イスラム国ってどんな国?

2015年01月23日 | 日記
タリバンってなんだったっけ?

イスラム国騒ぎで忘れ去られているが、かつて恐ろしいテロ組織として世界中から敵視されていたような…

2008年にイギリス国防省の文化顧問としてアフガニスタン南部のヘルマンド州に派遣されていたマーク・マーティン氏の著書『An Intimate War -An Oral History of the Hermand Conflict(私的な戦争 ヘルマンド紛争の聞き書き記録)』が波紋を呼んでいるそうです。

イギリス国防省は、マーティン氏の著書が国家秘密保護法に違反している可能性があると主張していたそうですが、マーティン氏が本のどの部分が具体的に機密文書に当たるのか指摘してほしいと問い合わせたが、回答は一度もなく、予定通り出版に踏み切り、国防省は訴えを取り下げたとのこと。

そもそもマーティン氏の著書は、イギリス軍の要請で実施された、現地のアフガニスタン人150人に聞き取りを行った研究について書かれたものです。

さて、何が書かれているのかというと

タリバンはいなかったという事実です。

マーティン氏は次のように言っています。

少なくとも赴任したヘルマンドにおいて、我々が存在すると信じていた「タリバン」という名の組織はほとんど実存せず、また勢力も持っていなかった。実態は、戦う事情も理由も様々に異なる人々が、我々を攻撃したり、お互いに攻撃し合ったりしていただけ。いさかいの多くは自分のポピー畑や生活を守ろうとして抗う農民によるものだった。我々がその当時「タリバン」と呼んでいたものは、同時多発的にあちこちで起こっていた小さな事件の寄せ集めにしか過ぎなかった。

ある村の地区長から「タリバン勢力」を掃討してほしいと要請されたが、そう名指しされた一団は地区長側の地元警察と敵対する部族の防衛武装組織だったとか。

マーティン氏はパシュトー語を習得し、地元の人々と対話を重ねていました。4年ほど親交のあるヘルマンド人に「自分は全体の5%くらいは理解できるようになったと思う」と言うとそのヘルマンド人は「1%しかわかってないよ」と笑い、「それでもがんばってるほうだ」と言ったそうです。

購入しておきながら読むのを忘れていた『ビッグイシュー』2014年11月15日号の記事からでした。

私たちは何も知らないながら、テロを許すな!と熱くなっていましたね。

今も、イスラム国による襲撃や誘拐で、日本中が世界中が熱くなっています。

人質になった日本人2人に対しては、勝手な行動で国益を損ねたというお決まりの非難が出ています。

テロを許すな!悪に対する寛大な処置は間違っている!

賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶというが、経験からも学ばないものをなんというのだろう?想定外なのかも…


悪と正義の図式はそれほど単純ではないはずだが、勧善懲悪ものが大好きな日本人(それ自体は別にいいと思いますよ。エンタテイメントは単純なストーリーがウケますから)は、現実問題においても二分法で熱くなるようだ。国政選挙や統一地方選挙よかよっぽどはっきりしていて簡単で面白いということだ。

さて、イスラム国とはいったい何であろうか。

そんなもんどうでもいい!問題はやつらが悪であるということだ!
コメント
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