アルパインクラブ モルゲンロート

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谷川岳 西黒尾根から茂倉新道(2018.3.17~18)

2018-03-20 08:39:47 | 個人山行(2015~2022年度)

谷川岳、双耳峰 

                            

 

  谷川岳には7月の開山祭に合わせたりして、西黒尾根を含めて厳剛新道に茂倉新道、そして天神平のルートを組み合せた山行をしている。でも天候はいずれも良くなく小雨か曇り、今日の様な快晴は初めて。上信越の名だたる山々や浅間に富士などが本当にたっぷりと堪能できた。

 前爪のアイゼン登山は4シーズン目。雪山をやる以上、西黒尾根は一度試してみたかったんだ。

 体力の衰えと限りある時間を考えると、そう余裕はない。自分の技術・体力に合った山に行くのも大切だが、少しだけ背伸びをしてステップアップもしてみたい。でも、高所恐怖症の僕は、一人ではなかなか決心が付かず、今回の会山行となった。

 

 車でロープウェイ駅に前夜泊、指導センターに登山届を出し7時頃スタート。

 

スタート時は、ロープウエイ駅上空には雲も

 

谷川岳指導センターにて登山届を出し、ついでにここでアイゼン着

 

 で、西黒尾根登山口を見過ごしたので、少しやっかいだが適当な処から尾根には直接取り掛かる。これが良かった、昨年2月の阿弥陀岳に続きまたまたニホンカモシカに遭ったんだ。この西黒のカモちゃんとの睨めっこは数分。こいつら何なんだ、四足でなく二本の足で立っているのを不思議そうに、我々5人を上からジッと見つめていたんだ。

 

舌を出して笑ってら

 

角が立派でしょう、僕 男の子なんだ

 

カモちゃんとYさん(後姿)、こんなに近い

 

 この時期、雪は固く締まって歩き易いので有り難い。なにしろこのコース、無雪期でも急登と岩場ありのタフなコースだったのを憶えている。

 

西黒尾根、登りはじめ、寒くもなく快晴に近い

 

休憩場所からラクダの背が見える

 

先頭を行く、Yさん

 

1300mの天神平が見える、この目線だったらここは1100m辺りか

 

Aさんと、笠ヶ岳~朝日岳~白毛門

 

中央の黒い穴はクラック、危ないので右側を登って行く

 

ましてや雪あり、ラクダの背が見える辺りからは念のためにザイルを使ってのコンテでの登り。これで、緊張で固まっていた体が少し解れてくる。

 

ここからザイルの出番、コンテで行きます

 

あの先を登って行く、怖いがまだ余裕ありました

 

こんな感じで登って行く

 

頼りになるAさん

 

 ラクダのコルを過ぎ今日一番の勾配に掛かると、上方からダブルアックスで下って来る2人組が居る。確かに落ちたら止まらないもんね、それほどの急斜面。もう、廻りを見る余裕もなく、迫力のある景色なのにカメラも出せず。ただ足元だけを見つめ、一歩一歩アイゼンをガシッと効かせている。登り切るまで、怖さをジッと我慢の僕だった。

 

さあこれからだ、気を引き締めて行こう、トマノ耳(右)も近い

 

漸くザイルの撤収、Tさんの後ろ 至仏山がでかい

 

 

トマノ耳(左) と オキノ耳(右)

 

オキノ耳(左)~巻機山に、ぴょこんぴょこんと越後駒ケ岳に中ノ岳(中央やや右寄り)

 

 

 

万太郎山に続く稜線と中央に遠く浅間山

 

 こんな登りの中、リュックのスマホのコール音がしつこい。いつもはメール連絡だけで、月に1~2回しか鳴らないコール音なので気になる。気になってしょうがないが、コンテで登山中なのもあり、電話を確認するそんな余裕がない。少し安定した場所に来て番号を確認しようにもエコモードにしている所為か、陽射しが強く画面が暗くて見えない。肩の小屋に着きスマホを確認すると、憶えのない番号から4回もTELあり。試しに電話を掛けてみると、聞き憶えのないおじさんの声。「何か用ですか?」、「あなたから掛かって来たので」と、掛けた憶えもないがこんな時に限って用もないTELがある。だがこれで、谷川岳肩の小屋からスマホ電話が使えることが分かった。

 今回、肩の小屋は、我々5人と単独行4人での泊まり。16時前から飲食を取りながら21時には床につく。翌日は4時起床、寒くもなくたっぷりと眠れた。

 さて今日は、オキノ耳から一ノ倉岳~茂倉岳を経ての下り。一ノ倉岳への登りはあるが、あとは下るだけで気も緩んでいたのだが、どっこいそうは行かない。初日よりも緊張を迫られた二日目だった。

 

トマノ耳山頂、後ろは万太郎方面

 

 まず、茂倉岳からの下山ルート、先ほど茂倉岳に居た3人組の僅かな踏み跡あるが、稜線上の雪庇を避けて右側にトラバースしている。これが結構な斜角のトラバースで、それも2時間以上続き緊張感と共に体力的にもかなりの消耗となる。これを過ぎてホッとしていると、大きな根っこが邪魔をしているやせ尾根が続く。根っこにアイゼンを引っ掛けたりしたら、それこそ崖下に転げ落ちてしまう。一難去ってまた一難って云う処か。

 

あとは下るだけで、この時点では気分的にもまだまだ余裕あったんだが

 

 やせ尾根を終えても下りは急、柔らかくなった雪面は滑り易く、アイゼン底に雪団子も出来て歩き辛い。これが下山口の大駐車場まで続き、最後まで気の抜けない山行だった。

 

大駐車場から土樽駅までの道路、除雪されていない区間が長く通常の倍の時間が掛かった

 

 サングラスを掛けなくても目は丈夫な方だが、顔は赤い。そして、鼻はヒリヒリと痛い。海水浴に行っても、こんなに焼けない。この二日間の紫外線の強さがうかがい知れる。まるで赤鼻のトナカイ状態。

 それにしても相当タフな今回のコース、たぶん後々まで会の語り草にはなるだろう。

 

メンバー:會、河(記)、田(L)、森、山