goo blog サービス終了のお知らせ 

Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

狸ビール

2021-06-08 10:49:51 | 読書
伊藤 礼,講談社(1991/5).
古書店で初刊本500円を買ったが,1994/6 に講談社文庫に入り.24編の狩猟エッセイの,最初の7タイトルを挙げてみると,

*****狸を食べすぎて身体じゅう狸くさくなって困ったはなし
猟案内人カナザワクニオさんの命令で大木の股までのぼったこと
暮れの鉄砲撃ち
カナザワクニオさんのチビが間違えてメスキジを追い出したこと
河上徹太郎氏が暖炉のフードに頭をぶつけるはなし
太陽を背に立つ狩人がすてきだったはなし
多摩丘陵の小綬鶏たちは元気がいいというはなし*****

各編の扉にはおかしなカット (山口馨,装幀も).トップ画像右側の2/15は終猟日.この日を最後に鉄砲は打てない.猟友・河上徹太郎邸で最後の銃の手入れをし,これから宴会という時刻になると,小綬鶏が庭先に来てこれ聞けよガシに「チョットコイ」と鳴くのだそうだ.

本のタイトルは冒頭の「...身体じゅう狸くさくなって困ったはなし」から.これがいちばん面白かった.だからトップなんだろうが,続くはなし達もそこそこ面白い.
狸くさいって どうくさいの ?

著者の父は小説家にして詩人にして文芸評論家にして翻訳家.「チャタレイ夫人...」の翻訳・エッセイ「女性に関する12章」などで1950年台初頭に伊藤整ブームがあったことくらいは薄く覚えている.『文学界』新人賞で石原慎太郎「太陽の季節」を強く推したそうだ.
慎太郎ならこの「狸ビール」にも登場する.
****モーターボートに乗って東京湾で鴨の沖撃ちをするとか,アマゾンでピストルで鰐を撃つとか,そういうことは石原慎太郎のような男のやること*****


reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg