人手不足だけじゃなくて客不足の介護事業所もあります

2015年01月06日 | 日記

介護事業所の人手不足に対して、ソーシャルケア研究所の本間清文さんが厳しい指摘をしています。

何かと、しょっちゅう「求人を出しても応募が来ませんねー」と聞くわけです。
そこには、暗に「介護職をやりたがる人がいない」というニュアンスを感じます。
でもですね、オムツ外し学会に行ってみれば分かります。
介護という仕事が好きで、「介護バカ」という程の熱血漢がわんさかいます。

それから、あの学会で発表した事業者の特養ホーム・駒場苑自費ヘルプサービス・グレースケア機構の両方を個人的によく知ってます。
その二つの事業所なんて見てると、力があって個性がある、面白いスタッフがわんさかいます。
なんでか。

事業者として、良い介護やケアを求める方向性をきちんと向いているからなんですね。
トップが良い介護を目指す、ときちんと舵を取っている。
当然、そこには良い介護をやりたいと思うスタッフが集まる。
そんな感じなんです。
そりゃそうです。「質の悪い介護をやりたい」なんて思って、介護職に就く人などいません。
就くからには、やはり理想を抱いているのが当たり前です。
その理想を踏みにじる現場があるから、「辞めなくていい人材」まで辞めてしまっている。

それを見てると、人材不足になげく事業所が沢山、あるわけだけど「良い介護」を組織全体として目指すというのは、最大の求人効果と離職防止効果があるように思うわけです。

先の二つの事業者の待遇が飛びぬけて他よりもいいなんてことはありえない。どんぐりの背比べでしょう。だけど、将来的にはより組織が大きく飛躍してゆき、待遇にもはねかえってくるかもしれない。

これまで介護業界は短期決戦のように加算や報酬誘導の方向ばかり向いて舵を切る事業所がほとんどでした。
でも、人材不足では、それすらできないわけです。

ですから「良い介護を行うこと」が最大の戦略なる時期が、もう目前にまで来ているのかもしれません。

私は介護士時代、オムツ外し学会や介護職がライブハウスに集まって「介護とはなんぞや~~」と熱く語り合う”介護バカのつどい”なるものに参加したことがあります。

その熱さとバカさの度合いにドン引きし、恐れ入りながらも、この業界も捨てたものではないと感じいったものです。

自分にはとうていできなくても、自分の周りにはこれほどの熱いバカはいなくても、だからって介護業界を見限る必要もないのだと思いました。

介護職員の処遇の低さはよく問題になりますが、だからといって現状の1割負担を2~3割にして、いい介護士には働きに見合った料金を払おうじゃないか、とはなかなかみなさん言いませんね。国はなんとかすべきだ!(自分がカネを負担するのはやだけどね)このままじゃ日本はだめになってしまう!(誰かなんとかしろ!)ってなところでしょうか。

介護事業所も同じです。人手不足・人材不足でいい介護ができない。国はなんとかすべきだ!って思ってます。

債権回収が確実ってだけで(相手は市町村ですから)事業経営という点では他の事業と変わらないのに、介護は必要とされている・需要があるからやっていけるなどと、行き詰まった事業の代わりに介護に参入してみたり、ろくに資格も持たない介護士がこの程度なら自分だってできる、経営者になってやろうなどと考えて起業してみたり。人手不足人手不足っていうが、開業したばかりの事業所は客不足に違いないのに、それさえわかっていなかったり。

仕事の割に給料が安いとよく言われるが、介護だけの問題じゃないでしょ。国が~社会が~というが、社長や施設長のツラが気に入らないから従業員が来ないだけかもよ。それに従業員が来たって客がこなけりゃ、もっと困るよ。介護は必要とされているから、客が来ないはずない?特養でさえも従業員だけじゃなくて客も十分とはいえないとこあるよ。客がいなくても、従業員には給料払わなきゃいけないから、「介護保険は現金給付」であることをきちんと認識して始めないと…

人員不足だけじゃなく、今度の改正で経営が立ち行かなくなりそうな小規模事業所のこともちゃんと伝えないとね。

いい人材がいないって、どのツラ下げて言うつもりだ?いい人材はよその事業所にいるよ、あんたんとこじゃなくてね。

本間さんは良識派なので、穏やかな言い方をしていますが。

介護は尊い仕事、介護職はみんなやさしい人ばっかり…

これから脱しないと低賃金の改善はムリ!!

 


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする