぶちまけ続けて1年、《政府は沖縄の人々を
     国民と見なしているだろうか…傍若無人極まりない》愚行の連続
   『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
      《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、
                         行政をゆがめ…》
   『●《高江のヘリパッド建設工事は異常だった》…その背景に
      和泉洋人首相補佐官の暗躍、高江での《わずか9時間の歓喜》
   『●高江破壊…《反対する市民らに対抗するのに協力する
     ことの見返りに、海外事業で便宜を図ると和泉首相補佐官は約束》
   『●辺野古・大浦湾が「ホープスポット」登録…《海と、
     そして海を保護しようと闘っている人々を、守ってほしい》
   『●《欠陥飛行場》米軍普天間飛行場…《本来なら移設条件を付けずに
     直ちに閉鎖すべき軍事施設だ。閉鎖できないのは政治の不作為である》
    (琉球新報)【<社説>沖国大ヘリ墜落18年 なぜ閉鎖できないのか】
     …《宜野湾市の沖縄国際大米海兵隊所属の大型輸送ヘリCH53D
     が墜落してから、13日で18になる。米軍普天間飛行場は住宅や
     学校施設に近すぎることに加え、不時着や部品落下が頻発する
     老朽機を抱えた欠陥飛行場だと繰り返し主張してきた。「辺野古移設
     が唯一の解決策」ではない。本来なら移設条件を付けずに直ちに
     閉鎖すべき軍事施設だ閉鎖できないのは政治の不作為である

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1765049.html

<社説>沖国大ヘリ墜落19年 危険の放置、許されない
2023年8月13日 05:00

 米軍普天間飛行場に隣接する宜野湾市の沖縄国際大に米海兵隊所属の大型輸送ヘリCH53Dが墜落して、13日で19年となった。大学の本館ビルに激突し、墜落・炎上した大事故で、普天間飛行場の危険性を浮き彫りにした。

 しかし、危険性は取り除かれるどころか、今も放置されている。普天間所属機の事故は繰り返され、住民の命は危険にさらされたままだ

 普天間の一日も早い危険除去は与野党を超えた県民の総意だ。一方、日本政府は辺野古新基地の完成まで普天間の運用を認める考えだ。しかし、辺野古海域で軟弱地盤が見つかり、完成のめどは立っていない。新基地建設と普天間返還をセットにした危険除去策はとっくに破綻している。

 危険を放置することは県民総意にそむくものであり、政治の怠慢だ。一刻も早い危険性の除去、すなわち普天間飛行場の閉鎖・返還を求める。

 ラムズフェルド元米国防長官は2003年に普天間飛行場を上空から視察した際に「世界で一番危険な米軍施設」と発言した。住宅地や学校に近すぎるからだ。案の定、発言の翌年、沖国大ヘリ墜落事故が起き、飛行場の危険性を証明した。

 それに加え、不時着や部品落下を頻発する老朽機や、構造的問題を持つ垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが常駐する。離着陸を繰り返す米軍機も極めて危険なのだ。欠陥機が欠陥飛行場を発着している実態を、日米両政府や国民は認識しなければならない。

 多発する事故は米軍機と飛行場の双方の欠陥を裏付けている。沖国大に墜落したCH53と同型機は17年10月に東村高江の民間地で不時着炎上し、同年12月には普天間第二小学校の校庭に金属製の窓を落下させた。21年7月には渡名喜島沖にコンテナを落下させた。22年6月には国頭村の牧草地に1機不時着し、同伴していた同型3機も鹿児島県の与論空港に緊急着陸した。

 普天間所属機はCH53のほかにも、21年6月にUH1Y多用途ヘリ津堅島の畑に、同年7月にはAH1Z攻撃ヘリが宮崎県の畑に、それぞれ不時着した。同型機は今年3月にも、火薬類を含む部品を県内で落下させた。

 普天間所属のオスプレイは16年12月に名護市安部で墜落、17年にも豪州で墜落し、18年には機体の一部を落下させている。構造的欠陥が次々と明らかになっているが、日米は運用を継続し、住民を脅かし続けている。安全優先で運用をやめるべきだ。

 最近は台湾有事をにらんだ米軍機訓練が県内で活発化し、事故率は増しているとみられる。騒音もひどい。米軍由来とみられるPFAS(有機フッ素化合物)汚染も普天間飛行場周辺で確認されている。日米政府は県民の命や人権の軽視をやめてほしい。県民の民意を真摯(しんし)に受け止め、直ちに普天間飛行場を閉鎖・撤去すべきだ
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《絶望的な内容に打ちのめされました。武器産業がいかに巧みに政治をコントロールし、戦争を作り、暴利を貪っているか。歴史は古い》

2021年02月19日 00時00分59秒 | Weblog

[※《“人を殺すための道具”である武器。戦争が続く限り需要が無限に生まれる──。莫大な利益を生む国際武器取引を暴く、衝撃のドキュメンタリー!》『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』(https://unitedpeople.jp/shadow/)]


(2021年02月14日[日])
望月衣塑子記者による、東京新聞のインタビュー記事【「日本は平和でなく戦争の側に立つのか」 映画「シャドー・ディール 武器ビジネスの闇」原作者と監督インタビュー 望月衣塑子】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85142?rct=tag_movie)。

 《「テロとの戦い」や「正義」を掲げて世界で繰り返される戦争が、権力者と軍事企業武器商人らとの武器取引から生まれている実態を描いたドキュメンタリー映画「シャドー・ディール ビジネスの闇」が東京都渋谷区の「シアター・イメージフォーラム」などで上映されている》。

   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。
              そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!
   『●平和憲法を壊憲し軍隊を持ち「戦争できる国」の時代に:
               「ネジレ」を取り戻し、「厭戦」の世に戻したい
   『●「人殺し」に行くのはアナタ、「自分は
     “お国のために死ぬのはゴメンだ”と」言うヒトを支持する人って?
   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、進め」
               と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
    「野尻民夫氏の記事【安倍政権の武器・技術輸出がなし崩し拡大!
     イスラエルと軍事研究画策、無人攻撃機でパレスチナの市民殺害も】…。
     《まるで日本を守るための予算ではなく、アメリカの軍需産業を
     守るための予算のような趣なのだ…》」

