翌19日。
結局物音でね、4時には起きちゃったのです。
母親なんか3時半からごそもそしてるし。
“係りの者”が起こしにくるころには全員起床!・・・あ、甥弟は寝てたな。
5時に迎えがきて、法堂(はっとう)へ行きます。口をきかずに手は叉手でね。
この先の案内世話はまた別の寮の雲水に変わります。
法堂に入ると、うちらのほかの檀家団体や、個人などけっこう人がいたけど、
それでも少ない方だそうです。
ここでも、順序や作法についての説明。
慣れた雲水のようで、流れるように説明し、ほのかに微笑んだ顔で、
優しそうな感じがした。
しかし、1回だけの説明とお手本では覚えられないよ。うーむ。。
あぁそうだ、前に兄貴がいるじゃないか、その通りにやればいいのだ!
それにしても、絵に書いたような寺の朝ですよ。
鳥の声が山に響き渡り、ひんやりとした空気が漂い、坊さんたちが歩く畳の擦れる音や
衣擦れの音・・・。
時間になって100人強の雲水たちがわさわさと入ってきます。
黄土色の袈裟をつけた坊さんが中央に並び、真ん中に座る偉い坊さんも入場。
そこから延々と、読経が続く。
さて、そこからが長い!畳に直に正座してるので、骨に当たってイタイです。
いくら膝を崩してもいいと言われても、こちとら納骨と永代供養で黒い格好までしてるし。
母親は膝が悪いので椅子を用意されてたけど、ここで横座りなんて美的に許されないワ!
まぁ、けっこう焼香したり立って移動したりがあったんで痺れはしなかったですが。
で、黙って座ってるとやっぱり見るのは坊さんたちで、ついつい観察してしまう。
なかなかマンガにように見目良い坊さんというのはいないもんですな。(笑)
坊さんも目が悪い人が多いようなんだけど、コンタクトなんてものは生活パターンからいっても
できないわけで、みなさん眼鏡です。それもほとんど全員黒縁で“お揃い?”って聞きたくなる。
坊主頭で黒縁眼鏡である。みんな「坂本ちゃん」なのだ!そう、
坂本ちゃんがいっぱい!!作法がまだよくわからず一生懸命隣を見ながらやってる雲水、
立ち上がるときに衣の裾を踏んづけてる雲水、列を成して歩きながら読経をするとお年を召された
方は歩みが遅く、後ろが渋滞してたりして。
かっこいいのは経典を運ぶ雲水です。列の間を縫うように走り、経典を渡したり集めたり。
それも型、作法があって、足運びの歩数まで決まっているそうです。
ひらひらと蝶のように優雅ですが、間違ったりしたら相当目立つでしょーな。
ここいらへんは前出の『ファンシィダンス』でも描かれていて、かなり面白いところでした。
なので、「うは、あの人たち殿行(でんなん)養成ギプス嵌められたんだ(笑)」とか
想像してニマニマ。(そんなのあるわけないんだが)
あ、
焼香の器運んでた坊さんはちょっとかっこよかったデス。(≧▽≦)キャしかし・・・長かった。2時間もかかっちゃいました。
そんなにやるとは思わなかった。。。いや、ありがたいことなんですけど。
やっと終って、それから中を案内されます。ま、観光コースですね。
県別に位牌が収められているところもありましたが、これはまた別料金だそうで、
今回家では収めません。
400畳とかいう大広間。天井には有名な日本画家たちが描いた天井絵がはめ込まれ、
主に花鳥が描かれてますが、5枚だけ違う生き物が描かれていて、
それを全部見つけるとその日いいことがあるそうです。
たぶん前に見てると思うんだけど、張り切って探そうとしたら、
案内の坊さんに全部言われてしまいました。。。シュン
それとここに永平寺で一番偉い宮崎猊下(げいか)のお写真がありました。
数えで御年105歳!
去年テレビで紹介されてたんですが、そのときどこかの住職が猊下に頭を撫でてもらって、
「洗わんでおこ~♪」と嬉しそうにしてたことが思い出されます。
まさにお寺のアイドルなんですね。
あと、触ると料理が上手くなるすりこぎとか、ご本尊とか見てまわる。
永平寺内は左側通行です。昔来たときに、母が思いっきり右にはみ出て歩いていて、
前からお付を従えて位の高そうな僧が歩いてきました。はみ出てた母に怒ることなく、
「どこから来なさった?」と話しかけられ、母は感激してましたが・・・、
「ここ左側通行だよ」と私に言われてちっちゃくなってましたっけ。(笑)

お部屋に戻って、朝食。また別部屋で。
<朝食メニュー>
ごはん、豆腐とわかめの味噌汁、煮物、しめじとほうれん草と油揚げのおひたし、
つくだに、きゅうりの香の物、それと正体不明のもの(おいしいけど何でできてるか解らない)正体不明のころころしたのは兄も解らないそう。
たぶん大豆で作っているような気がするけど・・。
さてここで身構えること。そう、「お茶」です。
もうあとは帰るばかりになってる我々。
お茶好きな甥兄が煎れようかどうか迷って待つ。
「しばらく待ってみよう」と、さきに荷物を片付けたりなんかして、
「もう来ないよね!煎れていいよね!」とお茶を煎れ終ったそのとき!
「係りの者ですが、お茶をお持ちしました」(((爆)))(^□^゜最後までフライング家族!!
このときちょっとりゅーしょー君とぶつかりそうになって、「あっごめんなさいっ」と言ったら
「いいえ」と言いながら初めてにぱっと笑いました。
破顔一笑。
かわいーじゃないですか!本人的にはついうっかりなんでしょうが。
きっと娑婆(俗界、俗世間)にいたころは愛想のよい好青年だったのかも~と思わせました。
----- ----- ----- -----

下に行くとすでに『かいど』から迎えが。
外で記念撮影などしまして、時間まで『かいど』でお土産など物色。
前から欲しいと思ってた、自分用のちゃんとしたお念珠を手に入れました。
そんな感じで、永平寺編は終了。
旅はまだ続きます。
*