アルパインクラブ モルゲンロート

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北ア 新穂高温泉~槍ケ岳~双六小屋~鏡平~新穂高温泉 Ⅱ(2019.8.1~3)

2019-08-06 19:44:29 | 会山行(2015~2022年度)

                           その2:花紀行

                                               1日目:右俣林道~槍平

                                               2日目:槍平~槍ケ岳~双六小屋

                                               3日目:双六小屋~鏡平~左俣林道

 

綺麗なあなたに騙されそうだ。ね、キヌガサさん

7月13日、火打山にて会ったばかりだが、この花見ても初めて見る花のようで何だか分からなかった。このキヌガサソウ、白~紅紫~薄緑と妖艶な変化をとげる

 

 僕が花に興味を持つ様になったのは今から数年前。それまでは花よりも他のものに目が行っていたんだと思う。それまでのように無関心だと、花の名前は何度聞いても憶えない。

 今では登山道に在るのを見付けると、この花知っているのか、会ったことあるのか、名前はなんだっけとか考えて、疲れを忘れさせてくれる。荒々しい山の姿も好きだが、疲れを癒してくれる可憐な花も山行の楽しみだ。今回、この花を見にこの山へと云う計画ではなかったが、夏のこの時期だからこそのお花畑に群落・群生に巡り会えた山行となった。

以下、出会った花の半分くらいしか記録していないが、花満載の花めぐりをどうぞ。

 

白出沢近くにあったオオウバユリ、ウバユリより大型で花の数も多い

 

樹林の中に育つ日陰の花、ゴゼンタチバナ。あまり目立たない@白出沢出合~滝谷出合

 

開けた草地に生える、ミヤマシシウド@槍平

 

ベニバナイチゴ、今回会えたのはこのひとつだけ@槍平~千丈分岐点

 

見映えの良いのが、ヨツバシオガマ@槍平~千丈分岐点

 

白い花弁の群生はチングルマ@千丈分岐点~千丈乗越

 

ミヤマシシウド、オタカラコウ、クルマユリの群落@千丈分岐点~千丈乗越

 

至る所に、ハクサンフウロ@千丈分岐点~千丈乗越

 

同じような花、ミヤマキンバイ・シナノキンバイに比べ大振りな、ミヤマダイコンソウ@千丈乗越~槍ケ岳

 

小さな、それこそ可憐な花はイワヒゲ@千丈乗越~槍ケ岳

 

まるでひとつのブーケ、イワベンケイ@千丈乗越~槍ケ岳

 

園芸種のオダマキ、高い山に登ってこそ美しい@槍の肩

 

群生がいくつもある、ミヤマキンポウゲ@槍ケ岳~千丈乗越

 

ガレ地に這うように咲く、イブキジャコウソウ@千丈乗越~左俣乗越

 

総称エーデルワイス、ミネウスユキソウは山に咲く花そのもの@左俣乗越~左俣岳

 

あまり見たことないマツムシソウとタカネナデシコ@左俣乗越~左俣岳

 

ミネウスユキソウがあれば近くにこの花あり@左俣乗越~左俣岳

 

ミヤマキンバイなどの群落@左俣岳~樅沢岳

 

黄と紫の対比が良い、イワギキョウとミヤマダイコンソウ@左俣岳~樅沢岳

 

硫黄尾根の赤褐色の荒々しい岩肌との対比に浮かぶ、コバイケイソウの群生@左俣岳~樅沢岳

 

これも多く見られた、ハクサンイチゲ@左俣岳~樅沢岳

 

             

8/3、紅紫のキヌガサソウ          7/13、純白のキヌガサソウ

 

花見平のお花畑、その先には双六岳

 

ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウなどに紛れて漸く確認できた、シナノキンバイ@花見平

 

トリカブト、その右には鏡平@弓折分岐~鏡平

 

青い空をバックに黄色が映える、クルマユリ@弓折分岐~鏡平

 

ニッコウキスゲも頑張っている@弓折分岐~鏡平

 

