東日本大震災後、初めての大型国政選挙となる第四十六回衆院選は十六日、投開票が行われ、自民党が単独過半数を大幅に上回って大勝した。公明党と連立を組んで三年ぶりに政権に復帰する。自公の議席数は参院で否決された法案を再可決できる三分の二(三百二十議席)を超えた。
静岡県内の八小選挙区は、自民党が政権を奪還した全国的な勢い通りに六選挙区を制し圧勝した。前回、七選挙区で勝利した民主党は二選挙区にとどまり、全国同様の惨敗となった。県内の小選挙区の投票率は61・75%で前回選を9・06ポイント下回った。
当選は、静岡1区が自民元職上川陽子氏、2区が自民新人井林辰憲氏、3区が自民新人宮沢博行氏、4区が自民前職望月義夫氏、5区が民主前職細野豪志氏、6区が民主前職渡辺周氏、7区が自民前職城内実氏、8区が自民前職塩谷立氏。
比例代表東海ブロックの県内関連では、単独候補の公明前職大口善徳氏と自民新人川田隆氏が当選。小選挙区で落選した自民新人の勝俣孝明氏(6区)、吉川赳氏(5区)、みんな新人小池政就氏(1区)、維新新人鈴木望氏(3区)が比例で復活当選した。
前回は小選挙区獲得議席ゼロだった自民は、序盤から手堅い戦いを進め、従来の組織票に加え、支持なし層からも一定の支持を得た。上川氏、望月氏、塩谷氏が雪辱を果たし、新人の井林氏、宮沢氏も手堅く勝利。前回は無所属で勝利した城内氏は圧勝した。
民主は政権運営の失敗や、マニフェストの多くが実現できなかったことが逆風となった。前回は多くの票を得た支持なし層の支持が得られず、県連会長のベテラン牧野聖修氏、復興政務官を務めた津川祥吾氏や田村謙治氏が軒並み落選。二期目を目指した小山展弘氏、斉木武志氏、斉藤進氏は当選を果たせなかった。知名度が高い細野氏と、厚い支持基盤を持つ渡辺氏が議席を守った。
第三極ではみんな小池氏と維新鈴木氏は小選挙区で議席を獲得できなかったが、比例で復活当選を果たした。未来は支持なし層への浸透が不十分だった。共産は支持層以外の支持が伸びなかった。