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小澤實「俳句日記 2012 瓦礫抄」ふらんす堂 (2022/12).
装丁 和 兎.帯を取ると金の箔押しが聖書みたいな造本.
各ページに日記 - 日付・曜日・天候 - と俳句 (季語も).ただし,発行は 2022 だが日記は 2012/1/1 から 12/31.タイトルは 2011 の東日本大震災にちなむ.
あとがきには「実際の生活に即した日記を残したいと思って,一月前の日付の分を書くことにした」とあるが,俳句はやはり一月前に作ったのだろうか.
この本では 12 月がトップ.
各月にタイトルがあり,例えば6月は「ビールをズボンに注ぐ男」だが,そういう句はない.
本書からの請け売り.
10/23 全県俳句大会で秋田に行ったとき,車内で岩の上に立つかもしかと目が合った.
かもしかの我を見据ゑつ巌の上
10/25 講演の枕でかもしかを見たことを話したら,初対面の Y さんが「昼寝の夢 : かもしかになって新幹線に乗っている小澤さんを車窓から覗き込んだ」... だって.
50 年前を思い出した一句は 7/22 の
朝刊を畳にひらく帰省かな
巻末に 人名・店名索引.芭蕉に次いで登場回数が多いのが 同居の川上 弘美さんである.
俳句ばかり並べた無愛想な本は苦手だが,これなら読める.
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