「それってほんとう?」と問う感性。メディア・リテラシーは今こそ必要です

2015年01月17日 | 日記
10年程前の教育雑誌を読み返していたら「親子のメディアリテラシー講座」という連載があり、親子でニュースを語り合う大切さが説かれていました。

ラスベガス在住のジャーナリストであるマーカスさんは、子どもたちが小さなころからテレビの暴力シーンはいっさい見せないようにしており、ニュース報道に対しては、「それってほんとう?」と家庭で徹底的に話し合うことを心掛けてきたそうです。

「9・11」直後、アメリカ合衆国には愛国心を煽るような雰囲気があり、学校でも「国旗の赤青白の色の入った洋服を着てきましょう」という日があったそうです。けれどもマーカスさんの娘は「平和の色は何色かな?」と自分で考えて適当な色を選んで着ていったということです。小学校3年のときのことです。

いじめられなかったのか心配です。日本だと「K・Y、空気読めないヤツ」ということでいじめられたり、その場から浮いてしまいそうですが。

日本の公立小中学校では、パソコンの授業は総合学習の中に位置づけ、やるかやらないかは学校に任せているそうですが(今現在はわかりませんが、2005年当時)アメリカでは必修科目として重視しているそうです。

授業では、ネット上で知らない人にアクセスするときは仮名で行い、どんなに親しくなっても住所などの個人情報を与えてはならないという注意事項や、ネットでトラブルや犯罪に巻き込まれた女の子の実例を具体的に聞かされたりします。

また、家庭には学校からレター形式で「パソコンは子ども部屋に置かず、リビングルームに置き、子どもがどういうサイトにアクセスしているか親が監視するように」と、勧告があるのです。

マーカスさんの娘は、学校の課題であるホロコーストをパソコンで調べていたのですが、ネット上には「ホロコーストはウソだ」「作り話だ」というものが多くあり、まるで大昔の伝説のように語られており、そのことにショックを受けたようです。彼女は『アンネの日記』を読み、そちらを信じました。

親だけの力では子どもに何が真実で何がウソか教えられない。学校の授業で使われた『アンネの日記』や先生との話し合いを通して、子どもたちが、何が真実であるか、何を信じるかといったビリービング・システム(信じることの体系)を自分で築いていくことがとても大事、メディアはウソをつくという危機感を感じとってくれたのが親として何よりも嬉しいとマーカスさんは言います。

メディアはウソをつく。

えーっ、そんなわけない?それとも、当たり前でしょ?ですか。

書いてあることにウソはなくても、あえてある事実を書かないことで、結果としてウソになったりすることもあります。

一時期メディア・リテラシーがやかましく言われたこともありましたが、今じゃ「それなんのこと?」ってかんじじゃないでしょうか。

元々は英語で「読み書きの能力」を意味する言葉ですが、日本では単にそれだけの意味ではなく、メディア・リテラシーであれば、報道が本当に正しいのかということを判断する能力、ということです。

皮肉なことに、SNSがこれだけ生活に浸透し、10年前に比べ多くの人がネットを利用している今現在ではすっかり廃れてしまった概念です。

ネット情報は紙媒体よりもはるかに玉石混淆の比率が高いのですが、元ネタをあたる人は少数派だと思います。もっとも、紙媒体にしろ今ではもはや御用なになにが多いのですが。しかも、ネット情報のほとんどは元ネタが新聞や雑誌、あるいはテレビだったりしますから。

ネットどころか大手新聞でさえも、南京大虐殺はなかった、慰安婦は強制連行されていなかった、日本はアジアを侵略しなかったとか言ってますから。

ニュースを見て「これってほんとう?」って、家族で活発に議論したいところですが、娘はまだ幼く、夫と話せば「カネさえあればこんなうち出てってやる!」とテーブルをひっくり返したくなるのがオチです…

夫は産経新聞の大ファンで、「保守的すぎるとか、右寄り過ぎるとか言って嫌うけどそんなことないよ~、ちゃんと日本のいいとこ書いてるよ~わかってる~?」と私に言いますが、私は産経が保守的だと言ったこともなければ、右寄りとも言ったことがないです。保守とか右翼・右寄りってなんですか?意味を根本から定義し直してもらわないとわかりません。安倍政権が保守的とか右寄りっていわれると心底混乱します。朝日がなければ存在意義もないような産経は新聞の名に値しないって言ってるだけですが。朝日を国賊だといって責めたてているが、変節には寛大なのか?

ちなみに夫は日刊ゲンダイでバランスを取ってるつもりです…どうせなら中日(東京)新聞でバランスを取ってもらいたいものです。赤旗とかでもいいんですよ。

産経と読売を買ってきたときには、さすがにその無駄遣いに腹が立ちました。貧乏を自覚してよ!!

話がだいぶん逸れましたが、自分の耳に心地よいものだけじゃなく、たまには耳に痛いものも賞味すべし!ということです。
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