[東京 18日 ロイター] - 外為市場では、12月米小売売上高などの重要指標が弱かったことから、3月の米追加利上げ観測が後退している。リスク回避で荒れ模様となった市場心理が落ち着くには時間が必要で、ドル/円JPY=は引き続き下値を警戒する地合いが続く見通しだ。
ただ、115円近辺まで急速に円高が進めば、日銀追加緩和に対する期待が高まるとみられ、今年3月までのドル/円の下値めどは、116円付近との見方が多い。
市場関係者の見方は、以下の通り。
●3月利上げ見送りなら安心感も、戻り売りでドル/円の上値重いか
<野村証券 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏>
12月米小売売上高が、非常に弱い結果だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる利上げ判断の材料になる米重要指標が弱かったことで、FOMCも3月利上げを見送る方向に傾く可能性がある。3月までに130円という展開は難しそうだ。
3月に利上げしないとなれば、株式市場などの安心感につながり、不安定な相場は底打ちする可能性があるが、ドル/円がするする上昇するとは想定しにくい。節目となる120円に戻ればドル売りが先行し、上値が押さえられるだろう。ただ、先行きの米利上げの目までなくなったとは見ていない。
年内に130円を突破するとの予想を変更する必要はないだろう。
ドル/円の予想レンジ(今年3月まで):116─121円
●利上げ開始後のパターン通り上値重い、日銀追加緩和の効果も限定的に
<JPモルガン・チェース銀行 為替調査部長 棚瀬順哉氏>
上値の重い展開が続く。1990年代以降の4回の利上げサイクル開始後は、6カ月でドル/円が平均11%下落するパターンが見られ、今回もおおむねこれに沿った動きになっている。
国際収支の改善を映した円ファンダメンタルズ改善もある。実質実効レートでは、ドルは過剰評価・円は過小評価の水準にあるといえ、時間とともに市場の評価も修正されていく。今四半期中には昨年安値115.85円を下回るだろう。年末には110円を予想している。
日銀緩和は4月を予想するが、円高が進めば今月の可能性も否定できない。どちらにせよ、足元の環境下の追加緩和による円押し下げ効果は限定的だ。円高が進むと市場は緩和を織り込むためサプライズの演出が難しい。日本の貿易赤字が拡大して円のファンダメンタルズが弱かった際に打ち出した過去の緩和時と異なり、政策で円のトレンドを変えるのは難しくなっている。
ドル/円の予想レンジ(今年3月まで):113―120円
●ドル/円は「全治2―3カ月」、日銀の質的支援が自律反発促す可能性も
<FPG証券 代表取締役 深谷幸司氏>
為替を含む金融市場は、リスクテーカーが手を引いている状況で「ぬかるみ化」し、下値めどが立ちにくい。
ドル/円が落ち着くには、米国株の安定が必要だ。米国株の益回りは6%程度まで上昇している。
一方、10年米国債利回りは2%まで低下し、利回り格差は4%まで拡大した。同格差はリーマン・ショックや欧州債務危機時に4%を超えていたが、現状が金融システムの混乱にまで至っていないことを考えれば、米国株は下げ止まってもいい水準まで来ている。あとはマインドが落ち着くのを待つのみだ。
ただ、ここまでドル/円はゆっくり時間をかけて下落してきたので、急反発は考えにくい。「全治2―3カ月」はみておいたほうがいいだろう。リスクテーカー不在の市場では、当局による質的支援が奏功する可能性が高い。
日銀がETF購入を少し前倒し、リスクマネーを供給すれば、市場の安心感に寄与し、自律反発を促すきっかけになるだろう。
ドル/円の予想レンジ(今年3月まで):116.50―120.00円
以上、ロイター記事
こういう予想は、条件付きであり、日銀がドーンと金融緩和すれば、予想する必要もない。
ソロスチャートのとおり、通貨量が増えたら安くなるという原則があり、ドルに負けずに円を供給すれば130にも140円にもなります。ただ、アメリカ様のお指図のとおりやっていたら110円になるでしょうね。
この際、ドーンと刷って一気にデフレ解消してほしいものです。