Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

武田百合子対談集

2020-08-23 08:47:26 | 読書
中央公論新社 (2019/11).

J 子のなかで武田百合子ブームらしい.これは彼女が図書館で借りたのを横から読んだ.
対談の相手と初出は

・深沢七郎 「武田泰淳の存在」(「文藝」1976年12月号)
・金井久美子・金井美恵子 「メリイ・ウィドウのお話」(「話の特集」1979年3月号)
・深沢七郎 「女と男のまな板ショー」(「日本読書新聞」1981年12月21日号)
・吉行淳之介 「『好色五人女』のおもしろさ」(「婦人公論」1982年5月号)
・岸田今日子 「『富士日記』をめぐって」(「NHKライブラリー 自作を語る」1992年1月放送)

最初のふたつが面白い.金井姉妹との「メリイ・ウイドウ...」で,最初の深座対談「武田泰淳の存在」が泰淳の死後2週間での収録だったことが明らかにされる.
この「メリイ・ウイドウ...」はいかにも話の特集らしい出来栄え.島尾敏雄も武田泰淳も女性を強いものと描いている.奥さん (ミホ/百合子) が,昨日行ったことと今日行ったことが違っても平然としていたりすると,こりゃ女性には敵わないと思う結果なんだそうだ.

あとはだんだんつまらなくなる.「女と男の...」は,また深沢か! と思ったが,この本が百合子の「前対談」だから収めないわけにはいかないのだろう.対吉行は,西鶴著・吉行訳の「紅色...」とふたりの昔話を行ったり来たりするが,解析接続していない.最後の対岸田は,いかにもNHKな感じ.
「富士日記を読む」みたいな編集の面白さはなく,素材を並べただけ.上手い解説があったらよかったかもしれない.

カバーその他のイラストは iStock,com とクレジットされている.大出版社でもネットの素材集を利用するんですね !


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