   『●「防衛装備移転三原則」と「武器見本市」…《歴代政権が
      踏襲していた武器輸出禁止政策に立ち戻るべき》(琉球新報)
    《二〇一四年に安倍政権は「武器輸出三原則」を撤廃し、原則解禁する
     「防衛装備移転三原則」を閣議決定してから、武器輸出の動きは加速
     「平和国家」を標榜(ひょうぼう)する国で繰り返される武器見本市に、
     批判が上がっている》。
    《政府が武器の輸出を後押しするのは日本が戦後、築き上げてきた
     平和国家の理念に逆行する。改めて強い危惧を抱かざるを得ない…
     過去の歴代政権が踏襲していた武器輸出禁止政策に立ち戻るべきだ

 レイバーネットの記事【戦争を作り暴利を貪る人たち〜映画『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0131eiga)によると、《絶望的な内容に打ちのめされました武器産業がいかに巧みに政治をコントロールし、戦争を作り、暴利を貪っているか歴史は古い日露戦争時には、日本、ロシア双方に同じ所から武器が供給されていたという。人の命や幸福、日常を、死や破壊や血や憎悪に変えることでお金を得る鬼畜のような武器商人たち。偉そうな総理も大統領も大臣も、彼らの前には単なる操り人形のセールスマン。どうする? 私たち、「中国が攻めてくるのに備えて、日本を外敵から守るため、軍備を強化した方がいい」と思う人にこそ見てほしい。軍需産業は国を守る意思など微塵もない、私たちはいくらでも容易に思想をコントロールされてしまう、ということにいい加減に気づけ、と強い語気で言いたい。(村田マユコ)》。

 「防衛装備移転三原則」と「武器見本市」…「武器輸出三原則」の《歴代政権が踏襲していた武器輸出禁止政策に立ち戻るべき》だ。本当に悍ましい…人の親として子や孫にそんなに〝人殺し〟させたいものかね。それに、《日本の技術が市民の殺戮に使われる》…、考えただけでも悍まし過ぎる。《政府の武器輸出支援》…輸出されたその武器の矛先には、誰が居るのか?
 記事中に貼り付けてありますが、【映画『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』予告編】(https://youtu.be/22Yfw4XB6cY)を、是非、見てみて下さい。村田マユコ氏の上記コメントが理解できます。《原作の著者と監督がインタビューに応じ、武器輸出解禁にかじを切った日本について「武器ビジネスはコストパフォーマンスが悪い。日本は平和でなく戦争する側、賄賂や汚職の側に立つつもりなのか」と疑問を投げかけた》(望月衣塑子さん)。《「武器取引は経済的な効果は非常に悪い。武器取引の4割は賄賂日本は平和でなく戦争の側に、賄賂や汚職の側に立つつもりか市民は武器輸出のような税金の使い方は絶対に認めないと強い意志を持ち(政治に)訴えなければいけない市民が武器輸出への規制を強く求めれば、現状を変える力になるはずだ」と力を込めた》。

--- --- --- --- --- --- 
https://youtu.be/22Yfw4XB6cY

映画『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』予告編

ユナイテッドピープル(cinemo)

『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』 https://unitedpeople.jp/shadow/ 2021年1月30日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー“人を殺すための道具”である武器。戦争が続く限り需要が無限に生まれる──。莫大な利益を生む国際武器取引を暴く、衝撃のドキュメンタリー!

監督:ヨハン・グリモンプレ(『ダイアル ヒ・ス・ト・リー』(1997))原作:アンドルー・ファインスタイン著 『武器ビジネス:マネーと戦争の「最前線」』脚本:ヨハン・グリモンプレ、アンドルー・ファインスタイン配給:ユナイテッドピープル90分/ 2016年/アメリカ,ベルギー,デンマーク©Shadow World Productions, LLC

知的で辛辣!世界中で公開されるべき作品。 ─ Variety誌

《エディンバラ国際映画祭2016 ドキュメンタリー最優秀作品賞》
《グアナファト国際映画祭2016 長編特別賞》
《バリャドリッド国際映画祭2016 ドキュメンタリー最優秀作品賞》
--- --- --- --- --- --- 

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/85142?rct=tag_movie

「日本は平和でなく戦争の側に立つのか」 映画「シャドー・ディール 武器ビジネスの闇」原作者と監督インタビュー 望月衣塑子
2021年2月10日 11時52分


【映画『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』予告編】
 (https://youtu.be/22Yfw4XB6cY

 「テロとの戦い」や「正義」を掲げて世界で繰り返される戦争が、権力者と軍事企業武器商人らとの武器取引から生まれている実態を描いたドキュメンタリー映画「シャドー・ディール ビジネスの闇」が東京都渋谷区の「シアター・イメージフォーラム」などで上映されている。原作の著者と監督がインタビューに応じ、武器輸出解禁にかじを切った日本について「武器ビジネスはコストパフォーマンスが悪い。日本は平和でなく戦争する側、賄賂や汚職の側に立つつもりなのか」と疑問を投げかけた。(望月衣塑子

【関連記事】「死の商人 日本にいらない」 幕張で武器見本市 市民ら抗議の声


◆原作者は南アフリカの元国会議員

    (原作者のアンドリュー・ファインスタイン氏
     ©Shadow World Productions,LLC)

 映画の原作「武器ビジネス マネーと戦争の最前線」の著者アンドリュー・ファインスタイン氏は、1994年に南アフリカの初の民主選挙で国会議員に選出され、ノーベル平和賞を受賞したマンデラ大統領の経済顧問も務めた。

    (BAEシステムズが開発した戦闘機
     ©Shadow World Productions,LLC)

 そんな中、マンデラ氏後継に指名されたムベキ大統領らが、英大手軍事企業「BAEシステムズ」などからの兵器購入に100億ドル(約1・1兆円)費やし、うち3億ドル(330億円)が所属するアフリカ民族会議(ANC)幹部や政府指導者、高級官僚らに賄賂で送られている実態をつかんだ。与党は、アンドリュー氏に調査の中止を求めたが、アンドリュー氏はこれを拒否し議員を辞職した。

