太陽系の辺境の星冥王星にアメリカの探査機ニューホライズンズが先日最接近し写真などのデータを送って来ました。
以前は地球と同じように惑星として数えられていましたが、今では賛否両論あるものの、その成り立ちから準惑星という区分に入っています。SFの中じゃあ太陽系なんてそんなに広く無いんですが、実際はこの探査機で9年以上(今のスピードは時速5万キロ!)もかかっています。
いゃあ、木星の横を通りながら観測し、そしてここまで正確によく来たものです。天晴れ!!
このニュースを聞きながら、日本の宇宙を題材にしたSF映画を思い出しました。
ここからは、わかる人には分かるちょっとマニアックになりますのでご注意を。
1962年公開「妖星ゴラス」と1984年公開「さよならジュピター」。
どちらも東宝映画の作品です。
妖星ゴラスは東宝の特撮映画黄金期に作られたカタストロフィ映画。人類は土星有人探査船を送るような時代、太陽系に向かって黒色矮星が進入、このままでは地球にぶつかる!さぁどうする。という内容。アルマゲドンなんかよりずーと以前に日本じゃこんな映画が作られていたんですよね。
さよならジュピターは、SF作家の小松左京を頭に世界に誇れるSF映画を作ろうという意図のもと製作されました(出来がいかがだったかは今回は触れないでおきます・・・)。
人類は木星の周回軌道に宇宙ステーションを建設している時代、マイクロブラックホールが太陽系に向かって進入、このままでは地球にぶつかる!さぁどうするといった内容。
あれ、なんだか似てますよね。アルマゲドンなどもそうですが、このての地球に何かが向かってきてこのままでは地球にぶつかる!という設定のものは同じようになってしまうのは仕方がないでしょう。
でも、この「妖星ゴラス」と「さよならジュピター」は、一見違うようで、同じなところが多いんです。
太陽系に向かってくるのは、
ゴラスの場合「黒色矮星」。
ジュピターの場合「マイクロブラックホール」。
黒色矮星って造語でしょうが今で言うブラックホールの事でしょうね。でも映像化されたそれは、燃え盛る火の玉みたいでしたが。
まぁ、この太陽系に向かって来るものがなければ話は始まりませんのでよしとしましょう。
次は第一遭遇者です。
ゴラスは有人土星探査船JX -1隼(はやぶさ)号。ゴラスの強力な引力に捕らえられ、逃れることが出来ず破壊。
ジュピターでは有人彗星源探査船レッドアローが、やはりブラックホールに捕らえられ、吸い込まれ破壊。
では、地球を救うためにどうするか?
ゴラスは何と南極に大規模なジェット推進の基地を造り地球を軌道から移動させようとします。
ジュピターでは木星を移動させて、ブラックホールにぶつけて、ブラックホールの軌道を変えようとします。
そんな計画の進行途中に、邪魔が入ります。
ゴラスの場合は、突如現れた怪獣マグマ。このため工期に遅れが。
ジュピターの場合は、自然保護を訴える過激派ジュピター教団。破壊行為により計画に遅れが。
とまあこんな具合。まだ途中に付け加えれば、
ゴラスの場合には、JX-2鳳(おおとり)号から切り離された観測用の有人カプセルがゴラスに肉薄しすぎ、間一髪脱出するエピソード。
ジュピターの場合は、サルベージ宇宙船から切り離された、リフティングボディの有人宇宙機が、木星表面の過酷な気流から遭難しかけ間一髪脱出するエピソード。
何て言うのもありました。
唯一違うのは、ゴラスにはゴラス接近に伴う地球上の大惨事が描かれますが、ジュピターでは木星付近でブラックホールは軌道を変えたので地球上の混乱は描かれていません。
「さよならジュピター」は「妖星ゴラス」のリメイクだったと感じるのは私一人でしょうか?
こんなこと、ニューホライズンズの冥王星最接近のニュースから思い出しました。