六州は本名で「むつくに」だが,作家としては「ろくしゅう」と読むのだそうだ.1912-1980.この展覧会で初めて名前を知った.
彫刻家と版画家のふたつの顔を持つ.ウエブページによれば「彫刻家としては,異端と表されるほどの前衛的探究を推し進め,その末に到達した孤高の彩色木彫で注目を集めた」.トップ右側の等身大の「指人形 1968」は,何だかすごい.下図・右の「椅子の唄 1963」は前衛作品? 木を彫った後,焦がしてある.
下左上のエッチング「コーヒーミル 1954」はとてもかわいい.しかし版画で最終的に到達したのは,まず彫刻刀をいれていない四角い板木に墨をつけて真っ黒な画面を刷り,その上に複数の色版を刷っていくという技法.トップ左の「夜の客 制作年不詳」のようなカラフルな作品もあるが,「古くさびれたことども」「こわれて見捨てられたものたち」「不完全でよるべのないものたち」への共感を表に出した作品も多い.下の左下は「王様凧」.他には抽象的な作品が多いなか,ここでは凧という漢字がモチーフ.

壁面の8割ほどはガラス部屋で囲まれており,さして大きくもない版画たちを距離をおいて鑑賞せざるを得ないのはいかがなものだろう.
また,図録もない.これは「所蔵品展」であって,美術館にとっては「特別展」よりも扱いが軽いのかもしれない.しかしそれでは永久にこの作家に日が当たらないことにもなりかねない.紙の図録ではなく,CDやネット配信なら費用もかからず簡単と思うが,人手がないのだろうか.
彫刻家と版画家のふたつの顔を持つ.ウエブページによれば「彫刻家としては,異端と表されるほどの前衛的探究を推し進め,その末に到達した孤高の彩色木彫で注目を集めた」.トップ右側の等身大の「指人形 1968」は,何だかすごい.下図・右の「椅子の唄 1963」は前衛作品? 木を彫った後,焦がしてある.
下左上のエッチング「コーヒーミル 1954」はとてもかわいい.しかし版画で最終的に到達したのは,まず彫刻刀をいれていない四角い板木に墨をつけて真っ黒な画面を刷り,その上に複数の色版を刷っていくという技法.トップ左の「夜の客 制作年不詳」のようなカラフルな作品もあるが,「古くさびれたことども」「こわれて見捨てられたものたち」「不完全でよるべのないものたち」への共感を表に出した作品も多い.下の左下は「王様凧」.他には抽象的な作品が多いなか,ここでは凧という漢字がモチーフ.

壁面の8割ほどはガラス部屋で囲まれており,さして大きくもない版画たちを距離をおいて鑑賞せざるを得ないのはいかがなものだろう.
また,図録もない.これは「所蔵品展」であって,美術館にとっては「特別展」よりも扱いが軽いのかもしれない.しかしそれでは永久にこの作家に日が当たらないことにもなりかねない.紙の図録ではなく,CDやネット配信なら費用もかからず簡単と思うが,人手がないのだろうか.