企業が高齢者を雇うのは「安い・辞めない・休まない」から

2023年11月27日 | 社労士
郡山史郎さんの「87歳。いまが一番働き盛り」が面白かった。
50歳を超えると高齢の方のことがとても気になる。身に染みる。特に働くということにかけては。

郡山さんの経歴は華やかである。
定年後も引く手あまたであろうと容易に推測できる。
だが。
郡山さんは言う。

「定年後も引く手あまたという大いなる勘違い」

郡山さんは多くの働く人間が(特にデスクワーク関係)が目をそむけ、耳をふさぎたくなることをガンガン言う。

・定年後の現実を知らない40代、50代。20代、30代のほうが冷静。
(余談だが、私は介護施設に勤務しているとき、要介護者に対して40代50代の職員が心ない言葉を発し、侮り蔑ろにしているのを目の当たりにしてびっくりした。20代30代のほうがひどいと思っていただけに、全くの逆で、ほんとうに驚いた。)

・定年は”老害”の特効薬。70歳定年など百害あって一利なし。

・敬老の日は廃止すべし!古さをモノサシにして社会がより古い人間を大切にする理由がどこにあるのか。

・再就職の相談では、年収1500万だが半分になってもいいから自分の経験がいかせる仕事がいいなどと言う人がいるが、300万でも雇ってくれる企業はないというのが本音である。

・シニアの求人が少ないのは高付加価値のデスクワークだけで、他はいくらでもある。調理、清掃、保守点検補助、介護、一般事務…

・企業が高齢者を雇うのは、安い・やめない・休まない、からである。


どうでしょうか。
高付加価値な仕事をしていると自負している人には噴飯物ですね。

でも、郡山さんは最後に、次のような言葉を引用していますよ。

「人の幸せは好きなことができることのなかにはない。しなければならないことを自分の意思で行うことのなかにある」(夜間飛行、サン・デグジュペり)

自分の意思で義務を受け入れることで人は幸せになる、ということなんですね。

貧者への献身について「ボランティアではない。キリストに言われてやっているのです」(マザーテレサ)

日本人が幸せではない(少なくとも多くの日本人がそう感じている。世界トップクラスの経済大国でありながら。生まれながらに衣食住に不自由しない多くの人たちが)理由ももしかしたらこの辺にあるのかもしれないです…

だって、好きなことを仕事にしたい!って、若いもんの言うことじゃないですか(笑)

でも今の50代、60代って、高度経済成長、バブルを経験している世代ですから、上の世代から眉をひそめられた人たちが、成熟せずにそのまま老いているのなら、好きなことを仕事にしたい!もわかります(笑)がんばれ永遠の中学男、中学女!

今は男性ばかりが悪く言われていますが、同じように女性が外で働くようになれば、勘違いも同じ様にします。女性も男性同様に元気なくなりますよ。女性だからって老いてもなお元気なんてそれこそ幻想です。いいとこも悪いとこも男女平等。
コメント
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