一人勝ち

一人勝ち

欧州連合の主要メンバーであるドイツは今や一人勝ちである。
ギリシャ国債のあわやのデフォルト起因するユーロ不信はさらに広がり、
欧州連合の中でも規模が大きいスペインに飛び火し、イタリアにまで及んでいる。
更に近い将来にフランス国債も同類項になりそうな気配である。

その結果ユーロ不信が募り、ユーロ安が進んでいる。

一方欧州連合の中でドイツは健全な財政運用がなされており、
ドイツ経済はユーロ安の恩恵を受けて正に順風満帆である。
ユーロ通貨の提唱者の一国であるドイツの念願がかなったと言える。

このような事態を見て、ドイツが引き起こし、
もろくも失敗した第１次世界大戦・第２次世界大戦を思い出す。
軍事的な戦いで負けてしまったドイツは
今や欧州連合及びユーロと言う武器を手に入れた。
そして、その武器をもって、
ドイツ国民の夢であった新たな欧州征服を実現しつつある。

それに対して我が国はどうであろう。
一時アジアの主君ともてはやされた我が国は
隣国の中国にとって代わられ、影が薄くなってしまった。

更に韓国にも追い抜かれた。

我が国とドイツは一時同盟国であり、どちらも敗戦の結果となった。
敗戦の苦労は国土が二分されたドイツの方が大きかった。
しかし、今はどうか？

ドイツの一人勝ち
我が国の一人負け。

その両国の今の違いはどこに有るのであろうかと思ってしまう。