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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

また,書籍のバーコード

2021-06-12 08:55:33 | 読書
文学全集を立ちあげる」のような古い本にはバーコードがない.書籍も美術作品と見れば,バーコードはいかにも邪魔である.

トップの
 辻まこと「山からの絵本」創文社(1966/7)
と,下の
 北村薫「遠い唇」KADOKAWA(2016/6)
と比べると,後者の表紙に使われた絵画はとてもかわいそう.思わずバーコードを剥がしたくなる.



あのバーコード:「書籍JANコード」は1990年に「財団法人・流通システム開発センター」と書籍業界が合意して制定した.
 和田誠「装丁物語」白水社(1997/11)
では,著者は一章を設けてバーコード反対意見を述べている.

販売ルートを通さない本ではバーコードなしの贅沢が可能である.
 金田理恵「ぜんまい屋の作文」龜鳴屋 (2012/4).
がその例.

実は,トップ画像の「山からの絵本」は函に入っていた.函があればそこにバーコードが入れることができるかも.でも今では函入りの本には滅多にお目にかかれない.
思い返せば一時期,ハヤカワ・ポケット・ミステリが箱に入っていた.函には「お手許に綺麗なままの本をお届けしたくこんな簡単な函をつくってみました いわば包装紙がわりです お買い上げ後にはお捨て下さい」と書いてあったものだ.

スーパーの野菜や魚にも,バーコードは包装ポリエチラップみたいなものに貼ってある.最近の講談社文庫などはポリエチレン ? にしっかりくるまっている.
書籍としての品性を損なわず,流通の利点も生かすなら,本の本体に函や包装をつけて,そこにバーコードすればいいんじゃないの?
...というような提案は,和田「装丁...」の中に,すでにあったに思う.

近頃になって,やっと機能万能主義が見直されるようになった.でも書籍のバーコードも見直しは...ありそうもない?

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