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●自己責任論な人々…斎藤貴男さん「いざ自分の命が絶たれる時に、己がどういう人間だったかを理解できる」

2018年11月14日 00時00分47秒 | Weblog


沖縄タイムスの磯野直記者によるコラム【[大弦小弦]長さ1.5メートル、幅1メートルの独房に押し込められ…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/340576)。
日刊ゲンダイの斎藤貴男さんによるコラム【二極化・格差社会の真相/安田さん解放 人命の為に使う税金ほど有意義なものはない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241088)。

 《▼内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月も拘束され、生還したジャーナリストの安田純平さん(44)が2日に開いた記者会見…▼会見は「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と2時間近く。体験を詳細に語ることで、シリアの惨状に少しでも関心を寄せてほしいとの思いは痛いほど伝わった…世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ》。
 《堂々たる心情を聞いてなお小ざかしい自己責任論を振りかざし、誹謗中傷を浴びせ続けている人々に言おう。いいかげんにしろ少しは恥というものを知れ》。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達… 
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている
   『●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や
        拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい
   『●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…
               「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」
    「『久田将義責任編集TABLO』…の青木理さんの記事
     【安田純平さん帰国について想うこと 「アメリカ政府がジャーナリズム
     原則論をコメントした意義」|青木理】…《安田純平さんが解放され、
     無事帰国した。なによりもそれを喜びたい。一部ではいまだに
     「自己責任論」などを振りかざし、安田さんに罵声を浴びせる連中も
     いるらしいが、世界でも珍しいほど馬鹿げた議論
     これ以上、私はつきあいたくもない》」

 週刊朝日の記事【シリア人質、安田純平氏が語った紛争地取材と「自己責任」】(https://dot.asahi.com/wa/2018110600023.html)によると、《だが、世間が期待したのは、「自己責任論への総括」であり、「謝罪であったのは明らかだった。2004年、安田さんがイラクで人質になると、政治家や世間は「自己責任論」をぶちまけ、その後も批判が収まることはなかった》。
 マガジン9の【雨宮処凛がゆく! 第465回:貧すれば、ゼロトレランス〜14年前の「自己責任」論から振り返る〜の巻】(https://maga9.jp/181107/)によると、《この会見を受けても様々な意見があるが、拘束中のことを知れば知るほど「よく耐えられたものだ」という気持ちが湧いてくるのは私だけではないはずだ。しかし、安田さんがシリアへ足を踏み入れたことへのバッシングは一部でいまだ続いているようだ。そんなものを見ていて思い出したのは、2004年、イラクで高遠菜穂子さんら3人が人質になった際に起きた恐ろしいほどの「自己責任」バッシングだ。イラクにボランティアなどとして入った3人がとらわれ、武装勢力が日本政府に自衛隊撤退を要求したという事件である。安田さんも同時期、1度目の拘束をされており激しいバッシングに晒された。私はあの瞬間が、この国の大きな分岐点ではないかと思っている。ちなみにあの時のバッシングは、私にとってはまったく他人事ではなかった。なぜなら、私もその前年、イラク戦争が始まる1ヶ月前にイラクに行っていたからである。…誰だって、間違える時はある。そして誰だって、予期せぬトラブルに巻き込まれることがある。その時に「自分を責めないで」と優しく手が差し伸べられる社会と、「自己責任だ」と、再起不能なまでに叩きのめされる社会。一体、日本とタイで、何をどうしてどうやったらここまでの差がついてしまったのか。なぜ、タイの人は冷たく「自己責任」と突き放したりせずにいられるのか…最後に。安田さんの「自己責任」を問う報道は多くするのに、「世界で最悪の人道的危機」にあるシリアの状況についてまったく報じないメディアって一体なんなんだろう、という疑問を本気で考え始めると、これはこれで本当に怖くなってくる》。

 斎藤貴男さん《いいかげんにしろ。少しは恥というものを知れ》! 全く同感。
 磯野直記者《世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ》、雨宮処凛さん《「自己責任だ」と、再起不能なまでに叩きのめされる社会》…ニッポン、一体どんな社会なのか…?
 斎藤貴男さん《ここまで書いてもわかってもらえない人は仕方がない。一生、必死に生きる他人をあざ笑い続けていくがいい。いざ自分の命が絶たれる時に、己がどういう人間だったかを理解できるだろう》。
 《人でなし》なアベ様らによって、社会的には《いざ自分の命が絶たれる時》が迫っているのに、この国の1/4の自公お維キト支持者の皆さんや2/4の選挙に行きもしない眠り猫な皆さんの呑気ブリときたら。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/340576

