Sixteen Tones

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ディアパソン・ピアノの歴史

2015-12-09 08:32:40 | 新音律


日本のピアノのネームバリューは,1がヤマハ,2がカワイ,3・4がなくて5は不明...というところだろう.
大学ジャズ研に鎮座しているグラピにはDIAPASONという金文字が入っているが,ありゃなんだ?!

もともとディアパソンは,大橋幡岩(おおはしはたいわ)という技術者がヤマハを飛び出して,浜松楽器の下で起こしたブランドである.
彼の「理想のピアノ」が完成したのは1948年だが,日本人がゼロから設計したピアノはこれが初めてと聞いたことがある.しかし,そのコストを度外視して品質を追求したピアノ作りのため,会社は経営難に陥り,設計思想を継承するという条件で1958年にディアパソン・ブランドはカワイに引き継がれた.実際に作ったのは今はない大成ピアノというメーカーである.カワイの特注もの記念ものなどもこの大成ピアノ製だった時期がある.
1986年には株式会社「ディアパソン」が形式的に分離したが,実態はカワイの子会社である.現在はカワイの竜洋工場で製作していて,オーダーメイドも可能とのこと.
いっぽう大橋は「大橋ピアノ研究所」を創設し,オオハシピアノというブランドを立ち上げた.二代目が急逝し現在は廃業.

現在の大量生産工業製品と対極にある手作り一品ものとして,マニアックな評価が高いのはオオハシピアノと,カワイに引き継がれる前のディアパソンである.しかし知名度が低いおかげでこうした「お宝」が数万円で手に入ることがあるそうだ.
カワイの下でのディアパソンには肯定的な評価と, 否定的な評価が共存している.

こんどジャズ研に行ったら,あの象牙鍵盤がたぼろピアノの製造番号を調べてみよう.

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