い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

九十七通

2021-08-11 | 便り
知ってしまった悲しみが
知らなかった喜びも教えてくれる
繰り返すがんばりを
見捨てる神様はいない

見方は違っても
やり方は違っても
思い通りの結果じゃなくても
いつも迎えてくれる

たった一人の手のひらが
合わせて祈って包み込んで
無限に広がる大きさで
頭をそっと撫でてくれる



九十六通

2021-08-10 | 便り
いつも片隅にあるモヤモヤが
顔を出す時がある
100%の笑顔の中に影がある

誰でもそうなのだろうか
気付いてしまった時の
対処法はあるのだろうか

それとも
自然に乗り越える本能が
身に付いているのだろうか

答えのない禅問答の
痺れた自分に問いかけても
天才と錯覚するほどに
幾通りもの答えがある

その時の気分でチョイスして
くねくね身をよじりながら
日向も日陰も恐れずに
真っ直ぐな人生を夢見てる


九十五通

2021-08-09 | 便り
選んでるつもりでも見え隠れする
定期的な判定を気にする

四季に囲まれた温度の中で
どうにか体温を維持する

愛想笑いも気に入った
しゃべらなければ涙も止められる
怒りで髪が乱れてもまとめる技術がある
聞いていない台詞をドラマにすり替える

拍手喝さいの静けさが沈む
お蔵入りした人生の
演じ続けた深さを測りに
満月の照らす夜を待つ

九十四通

2021-08-08 | 便り
ひとり暮らしならきっと寝てる

独り暮らしは悲しいよ
切ないよ 寂しいよ と
自己中な考えがあくびする

何を望んでも
自分にないもので
何を目指しても
限りない欲望で

すべてに無を付けたなら
楽しくない楽さと
苦しくない同じ温度の中
時を刻む音も忘れて
眠気だけが近付いてくる

九十三通

2021-08-07 | 便り
いつも近くにいる人の
仕草も表情も嫌な時
割り切れない苛立ちが
小数点の数を増やす

良い所を考える
同じ場所に並びながら
棚の高さを見上げるように
長所と短所を混ぜ合わせる

未熟なことは百も承知
完璧の鋭さに傷ついて
抱えきれない理想をこぼし
よろけながらも立ち上がる

九十二通

2021-08-06 | 便り
暑すぎる空気の中にゆっくり伝わる

たっぷりと雨を含んだ雲より高く
虹色を操りながら弧を描く
それが想像上の生き物だとしても
羽ばたきの風が地上まで届く

重い空気に押し返されても
風に乗ることを選んだから
目印が飛ばされても
あきらめはしないから



九十一通

2021-08-05 | 便り
疲れていなくてもひと休みして
目的は無くても遠くを眺めて
緩みすぎる笑顔を思う

余計な心配と笑いをこらえ
夜空の星よりたくさんの願い事に
聞き手の神にこそ感謝する

黙って聞いてくれるだけで
解決法は分からなくても
ひとすじの光が射すように

真っ直ぐな明りが照らすなら

九十通

2021-08-04 | 便り
反対側に見える景色

夢物語の憧れとして遠くから眺めるか
少しでも近づき現実の色を確かめるか
足を踏み入れ中の世界を知るか

そうやって
躊躇いながら勇気を出して
夢から覚めて次を探して
生まれた日からの距離を繋げて

傷跡の滲む深さも
涙を拭うあたたかさも
刻みながら大人になったはずなのに

よそ見しながら戸惑いながら
駆け出す好奇心を追いかけて
綿毛の軽さで飛んで行く

年齢不詳の気持ちのままで



八十九通

2021-08-03 | 便り
見えるけど戻れないなら
見えないけどその先に進んでみようか

後悔が糧になるなら
霞みでも食べてみようか

ここにいるのが現実でも
時は止まってくれない

次々に未来が過去になるなら
見えない先をいつも踏んでいる

知らない先をいつも知っている

八十八通

2021-08-02 | 便り
数字の魔力が力になる
絶妙な語呂合わせが力を与える

ホッとした瞬間のデジタルが誕生日と同じ
頑張ってよかったと
やり遂げて嬉しいと
苦労と辛さの苦みさえ忘れてる

後回しを拒む喜びが次の数字を選ぶ
ここまでにやりたい事
日に二回でも
月に一回でも
年に一度ないとしても
語呂合わせが運ぶチャンスに
乗ってみるのもいいもんだ