[大弦小弦]長さ1.5メートル、幅1メートルの独房に押し込められ
2018年11月6日 07:19

 長さ1・5メートル、幅1メートルの独房に押し込められ、立つことも体を伸ばすこともできない。鼻息の音でも拷問され、いつ処刑されるか分からない恐怖が続く。自分だったら耐えられるだろうか

▼内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月も拘束され、生還したジャーナリストの安田純平さん(44)が2日に開いた記者会見。拘禁生活の具体的な説明に、自分に身を置き換えて想像すると身震いした

▼会見は「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と2時間近く。体験を詳細に語ることで、シリアの惨状に少しでも関心を寄せてほしいとの思いは痛いほど伝わった

▼それでも「自己責任」を振りかざすバッシングはやまない。冒頭で政府に謝罪したが、「反省が足りない」などと言う

▼思えば2004年、イラクで3邦人が人質なった際、自己責任論の口火を切ったのは小泉純一郎首相や閣僚だった。自衛隊を派遣した政府への批判をかわすためとの見方が強いが、人々の心のパンドラの箱を開けた。言ってもいいんだと

▼それから14年。今のところ、安倍政権の誰も自己責任を問うていない。なのに声高に叫ぶ者が後を絶たないのは、この言葉が社会に根付いてしまった証しか世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ。(磯野直
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241088

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。


二極化・格差社会の真相
安田さん解放 人命の為に使う税金ほど有意義なものはない
2018/11/07 06:00

     (自国民の救出に全力を尽くすのが政府の仕事
      (会見する安田純平氏)/(C)日刊ゲンダイ)

 「解放に向けて尽力していただいた方々に、おわび申し上げますとともに、深く感謝申し上げます」

 ジャーナリストの安田純平さん(44)が2日、記者会見した。堂々たる心情を聞いてなお小ざかしい自己責任論を振りかざし、誹謗中傷を浴びせ続けている人々に言おう。

 いいかげんにしろ少しは恥というものを知れ

 私は安田さんと格別に親しい仲でもない。10年も前に何かの集まりで同席し、多少の会話を交わしたことがあるだけだ。

 とはいえ彼がシリアで拘束された時には当然、複雑な思いが錯綜した。本人も会見で「自業自得」だったと述べていたが、ああなる危険も覚悟の上で、彼は戦場に足を踏み入れたのである。

 だが“自己責任”の報いは、3年4カ月にも及んだ地獄の日々で、すでに十分すぎるほど受けているそれでも許されないと叫ぶ者は、「殺されればよかったのにと残念がっているのと同じだ

 こんなものは、もちろん右だの左だのの問題とは本質的に異なる。単なる人でなしの所業である。

 ジャーナリストは戦場に出かければよいというものではない。イラク戦争に特派されて米軍に取り込まれ、民家まで砲撃した連中を「私たちの部隊」と称えてみせるに至った大手紙やテレビの記者も珍しくなかった。

 安田さんは、そうなる可能性を排除した方法で、戦場に渡った。成果も必ず公にされよう。

 つまり本物だ。だから、たとえば4日付の毎日新聞に、英紙「タイムズ」や仏紙「ルモンド」、韓国紙「朝鮮日報」の東京支局長らが、彼に惜しみない敬意を払いつつ、「報道の使命、理解してと訴える談話を寄せてくれているのだ。

 私はジャーナリストを特別扱いしろと言いたいのではない。拘束された人間が誰であろうと、自国民の救出に全力を尽くすのが政府の仕事だ。税金? 日本政府が今回果たした役割はまだ不明だが、人命のため一定の金額を負担したとすれば、これほど有意義な税金の使い道がまたとあろうか

 安田叩きをもくろんだらしい「週刊文春」と「週刊新潮」(11月8日号)が、タイトルとは裏腹の温かい記事を載せていた。当たり前だ。取材して、にもかかわらず“自己責任”をわめき立てていられる記者や編集者なら、もはや人間失格である。

 ここまで書いてもわかってもらえない人は仕方がない。一生、必死に生きる他人をあざ笑い続けていくがいい。いざ自分の命が絶たれる時に、己がどういう人間だったかを理解できるだろう
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コメント
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