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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

黒猫の接吻あるいは最終講義

2012-10-10 08:06:07 | 読書
森晶麿 著, 早川書房(2012/05)

第1回アガサ・クリスティー賞受賞作、待望の続篇刊行! という惹句につられて,受賞作そのものは読んでいないが,図書館から借出した.

「BOOK」データベースより)
黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する悲劇が起きていた。ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つの事件の関連を気にする付き人。しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないよう忠告するだけだった。仕方なく付き人は一人で事件に挑むが…ジゼル、ガラスアート、ポオを絡め、二度の事件を結ぶ図式が見えたとき、黒猫の最終講義が始まる―。

「黒猫」とは 24 歳の美学の教授.その「付き人」(女性だが助教?)の目線で語られる.

カバーイラスト (丹地陽子) は,かっての少女マンガを連想させるが,中身もそのとおり,ポーとかバレーとか美学とかガラスとか,一般人にとって未知のことどもがペダンチックにちりばめられているが,そのぶん現実感がない.ポーの講義では、退屈だった高校の国語の授業を思い出した.
殺人もあるのだが,「ありました」でおわりで,犯人も人形みたい.

大人の読む小説ではない,などと嘯きつつ,気がついたら読み終わっていた.
受賞作は短編集だそうだが,ひとつくらいは読んでも良いかな.

シャルダン展@三菱一号館美術館

2012-10-08 08:00:08 | お絵かき


ルーブルからやってきた絵が多数.

「静寂の画家」だそうだ.当時は静物画の画家はランクが低かったそうだ.それにもかかわらず,静物画→風俗画→静物画と辿った彼の軌跡を見ると,静物画が本当に好きだったらしい.

この木いちごの絵を見ると,凡人は,まず描く前に木いちごをピラミッドに積み上げて…食べるのは一番後か…などと心配してしまう.



こちらは風俗画代表「食前の祈り」.解説によれば

***食卓で食前に捧げる感謝の祈り(ベネディシテ)の途中で言葉に詰まってしまった幼い(女の子のような服を着てはいるが実は)男の子に、母と姉の視線が集中し、母と男の子の視線が交わされる瞬間を描いた《食前の祈り》は、日常生活のなかの絶妙な瞬間の描写が評価され、多くのヴァリアントが描かれました。現存するシャルダンの真筆画4点のうち、今回のシャルダン展はそのうちの2点が出品されます。***

お姉ちゃんの意地悪そうな目つきがかわいい.
同じ絵を 4 枚も描いたそうだが,写真もコピーもない時代だからかな,などと考えるのは浅はかであろうか.

この美術館はたいてい空いていて,展示もすかすかで,気持ちが良い.

デイヴィッド・ゴードン「二流小説家」

2012-10-06 08:00:44 | 読書
David Gordon "The Serialist" 青木千鶴訳 早川書房 (2011/03)

昨年度の海外ミステリベストテンの類いで三冠の作品.

テンポが遅く,半分くらいでやっと殺人.解決したと思ってからがまた長い.
主人公の二流小説家(原題を直訳すると,「連載小説家」らしい)が書いた小説がときどき挟み込れるあたりも冗長.アメリカのミステリはこういうものと,あきらめて,冗長な所を楽しむべきなのかもしれない.

ミステリというより,どぎついサスベンス.危機一髪というところでストリッパーに救われる場面が続くのが安易.でも,このストリッパーと,女子高生が良い.

永らくポケミスのカバーを担当されていた勝呂忠さんは一昨年に逝去されてしまったが,あとを引き継いだ水戸部功さんのブックデザインも好きです.

hide-and-seek

2012-10-04 08:24:26 | お絵かき


かくれんぼ.



あっちから見れば,
この写真は蛍光灯がおもしろい.


CDケースに内側からアクリル絵具.もっと女の子を全体に暗い色にしないと,影に居る感じが出ないと反省しているが,後の祭り.

hide-and-seek という曲があって,作曲したジム・ホール自身気に入っているらしく,何度も録音している.「もういいかい」「まあだだよ」ドタバタ…という感じの曲.
「みつけた!」は spy! と言うのだそうだ.

ドビュッシー・音楽と美術展@ブリヂストン美術館

2012-10-02 08:42:20 | お絵かき
惹句によれば「ドビュッシーと印象派や象徴派、さらにはジャポニスム等の関係に焦点をあて、19世紀フランス美術の新たな魅力をご紹介する.」
オルセー美術館、オランジュリー美術館、そしてブリヂストン美術館の日仏共同企画.これに先立ち,パリで行われた展覧会も好評だったとのこと.
ブリヂストンではわれわれが行った前日に十万人突破と言う盛況.

「印象派と象徴派のあいだで」というサブタイトル.ルノアール,マネ,モネ,ドガに混じってガレの作品やら北斎の版画と,それをあしらった「海」の楽譜などがあった.
少々こじつけて並べ立てた感がなきにしもあらず,
個人的に目を惹かれたのはモーリス・ドニの作品群.

これは「子供の領分」の楽譜の初版表紙.イラストはドビュッシー自身だそうだ.http://www.mtosmt.org/issues/mto.07.13.1/mto.07.13.1.marion.html

イヤホンを借りるとガイドだけでなく音楽も聴けたらしい.

reading

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