goo blog サービス終了のお知らせ 

Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

熊谷守一 いのちを見つめて

2020-08-21 08:38:49 | 読書
青幻舎 (2019/4),
図書館で借りた.

昨年,群馬県立館林美術館・静岡県立美術館・岡山県立美術館・久留米市美術館を巡回した展覧会の公式図録.「はじめに」は久留米市美術館の森山秀子,あとがきの位置にある「画家が見つめたもの」は柳ヶ瀬画廊・長良文庫の市川瑛子.
「いのちを見つめて」は展覧会のキャッチフレーズらしい.本のタイトルとしては恥ずかしいが,240ページに173点(遺品・手紙などを含む)を詰め込んだ内容は充実している.作品はA5版1ページに1点ずつだが,もともとの絵が小さいので,気にならない.初めてみる作品が多く,「好きで絵を描いているのではないんです」とか言いながら,ずいぶん描いたなあと思う.

目次 ()はコラム
第1章 画家・熊谷守一の誕生(風景を見つめる眼差し―守一の風景画について;守一と裸婦)
第2章 「モリカズ様式」へ(守一作品の“そっくりさん”)
第3章 いのちを描く(守一の日常―1960年代以降の資料をもとに;へたも絵のうち)
第4章 八十歳を超えて(熊谷守一の見つめた光、そして音;守一と青木繁―同時代を生きたふたつの個性)
第5章 守一とともにあるもの 日本画・書・素描・遺品(守一素描にみる交友関係)



左「磯」はモリカズ様式への過渡期の作品.輪郭線はないがベタ塗り.
中「野良仔猫」: 野良の仔猫は不敵にして健気.この2点は本書より.
右「裸」は日動画廊第47回ミニヨン展(2008年)出品作だが,“そっくりさん”が本書にあり,もっと輪郭線が太くインパクト大.“そっくりさん”については本書を開いて第2章をご覧ください.ジャズ演奏収録の別テイクのようなものだと思う.

1971年の本「へたも絵のうち」でこの画家を識った.マイ村上春樹ブームは2-3年で終わってしまったが,マイ熊谷守一ブームは50年近く続いている.

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg