介護についてもっと関心をもったほうがいいかもしれない

2014年05月28日 | 日記

ある特養施設長のブログに、気になる訴訟事案があるとして、佐賀県のグループホームが町に損害賠償を求めている訴訟について書いてあった。(masaの介護福祉情報裏版

町がグループホームの虐待を認定し、保険者がホームから聞き取りを行った上で、指定取り消し処分を行ったのだが、それに対し、ホーム側は「処分を決めた資料はずさん」であるとして、「事実誤認」を主張し、処分の取り消しを求める訴訟を起こし、併せて処分の効力停止を申し立てていた。そして、佐賀地裁は今年1月、一審判決が出るまでの間効力を停止する決定をしたということである。

ブログを書いている施設長は、何が真実なのか、被害を受けたのは利用者か、グループホームか?加害者は町なのか、グループホームなのか?新聞報道を読んでも真実は伝わってこないという。

私がこの訴訟に関心を持ったのは、グループホーム全体の実態に気になるところがあるからだ。グループホームは、現在地域密着型サービスとなっているが、介護保険ができた当初は「在宅サービス」としてスタートしている。サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームなどもそうだが、介護保険では、「在宅」や「施設」などの概念そのものを問うような不思議なくくりとなっている。もっとも、「施設」の設立は自治体と社会福祉法人、医療法人しかできないので、グループホームを増やすには、上記以外の法人に頼らなければならず、「在宅」とするしかないのだが、現在のサ高住同様、雨後の竹の子のように増え、数の確保はできたようである。2006年の改正時に地域密着型サービスが創設され、指定や監督などの権限が都道府県から市町村に移っている。

さて、町を訴えている原告のグループホームだが、その実態は…

・ 虐待を受けていた6人のうち、4人にケアプランがなかった

・ 容体急変で受診した入所者の状態に対し、医師より「肺炎がかなり進行している。栄養状態も   悪い。なぜ受診がこんなにも遅くなあるのか」と指摘されている。

・ 2年間のうち、21か月間は人員基準を下回る職員配置だったにもかかわらず、必要な減額措置をせず、介護報酬を不正に請求している

・ 入所者の骨折や救急搬送などの事故を保険者に通報していない

などである。

適切な介護を行っていない、重篤な入所者を放置しているとしてこのグループホームは、「介護放棄・ネグレクト」の虐待認定をされている。

ホーム側は、顧問医師による定期的な診察など、グループホームに求められている以上の介護をしてきた、入所時に無用の延命治療はしないよう、看取りの合意書も交わしている、と反論しているが…

日本人の感覚として、積極的に暴力をふるうのは虐待だが、「なにもしない・放置」がはたして虐待か?という疑問はあるかもしれない。静観していた、様子を見ていたとも取れるじゃないかと言う人もいるかもしれない。

だが、「なにもしない」というのは「自由」や「意志の尊重」という大義名分のもと、正当化されることが非常に多く、義務を果たしたくない、ラクをしたい人間にとっては都合のよい方便となっているのが実態ではないのか。看取りという名目で重篤な入所者を放置し亡くなったら「看取った」ことにはならない。グループホームは「家庭的」とされるが、家という建物があり、居間やキッチンがあるのが家庭であると思われていないか。グループホームに入所すれば家庭的なケアが自動的に受けられるわけではない。また、下手な介護、未熟な介護、無知な介護が家庭的という名のもとに正当化されていないか。地域住民としても関心を持つべきところである。

グループホームに勤務する知人から話を聞く機会があったのだが、特養で働いた経験が長いため、何を言っても「ここは特養じゃない。グループホームは家庭だ。特養の集団ケアのやり方を持ち込むな」と相手にされず困っていた。明らかに未熟な介護で、入所者はそのために苦痛を強いられていても、ここは家庭だからと、取り合ってもらえないということだ。転倒を防ぐ方法を提案したら、そのせいで行動が制限されるのはおかしい、家庭なんだから転倒もあり得る、と反対され憤慨していた。転倒で骨折したら、「家庭的」な生活が送れなくなる、「家庭的」なグループホームを退所することになってしまうかもしれないからだ。そのグループホームでは、入所者やその家族にケアプランの同意をもらっておらず、渡してもいなかった。5年間勤務している職員に、「そうしなければならない」ことを伝えるが、「一度も渡したことがない」し「そんなこと知らない、聞いたことがない」と言われ、困り果てていた。グループホームイコール介護レベルが低いと言っているわけではない。しかし、5~6年に一度しか調査が入らない事業所の場合、間違いに気づくのが遅れるし、自らの介護の質を振り返ることもできない。

