農産品が注目されやすいTPPだが、実のところ最大の問題は医療・保険なのだ。
日本は国民皆保険制度があり、また20~25年で特許が切れた薬については、先発医薬品と同じ成分の後発医薬品(ジェネリック医薬品)が出ており、医療費が安価となって多くの人が恩恵を受けている。
一方でアメリカとしては特許を得やすくする薬品保護のためのルール導入を求めており、これが実現されると微妙な成分の変更を加えて特許を事実上延長し、半永久的な特許として医薬品を高価にしよう、つまり薬品で儲ける仕組みの創設を目論んでいる可能性がある。
これは今のところアメリカ国内のルールに留まる見方もあるが、資本主義国では個々の保険料の支払いに応じて医療費や医薬品を負担する仕組みが主流であり、アメリカは日本の国民皆保険制度とジェネリック医薬品をアメリカの制度と同じに改革しろと日本側に突き付けていると言われている。
アメリカとしては以前も民営化して市場解放しろと迫った郵便貯金と同様、日本に混合医療を取り入れ国民皆保険を崩し、ジェネリック医薬品をなくせばアメリカはボロ儲けできるという魂胆である。
日本は皆保険制度を守るとはしているがじわじわ崩されていく事もあるり、このアメリカが狙う制度はマレーシアも反対している内容でもあり、確実に保険や医療がおかしくなるこの制度のTPPへの盛り込みには絶対反対をしていただきたい。