昨日は白いチングルマ、今日はもう花のあとの果穂@弓折分岐~鏡平


北ア 新穂高温泉~槍ケ岳~双六小屋~鏡平~新穂高温泉 Ⅰ(2019.8.1~3)

2019-08-06 18:23:27 | 会山行(2015~2022年度)

         その1:山紀行

              1日目:鍋平公園8:20~新穂高登山指導センター~滝谷出合~15:35槍平(7時間15)

              2日目:槍平3:50~千丈乗越~槍ケ岳~千丈乗越~17:00双六小屋(13時間10)

              3日目:双六小屋6:55~鏡平~14:40新穂高登山指導センター(7時間45)

 

      岩の塊、それが槍だった                         

 

 学校の夏休み中とはいえ、81日は木曜日の平日。なのに、予定していた登山指導センター近くの駐車場(150台)は満杯。案内板を見て、車は少し離れた鍋平公園に停める。ここから登山指導センターまで40分、急な下りは登山前の良い一汗だ(と、ここまではまだ余裕あり)。

 去年夏合宿(裏銀座~雲ノ平~竹村新道、34日)もそうだったが、初日がきつい。梅雨が明けたらいきなりの猛暑で体が順応できていないことと、縦走の荷物が重く加えて仮泊の前夜睡眠が不足してることが影響しているようで、今年も初日が一番きつかった。

 とは云いながらも二日目は13時間の歩き、帰ったら足首は痛いし右足親・人指・中指爪はうっ血し腫れている。それでも登る楽しさや、この満足感は堪らない。

 初日、登山指導センターから(コースタイム3時間半のところを)4時間15分掛かって漸く滝谷出合に着く。もうバテバテ、ここで30分以上体を休める。暑くて疲れた体には冷たい水が最高に旨い。キャンプ地の槍平まで1時間チョッと、もう少しの辛抱だ。

車を停めた鍋平公園駐車場。錫杖岳が目立つ

 

よく見る笠ヶ岳の山容、この笠のように雄大な姿は今回ここ鍋平公園からしか確認できなかった(ズーム)

 

錫杖岳と雲に隠れた笠ヶ岳をバックに、鍋平公園をスタート

 

鍋平公園からは、指導センター右の山道を一旦下りて来る

 

滝谷出合から見る、滝谷(ズーム)

 

滝谷を初登攀した、藤木九三のレリーフは出合のすぐ傍

 

出合を過ぎると、また樹林帯の登りとなる

 

地図で云う「ガラガラの沢を渡る」と槍平も近い

 

奥に見えるのが槍平小屋、ミヤマシシウドの中をメンバーがキャンプ地に向かっている

 

 初日は余りにもきつかったので、体力・気力面で二日目の槍ヶ岳は無理かなと話していたが行けるとこまで行きましょうの声でその気になる。そう、寝て起きれば元気になる、体力もそうだが気力も盛り返しやる気満々。

 二日目は2時起床、4時前出発。途中、朝食のカレーを摂り、千丈分岐点で待っていたのはカゲ槍。分岐点を左へ、お花畑を抜けて急登を経ると千丈乗越。ここに荷物をデポし槍ケ岳をピストン。

真ん中に在るのは、カゲ槍@千丈分岐点

 

ここ千丈分岐点には救急箱がある、こんなの見るのは山で初めて

 

中崎尾根の向こうは笠ヶ岳、笠は雲の笠の中

 

千丈乗越直下の登り

 

逆光で眩しいが槍と小槍が見える@千丈乗越

 

あのジグザグは飛騨乗越への登り

 

ガレ場の浮石を注意しながら最後の急坂を登って行くと槍の基部に出る。西鎌尾根側から見る槍は太い三角形。槍ケ岳山荘から見る姿とはまた少し違う。

 

槍ケ岳山荘手前の最後の急坂を行くメンバー

 

振り返ると西鎌尾根が右に続いている、真ん中の尖がり手前は千丈乗越

 

槍の太い基部

 

その基部から見ると、登りのルートが確認できる

 

槍アタック前に山荘前にて小休止、槍の穂先を眺める。槍の肩から標高差100m

 

「上↗」から登り開始

 

