
「調性音楽を読む本」からの受け売り.
ドの2倍の周波数を持つ音はオクターブ上のド,3倍周波数音はその上のソ,4倍周波数音はその上の,すなわち最初から数えれば2オクターブ上のドとなる...など.この「自然倍音列」を図の下段に示した.
これに対し元の周波数の 1/2, 1/3, 1/4....の周波数を持つ音列が上段に示してある.これが下方倍音列である.
なお,7倍音・11倍音・1/7倍音・1/11倍音は五線譜には書けないので,それぞれに近い音が書き入れてある.
ピンクで囲んだ3音が短3和音,長3和音である.
上段と下段とは鏡像関係にある!
下方倍音と上方倍音を対等に扱えば,短調と長調は鏡像関係にあることになる.

なぜドでもラでもなくミから始めるか?
各音が主音との間に作る音程が,長音階では完全音程か長音程であるのに対し,ミ旋法反行短音階では完全音程か短音程になる.
長音階の上行に対して,この音階 (ミ旋法) で下行したとき,音程が半音になる位置 (図では赤い音符て示した) が同じになるからだ.あくまで鏡像にこだわっているのだ.
19 世紀にフォン・エッティンゲンが唱えた「和声二元論」だそうだ.「二元」とは,長調と短調のことで,それぞれが上方倍音・下方倍音に直結する.
後者すなわち下方倍音には,自然倍音すなわち上方倍音と違い,ほとんど接する機会がない.下方倍音は虚数みたいなものという人もある.しかしジャズ理論でも重要視されている.
シロトにとっては,数秘術めいていておもしろい.
下方倍音についてはこんなことも書きました.
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/bc5360487fd9fb7b3ed121e8dd03a04b,
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/1eee118d2cf8dc30496528e9804018e0,
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/bbfe1a125cf96af63addd78893d97bc4.