松浦からFUKUOKAへ

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☆松瀬 徹のオフィシャルブログ☆

山中貞雄の世界に魅入る

2010年03月06日 11時59分50秒 | 映画


昭和初期に、活躍した亡き、日本映画史上屈指の天才監督のひとり、山中貞雄の

作品の2作品を観る。

『河内山宗俊』、『人情紙風船』である。

数少ない作品のなかで、「人情紙風船」が最高傑作品で遺作となっている。

公開されたのが、1937年(昭和12年)、私が生まれる15年前だから、母の胎内に当然

、誕生していない。その時代に、山中貞雄は、映画少年から、天才監督として、

活躍していたのである。

映画進行のなかで、時折、現れる、紙風船。

それは、なにげなく、さりげなく、何も語らず

どこか寂しげさを感じる。

紙風船。

長屋生活を描写した映画作品は、数多くあれど、

ものいわぬ紙風船に、託した作品への思いを託した。

山中貞雄監督。

偉大である。




(2点の作品は、タイトルには、直接関係ありません、あしからず)


戦争のため、28歳の若さで、旅たった彼を想うとき、

未来へ向けて溢れる創造力を、中断された悔しさ、悲しみは、

理解することが出来る。

最後の手記には「紙風船が遺作とはチト、サビシイ、友人、知人には、

いい映画をこさえてください」と遺された。


 戦争とは、未来ある映画文化の担い手である巨人をも奪ったのである。






天才映画監督 山中 貞雄


映画「人情紙風船」のキャスト

河原崎長十郎(海野又十郎)
中村翫右衛門(髪結新三)
山岸しづ江(又十郎の女房おたき)
霧立のぼる(白子屋の娘お駒)
助高屋助蔵(家主長兵衛)
市川笑太朗(弥太五郎源七)
市川莚司(猪助)
橘小三郎後の藤川八蔵(毛利三左衛門)
御橋公(白子屋久左衛門)
瀬川菊乃丞(忠七)
市川扇升(長松)


■ 追記

  第33回日本アカデミー賞の授賞式が5日、都内で行われ、「沈まぬ太陽」が

 に最優秀作品賞に輝き、

 カメラマンの木村大作氏の初監督作として話題となった「剱岳 点の記」は監督賞など

 6部門で受賞した。剱岳を応援してきた私にとっては、朗報である。





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