 アンドリュー氏はその後、南アフリカの武器取引の実態をノンフィクション「After The Party」に記した。さらに、15年かけて集めた武器取引に関する公文書や告発文書計20万8000枚を基に7年半かけ、今回の映画の原作を書き上げた。原作本はベストセラーとなり、翻訳含め世界9カ国で売られている。アンドリュー氏は武器ビジネスの調査や追跡を行う市民団体「Corruption Watch UK」も創設、理事もつとめる。


◆執筆中にさまざまな圧力

 アンドリュー氏は、原作を執筆する間、最大手の米軍事企業「ロッキード・マーティン」含めて大手軍事企業や武器商人から何度も執筆をやめるよう圧力を受けたり、金での解決を求められたりしたが、10人の弁護団を結成して出版に臨んだ。武器商人から手書きの脅迫文が何通も届いたが「自分以上に取引を告発した人々の方が身の危険はずっとあった」と明かす。

 映画では、BAEやロッキード、米大手軍事企業「レイセオン」などが、駐米大使だったサウジアラビアのバンダル王子らを介し、英国のサッチャー、ブレア両首相や歴代の米大統領、チェイニー米副大統領やラムズフェルド米国防長官(いずれも当時)ら世界の首脳とつながり、公然と武器取引を行い、その後、戦争が繰り返される状況が克明に描かれる。

    (談笑するブレア首相(左)とバンダル王子
     ©Shadow World Productions,LLC)


◆ヨハン監督「武器ビジネスは白昼堂々、首脳同士が」

 ヨハン・グリモンプレ監督は「世界の武器ビジネスは決して闇で取引しているのではなく、白昼堂々と首脳同士の話し合いで行われている。日ロ戦争で双方に武器を売り、荒稼ぎしたのは同じ売人だった」と話す。

 映画ではまた、米政府が中東や南米でウサマ・ビンラディン含めテロリスト側に武器や資金を与え続け、紛争を悪化させていく状況も描く。

 米国のトランプ前政権はイスラエルやサウジとの自らに有利な武器取引を進める一方、昨年のイラン革命防衛隊のスレイマニ司令官の殺害など、イランとの戦争を視野に圧力をかけ続けた。アンドリュー氏は「イランのロハウニ大統領は、バイデン新政権にイラン核合意への復帰とイランへの制裁解除を求めたが、米国が武器支援を続けるイスラエルが、まずは核兵器を破棄しなければならない」と、米政府の姿勢を批判した。

 映画化は制作に5年を費やした。約10カ国を回り、武器取引を捜査した検察官や武器商人、ジャーナリスト、元欧州連合(EU)軍最高司令官、元米中央軍司令官らの告発も撮影。武器を巡る賄賂や汚職と戦争とのつながりを浮き彫りにした。

 多くのジャーナリストや活動家が出演し、告発している姿も印象的だ。米紙ニューヨーク・タイムズで7年間、中東取材をしていたクリス・ヘッジス元中東支局長は、米政府のイラク侵略を真正面から批判し、懲戒解雇された。イラク戦争後、ブッシュ大統領に会見場で靴を投げ付けたイラク人ジャーナリストらの告白も流れる。


◆「市民が強く求めれば現状を変える力になる」

 2014年4月に安倍前政権は武器輸出解禁に踏み切り、日本はこれまでフィリピンに戦闘練習機TC90を無償譲渡し、防空レーダー4基を輸出するなど、少しずつだが確実に武器輸出を進めている。ヨハン監督は「ドイツも日本も第2次大戦後、軍を持たないことで成長した国だ。軍事的なことで繁栄できるというのはまやかしでしかない」と批判する。

 アンドリュー氏も「武器取引は経済的な効果は非常に悪い。武器取引の4割は賄賂日本は平和でなく戦争の側に、賄賂や汚職の側に立つつもりか市民は武器輸出のような税金の使い方は絶対に認めないと強い意志を持ち(政治に)訴えなければいけない市民が武器輸出への規制を強く求めれば、現状を変える力になるはずだ」と力を込めた。


◆「愛と思いやりは取り戻せる」

      (第1次大戦中のクリスマス・イブで兵士たちは、
       一瞬だったが敵と握手を交わし、たばこを吸い合い、
       クリスマスを祝い合った©Shadow World 
       Productions,LLC)

 一方、映画では、第一次世界大戦中のクリスマスイブに何万人もの兵士が一時、戦争をやめて敵方と握手し、タバコを吸い祝い合う映像も流れる。ヨハン監督は「あのシーンには人間のストーリーがある。愛と思いやりの状況は、どこにいても取り戻せる。映画で言いたかったのは(戦争という)限られた状況の中でさえ、人々の連帯は取り戻せるのだという事実だ」と希望を語った。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●行政不服審査制度による辺野古破壊: 「長兵衛さん…、これはどう見ても「八百長」だろう」

2015年11月14日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞の社説【辺野古着工 民主主義に背く強行だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015103002000140.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015103002000138.html)。

 《沖縄県名護市辺野古で米軍基地の新設工事が始まった。海兵隊拠点の国外・県外移設を求める県民の民意を顧みない安倍政権の暴走だ。安全保障のみならず日本の民主主義の在り方をも問うている》。
 《八百屋の長兵衛……防衛省が行政不服審査制度を使って「待ったはおかしい」と申し立てると、国土交通相はあっさりとその言い分を認めた》。

 人治主義国家では王様・アベ様の思うがままだ。王位から追い出す以外に、辺野古の破壊などの「暴挙」を止める道は無い。

   『●「人治主義国家」ニッポン: 「平成三大民意無視政策は
         と問われれば安保法制、原発再稼働、辺野古問題」』 

   『●「絶望は愚か者の結論」を心に、
       壊憲を続けるアベ様に根気強く対抗を

   『●アベ様による壊憲国会: 「立憲主義を蔑ろにし、
           「国権の最高機関」の名を汚した国会」


 辺野古破壊を行政不服審査制度で強行する暴挙、「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」までしており、アベ様らのムチャクチャぶりを理解できようというもの。「八百長」政権に挑まねばならない、沖縄の人たちの悲劇。

