goo blog サービス終了のお知らせ 

高齢者になっても、ヒマ・ひま・暇やはり暇

高齢者「さいら」ブログ。リタイヤーから、晴れて高齢者の仲間入り。店名をマイナーチェンジ。内容は以前と同様雑他。

測量四方山話:特に剣山

2011年11月10日 | 外なる話題
測量四方山話:特に剣山

電子基準点(2011年11月10日)
電子基準点なるものがあることを昨日の夕方のテレビで知った。国土測量のために従来からの三角点、水準点に加えて、電子基準点があるとのことである。電子基準点要はGPSでその設置位置を常時測定すると言うことらしい。
これのメリットは今回の地震のように大きく国土が動いた時にはその威力を発揮するらしい。ほぼリアルタイムで国土の変動が読み取れるだけでなく、現地での大量の測量(それが実は大仕事である)をする必要もない。3月の地震で国土の変化を速報で報じられた。
しかし、なんでこれを「電子」基準点と言うのであろうか?率直に「GPS基準点」でも良さそうに思うが。
そして、GPSは国際的に一つのスタンダードであり、民生用として広く利用されていることは確かであるが、もともとGPSは米国の軍事用の測位衛星である。時には我が国周辺でその精度が落ちることもある。
中国・欧州等では自前の測位衛星を運用しようとしている。我が国も精度を格段にあげるため補完的衛星の運用があるが、しかしながら、それはGPSがあって初めての技術である。GPSの補完的技術である。ここでも、
お釈迦様の掌の上でうろうろする孫悟空のような米国と我が国との関係がよく分かる。この一文は「いささか、斜に構え過ぎた」ようだ。


剣岳測量物語(2011年11月13日)
少し前に、「電子基準点」の話をした。その時に国土の地図製作の上で、欠かすことが出来ない「三角点」に少し触れた。記事名の「剣岳測量物語」はNHKのシリーズ番組「日本の名峰」の一つである。明治40年に難攻不落の未踏とされていた剣岳に「三角点」を設置しようとしたときの記録的公文書「点の記」を追体験した番組である。ドキュメンタリ番組としてみると、思ったよりも昔の苦労の実感が沸いてこない。と言っても、未踏の剣岳の登山は大変であった。測量のための登山は単に「山登り」ではない。運搬の時にも慎重にしなければならない
当時の精密機器である測量機器の運搬、重さ約60キロほどもある三角点の標識の運搬、遠くから観測出来るようにその三角点に設置する櫓の長い・多くの木材の運搬、それらを考えるとその大変さがよく分かる。今は基準点に関することは国土地理院の仕事であるが、当時は陸軍の陸地測量部の仕事であった。軍の権威のための業務であったと思われる。幕府の権威での日本全国の測量を行った伊能忠敬を思い出す。
それにしても、軍から国土地理院に敗戦後の軍部が混乱している中で業務移管が行われたにもかかわらず、その全国の記録「点の記」が残されているのは驚く。
日本の名峰 剱岳測量物語 ~明治40年“点の記”~ [DVD]
クリエーター情報なし
NHKエンタープライズ



剣岳 点の記(2011年11月14日)
昨日記事にした剣岳の測量隊の話は
「剣岳 点の記」として新田次郎の小説になっている。さらにまた、その小説は映画化もされている。
そして、その映画は第33回日本アカデミー賞で数々の受賞に輝いた。
そのDVDを見た。当然のことながらNHKの追体験よりも演じているのがプロの役者であること。この方がドラマ仕立てであること。その時の時代の装備等が分かること。等々の点で、このDVDの測量隊の苦労は感動的である。
小説では山岳会とこの測量隊との間での剣岳の初登頂争いが描かれている。剣岳は当時すでに数少ない未踏の山であるが我が国の山岳地帯であるアルプス周辺を正確に地図化するには剣岳の測量が欠かせないことがよく分かる。山岳会と測量隊とでは目的も異なるが、その装備も随分と異なるようである。測量隊の方が軍に所属するにも拘らず、その装備が貧弱であるように見受けられた。当時既に、軍では「竹槍戦法」と言うか、「精神主義」がベースであったのかと思ってしまう。
その初登頂争いでは測量隊が勝利するのであるが、頂上で測量隊は大変なものを発見する。「錫杖と鉄剣」を見つけるのである。それらは古代のものであり、行者が既に昔々に登頂したことを示すものであった。その意味で初登頂の栄誉はなくなるのであるが、我が国国土の地図製作のための測量と言う本来の目的を達成したこと意義は何ら薄れることはない。
今では、五万分の一の地図を当然のこととして目にし、利用するが、そこには、この測量隊のように大きな苦労があったこと、そして、この測量隊の物語はそのほんの一端であることを時には思い起こす必要があると思った。
劒岳―点の記 (文春文庫 (に1-34))
新田 次郎
文藝春秋





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。