地域密着と言うのなら、地域住民によるチェックがあってもいいのかもしれないと思った。

 

 

 

 

 

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どこにでもいる普通の女子大生の辞め8話に思う

2014年05月20日 | 日記

『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話』

これが本のタイトルです。

長いので『辞め8』と省略します。

著者がそうしてくださいと、本の中で言ってますので。

正確にはたった8日で辞める前に、2か月ほど入社前研修を受けています。

どんな会社だったんでしょうか?

代表(わけあって社長ではない)語録

「男はなぁ、穴に入れたいと思うとんのや」

「男が穴に入れたいのは、人間の真理や」

「真理は会社の経営理念といっしょや。これがわからんかったら、営業に出せへん」

朝礼では、男性社員に向かって、女性社員を指して

「こいつら見とるとムラムラするやろ?」と問いかけ

問われた男性社員は

「代表の言うことは正しいです」と答え、

すごい美人の女と寝たが翌朝ベッドの中にいる女を見てどっか行けと思った

という話を披露します。1回やると興味がなくなる。

それが「真理」であり、そのことを女性社員はわかっていないから

男に騙されるんだ、というのです。

代表は「おまえらようわかっとる」と、

満足げな顔であったらしい…

この会社の社員は、代表いわく

全員発達障害だそうです。いい大学出てても、頭良くても

発達障害なので、他の会社では勤まらない…らしいです。

事務の女性は

「私は発達障害なのに、代表に雇ってもらって、とてもありがたいと思って…」

と涙ぐんで話します。

こんな会社ありえん、ブラックを通り越しとる…

そう思われる方はいるでしょうか?

私はこの本を読みながらかつての職場を思い出しました

そこにも「代表」のような人がいました。

その人の言うことは首を90度かしげたくなることが多々ありましたが

何人かの従業員は心酔しており

その人から見限られることを死ぬほど恐れていました。

その人から称賛されるために部下や同僚を恫喝・脅迫して

手柄を立て、褒められたあかつきには、尻尾をちぎれんばかりに振って

喜びを隠そうともしませんでした。

その「代表」らしき人は、朝礼や会議では、ほぼ名指しで部下を口汚く罵る人でした。

その人に人間失格の烙印を押されたら、もはやそこでは「いない人」です。

私は罵りさえ受けませんでしたが…はなっから、戦力外で、責任ある仕事は

1年間なく、ぶらぶらと過ごした記憶ばかりが残っています。

『辞め8』の著者は22歳の女性です。

内定が決まった時は、勝ち組になったような気がして有頂天になります。

徐々におかしさに気づきながらも、自分をごまかしながら研修を続けます。

そして、とうとう、ついていけなくなります。

本の最初のほうに

その会社は今もある。やる気にあふれたベンチャー企業として就職サイトに掲載されている。希望に満ちた会社として手招きしているのだということを、どうか心に留めながら読んでほしい、と書いている。

身につまされた。

私は自分が勤務する事業所のあまりの悪辣・悪質さに、そこから給与をもらうことで天罰が下るのではないかと思ったが、その施設は関西方面の雑誌で、優良施設として紹介されていた。キラキラとした言葉をちりばめた求人募集も見かける。

人生の落とし穴に落ちるのは22歳の女の子ばかりではない。

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見直したい人と思われているかもしれない

2014年05月10日 | 日記
ライフネット生命保険会社が20~59歳の男女を対象に実施した
自分の過去を見直すことができたなら何を見直したいかという
「今年こそ見直したいものに関する」アンケートで、
もし見直せるとしたら?の1番は「学生生活」で42%
次が「時間の使い方」で28%
「就職先」「語学学習等の自己啓発」「衝動買いや消費癖」「運動やダイエット」
と続き、第7位が「結婚相手」だそうです。
「結婚相手を見直したい」でおもしろいのは、男女差です。
50代の女性は43%がそう思っているのに対し、50代の男性は20%です。
熟年離婚は女性から切り出すことが圧倒的に多く、男性は寝耳に水で呆然とするようですが、
このアンケートの結果からも、男性のぼんやりぶりがうかがえます。
人的な「見直したいもの」は多いと思いますが、モノと違って難しいです…
まずは、モノからはじめるのがいいようです。
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里親制度の大きな前進だと思う。