   『●「政治の堕落」: 上から目線で「力のある者が、
     自分の意を通すだけの政治なら、民主制など空虚な看板」
   『●菅義偉官房長官は辺野古破壊の
       「工事を再開させていただく」と表明: 
              「時間稼ぎ…あまりにも不誠実」
   『●辺野古破壊を行政不服審査で強行する暴挙:
      「沖縄防衛局は…「私人」を強調するための偽装工作」

=====================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015103002000140.html

【社説】
辺野古着工 民主主義に背く強行だ
2015年10月30日

 沖縄県名護市辺野古で米軍基地の新設工事が始まった。海兵隊拠点の国外・県外移設を求める県民の民意を顧みない安倍政権の暴走だ。安全保障のみならず日本の民主主義の在り方をも問うている。

 米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)返還のため、代替施設の建設地を辺野古に定めた一九九九年の閣議決定から、十六年を経ての本格的な着工である。予定工期は二〇二〇年十月末だという。

 普天間飛行場は周囲に住宅が迫る。〇四年には隣接する沖縄国際大に米海兵隊の大型ヘリが墜落した。かつて視察したラムズフェルド米国防長官が「世界一危険」と指摘したこともある。

 普天間飛行場の閉鎖、日本側への返還が急務であることに異論はない。しかし、代替施設を同じ沖縄県に造る県内移設に、なぜ県民の多くが反対するのか。政府だけでなく、本土に住む私たちも深く考えねばならない。

 米軍に強制的に接収された普天間飛行場の返還要求は以前からあったが、日米両政府間で具体的に動きだした契機は九五年の米海兵隊員による少女暴行事件である。

 国土面積の1%にも満たない沖縄県には今も在日米軍専用施設の約74%が集中する。事故や騒音、米兵による犯罪に加え、米軍の戦争に加担しているという心理的圧迫など、基地集中による重い負担を、県民は強いられている。

 宜野湾市の中心部を占める普天間飛行場の返還は負担軽減策の象徴だが、日米両政府の結論は同じ県内の辺野古への移設であり、唯一の解決策との立場である。

 基地を同じ県内に移しても負担軽減にはならない、なぜ沖縄だけが過重な負担を強いられるのか、日米安全保障条約体制が日本の平和に必要なら、日本国民が等しく基地負担を負うべきではないか。

 それが沖縄県民の訴えであり、私たちも共感する。

 しかし、安倍政権は選挙で示された県民の民意をも顧みず、「抑止力」を掲げて、県内移設に向けた手続きや工事をやみくもに進める法令の乱用であり、民主主義への逆行にほかならない。

 ドイツの宰相ビスマルクの言葉とされるものに「政治とは可能性の芸術である」がある。

 辺野古は、本当に「唯一の解決策」なのか。安倍政権は国外・県外移設など、ほかの可能性を追求する努力をどこまでしたのか。県内移設に反対する県民を押しのけて工事を強行するだけなら、もはや政治の名には値しない
=====================================================

=====================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015103002000138.html

【コラム】
筆洗
2015年10月30日

 八百屋の長兵衛さんは、考えてみれば、気の毒な人である。彼がしたことと言えば、いつも碁盤を囲む相手にわざと勝たせてやり、勝敗が五分五分になるようにしていただけ▼それなのに、彼の通称「八百長」は、勝負事でのなれ合いや不正を表す言葉になってしまったのだから、長兵衛さんは「ずるして勝ったわけじゃねえのに…」と、草葉の陰でぼやいていよう▼さて、沖縄の辺野古埋め立て工事をめぐる国のふるまいを何と形容すべきか。防衛省は工事が適切に行われるよう有識者による環境監視等委員会を設置したが、委員の中には、請け負った業者から多額の寄付を受け取った人がいるという▼もう一つ。沖縄県知事は、工事には自然破壊の恐れなど多くの問題があるとして着工に待ったをかけた。しかし、防衛省が行政不服審査制度を使って「待ったはおかしい」と申し立てると国土交通相はあっさりとその言い分を認めた行政不服審査制度は、権力の乱用で国民が泣き寝入りしなくてすむようにつくられた救済の仕組みだ。それを国の役所が使うこと自体おかしな話なのだが、防衛省が国交相に裁きを求めたのだから、勝敗は分かりきっている行司役が力士から金一封をもらったり力士が同門の力士の勝負の行司役を務めたり。長兵衛さんにはまことに申し訳ないが、これはどう見ても「八百長」だろう。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「戦争屋」「死の商人」の胸に「老人のワッペン」はお似合い……「血税と赤紙」の時代

2015年11月12日 00時00分27秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【米国の“戦争屋”2人に旭日大綬章…安倍ポチ政権の恥知らず】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168651)。

 《その面々にはさらに驚く。大義なきイラク戦争を主導したラムズフェルド元国防長官アーミテージ元国務副長官にまで、日本は勲章を贈るのだ…2人とも「日本の平和と発展の基盤を形成するどころか、ぶっ壊してきたではないか……太田誠一元農相まで旭日大綬章を受章するご時世だ》

 《戦争屋2人にくれてやる必要はない》……いやいや、どんどん贈るべきですよ。ナチソネ空疎な小皇帝石原慎太郎東京「ト」知事らも含めて、「戦争屋」「死の商人」の胸に「老人のワッペン」はお似合いです。こういう時代ですから……「血税と赤紙と・・・「主権者である天皇に徴兵制に基づき血を納めた」。そして、いま、アベ国王へ血税が」。

   『●『「粗にして野だが卑ではない」
         ――石田禮助の生涯』読了(2/2)

    「「卑」ではない人「石田(禮助)は吐きすてるように、/
     「おれはマンキーだよ。マンキーが勲章を下げた姿が
     見られるか。見られやせんよ、キミ」、と言ったそうだ」