まだこんな感じで、その辺の岩場と変わらない

 

 

槍への本格的な登りとなってくる

 

登攀に近い

 

そして、振り返るとこんな感じ

 

直下の梯子、登り切れば槍ヶ岳山頂

 

 槍ヶ岳、その姿は遠くからでも一目で分かるし、誰もが一度は登りたい山だと思う。山頂は狭く高度感がある。山頂に居たのは10分弱、高所恐怖症の僕は立ちあがれず、ずっと屈んでいた。生憎周りはガスで白く、楽しみの展望は利かず。

 

山頂の祠、「槍ケ岳」の銘板は手で持てる。強風で飛ばされないのかな

 

メンバーのKさん、山頂には10名程度の人。空いていた

 

 登りより下りの方が怖い、山頂から下りる梯子は垂直に感じる。でも慎重に掛かればそう難度は高くない。

 

下りのメンバー

 

無事下りて来ました

 

登りルートとは違って、右の方から下りて来たばかり、

 

何度見ても槍は格好良い

 

槍の肩から、浮石などに注意しながら千丈乗越まで戻る

 

 千丈乗越までの下り、中崎尾根の向こうにある笠ヶ岳を何度も確認しようとしたが、笠に雲の笠が掛かったままで姿を見せてくれない。

 千丈乗越で休憩中に双六小屋到着予定時間を確認していた処、昭文社地図2019年版(コースタイム4時間10分)と2015年版(2時間50分)とは異なる。結局、2019年版で最新の情報に改訂されたのだろうと云うことで、僕らの足では17時頃着を見込む。

 

千丈乗越から樅沢岳までは所々、足元注意

 

硫黄尾根の赤岳と硫黄岳を見ながら歩く

 

左俣岳手前の西鎌尾根上から笠ヶ岳に、その手前下(黒い部分)に鏡平山荘を見付ける

 

左俣岳の登り、足元にはタカネナデシコなど

 

 途中振り返ると来た道の空が黒い。雨具をすぐ取り出せるように上の方に置き換えたりして雨に備えたら、硫黄乗越を過ぎた辺りで雨が降り出す。で、双六小屋には17時着。13時間を越える歩きはさすがに疲れた。

 三日目、当初は笠ヶ岳に行っての下山予定だったが、前日よりも長いコースタイムを考えると気力も萎えて、鏡平経由の下山となった。まぁっ、このコースも鏡池の「鏡のように映る」槍も見られたことや秩父沢の大雪渓(一部分)も見られて満足。

 

三日目出発前、キャンプ場からは樅沢岳に登る十数名の人たちが見える

 

双六池畔を行くメンバー

 

双六小屋から少し登ればもう笠ヶ岳が見える(ズーム)

 

振り返ると、双六小屋と鷲羽岳に水晶岳(ズーム)

 

途中のハクサンシャクナゲが綺麗

 

 

花見平からは双六岳、馬の背状のなだらかな山容

 

弓折分岐を目指すメンバーのその先には笠ヶ岳方面

 

途中、振り返ると今再びの双六岳

 

鏡平への途中、槍~大喰岳~中岳~南岳など。手前は昨日踏んだ西鎌尾根、右下はこれから行く鏡平だ

 

鏡平山荘にて暫しの休憩、さっきまで踏んできた弓折岳方面が見える

 

樅沢岳も

 

鏡池の「鏡のように映る」、槍~涸沢岳

 

雪渓の先端しか見えないが、大雪渓の秩父沢

 

小池新道分岐にある橋から見る、高さ20~30mの立木。流されず頑張っている

 

小池新道を経て左俣林道に出たが、まだ2~3mの雪渓が残っていた

 

今回使用の昭文社地図の「千丈乗越~双六小屋」までのコースタイム、2019年版では4時間10分、2015年版やその前のものは2時間50分。登山指導センターに掛かっていた地図では3時間0分とある。実際、僕らの脚で休憩や雨具装着もあって5時間10分だったので、2019年版コースタイムが正しいのだろう。このコースを踏む皆さんも、注意して下さい。

 

メンバー 宮(L)、田、川、河(記)