2014年05月10日 | 日記

特別養子縁組というのは、普通養子縁組と違い、養子の対象となるのは6歳未満の子どもで、一旦家裁を通して縁組が成立すると、解消はできず、実親との関係はなくなってしまう。試験養育期間が設けられており、その間は里親と里子の関係となる。
さて、この試験養育期間であるが、生まれたばかりの赤ちゃんと特別養子縁組をする場合、里親となる人は、雇用保険の育児休業を取得することができるのか?

月刊社労士4月号に掲載されていた事例です。

平成25年12月24日、労働保険審査会において、試験養育期間中の里親への休業給付を支給しないとした、福島公共職業安定所長の原処分を取り消す裁決がなされました。

法律上の親子ではないことを理由に、育児休業給付金が支給されないことを不服とした女性が、雇用保険審査官に審査請求をしましたが、審査官はこれを棄却したので、さらにこの決定を不服として、労働保険審査会に再審査請求をしました。

特別養子縁組のための試験養育期間中の里親に育児休業給付金が支給されないという処分は妥当なのか、ということが争点です。

育児休業中の人は、健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されています。(労使とも)
このケースでも認められています。
育児・介護休業法における配偶者には、事実婚の人も含まれています。
特別養子縁組では、試験養育期間はなくてはならないものですが、普通養子縁組ではとくに必要ありません。育児休業給付金の対象となるのが、法律上の親子に限られているならば、試験養育期間の必要ない普通養子縁組をした人は給付を受けることができ、特別養子縁組の人は給付を受けることができないということです。特別養子縁組は、親子関係を安定させるために試験期間を設けています。子供の真の利益・幸福のために作られた制度です。普通養子縁組は相続税逃れに悪用されたり、養子にした子供を働かせてお金を搾取したり、悪用された歴史がありますから。
試験養育期間中の里親が育児休業給付金が受給できないのであれば、真に子どもの利益となる制度を選んだ人が、社会保障の制限を受けることになってしまいます。

なので、職安所長の処分は妥当性を欠くとして取り消され、育児休業給付の業務取扱要綱には、「特別養子縁組の試験養育期間中の里親は、法律上の親子関係に基づく子に準じて取り扱う」という内容が追加されたそうです。

再審査代理人としてかかわった福島県の社会保険労務士・宍戸宏之さんの報告からでした。

同じ里親として、感無量の思いです。おおげさに思うかもしれませんが、お上にもの申すなんて、およそ日本人は苦手で考えもしないことだと思います。今まで多くの人があきらめていたと思います。却下されて、そうだよね無理だよね、とあきらめていたんだと思います。この里親さんの勇気ある行動が里親制度を大きく前進させたと思います。この勢いで養育里親も育休とれないかな

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高校生の子の入学式に親は出ないといけなかったのか‼

2014年05月09日 | 日記
4月の中頃、埼玉県の50代の女性教諭が、自分の息子(高校生)の入学式に出るために、勤務先の高校の入学式を休んだとかで、ずいぶんと物議を醸したそうですね。子どもの入学式に出席するのは当然、いや、職務をはたしていないなど賛成、反対半々で、やや賛成が優位なようです。ネット上の意見を見ていて、自分がすごく世間とズレていることに気づきました。しょうじーきな感想を言えば、「高校生の子の入学式って、行かんなんが‼?」です…私が高校生の時って、親はすこーししか来てなかったけど。今は行くのが普通なんや‼全然知らんかった。この議論の土俵にも挙げてもらえないかんじですが、あえて言いますとですね、親なんかいてもいなくてもどうでもいいけど、担任の先生がいないと、ちょっと具合悪くない?って思います。なにせ、高校生になったら入学式なんて行かなくていいと思ってますから。それにしても、世の中についていけてない自分に呆れたわ。こんなズレた人間に、仕事が来ないのも納得…してる場合じゃないですね!
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