   『●『城山三郎の昭和』読了(1/3)
     「お気に入りの『粗にして野だが卑ではない』の
      主人公石田禮助 (p.72)。”ワッペン”拒否者。
      夫人は、死後の申し出も断ったとか。彼の遺言 (p.74) も
      素晴らしい。同じく”ワッペン”拒否者の中山素平
      イラク戦争反対の弁 (p.155)」

   『●「政権批判」だったら歌うなとでも?  
       「アベ様のNHK」は「放送禁止歌」にでもしますか?
    「そして、今度は「ワッペン」の「お取扱い」についても
     批判が出ているそうだ、トホホ」。

   『●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事が受章:
              差別主義者の胸にワッペンはお似合いだ

   『●悪徳企業型徴兵制……「(自衛隊の)派兵はもちろんのこと、
                 派遣も反対」の中山素平さんは泣いている


=====================================================
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168651

米国の“戦争屋”2人に旭日大綬章…安倍ポチ政権の恥知らず
2015年11月5日

     (どこまでも対米従属(C)日刊ゲンダイ)

 今年秋の叙勲受章者が3日に発表されたが、かつての勲一等、「旭日大綬章」の名簿に驚いた。受章した19人のうち日本人は7人。半数以上の12人が外国人だった。

 外国人の受章者数は過去最多。一番多いのは米国で5人が受章する。その面々にはさらに驚く。大義なきイラク戦争を主導したラムズフェルド元国防長官アーミテージ元国務副長官にまで、日本は勲章を贈るのだ。

 2人への叙勲を推薦したのは外務省儀典官室。授章を決めた内閣府は、「戦後70年の節目ということで、戦後日本の平和と発展の重要な基盤を形成した日米関係の増進に大きな功績のあった方々を特に推薦した、と外務省から説明された」(賞勲局の担当者)と言うのだが、ちっともピンとこない。2人とも「日本の平和と発展の基盤を形成」するどころか、ぶっ壊してきたではないか。

 ラムズフェルドはイラク開戦直後から自衛隊に再三「イラクの治安維持」への参加を打診。日本政府に集団的自衛権の行使をたき付けた人物だし、日本を飼い慣らす「ジャパンハンドラー」として知られるアーミテージは、もっと露骨だ。

 9.11テロ以降、「ショウ・ザ・フラッグ」「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と恫喝し、日本政府に軍国化を迫ってきただけではない。3年前に公表した「第3次アーミテージ・リポート」では、日本の原発再稼働やTPP参加、特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の撤廃を要求安倍政権は言われるがまま、実現してきた

   「安倍政権が強引に成立させた安保法制も、リポートの中身を
    実現させたものです。アーミテージは『集団的自衛の禁止が
    日米間の障害』などと断定的に記しています。今や自衛隊は
    米軍の下請けとなり、安倍政権も元請けのオバマ政権への
    従属を隠そうとしない。叙勲制度を利用してまで、米国にゴマを
    するとは、独立国としての誇りを完全に失っています」
    (政治評論家・森田実氏)

 かつて「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。正常に近い」とホザいた太田誠一元農相まで旭日大綬章を受章するご時世だ。いくら勲章の価値が落ちているとはいえ、戦争屋2人にくれてやる必要はない。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』

2013年11月15日 00時00分44秒 | Weblog


『森達也リアル共同幻想論』の記事【【第70回】国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要】(http://diamond.jp/articles/-/43483)。

 「「うそをつく人たち」にとって都合の「いい内容」」の特定秘密保護法案森達也さんは「国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要」、と仰っています。なぜなら、

    「川口順子外務大臣は「事実関係として密約はない」と発言し、
     福田康夫官房長官が「密約は一切ない」と記者の質問に答え、
     次の官房長官である安倍晋三はまったくそうした密約はなかった」と
     記者会見で主張した。つまり国民に嘘をつき続けた。そしてそれが明らかに
     なった。政治家としては致命的な失態だ。でもこの国では、なぜかこれが
     問題視されない。西山と女性事務官が国家から起訴された裁判においても、
     起訴理由は「国家機密の漏洩行為」であるのに、自民党は機密などない
     と主張し続けた。機密がないのなら、2人はなぜ起訴されて有罪と
     されたのだろう。子どもにだってこの矛盾はわかる。でもメディアは
     それ以上の追及をしなかった。なぜなら国民が関心を示さないからだ。
     国民の多くはこのとき、知る権利や政府の背信行為の究明よりも
     週刊新潮や女性誌などが報道する2人の不倫行為を叩くことに
     夢中になっていた

そういう国やマスコミの性質、国民性だからでしょうか。森さんは、最後に「そんな国で秘密保護法がもうすぐ成立する。どんな状態になるのだろう。機密を理由にやりたい放題。とてもとても楽しみだ」・・・・・・。

   『●特定秘密保護法案: 「うそをつく人たちが作」る猛毒を
                     「いい内容に仕上がっている」認識とは!?

    「「一般の市民はどの情報を聞き出したり漏らしたりしたことが違反に当たるかを
     知らされないまま逮捕、起訴され、裁判でも何が秘密かが明らかにならないまま、
     有罪判決を受ける恐れが現実のものとな」り、「それ招く萎縮効果は絶大」で、
     「このままでは濫用の暴走が避けられない」ような猛毒が、「いい内容」だ
     そうです。それは、「うそをつく人たち」にとって都合の「いい内容」でしょう」。

================================================================================
http://diamond.jp/articles/-/43483

森達也リアル共同幻想論
【第70回】 2013年10月28日

国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要



映画『フェアゲーム』が暴くもの

 2010年に公開されたアメリカ映画『フェア・ゲーム』は、CIAで諜報活動に従事していた女性工作員ヴァレリー・プレイムの回顧録をベースにしている。つまり実話。ペンシルベニア州立大学を卒業後にCIAにスカウトされたプレイムは、CIAが作った架空の会社の社員として、主に大量破壊兵器の調査などの任務を行っていた。夫であるジョゼフ・ウィルソンは元外交官で、イラク大使代理、国家安全保障会議(NSC)のアフリカ担当部長などを歴任している。
 2001年、イラクがアフリカのニジェールからウランを秘密裏に輸入したとする「ニジェール疑惑」が浮上した。しかし証拠はほとんどない。アメリカ政府から調査を命じられたウィルソンはニジェールに飛び、綿密な調査を重ねたうえで、疑惑を完全に否定する報告書を作成した。しかしブッシュ政権はこの報告書を握り潰した。同時期に妻であるプレイムはイラクの科学者たちに秘密裏に接触し、やはり大量破壊兵器など存在しないと確信するが、CIAのこのレポートも結局は政権から黙殺される。
 最終的に2003年1月28日の一般教書演説でブッシュは、ニジェールからウランを輸入したことなどを根拠として語りながら、イラクが核開発を行っていると主張した。こうしてイラク侵攻は開始され、苦悩したウィルソンは同年7月6日付けのニューヨーク・タイムズに、イラクの核開発についての情報が歪曲されていると寄稿して国民に訴えた。しかしこの1週間後、ブッシュ政権は「政府を告発したウィルソンの妻はCIAエージェントである」とメディアにリークし、ウィルソンが現在の任務に就いていることは不適切だと報じさせた。明らかな報復だ。
 ……まだ観ていない人のために、これ以上は書かないほうがいいだろう。この映画が企画された段階で、米軍はまだイラクに駐留していた。でもハリウッドの映画製作者たちはそんなことに頓着しない。当たり前のように映画を作る。しかも肩肘は張っていない。だって徹底してエンターテインメントなのだ。ところが登場人物はすべて実名だ。主人公の2人だけではなく、ブッシュもラムズフェルドチェイニーもすべて実名で登場する。
 イラク戦争の映画は他にも『グリーンゾーン』や『リダクテッド』、『華氏911』、『ハートロッカー』などたくさんある。そのほとんどはブッシュ政権への批判を前提にしている。批判性をしっかりと前面に打ち出しながら、娯楽映画として完成させている。
 試写会場で『フェア・ゲーム』を観ながら、僕はもう一つのアメリカ映画を思い出していた。



http://diamond.jp/articles/-/43483?page=2


アメリカほど自己中心的で傲慢な国はないけれど……

 1976年に作られた『大統領の陰謀』は、ワシントン・ポスト社会部の記者であるボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインが主人公だ。
 実際に2人がスクープした「ウオーターゲート事件」(ニクソン政権による非合法な盗聴工作)をテーマに描いたこの映画も、登場人物はすべて実名だ。ウッドワードとバーンスタインは、この前年にベトナム戦争の極秘報告書である「ペンタゴン・ペーパーズ」の全文コピーをニューヨーク・タイムズに渡したダニエル・エルズバーグや、これを受け取って記事にしたニール・シーハンと共に、今もアメリカでは国家的な英雄だ(ただしここに名前を挙げた全員が事件当時には、政府から「国旗に泥を塗った」とか「国家の敵」などと糾弾されている)。
 アメリカ人が大好きなフレーズ「God Bless America」が示すように、アメリカほど自己中心的で傲慢な国はない。しかも腕力は世界一だ。だから力に任せて物事を解決しようとする。独善的な正義に酔いやすい。とにかく欠点だらけの国だ。
 でも情報公開とジャーナリズムの精神においては、アメリカは世界でもトップクラスの国だ。ここだけは信頼できる。
 だからこそアメリカのメディアは、徹底して政府の不正や背信行為を追及する。結果として自浄作用が強い。行きすぎることは確かに多いが、イラク戦争が示すように、行きっぱなしになることはほとんどない。メディアも自分たちの過ちを認め、何をどう間違えたかを徹底して検証し、さらに提示する。さらには(ここが一番すごいのだけど)、これを娯楽にしてしまう。国民レベルで共有する。アメリカの先住民虐殺の歴史とイラク侵攻を併せながらメタファーにして海兵隊を徹底的に批判する『アバター』を観たときは、その娯楽性とメッセージの融合の見事さに圧倒された。


沖縄密約事件の西山記者は英雄になるどころか日本中から批判された

 翻って日本はどうか。政府による情報の隠ぺいと国民への背信行為として真先に思いつくのは、1971年(ペンタゴン・ペーパーズがスクープされた年だ)に起きた沖縄密約事件だ。でもこのとき、メディアは当時の佐藤栄作政権への追及を途中でやめた。だから密約はないものとされてきた。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズの記者たちは英雄となったけれど、密約を暴いた毎日新聞の西山太吉記者は日本中から批判されながら退職し、さらに国家公務員法違反(機密漏えい教唆)で有罪とされた
 これを題材にした映画作品はない。ただし小説はある。山崎豊子が2009年に発表した『運命の人』。実名は登場しない西山太吉は弓成亮太とされている。毎日新聞社は毎朝新聞社。内閣総理大臣である佐藤栄作は佐橋栄作。福田赳夫大蔵大臣は福出武夫。後に総理大臣になる田中角栄は田淵角造。大平正芳は小平正良



http://diamond.jp/articles/-/43483?page=3

 名前を引用しながら力が抜ける。まるでダジャレのレベルだ。ただし小説版『運命の人』については、発表時はまだ密約の存在を政府が認めていなかったから、実名を回避することはある程度は仕方がない。でもその後に民主党政権が密約の存在を認めてから、『運命の人』をベースにしたドラマをTBSが放送した。もしも僕がこの作品の演出を任されたのならば、まずは山崎豊子に実名に変えてよいかと交渉する。山崎が首を縦に振らないのなら、ノンフィクションとして書かれた密約─外務省機密漏洩事件澤地久枝)をベースにすればよい。それこそ脚本家の腕のみせどころだ。百歩譲って個人の名前が無理だとしても、弓成が所属していた毎朝新聞社は毎日新聞社に戻す。他にも週刊ジャーナル(実際は朝日ジャーナル)や週刊潮流(週刊新潮)や読日新聞(書くのもうんざりだけれど読売新聞)など、実名を隠すことでほとんど漫画になってしまっているでも結局TBSは、この名前のままドラマを制作した
 日本では1982年に公開されたアメリカ映画『アトミック・カフェ(The Atomic Cafe)』は、冷戦期にアメリカ国内で放送されたニュース映像や政府提供の広報番組、軍が兵士の教育や啓蒙用に制作したフィルム、当時のドラマやラジオ音声などにより構成されている。作品のために撮り下ろした素材は一切ない。つまりアーカイブ・ドキュメンタリーだ。
 放射能で被曝するかもしれないからサングラスは必需品。念のため傷には絆創膏を貼っておきましょう。ピカッと光ったらさっと机の下に隠れる。アメリカ良いとこ一度はおいで。共産圏に水爆を落としてすっきりさわやか!


なぜ日本ではこんな映画が制作できないのか

 ……この時代に制作された映像を眺めながら、いかに当時のアメリカが核兵器や放射能に対して無知であったかを実感する。国民だけではない。政治家も軍の上層部も、核兵器を規格外の爆弾くらいにしか捉えていなかった。つまり概念だ。だからこそアメリカでは、戦争を終わらせるためには広島・長崎への原爆投下は正当だったと主張する人が、今も一定数いる。おそらくそのほとんどは、この時代に教育を受けた世代だろう。
 とても重要な映画だ。でもこの映画は日本では制作できない。断言することは嫌いだけど、これは断言できる。なぜなら政府や防衛省が映画への映像提供を許可しない。
 アメリカは違う。使用目的が何であれ、国民の税金で制作されたものであれば最終的には国民に帰属するとの意識が明確にある(当たり前だ)。だから隠さない。沖縄密約問題の際にも、2000年にアメリカ公文書館は密約を裏付ける文書を公開したが、その後も日本政府は「密約は存在しない」と言い続けた。その2年後に今度はアメリカ国家安全保障会議(NSCが、「日本政府がアメリカに対して、密約問題については公にならないように同一歩調をとることを要求してきている」と記述された文書を公開したが、その後も日本政府の姿勢は変わらなかった。具体的に書けば、川口順子外務大臣は「事実関係として密約はない」と発言し、福田康夫官房長官が「密約は一切ない」と記者の質問に答え、次の官房長官である安倍晋三は「まったくそうした密約はなかった」と記者会見で主張した



http://diamond.jp/articles/-/43483?page=4

 つまり国民に嘘をつき続けた。そしてそれが明らかになった。政治家としては致命的な失態だ。でもこの国では、なぜかこれが問題視されない。西山と女性事務官が国家から起訴された裁判においても、起訴理由は「国家機密の漏洩行為」であるのに、自民党は機密などないと主張し続けた機密がないのなら、2人はなぜ起訴されて有罪とされたのだろう。子どもにだってこの矛盾はわかる。でもメディアはそれ以上の追及をしなかったなぜなら国民が関心を示さないからだ。国民の多くはこのとき、知る権利や政府の背信行為の究明よりも、週刊新潮や女性誌などが報道する2人の不倫行為を叩くことに夢中になっていた
 その後に密約の存在を認めた民主党は大きく失墜し、ずっと国民を欺き続けた自民党は今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
 だから思う。この国では秘密保護法など制定してはならないというか必要ないそんな法制度などなくても、いくらでも秘密は作れる。暴かれることもめったにない
 最初に秘密(機密)保護法という言葉を発した政治家は、西山事件で一時は追い詰められた佐藤栄作。国会で社会党議員が西山からリークされた情報に沿って質問し、毎日新聞が密約の存在をスクープして他紙もこれを追いかけかけたとき、参議院予算委員会で佐藤栄作首相は、「国家の秘密はあるのであり、機密保護法制定はぜひ必要だ。この事件の関連でいうのではないが、かねての持論である」と主張した。
 これを受ける形で秘密保護法の議論は自民党内において続けられ、何度かの試行錯誤を経て1985年には衆議院に議員立法として法案が提出されている。しかしこのときは、日本社会党・公明党・民社党・日本共産党・社会民主連合など当時の野党が強硬に反対し、法案は通常国会の閉会に伴って廃案となっている。
 でもそんな野党はもうほとんどいないメディアが大好きな言葉である「ねじれ」も解消された(これで法案はさくさく通る。でもならば、何のための二院制なのだろう)。有事の際には沖縄に核兵器を持ち込むことを認める密約文書をアメリカと交わしていた佐藤栄作は、表向きの非核三原則を理由にノーベル平和賞を授与された。その佐藤の宿願である秘密保護法が、やっとこの秋に成立する。


http://diamond.jp/articles/-/43483?page=5


密約の存在には触れないまま判決は出された

 密約のもう片方の当事者であるアメリカでは、前述したように密約の存在を示す文書は既に機密解除され、アメリカ国立公文書記録管理局にて公文書として閲覧可能であるが、自民党政権は2010年まで文書の存在を否定し続けて来た。2005年4月に西山は「密約の存在を知りながら違法に起訴された」として国家賠償請求訴訟を提起したが、2007年3月に東京地方裁判所は密約の存在にはまったく触れないまま、「損害賠償請求の20年の除斥期間を過ぎ、請求の権利がない」として訴えを棄却した。原告側は「2000年の米公文書公開で初めて密約が立証されて提訴可能になったのだから、それ以前の除斥期間で請求権消滅は不当」として控訴したが、高裁も密約の有無については触れないまま一審判決を支持して控訴を棄却した。さらに2008年9月、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は原告の上告を棄却し、一審・二審の判決が確定した。つまり司法が行政の都合と思惑を忖度している。司法権の独立などどこにもない。
 ペンタゴン・ペーパーズやウオーターゲート事件のときにアメリカ政府は記事差し止めを求めて提訴したが、最終的に司法は「政府は説明責任を果たしていない」としてこれを却下した。今さらではあるけれど、まったく同じ時期に起きた2つの事件の扱われかたは、何かの間違いじゃないかと思いたくなるほどに違う。


*   *   *


 今回は秘密保護法を考えるうえで、安倍政権が参考にしているというアメリカ国家安全保障会議(NSC)を保持するアメリカと日本を比較してみた。もう一度書くが、アメリカは問題だらけの国だ。粗野で臆病なのに自信過剰で腕力ばかりが強い。でもジャーナリズムと言論の自由と情報公開については筋を通す。最後の一線は絶対に譲らない。
 ポスト911が典型だが、アメリカも日本と同様に集団化しやすい国だ(ただしその理由とメカニズムは日本とまったく違う)。でもアメリカは復元する。ジャーナリズムと国民の知る権利への意識があるからだ。日本は復元しない。行ったら行きっぱなしなのだ。
 そんな国で秘密保護法がもうすぐ成立する。どんな状態になるのだろう。機密を理由にやりたい放題。とてもとても楽しみだ。
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●靴を投げられたブッシュ氏のいま

2011年02月21日 00時01分25秒 | Weblog

CMLに出ていた前田朗さんによる記事をコピペさせていただきます。ブッシュ元大統領に関する記事です。日本語のリンク記事は期限切れのようです。

 大統領だった当時、靴を投げつけられるという屈辱を受けたブッシュ氏。大量破壊兵器を捏造してまでイラクに侵略したブッシュ氏。単純な石油利権とは言わないが、松嶋尚美・町山智浩著『松嶋×町山 未公開映画を見る本』で云うところの「新自由主義経済と、キリスト教原理主義という宗教保守の連合の暗黒面」をめぐる選挙対策だったのか? アメリカでは、氏は何と言っても「ペッラペラのブッシュ」・「ペラペラブッシュを本気で拝んで」もらえるほどの「神」ですもんね。

========================================== http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-February/007433.html

[CML 007550] ブッシュ“拷問”元大統領、スイス訪問をキャンセル、刑事告発に脅えて
                                    2011年 2月 10日 (木) 12:00:12 JST

前田 朗です。

2月10日

NGOのヒューマン・ライツ・ウオッチによると、スイスを訪問予定だったブッシュ元米大統領が、拷問被害者がスイス検察に告発する動きを見て、スイス訪問をキャンセルしたとのことです。

「米国:ブッシュ前大統領に告訴状 ジュネーブで 拷問の訴追が必要――ブッシュ前大統領 スイス訪問キャンセル 抗議運動と刑事告訴の恐れから」

日本語ニュースリリース
http://www.hrw.org/node/96257 

英語オリジナル
http://www.hrw.org/en/news/2011/02/07/us-geneva-case-against-bush-shows-need-prosecute-torture

2007年10月にはラムズフェルドがフランスから逃げ出したこともあります。その時に書いた私の文章「拷問犯人を追い詰める」をブログにアップしました。
http://maeda-akira.blogspot.com/2011/02/blog-post_09.html
==========================================
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●左らしき「反戦平和」主義者の9・11陰謀論とその迷惑(2/2)

2010年04月02日 04時41分36秒 | Weblog

●左らしき「反戦平和」主義者の9・11陰謀論とその迷惑(1/2)から
=======================================
【http://d.hatena.ne.jp/Gomadintime/
                           20070920/p3】
ラムズフェルド: よし、もう十分だ。統合参謀本部、連邦航空局、ニューヨークにワシントンD.C.、消防局、ルディ・ジュリアーニ、三大テレビ局全部、架空の定期航空便犠牲者千人の家族、MI5、FBI、FEMA、NYPD、ラリー・イーグルバーガー、オサマ・ビンラディン、ノーム・チョムスキーその他計画実行に必要な5万人に電話だ。一刻も無駄にはできぞ!
ブッシュ: こないだの選挙で100万ドルを寄付してきたウォール街の大物連中全員にも電話を忘れるなよ。複雑怪奇、知能指数ゼロの現代版議事堂火災計画の一部として処刑対象になったと知ったら、やつら喜ぶぞ! まったく、殉死者を用意しなきゃならないなら、選挙の集金係以上の適役はないよな。メリル・リンチのやつら、ニューヨークのオフィスを改装したいって言ってたな?
ラムズフェルド: ああ、改装できるでしょう、間違いなくね。「ビッグ・ウェディング」にきっかり間に合いますよ!
三人:(高笑い)ムワッハッハッハ!

 何を言いたいかわかったろう。こういうたわごとはまったく意味を成さないのだ。独裁的権力を握る言い訳が必要なだけなら、なぜシャンクスヴィルの飛行機墜落を偽装する? 爆弾を使うなら、なぜハイジャックを偽装する? なぜリモートコントロールされた飛行機を使う? もし政府機関全部が悪巧みに加担しているなら、なんでいちいちこんなひどい手間をかける? 1年後、この攻撃に責任があると(誤った)非難すらされていない国と戦争するためにか? 〈9/11の真実〉の言い伝えでこうした点が探られているのを自分は見たことがない。というのも、彼らが描く陰謀は何から何までありえなさすぎて、ザッカー兄弟の映画でもなければ不可能だからだ。思いつきとしては信じがたいほどバカげており、無意味にこみ入っていて、細部はやりすぎなのに、完璧に実行され、具体的な証拠は何一つ残らず、数万の人間が彼らの役割について秘密を永遠に守る、なんてのは。
 われわれは、ブッシュの無数の共謀者たちは誰一人として、うっかりして本物の犯行の証拠を残したりしなかったと考える必要がある。だからこそ、ドキュメンタリー映像作家の三脚がタワー崩落前に揺れていたことなどから、この大犯罪を演繹しなくてはならない(ほら、あの揺れをみなよ──大統領と数万の仲間が仕掛けた爆弾にちがいない!)。リチャード・ニクソンはブッシュの百倍頭が切れたが、それでも1ダースの緊密な同盟者のなかから、リークや、苛まれたニセの良心の叫びが飛び出してくるのを防げなかった。だが、9/11陰謀論によれば、犯行現場を封鎖した最下級のFBI捜査官までもが、一言たりとも秘密を洩らさないというのだ。馬鹿馬鹿しい
=======================================
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする